2017年5月6日、深遠なる紀伊半島彷徨3日目最終日。この日のネタで記事にしているのは、朝イチのメインターゲット、林道白川又線および白川又隧道、その後行者還トンネル、夕方の庚申堂橋(仮)、京都r62木屋峠。
今宵ご紹介するのは、午後に発見、急停止(笑)した物件。
まずは、急停止直後の写真から。
真ん中に見えるささやかな小道。え?見えない?(笑)
奥から手前に向けて走ってきたのだが、その小道が長谷川を渡るところ、そこになんかエエもんが見えたぞ?
それは、
ささやかな木橋。
こんなもん、どこにでも転がってるんじゃないの?と思われた方、それは半分正しく、半分間違っている。まあその辺はもう少し後で…。
ここまでの写真と対岸の様子で、これが人道、それも遊歩道的なものでなく古くから生活の道として踏まれたものであろうことがうかがえた。
さらっと木橋と書いたが、
釘以外はマジで完全木製。それもかなり年季が入っている。
腐朽しやすい木橋の宿命からして、橋自体はめちゃくちゃ古いものでもないだろうが、それでも数十年は経過してそうだった。いいなあ、この味わい。
足裏に伝わってくる感触も、
どこか柔らかくて、気持ちいいような不安なような(笑)。
一応釘の上を歩いたけど(笑)。
で、渡った先の道は、
川に沿って続いていた。
さっき車で走ってきた時に、対岸に家屋が見えていた。そこに住む方が使われている、半ば私道に近い道なのだろう。なので、これ以上は進まなかった。いいなあ、こんな道を日常的に歩けるなんて。
で、橋を振り返り。
どうでしょう?あえてまだ何も言いませんぞ(笑)。
先に注目していただきたいのが、
苔むした、古びた石積み橋台。
先述のように橋は何度か架け換えられているのだろうが、かなり昔からここには橋が架けられていたのであろうことをうかがわせるものだった。
さて、橋属性の方にはもうお気づきだろう、急停止したその理由は、
方杖橋だったから。
川床に橋脚を立てず、両岸からの斜材で桁を支える方杖橋。木橋自体は今も時に目にすることがあるが、木製の方杖橋は今や希少。ましてやこんなに状態のいいものは、久しく見ていない。以前記事にした屋根付き木製方杖橋・田丸橋以来かも。
数ある橋の中でも、最も下から鑑賞してナンボ、な型式…は言いすぎか?
つうわけで、当然ながら
舐めるよーに(笑)。
このシンプルながらも理にかなった構造美、シビレますな~(死語)。
使用されている図太い丸太が、迫力ある~。
石積み橋台は見たとこ空積みのようで、
そこに(パッと見には)無造作に斜材をあてがってある。
これでしっかりと支えられてるとか、凄いなあ…。
数人で頑張れば、
似たものが架けられるんじゃないかと思えるような(あ、橋台は無理っす・笑)シンプルな作り。これの30分の1スケールくらいでモデルキットがあったら作ってみたい(爆)。
これは上流側(北側)より。
極限まで贅肉を削ぎ落としたソリッドな姿が、実に美しい!
そしてこれは下流側(南側)より。
美しい橋と素晴らしいロケーション。これは良かった。マジで良かった。
ある意味、この日最高の発見だったかも。
堪能した。
幸せ気分で、
現世へ復帰。
最後に。
コレが、最初のチラ見えに近いアングル。
運転席側からだったんで、見えたのはもっと断片的だったけど、ピーンとくるには充分だった。幸せな出会いに感謝!
以上、完結。