本日ご紹介するのは、出雲隧道と一雨の水路隧道のちょうど間あたり、朝のうちに訪ねたネタ。
まずはコチラ。
ここは和歌山県道38号すさみ古座線・古座川町の宇津木地内。
目前にあるのは、
宇津木隧道。
昭和48年建造のトンネルで、延長は96mである。
で、今から向かうのはもちろん、
こっち。
隧道脇に伸びる、あからさまな旧道の方であります。いつだってそそるな旧道ってやつは。
たかだか96mの隧道の旧道、
距離は知れているはずだ。
上の写真の最初のカーブを曲がるとすぐ、
旧道は古座川の断崖へと躍り出る。
穏やかなイントロから、ちょっとたじろぐほどに切り立った断崖への即時転換が鮮やか。
掘割で
もっとも険しい巖嶺を克服して、まわりこむ。
ちょうどそこには、
路面を叩き割った木の根が。
旧道落ちして久しいため、こういうこともあるよなあ。てか、なんでこの道、廃道になってないんだろうか?
…とか思っていた、まさにその矢先、
「その理由」が現れた。
鳥居の登場。
鳥居は古座川に向かって建っており前には絶壁が落ちているのみ…
ではない、実は。
刻まれた文字を見ると
「昭和十三年七月」。
もう一方の柱には、
「古座川木材業組合」の文字。
おお、とこれは腑に落ちた。古座川でも上流域で伐り出した木材の筏流しを行っていたはず。この無社殿の神社は、筏流しを含む林業関係者の信仰を集めていて、ここで作業の無事を願っていたのだろう…
で、この鳥居の正面に何があるかといえば、
あー、わかりにくいな(笑)。
島(…というか巨大な岩というか)が、川の中に浮かんでいた。
目を凝らすと、人工物らしきものも見える。きっとこの岩自体がご神体ということなんだろう。
調べてみたら、この岩は「河内様(こうちさま)」と呼ばれ、この河内様のまわりを鯨舟で御舟謡(みふねうた)を謡いながら回る「御舟行事」は、国指定の重要無形民俗文化財に指定されているんだとか。
この御舟行事をメインとする神事「古座川河内祭り」が、毎年7月第4週の土日に行われているそう、そういえば以前にテレビで見たことあるような気がしてきた。
よってこの旧道は、河内様に続く大事な道。
そりゃあ廃道にはならんですわ。
短いながらも味のあるこの旧道、
この鳥居から程なく、北側の合流点となる。
合流点付近から見る、「河内様」。
うむ、いかにも信仰を集めそうな感じ(笑)。
こんだけの規模なんだから、ここみたいに橋を架けてほしいな~(笑)。不謹慎か(爆)。
現道復帰して、振り返り。
この旧道分岐の光景は、我が経験値で考えてもナカナカの「煽情力」を備えとりますわ。
かな~り、そそる!
短いけど、楽しめた~。
帰りは、
隧道抜けて戻りました~。
以上、完結。