和歌山県道38号すさみ古座線・宇津木隧道旧道 (和歌山県東牟婁郡古座川町宇津木) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
2015年12月27日、南紀徘徊2日目。この日のネタで記事にしているのは、出雲隧道一雨の水路隧道中村の吊り橋
 
本日ご紹介するのは、出雲隧道と一雨の水路隧道のちょうど間あたり、朝のうちに訪ねたネタ。
 
 
まずはコチラ。
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ここは和歌山県道38号すさみ古座線・古座川町の宇津木地内。
 
 
 
 
目前にあるのは、
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宇津木隧道。
 
昭和48年建造のトンネルで、延長は96mである。
 
 
 
 
で、今から向かうのはもちろん、
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こっち。
 
隧道脇に伸びる、あからさまな旧道の方であります。いつだってそそるな旧道ってやつは。
 
 
 
たかだか96mの隧道の旧道、
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距離は知れているはずだ。
 
 
 
 
上の写真の最初のカーブを曲がるとすぐ、
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旧道は古座川の断崖へと躍り出る。
 
穏やかなイントロから、ちょっとたじろぐほどに切り立った断崖への即時転換が鮮やか。
 
 
 
 
掘割で
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もっとも険しい巖嶺を克服して、まわりこむ。
 
 
 
 
ちょうどそこには、
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路面を叩き割った木の根が。
 
旧道落ちして久しいため、こういうこともあるよなあ。てか、なんでこの道、廃道になってないんだろうか?
 
 
 
…とか思っていた、まさにその矢先、
 
 
 
「その理由」が現れた。
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鳥居の登場。
 
鳥居は古座川に向かって建っており前には絶壁が落ちているのみ…
 
 
ではない、実は。
 
 
 
刻まれた文字を見ると
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「昭和十三年七月」。
 
 
 
 
もう一方の柱には、
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「古座川木材業組合」の文字。
 
おお、とこれは腑に落ちた。古座川でも上流域で伐り出した木材の筏流しを行っていたはず。この無社殿の神社は、筏流しを含む林業関係者の信仰を集めていて、ここで作業の無事を願っていたのだろう…
 
 
 
で、この鳥居の正面に何があるかといえば、
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あー、わかりにくいな(笑)。
 
 
島(…というか巨大な岩というか)が、川の中に浮かんでいた。
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目を凝らすと、人工物らしきものも見える。きっとこの岩自体がご神体ということなんだろう。
 
調べてみたら、この岩は「河内様(こうちさま)」と呼ばれ、この河内様のまわりを鯨舟で御舟謡(みふねうた)を謡いながら回る「御舟行事」は、国指定の重要無形民俗文化財に指定されているんだとか。
 
この御舟行事をメインとする神事「古座川河内祭り」が、毎年7月第4週の土日に行われているそう、そういえば以前にテレビで見たことあるような気がしてきた
 
 
 
よってこの旧道は、河内様に続く大事な道。

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そりゃあ廃道にはならんですわ。
 
 
 
 
短いながらも味のあるこの旧道、
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この鳥居から程なく、北側の合流点となる。
 
 
 
 
合流点付近から見る、「河内様」。
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うむ、いかにも信仰を集めそうな感じ(笑)。
 
こんだけの規模なんだから、ここみたいに橋を架けてほしいな~(笑)。不謹慎か(爆)。
 
 
 
現道復帰して、振り返り。
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この旧道分岐の光景は、我が経験値で考えてもナカナカの「煽情力」を備えとりますわ。
 
かな~り、そそる!
 
短いけど、楽しめた~。
 
 
 
 
帰りは、
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隧道抜けて戻りました~。
 
 
 
以上、完結。