皆さま
転生にまつわるよくある質問は、次に生まれ変わる人生の環境・状況がどのように決定されるのかという問題です。
これはいわゆるカルマ(業)によって運命づけられるのか、あるいは神によって定められるのか、それとも、単にランダムで、偶然の問題なのでしょうか?
転生型事例の研究では、前世の記憶をもっている子どもたちの事例が2500 件以上集まっています。このうち、約1700 件については、子供に関する情報や子供から与えられた情報から子供の前世の身元が判明し、前世人格に関する記録や目撃者の記憶によって確認されています。
転生型事例のサンプルでは、およそ23% が中間生(intermission) を覚えているとされます。
今回は、中間生の記憶をもっている子供たちが、どのようにして「来世」を選んだのかについて検討してまいります。
かなりの長文となりますが、よろしくお付き合いくださいませ。
参考情報源
Wehrstein, KM (2022). ‘Choice in Reincarnation’. Psi Encyclopedia. London: The Society for Psychical Research. <https://psi-encyclopedia.spr.ac.uk/articles/choice-reincarnation>.
選択に関する信念は 大きく3つのカテゴリに分類されます。
1.個人の自由選択:アニミズム信仰を持つ部族文化、先進国ではニューエイジ(日本ではスピリチュアル)
2.カルマの法則:ヒンドゥー教、仏教、神智学などによって説かれている「自然の法則」または神々の審判と命令
3.ランダム、偶然による
ここで、ニューエイジ(スピリチュアル)で想定する「選択」には、以下のような言説が含まれます。
1.重要な出来事を含む「人生の計画」:その人生で何が起こるかを「予知」しており、その人生の目的は通常、ある種の「真実」を学ぶこと
2.魂の契約:転生した人間を特定の「使命」に結びつける契約
3.ソウルグループ(霊団):魂が連続的な生を共に生きるよう永続的に割り当てられ、互いに相談しながら人生を計画する
4.ソウルメイトまたはツインフレーム:連続的な生で永続的に結ばれた魂のペア
転生型事例のデータから言えること
選択に関する大規模な統計分析はまだ行われていません。
輪廻転生研究者の大門正幸氏と医師の池川明氏は、2014年に共著で、中間生の体験を思い出したと主張する21人の子どものサンプルを用いて、親子の中間生の体験について調査しています。
その結果、21人のうち17人は両親を選んだと答えました。9人は母親を選び、8人は母親と父親の両方を選んだと答え、さらにこの8人のうち、4人は母親を先に選び、4人は両親が同時に選んだと答えました。
13人が生まれることを決めた理由を覚えていると述べました。理由は次のとおりです。
・母親に会ったり助けたりするため(3人)
・他の人々を助けるため(5人)
・以前の生活よりも幸せになるため(2人)
・人生を楽しむため(3人)。
なお、1人の子供は、現在の生活で何を見つけるために生まれたかを忘れてしまったため、なぜ生まれたかを覚えていないと述べました。
21人のうち3人が、生まれる前の両親の記憶と一致する発言をしました。
そのうちの1人、当時5歳か6歳の女子は、母親に言いました。「ママが若かった頃、私はよくあなたのところに来ていた。」 この発言は、彼女の母親が結婚する前の経験と一致しています。母親は、しばしば小さな子供(または子供のような存在)が彼女を見ているのを感じ、彼女の周りで忙しく動いているのを感じていました。
5歳の時に中間生の記憶について話し始めた2人目の子供は、母親に言いました。「ママを見た。素敵な白いドレスを着ていた。犬を抱いていた。」 母親は実際に結婚式のドレスを着て犬を抱いていました。結婚式の後、彼女は犬が彼女の帰りを待っていた部屋に入りました。彼女はこの経験を明確に覚えています。なぜなら、結婚式のドレスを着て犬を抱くのは普通ではないからです。
6歳の時に、4階建ての建物が山に囲まれている絵を描いた3人目の子供は、「ここがあなたが住んでいた場所だよ。そこであなたを見た。」と言いました。彼女の母親は驚きました。なぜなら、子供の頃、彼女は周囲の山々が見える4階建ての建物に住んでいたからです。
この研究で調査された子供たちの物語を信憑性を与えるのは、ジェームズ・レイニンガーの事例として知られているアメリカのケースです。
ジェームズ・ライニンガーは、米国ルイジアナ州に住むプロテスタントの夫婦、ブルース・ライニンガーとアンドレア・ライニンガーの息子です。
2歳のときから、彼は第二次世界大戦中に硫黄島作戦で戦死したアメリカ人パイロットの人生を思い出していることを示唆するような発言や行動を示し、この前世人格はジェームズ・M・ヒューストン・ジュニアであると特定されています。
彼は、これらの日本の子供たちがした発言に類似した発言をしました。
4歳のジェームズを抱きしめて喜んでいた父親のブルースに、ジェームズは「だからぼくはあなたを選んだんだよ。あなたがいいパパだとわかっていたから」と言いました。
当惑したブルースは、「何を言ったの?」と尋ねました。
ジェームズは、「あなたとママを見つけたとき、あなたが私にとって良い人だとわかっていた。」と答えました。
ブルースは、「どこで私たちを見つけたの?」と尋ねました。
ジェームズは、「ハワイ。ぼくたちが皆でハワイに行ったときではなく、ママとあなただけでした。大きなピンクのホテルであなたを見つけたんだよ。」と答えました。
事実、ブルースと彼の妻は、息子のジェームズが生まれる前にハワイのピンク色のホテルに滞在していました。
――――――
現時点で分かっていることをまとめておきます。
この分野の先駆者である イアン・スティーブンソンをはじめとする転生型事例の研究者たちは、自由選択が優勢であり、場合によっては霊的存在によって選択が支援されることを見いだしています。
まれに、選択が強制されたり、場合によっては禁止されたりすることもあります。
多くの人はカルマの概念を輪廻転生の概念と切り離せないものと考えていますが、イスラム教シーア派の輪廻転生を説く一派であるドゥルーズ派や世界中の部族文化を含む多くの文化の輪廻信仰にはカルマは含まれていません。
スティーブンソンはカルマを支持するデータがほとんど存在しないことに気づき、次のように述べています。
「私が調査した事例では、ある人生における道徳的行為が別の人生の外部環境に影響を与えるという証拠はほとんど見つからなかった。関係する家族間の社会経済的地位に顕著な差があるという特徴を含む事例を検討してみると、前世で悪徳な者が貧しい家に生まれ、善良な者が裕福な家に生まれるというパターンは見当たらない。」
スティーブンソンの研究を引き継いだマトロックはこう付け加えています。
「法的なカルマが機能するためには、肉体を持った行為者(選択的転生の場合)または非人間的な霊(転生補助の場合)の決定がカルマの法則によって制約される必要があるが、それを示唆するものは何もない。」
少なくともカルマの法則が働いているとするならば、子供たちは、現世で自分が受けている不利益は、前世での行動によって引き起こされたのではないかと述べるはずです。
それに、転生型事例の子供たちは、魂の契約、ソウルグループ、ソウルメイト、またはツインフレームについて言及したことは確認されていません。
計画された転生
自由選択説については、子供が覚えている前世人格が、子供の現世の状況に生まれ変わる希望または意図を宣言することから支持されます。
ただし、これにはニューエイジ系の言説で特徴的な「人生の計画」についての詳細は語られていません。
マルタ・ロレンツの事例……ブラジルのマルタ・ロレンツは、1890年頃に生まれた、シンハという女性の人生を思い出しました。シンハは父親に二度結婚を阻止され、結核を患い自殺した。親友アイダ・ロレンツによると、マルタは死の床で次のように述べたという。
生まれ変わって、あなたの娘となる小さな女の子の体の中での再生の神秘について話せる年齢になったら、私は今の人生の多くのことを話すでしょう、そうすればあなたは真実を認識するでしょう。
シンハは 1917 年 10 月に 28 歳で亡くなりました。アイダの娘マルタは 1918 年 8 月 14 日に生まれ、シンハとしての前世について多くの正確な発言をしました。
ウィリアム・ジョージ・ジュニアの事例……これは祖父だった人格が孫として生まれ変わった同族転生の事例に該当するものです。同じ一族の子孫として転生してくる事例は珍しくはありません。
彼は生前、息子のレジナルドとレジナルドの妻に何度もこう言いました。
「私はあなたの息子として戻ってくる。そして、その子には私が今持っているようなホクロがあるだろうから、あなたはすぐに私の生まれ変わりだと分かるだろう 」
と彼の左腕と肩にある3つの大きなホクロを指さしたのです。
60歳のとき、彼は母親から贈られた金の時計をレジナルドに手渡し、「この時計は私のためにとっておいて」と言いました。数週間後、彼は漁船から転落し、遺体は回収されませんでした。
約9か月後、レジナルドの妻は義父とまったく同じ場所に3つのほくろを持つ子供を出産しました。
彼はウィリアム・ジョージ・ジュニアと名付けられました。彼は成長するにつれて、母親が宝石箱から時計を取り出したときにそれを認識し、一貫してそれを「私の時計」と呼んだのです。
ウィジェラトネ・ハミの事例……このスリランカ人の少年には、父親の弟であるラトラン・ハミが、自分を刺激したとして婚約者を殺害し、1928年7月に絞首刑に処せられたという記憶がありました。
処刑の直前に、彼は弟のティレラトネ・ハミに、自分はティラトネの息子=甥として生まれ変わると語りました。
それから約20年後の1947年1月17日、ティレラトネの妻はウィジェラトネを出産しました。幼い頃、彼は殺人や絞首刑の詳細を含むラトラン・ハミの生涯にまつわる多くの事実を覚えていました。
国際的な転生事例
転生型事例の研究者らは、ほとんどの生まれ変わり事例は同じ国、コミュニティ、そして多くの場合家族内で、通常は最大半径 25 キロメートル以内で起こることを見いだしています。このデータは、生まれ変わりはランダムな割り当てになるという仮定と矛盾しています。
マトロックによれば、国際的な事例(死亡した場所とは異なる国に転生する事例)を分析したところ、前世人格が特定された事例はわずか 14 件でした。彼は、非肉体な存在は国境を越えて(時には長距離を移動して)生まれ変わる何らかの特別な動機があるに違いないと仮説を立てています。
・元の家族、友人、同胞のもとに戻る(4件)
・祖国に帰る(4件)
・仏教を広める(3件)
・祖国を離れる(2件)
・動機不明(0件)
最初の動機は、人々が知り合いの家族として戻りたいという傾向と一致しています。
残りの 2 件には、異国の地で戦死して帰国した兵士が含まれており、そのうちの 1 件はジェームス・ライニンガーです。
仏教の布教活動を動機とした3件の事例はいずれも西洋に転生したチベットの僧たちです。
祖国を離れた事例とは、どちらもホロコーストで亡くなった後、ドイツやその周囲から転生したものです。これらは、ホロコーストの犠牲者と加害者の両方がドイツとドイツが占領した土地から離れて生まれ変わるという傾向を表しています。
自殺事例
スティーブンソンが調査した9件の自殺事例の分析を通して、2つの顕著な特徴が見いだされています。つまり、中間生の長さが通常よりも短く、同族に転生する傾向が強いことです。
これについては過去記事で述べています。
双生児の事例
前世の記憶を持つ双子の 42 例の分析を行ってみると、双子の前世の 86% が、兄弟 (双子を含む)、他のタイプの親類、夫婦、友人、知人、ビジネスパートナーなど、さまざまなタイプの親密な関係が確認されてます。
予告夢
母親になる人が、亡くなった人が特定の親の子供として生まれ変わる意図を告げる夢を見る「予告夢」は、転生型事例によく見られる特徴です。これも前世人格が自由意志によって次の人生を決めている証拠となります。
これについては過去記事を参照してください。
選択を支援する存在
場合によっては、転生者は、一般的に現世の信念体系に沿って、霊的存在によって選択を支援される場合があります。つまり、キリスト教徒として育てられた子供たちは神やイエスについて言及し、ヒンドゥー教徒として育てられた子供たちはヒンドゥーの神について言及します。
オランダ人少年キース(仮名)が思い出した中間生の記憶では「天使」と次のようなやりとりがあったといいます。
彼は、それが自分の利益になると説得しようとした天使たちに抵抗しました。彼らは、彼が「再び仕事に取りかかる時期」が来たので、愛を込めて彼を地上へ押し戻しました。天使たちは彼に、「あなたが地上に行くとき、あなたには助手が同行するでしょう」と言いました。地上への帰還後は保護されることになるだろうと。「大きな光」は彼に、「良い人生を歩むのは自分自身の責任だ」と言いました。
1921年生まれのビルマ(現ミャンマー)の仏教僧侶、サヤドー・ウ・ソバナは、中間生に、在家の信者のような服装をした白い服を着た老人が、最初にある家に案内してくれたが、その後気が変わって、 「あなたはここにいなければなりません」と言って彼を別の場所に連れて行きました。しかし、彼は束縛や負担を感じず安心していました。そこはもうすぐ両親となる彼の家でした。
強制または禁止された選択
非常にまれに、霊的存在による命令が個人の選択を無効にすることがあります。
第二次世界大戦の終戦直後に生まれた、金髪、青灰色の目、白い肌を持つビルマ人の少女マ・パーは、イギリスの航空兵(男性)だったが、自分が生まれることになる村の近くに飛行機が墜落して死亡したことを思い出しました。
彼女は、中間生でイギリスの家族のもとに戻ったが、「死の王」がそこにとどまることを禁じ、ミャンマーに送り返したことを思い出したのです。二度目にイギリスに行こうとした後、再びミャンマーに引き戻され、マー・パーさんが言われたことを覚えていない理由で「生まれ変わるよう命じられた」といいます。
選択の動機
つぎに、生まれ変わる先を決定づける要因について見ていきましょう。
1.愛着
自由選択における最も強い動機は他者への愛着であり、情緒的なつながりであると考えられます。同族転生の事例はこれを裏付けるものと言えるでしょう。
また、双子の生まれ変わりの事例では死を共有することが絆の経験であり、強い愛着を生み出すことを示唆しています。双子の事例には、暴力によって同時に亡くなった記憶をもっていること多いことが見いだされています。
一方、嫌悪感は負の愛着と見なすこともできます。
1948年生まれのレバノン人のズヘイル・チャールの場合、彼の前世人格であるジャミル・アドナン・ザールの家族の農場は別の家族の農場に隣接しており、灌漑用水の供給は共有されていました。
他の家族の娘サミヤは、ザールが家族への灌漑が終わる前にいつも自分たちの畑に水を向けていたため、ザールは激怒しました。
彼は彼女のことが大嫌いで二度と会いたくないと話したと伝えられています。
それにも関わらず、死後、彼はサミヤを母親として生まれ変わってきました。彼は自分の前世について多くの発言をするとともに、幼い頃から母親が「水を盗んだ」ことを非難し始め、それは10歳になるまで続きました。
2.地理的な近接性
スティーブンソンは、転生の選択が地理的な近さによって決定されると思われる 2 つのタイプを見いだしています。
(1)人々が前世で住んでいた場所から遠く離れて生まれ変わるが、死んだ場所の近くに生まれ変わるというケース。
(2)母親になる人物が、前世人格が死んだ場所に近づいた後に彼女の元に生まれ変わるケース。
第1のタイプには、第二次世界大戦中の日本の占領下にミャンマーで死亡し、その後ミャンマーで生まれ変わった日本兵のケースがあります。生まれ変わった子どもたちは、母国語を学ぶ前は理解できない言語を話し、ミャンマー料理よりも日本風の食べ物を好み、暑さに悩まされ、日本のあらゆるものに憧れ、さらには他の人よりも日本人に見える傾向さえありました。
この事例の場合、自分たちの手榴弾の爆発によって死亡したという記憶がありました。この爆発が起こったとき、彼らは日本にいる年老いた母親のことを思い出し、死に際に母親に助けを求めさえしました。そして、彼らは死の直後、日本にいることに気づき、そこで母親を見ました。しかし、彼らは彼女とコミュニケーションを取ることができず、母親も彼らの姿を見ることができませんでした。彼らは悲しくてイライラしていました。彼らはその後自分たちに何が起こったのか覚えていなかったのですが、3歳くらいになると「まるで夢から覚めたかのように前世のことを思い出し始めた」といいます。
このタイプの事例では突然の死によるトラウマが何らかの形で混乱を生じさせ、人生選択の制御や意図の喪失を引き起こすのではないかと考えられます。
第2のタイプの例は、ビルマの町タルンで生まれたマウン・ウィン・アイの事例です。彼女は、故郷のタットコンからマンダレーまで列車で旅行していたが、治療のためタルンで降ろされて亡くなった女性の人生を思い出しました。
マウン・ウィン・アイの来世の母親は、突然亡くなった見知らぬ人を見に行き、葬儀の準備を手伝った地元住民の中にいました。その後すぐに彼女はマウン・ウィン・アイを妊娠したのです。
3.親になる人物の良い性格
場合によっては、子供が性格の良さそうな親を選んだことを覚えていると主張することもあります。先に紹介したアメリカ人のジェームズ・ライニンガーの事例がこれに該当します。
何が選択できるのか?
場所や家族と同様に、性別やその他の身体的側面を含む、来世のさまざまな側面が選択される可能性があるようです。
1.そもそも生まれ変わることを選ぶ
私たちに転生するかどうかの選択肢があるかどうかを判断するのが難しいのは、仮に転生しないことを選択した人がいたとしても何故そうしたのかを訊くことができない点です。しかし、生まれ変わってきた人は、その理由づけを知ることができます。
1920年代の有名なインドの事例、シャンティ・デヴィは、彼女が転生したのは、それに執着する極端な傾向のせいだと語りました。
彼女は次のように述べています。
「私は十分に空っぽではありませんでした…私には非常に多くの欲望と憧れがありました…私は再び女性になり、一人の人間になり、母親になり、妻になりたいという憧れを抱いていました。」
彼女はまた、「もし私が戻ってくることをそれほど切望していなかったら、私は再び転生する必要はなく、ブラフマーと永遠の命に再会できたでしょう。」とも述べています。
2.性別
スティーブンソンによれば、性転換事例(異性に生まれ変わる事例)の発生率には文化的なばらつきが大きく、0%の文化もあれば、ブラジルの 28%、ミャンマーの 33%、西アフリカの 50% まで及ぶと指摘しています。
3.身体的特徴
ブルース・ペック(仮名)は、カナダのブリティッシュコロンビア州クイーンシャーロット諸島に住んでいた、輪廻転生の強い伝統を持つ部族であるハイダ先住民の一員でした。
彼は 1949 年に右腕が短く、未発達の指を持って生まれましたが、後に外科的に除去されました。彼は前世の記憶に基づく発言をしていなかっのですが、有名な漁師である父方の祖父リチャード・ペックの生まれ変わりであると考えられていました。
なぜなら、リチャードは「次の人生は片手だけで生きたい」と繰り返し語っていたからです。この発言は少なくとも3人が知っていており、時には前腕の手首より上を切り落とす身振り真似も伴っていました。
リチャードはボートから転落し、事故により溺死しました。孫として戻ってきたことを示す行動には、幼少期に水に対する顕著な恐怖症が含まれており、ブルースは22歳になるまで泳ぎ方を学ぶことができませんでした。
4.選択に対する親の影響
これまでに述べてきたように、生まれ変わりは通常、子供の自由選択であると思われますが、研究データによると、父親も母親もこの件についてあまり発言権がないようです。
中間生のことを覚えている子供たちは、母親の体に自由に移動することについて話す傾向があります。同様に、夢を告げるのも、親に願い出るのではなく、生まれたいという意思を本人が告げることからそう呼ばれます。
――――
以上のように、転生型事例の研究はどのような人生を選ぶかは本人の自由意志によって決まることが多く、そこにはカルマの法則が介在することや、ニューエイジ&スピリチュアルにおいて主張されているような人生の計画、永遠に共に生まれかわり続ける魂の存在についての言及はほとんど認められないという結果を示しています。
しかし、生まれかわりのパターンには文化や地域による違いがあるものの、どのような要因が次の世=来世を決定づけているのかがおぼろげながら見えてきているようにも思います。
このブログでは引き続き転生型事例に関する新しい知見、魂のライフサイクルに関する色々な言説を取り上げてまいります。
参考文献
Ohkado,M.& Ikegawa,A. 2014 Children with Life-between-Life Memories Journal of Scientific Exploration, Vol. 28, No. 3, pp. 477–490.
Tucker, J.B. 2016 The case of James Leininger: An American case of the reincarnation type. Explore 12, 200-207.
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