皆さまこんばんは🌙

PS-Customizeの渡邊です。


先日出品したBD-410機リファ機はお客さまのもとへ嫁ぎました(笑)

本日、新たに1台出品いたしましたので、お探しの方は是非!✨


・オーバーホール

・CELL/RSXプロードライザの交換

・CELL/RSXの殻割り

・CELL/RSX VDDC低電圧化

・カスタムファンテーブルVer.6

など一通り行いました!


商品ページには以下からアクセスできますので、よろしければご覧ください♪


☆FW 3.41 ローファーム機(公式整備基板搭載)

19,000円〜


ご覧くださいまして、ありがとうございました✨



2025.8.1 作成

皆さまこんにちは☀️

PS-Customizeの渡邊です。


先日、作業を終えた修理依頼品のご紹介です!

今回の機体は、PS3のリファレンスツール(DECR-1400A)です。


天板にTOOLの文字が印刷されています。

ちなみに、デバッグステーションはTESTの文字が印刷されています。


メイン基板ユニット裏側はこのような感じ👇

CMOSバッテリーはソケット式に変更されており、ファンはNIDEC D14F-12BS1 01H1ですが、封止シールの種類が若干違います。


基板は、DEB-001が採用されています。

DEB-001はPS1,2をサポートしていないので、実装パーツも少なく、配線もスッキリしています。


XDR DRAMは両面に実装されていますね〜


電源ユニットはCECHGなどに採用されているAPS-231です。CECHAやBに採用されているAPS-226ZSSR539IAより許容電力が少ない(399W→285W)のが特徴です。


USBポート実装側のフラックスは大変綺麗に塗布されています。


プロードライザは、CELL側がNEC/TOKIN 0E128、RSX側はケミコン WR 2R0 102ですね〜

CELL側のVRMとLCフィルタにはサーマルパッドが貼付されていますが、RSX側にはありません。


CELLとRSXは65nmプロセスのものが採用されています。


プロードライザの劣化によるYLODが発生しているため、代替コンデンサに交換します!

CELL側は、Panasonic POSCAP 2R5TPE470M7

RSX側は、Panasonic SP-Cap EEF-KX0E471RB


筐体は洗浄しました!


BDドライブはこんな感じで接続されています。

CECHL00で採用されている24p SATA接続ですね〜


洗浄および清掃が終わったら組み立てて...


完成です✨


作業のご紹介は以上になります!

ご覧くださいまして、ありがとうございました✨



2025.7.26 作成

皆さまこんばんは🌙

PS-Customizeの渡邊です。


昨日から本日にかけて、新たに3台出品いたしました!


全ての機体で、

・オーバーホール

・CELL/RSXプロードライザの交換

・CELL/RSXの殻割り

・CELL/RSX VDDC低電圧化

・カスタムファンテーブルVer.6

など一通り行いました!


今回出品した3台は、全てレアな機体で...

・BD410&65nm RSX リファービッシュ機

・FW 2.60 ローファーム機

・BD-410ドライブ搭載機

でございます✨


商品ページには以下からアクセスできますので、よろしければご覧ください♪


☆BD-410搭載機

24,000円〜


☆BD-410&65nm RSXリファービッシュ機

58,000円〜


☆FW 2.60 ローファーム機

25,000円〜



メンテナンス品をお探しのかたは是非ともご検討ください!


ご覧くださいまして、ありがとうございました✨



2025.7.20 作成

皆さまこんばんは🌙

PS-Customizeの渡邊です。

夜も更けてまいりましたね...💤


昨日は午前中から吉満さんとお電話しており...謎の用語(笑)がたくさん生まれましたw

ちょっくりー、おんじー、ごみたん...etc.


...という話は置いておいて、

先ほど、本日製作したCECHA00のメンテナンス機2台を出品いたしました!


・オーバーホール

・CELL/RSXプロードライザの交換

・CELL/RSXの殻割り

・CELL/RSX VDDC低電圧化

・カスタムファンテーブルVer.6

など一通り行いました!

双方に大きな違いはございませんが、HDDの容量とプロードライザの代替コンデンサのみ変更しております。


商品ページには以下からアクセスできますので、よろしければご覧ください♪


☆HDD 320GB、Panasonic製SP-Cap版

23,000円〜


代替コンデンサには、安定のPanasonic製SP-Capを採用しました。

becount(総稼動時間)は23日程度ですので、状態は良好です!

HDDも320GBに換装しました。



☆HDD 60GB、タンタルコンデンサ版

18,000円〜


becount(総稼動時間)は72日で、多くはないですね〜

プロードライザの代替にはタンタルコンデンサを使用しましたが、静電容量やESRを計測して、問題ないものを実装しております。

タンタルコンデンサでメンテナンス品を製作するのは、これが最初で最後かもしれませんよ...?笑



どちらも本体だけなので、ちょっと攻めすぎた価格かなぁと思いつつ...

メンテナンス内容はかなり贅沢で、4万円越えコースですから、本音を言えば1.5〜2倍の価格で出したいですね笑(流石に誰も買わないと思いますが笑)


バンプゲート対策をしっかり行っているのは我々(PS-CustomizeとPLAYSTATION.FACTORY)だけかと思います。

自信を持ってお勧めできる機体ですので、是非ともご検討ください!



ご覧くださいまして、ありがとうございました✨



2025.7.15 作成

皆さまこんばんは🌙

PS-Customizeの渡邊です。


早速ですが、カスタムファンテーブルをアップデートしましたので、お知らせします!

Ver.5Ver.6となりましたが、さらに動作温度を下げることができました❄️


*カスタムファンテーブルについては、以下の記事をご覧ください!


👆ファンテーブル書き換えについて(Ver.4

👆Ver.5の内容








詳細な値は上のグラフの通りです。

Ver.6では、

・p1〜p6ステップのファンの回転数の差を±1.5%で統一し、より滑らかに回転数が推移するように変更

・p1〜6のファンの回転数若干引き上げることにより、CELL/RSXともに基本的に57°C以下で動作するように調整

して、より動作を最適化しました。


高負荷時においても、RSX側はTg-13°Cを実現できましたので、Ver.5と比べて低Tgアンダーフィルへの悪影響を更に抑えられているかと思います。


それではVer.5とVer.6を比較していきましょう!👇

(比較機はCECHA00で、室温は約25°Cです。)

☆Ver.5(XMBで待機)


☆Ver.5(GT6レース中)


☆Ver.5(GT6メニュー画面)


☆Ver.5(TLOUプレイ中)



続いて、Ver.6です👇


☆Ver.6(XMBで待機)


☆Ver.6(GT6レース中)


☆Ver.6(GT6メニュー画面)



更に温度が下がっていることがわかるかと思います❄️

ファンの回転数は基本的に34.5%までに抑えられるため、騒音については標準のファンコンと大差ありません。


...ということで、記事は以上になります!

ご覧くださいまして、ありがとうございました✨


2025.7.14 作成

皆さまこんにちは☀️

PS-Customizeの渡邊です。


早速ですが、今月一発目はバンプゲート対策のアップデートについてです!


以前、この記事👇にてファンテーブルを書き換えて動作温度を下げるということをしましたが、このファンテーブルを更に最適化しました!

以前の記事 Ver.4 → 今回の記事 Ver.5



*2025.7.14 追記

Ver.6にアップデートいたしました!



詳細な値はグラフのとおりです。




Ver.5では、

・全体的にファンの回転数を少し引き上げてCELL/RSXともに基本的に60°C未満で動作するように調整

・ステップ間の回転数の差をできる限り等間隔かつ±3%程度にして、滑らかに回転数が推移するように変更

して、より動作を最適化しました。


RSX側はTg-10°Cを実現できましたので、低Tgアンダーフィルへの悪影響を更に抑えられているかと思います。


5月半ばまでテスト期間を設けて、修理をご依頼くださったお客さま向けにVer.4への書き換えを無料にて行っていましたが、6月末よりVer.5にアップデートして有料オプションとしてメニューに加えております。

Ver.4については、31.3⇔40.0%の間隔が静音性の観点から良いとは言えないため、今後採用することはありません。(使用には支障ありません。)


また、発熱と消費電力を低下させてファンコンの書き換えの効果を高めるため、CELL/RSX VDDC低電圧化も行っております。


RSXの載せ替えによらない方法としては、現時点で非常に効果の高い対策ですので、これから修理依頼をされるお客さまはもちろん、すでに修理をしたお客さまも是非ご検討ください。


それではVer.4とVer.5を比較していきましょう!👇
(比較機はCECHA00で、室温は約25°Cです。)

☆Ver.4(XMBで待機)

標準のファンコンだと、CELLが74°Cまで達してファン回転数が20→25%に上がり、その後68°C前後まで下がります。

RSXはTg(70°C)前後まで上昇し、ファン速度が25%になると58°C前後まで下がっていきます。


☆Ver.4(GT6レース中)

RSXが61〜63°C未満になると、ファンの回転数が31.3%になりますが、GT6のレース中、ラスアスなどのフルHDかつ高負荷なゲームのプレイ中は、一時的に63°C(ファンの回転数が40.0%)になってしまうことがあります。

そのため、回転数が31.3%⇔40.0%を行ったり来たりして、ファンが「ブォーン⤴︎⤵︎ブォーン⤴︎⤵︎」と唸ります。低負荷時はVer.5より静かですが、高負荷時のこの挙動は要改善点と言えるかもしれません。


☆Ver.4(GT6メニュー画面)

RSXの温度は、XMB待機時よりも低くなっています。

XMBは意外と高負荷なのです笑



次はVer.5です👇


☆Ver.5(XMBで待機)

CELLは62→56°Cまで下がりました。

RSXは57→54°Cと下げ幅は小さいですが、標準のファンコンと比較すると、Tgに到達せず余計な熱サイクル(温度の上下)も生じません。

ファンの回転数は31.3%ですが、〜35%くらいまでであれば気にならないかと思います。


☆Ver.5(GT6レース中)

CELLは相変わらず55°C前後で推移し、RSXは高負荷時でも60°C未満で抑えられています。稀に61°Cまで上がることがありますが、ファン速度が34.5→37.2%に上がるので、すぐに60°C未満に戻ります。

37.2%は、ファンの回転音が多少気になるかどうかといったレベルですが、34.5%と比べると約3%の変動率ですので、Ver.4のようにファンが唸る挙動は見受けられません。


☆Ver.5(GT6メニュー画面)

メニュー画面に戻ると、温度が下がってファン速度も34.5→31.3%に下がります。

GT6はフルHD(1920x1080)ですが、その他HD(1280x720)画質のゲームであれば、RSXは45°C前後まで下がることもあります。


☆Ver.5(TLOUプレイ中)

ラスアスも高負荷な部類に入りますが、GT6のレース中と同じくらいの温度で推移します。



☆CECHB00 標準 40nm公式リファービッシュ

CECHB00の標準のファンテーブルは、A00以上に無謀な値となっており、RSX以外は各ステップの温度がやや高く設定されています。

CELLのTemp UはA00の標準のファンテーブル+6°Cとなっています。

CELLが80°Cに達すると、ファンの回転数が20→25%に上がります。

注目していただきたいのはRSXの温度で、40nm RSXであるにもかかわらず64°C(GT6レース中)となっています。

90nm RSXではこれ以上の温度になっていると考えられ、Tgを超えた熱サイクルが生じている可能性は十分にあります。


Tg云々の技術的な話を抜きにしたとしても、何となく「動作温度が高いと寿命が縮まりそう」という感覚は皆さまにもあるかと思います。

温度は、RSXのみならず、コンデンサ等の部品の寿命にも影響(アレニウスの法則)し、基本的に動作温度は高いより低い(かつ変動が少ない)方が良いです。

要は「動作温度を下げれば故障のリスクもその分下がる」ということです。


☆消費電力を調べる

最後に、ファンコンVer.5への書き換えとCELL/RSX VDDC低電圧化を行った機体の消費電力を計測してみました。


*測定環境

室温:25°C前後

計測器:ELPA EC-05EB

計測のタイミング:起動から10分後

計測方法:10秒間のW表示の推移を観察


・CECHA00 OFW4.92 純正HDD 037電源 90nm

CELL/RSX VDDC低電圧化、ファンコンVer.5

XMB:156〜157W


個体差等も考慮し3台計測しましたが、同様に156〜157Wでした。

比較するため、未分解&未カスタムの機体も6台用意して、それぞれ消費電力を計測しました。


・CECHA00 OFW4.80 純正HDD 037電源 90nm

無加工(ホコリ多め)

XMB:196〜197W


・CECHA00 OFW4.92 純正HDD 037電源 90nm

無加工(綺麗)

XMB:182〜183W


・CECHA00 OFW4.92 HDD交換 037電源 90nm

無加工(綺麗)

XMB:182〜183W


・CECHA00 OFW4.82 純正HDD 037電源 65nm

公式リファービッシュ、無加工(ホコリそれなり)

XMB:164W


・CECHA00 OFW4.92 純正HDD 037電源 40nm

公式リファービッシュ、無加工(ホコリ少なめ)

XMB:140W


・CECHB00 CFW4.92 SSD交換 037電源 40nm

公式リファービッシュ、無加工(綺麗)

XMB:154W


ちなみに...

・CECH-4300C OFW4.92 純正HDD

無加工(オーバーホールのみ)

XMB:65〜66W


CECH-4300Cは45nm CELL28nm RSXを搭載しているので、流石は最終モデルといったところでしょうか笑


低電圧化とファンコン書き換えを行った機体の消費電力は、公式リファービッシュ65nmと40nmの間に位置するようです。

VDDCの低電圧化がかなり効いているようですね...!

「電圧を落としても問題ないの?」と思われるかもしれませんが、特にRSXのVDDCは盛り過ぎ疑惑(笑)があるので、殆どの場合は電圧を多少落としても正常に動作します。


FWのバージョンが低いため、単純な比較はできないかもしれませんが、CECHB00のカスタム機でも計測してみました。


・CECHB00 OFW3.15 純正HDD 037電源 90nm

CELL/RSX VDDC低電圧化、ファンコンVer.5

XMB:147〜148W


リファービッシュより消費電力が低い...!?

(ファームウェアが低いからじゃないかなぁ〜)



...ということで、記事は以上になります!

ご覧くださいまして、ありがとうございました✨


2025.7.2 作成

2025.7.5 修正

2025.7.14 更新

皆さまこんばんは🌙

PS-Customizeの渡邊です。


2ヶ月くらい前にオマケで付いてきたPS4のAPU取り外しを行いましたが、その後はしばらく放置していました笑


以前の記事で...

「APUは、PS3のCELLと同様にSysconと紐付けられているので、APUを壊したらゲームオーバーです。AliExpressなどで販売されているAPU単体はポン付けでは動作しません。」

と書きましたが、新品/中古リフレッシュのAPUを販売しているいくつかの業者に質問したところ、全ての業者が「動く」という回答をしました...笑


嘘か本当かは判りませんが、せっかくなので検証してみようと思います笑

(仮に嘘だったとしても、業者側は「アンタの実装の仕方が悪くて壊れた/動作しないんやで」と言い逃れることができますからね...)


個人的には、再実装しても動かないが8割、動くが2割と考えています...

上側が新品のAPU(CXD90026G)、下側が元のAPU(CXD90026G)です。


再度パッドを綺麗にしました✨


フラックスを落として、新品のAPUと一緒に24時間ベーキングします!

明日の午後にはできるかなぁ〜?


ご覧くださいまして、ありがとうございました✨



2025.7.8 作成

皆さまこんばんは🌙

PS-Customizeの渡邊です。


本日のメインディッシュは、Nintendo Switch Liteの修理です!

初代Switchが発売されたのが2017年3月ですが、もう8年も経つのですね...

その頃の私は中学3年生ですが、月日が経つのは早いものです...笑


そんなことはさておき...

当店では、基本的にメーカーで修理等を受け付けている機種の修理はお断りしています。


理由はいくつかありますが、一番は「メーカー公式の修理は最も安全で確実」だからです。

それこそ、PS3やXbox 360のようにリファービッシュ基板等に交換されるなど、メーカーに修理を依頼すれば、民間の業者や個人でできない修理(欠陥の解消や根治修理)がされる可能性があります。

対して、民間の修理ではいわゆる対症療法で修理をする(故障した部品を交換、基板そのものを丸ごと交換など)ので、仮に修理できたとしても基板や部品自体に欠陥がある場合は根本的な解決に至りません。


民間の修理の方が安い場合が多いですが、特段の事情がない限りメーカー公式修理をご利用ください。


というわけで当初はお断りしていましたが、どうしても内部のデータを救出したいとのことでしたので、上の点などをお伝えして、お受けすることにしました。

(事前にメーカーに問い合わせたところ、修理にあたりデータが消えるという案内があったそうです。)



それでは作業内容を見ていきましょう👇


当店に到着後すぐに検品しましたが、電源ボタンを押しても全く反応しません...


USBケーブルを接続して電流値を計測したところ...

0.11Aのまま変わらず、充電もされません...


分解して導通を確認しましたが、基板に5Vは通っているので、端子は正常なはずです。

端子直上のテストポイントのうち、一番左側が5Vを計れる場所です。


試しに充電されたバッテリーに交換したところ起動しましたが...

2101-0001エラーが発生しています。


ここまでを整理すると...

・バッテリーを交換すると電源が入る

→基板は通電するが、電源が入らないのバッテリー残量が0%なのが原因

・起動すると「2101-0001」エラーが発生する

・USBケーブルを接続すると基板に5Vは通るが、充電されない

→充電制御用IC M92T36が故障している可能性が高い

...ということがわかりました!


早速基板を取り出して、M92T36を交換していきます。

湿気の多い時期になったので、基板のベーキングはしっかりと行いました。


新品の部品に交換したところ...

症状は変わらず!!

エラーコードが2101-0001から2134-0501に変わりました...笑


(過信は禁物ですが)はんだ付けはしっかりとできている自信がありますので、交換した新品のICが故障していると判断!


改めて別の新品に交換します👇

ホーム画面が表示されました〜!!


ここで気を抜かず、しっかりとメンテナンスもしていきます👍

スロットの中までしっかりとホコリ等を除去します。

もちろん3.5mmジャック内もしっかり清掃!


汚れが固着していたトリガー部分も入念にクリーニングします。

無水エタノール等を用いて汚れを拭き取ります。


パーツクリーナーを使用して、熱伝導グリスもしっかり除去!

ヒートシンクも綺麗になりました。


新しいグリスは、えくすとり〜むぐりす 12.8W/mkを採用!

個人で使用しているものなので、普段は絶対に使わないのですが、最近はPCも全くいじっておらず使う機会がないので活躍の場を与えます笑


背面プレートとヒートシンク間にもグリスが塗布されているのですが、熱伝導シートに交換しました。


RAMシールド直上は1mm、ヒートシンク直上は0.5mmにしました。


液晶保護ガラスは割れていたので、全面保護タイプに交換しておきました。(無料サービス)

気泡やズレ、ホコリの混入はなく、綺麗に貼付しています。


エラー履歴を見てみたところ、2101-00012134-0501がたくさん並んでしました笑


ひとまず、

・ホーム画面の表示

・タッチ操作

・L/Rスピーカーの動作

・充電

・カセット認識

・各種ボタン操作

まで確認できました!


ということで、修理は無事に完了いたしました!

ご覧くださいまして、ありがとうございました✨



2025.6.11 作成

皆さまこんばんは🌙

PS-Customizeの渡邊です。


先日、メンテナンスを終えたCECH-2500Bの作業の紹介になります!

以前、修理の依頼をくださったお客さまで、今回は本体とコントローラーのオーバーホールの依頼を頂戴しました。


早速分解しましたが、ホコリは少なめでした。

無線機能もOKで、ドライブの全種類のディスクが読み込むので特に問題なさそうです👍


分解を進めて基板を取り出します。CECH-2500系の基板は、JTP-001です。


CELLは、CXD2992GB(45nm)

RSXは、CXD5300A1GB(40nm)

です。


13W/mkの熱伝導シートに交換しました。


ヒートシンクユニットなどは清掃、筐体は洗浄します!


CMOSバッテリーも交換して...


組み立てたら、本体は完了です✨


続いてコントローラーのオーバーホールを行います。

マニアックなネタですが、激レアなCECHZC2J B1でした!


全分解して清掃&洗浄を行います。


バッテリー残量が0%でしたので、本体の動作確認がてらフル充電しておきます...!


以上になります!

ご覧くださいまして、ありがとうございました✨



2025.6.11 作成

ご覧くださいましてありがとうございます。

PS-Customizeの渡邊です。



2025.7.14 更新

ファンテーブルをVer.6に更新しました。動作温度や消費電力の比較はこちらの記事で紹介しています。


早速ですが、残念なお知らせです笑

初期型PS3(国内モデルでいえば、CECHA00,B00,H00,Q00)に載っている90nm RSXには、後述するとおり欠陥があると言われているため、これが事実であれば非常に短命かつ確実に故障することになります。

(RSXのデータシートが公開されておらず、仕様が不明なため断定はできませんが、海外有志の実験やリバースエンジニアリング等により、ほぼ間違いないことが判明しています。当店でもRSXの比較や同様の実験をして確認しています。)

 

「欠陥がある90nm RSXはイヤ!たかがゲーム機にこんな気を遣っていられない!」というかたは、欠陥がないRSXに自力で交換するか、公式リファービッシュ基板が載った機体を入手してください。

とはいっても、RSXの生産や公式修理サービスは既に終了していますので、現存する90nm RSXの基板分の代替RSXを用意することは現実的ではなく、公式リファービッシュ基板にも限りがあるため、入手できなければ90nm RSXの機体を使い続けるしかありません。

いずれ壊れるにしても、未対策のまま使用するのは愚策だと思いますし、なによりPS1~3までが一台で出来る素晴らしい機体の個体数をできる限り維持するためにも、RSXの載せ替えによらないオリジナルの機体の延命方法を検討していく必要があります。

 

データを取った結果、総稼働時間が200日(4,800時間)±50日前後RSXに起因する3034 YLODが発生する可能性が高いことがわかりました。

ただし、これは全ての機体に当てはまることはなく、RSXの種類や個体差、使用していた環境、電源投入&シャットダウン回数、プレイすることが多かったゲームの種類等によって異なるため、あくまでも目安とお考えください。


実験を重ねさまざまなデータを取りましたが、オリジナル基板の延命(欠陥対策)としては、
・CELL/RSXの低電圧化
・内部ファンコンのカスタム

が最も理に適っていると結論付けました。

これらを行うことにより、未対策の機体と比べてそのリスクをかなり低減させることができると考えられます。

 

3034 YLODを完全に対策できるわけではありませんが、間違いなく意味はあります。また、総稼働時間が少ない機体なほど効果は高くなります。

逆に、総稼働時間が多い機体では相対的に効果が低いといえますが、実際にどの程度延命できるかは判りません。

この点はデータが不十分なので、引き続き検証していく必要があります。


グリスを塗り替えても、殻割りをしても、穴を開けてファンを付けても...CELL/RSXの温度はほとんど下がりません。

メンテナンスや加工は、熱伝導率を回復させたり冷却を補助するもので、直接温度を下げるわけではありません。
結局は内部のファンが回ることにより冷却するので、これの回転数を上げたり、ターゲット温度を下げることが最も効果を発揮します。

 

ちなみに、ここでいう"総稼働時間"とは、Syscon EEPROM内に記録されている正確な値です。現在のところ、これを改ざんする方法は判明していませんので、信頼するに足る値であると考えます。

*ただし、bringupとshutdownの回数に著しい差がある場合は、値が正確でないおそれがあるため、注意が必要です。(不適切なシャットダウンの場合は、その間の起動時間がbecountに加算されないようです。)

 

前置きが長くなりましたが、本題に入ります。👇

 

・CELL 標準(CECHA00,COK-001)

グラフの各値は、

TempDステップの下限温度

TempUステップの上限温度

trp温度上昇の計画画面が表示される温度

tshutdown強制的に電源を切る温度

です。

TempU,TempDの温度以上または以下になると、次または前のステップに推移します。

ステップは、20〜100%まで10段階(p0〜9)となっており、20%がp0、25%がp1、28%がp2と続き、100%がp9となります。

 

CELLにおいては、標準の値では73.9°Cまで最低回転(20%)を維持し、74°Cになると25%に上がります。

25→28%に上がるには、温度が75°Cになる必要がありますが、逆に28→25%に下がるには、61°Cにならないといけません。

CELLの値以外にも言えますが、標準のファンコンでは全体的にTempUの値が高めに設定され、TempDはその前のステップのTempUより低く設定されています。

 

値を見る限りはターゲット温度を高めに設定することによりファンの回転数を低くして、温度が下がった後もその変動を極力抑える≒静音性重視であると考えられます。

 

当店のメンテナンス品や修理依頼品においては、以下の4点を基本に静音性を維持しつつ積極的にファンの回転数を上げて温度を下げるようこの値を書き換えております。

 

1. 最低回転数を20%→25%に変更

2. ステップ全体の上限温度を引き下げて、標準のファンコンで動作させたときよりも動作温度が上がらないように調整

3. TempUと次ステップのTempDの値を揃えて無駄な温度の上下をさせず、かつ温度変化に応じて速やかにファン速度が変わるように変更

4. 各ステップのファン速度を変更して冷却を強化しつつファンの回転音にも配慮

 

これをすることによって、後述する90nm RSXの欠陥によるYLODの発生リスクを下げ、また機体の寿命を延ばすことができると考えています。

 

それでは、CELLのカスタムした値を見ていきましょう!👇

 

・CELL カスタム(for COK-001)

・p0の温度を74°C→55°Cに変更

・各ステップの値を刻んでファン速度を細かく調整

・平均的な動作温度を考慮して、28.2%~28.6%は温度の範囲を拡大(63~76°C)し僅かな温度変化でファンが唸らないように調整

・最大許容温度は85°Cで変更なし

 

オリジナルの機体(12.8W/mkのグリスへの塗り替え、1.2→1.1750Vに低電圧化)でこの値を適用したところ、動作温度は以下の通りでした。

The Last of UsやGT6など、高負荷なゲームをプレイしているときは基本的に70°C以下で収まっていましたが、一時的に70°Cを超えることがありました。XMB待機時は55〜60°C前後、その他HD画質のゲームやPS1ソフトのプレイ時は〜65°C前後でした。

*室温25°C前後の環境で検証

 

標準の値では、電源ON→XMB待機時で74°Cまで上昇し、ファン速度が25%になると68°C前後まで下がりました。

標準の値と比べると、高負荷時の温度差は5°C前後ですが、低負荷時は10°C以上の差が生じることがあります。

カスタムしたファンコンにおいては、XMB待機時に最低回転で74°Cまで上昇してからファン速度が上がって温度が下がるのではなく、ファンのステップに合わせてゆっくりと温度が上昇して55〜60°C前後を維持し、無駄な熱サイクルを防止します。

なお、CELLについては信頼性に問題はありません。

 

続いてRSXです。👇

 

・RSX 標準(CECHA00,COK-001)

RSXの値は、ご覧の通り各ステップの温度がかなり高く設定されています。動作中、RSXのパターンに当たってファンの回転数が変わることは基本的にありません。

 

例えば、20→25%に上がるには83°Cになる必要がありますが、ほとんどの場合はその前にCELLが74°Cに到達するため、CELLの温度上昇によりファン速度が25%に上がります。その他のステップも84~95°Cに設定されているため、25→28%、28→30%と上がる際も同様にCELLの上昇によってファン速度が上がることが多いです。

室温等にもよりますが、RSXは65〜80°Cくらい(RSXのパターンにギリギリ当たらない温度)で推移します。

この温度自体は問題にならないのですが、90nm RSXには"バンプゲート"と呼ばれる欠陥があるとされているため、70°Cを超える(65°Cから要警戒)ことがソルダーバンプに致命的なダメージを与える恐れがあります。

 

・90nm RSXの欠陥、バンプゲートについて

CECHA,B,H00に採用されている90nm RSXには、製造上の欠陥があると言われています。

この欠陥は"バンプゲート"と呼ばれ、2005〜8年に製造されたNVIDIA製GPUをはじめとする多くの製品が影響を受けました。

RSXはNVIDIA GeForce 7800 GTXのカスタム品であるため、例に漏れずこの影響を受けていると考えられます。バンプゲートを引き起こす最大の原因は、採用されたソルダーバンプとアンダーフィルの組み合わせが不適切であったことです。

仕様は公開されておりませんが、90nm RSXのソルダーバンプは"高鉛はんだ"を採用し、アンダーフィルには"低Tgアンダーフィル"(Tg=ガラス転移点は70℃)が採用されている可能性が高いです。

高鉛はんだと低TgアンダーフィルではCTE(熱膨張係数)や硬化挙動が大きく異なるため、熱サイクルによる膨張と収縮で金属疲労(クラック等)が生じる恐れが高くなります。

高鉛はんだは柔軟性があるため割れにくいですが、はんだ付け部の周辺に応力が集中しやすい傾向があります。低Tgアンダーフィルは、比較的低温(RSXの場合はTgが70°C)で軟化するため、Tgを超えた熱サイクルを繰り返すとアンダーフィルの封止性が劣化するとともに、その応力を緩和できずバンプが剥離したり、クラックが生じることがあります。

材料セットのミスマッチによりダイとパッケージ接合部の信頼性が著しく低下し、結果的にYLODを引き起こす恐れが高まります。

 

*ただし、全ての90nm RSXに欠陥があるわけではなく、CXD2971B1GBという90nm RSXは、2009年製(65nm RSXと生産時期が同じ)でアンダーフィルが改良されていると言われています。

 

関連する研究レポートなどを参照すると、Tg以下で使用した場合は接合部の信頼性や寿命に大きな影響を与えず、Tgを超える温度サイクルで使用した場合では急激に寿命が短くなる傾向が見られるとのことでした。

 

まとめると...

・ソルダーバンプ(高鉛はんだ)とアンダーフィル(低Tgアンダーフィル)の相性が悪い。

→ただしTg以下で使用すれば、信頼性に大きな問題は生じない。

・Tgが70°C=70°Cを超えるとアンダーフィルが軟化し応力を緩和する能力が失われる。結果的に接合部の信頼性が低下する。

→RSXは70°Cを超えることがしばしばあるため、YLODの発生リスクが高まる。

 

つまり、安全圏と考えられる65°C未満で動作させれば、材料セットのミスマッチによるバンプ等への負荷や悪影響を理論上かなりの程度まで抑えることが可能ということです。

 

Tg-10~20°C=50~60°C以下で維持するのが理想ですが、これではゲーム中の静音性を大きく損なうことが予想されます。

現段階では64°Cを目安として、高負荷時もそれ以下で推移するように以下の通り書き換えました。

 

・RSX カスタム(for COK-001)

・p0の温度を83°C→45°Cに変更

・RSXの最大許容温度を70℃(アンダーフィルのTg)に変更

・trp(警告画面表示)を69°C、tshutdown(強制電源断)を70°Cに設定

・基本的には安全と言える64℃以下で動作するように調整

・28.6~50.1%までは2°C刻みとして、Tg-5°Cを極力維持するようにファン速度を調整

・低負荷時の平均的な動作温度を考慮して、28.2%は温度の範囲を拡大(51~59°C)し僅かな温度変化でファンが唸らないように調整

 

オリジナルの機体(12.8W/mkのグリスへの塗り替え、1.2→1.1750Vに低電圧化)でこの値を適用したところ、動作温度は以下の通りでした。XMB待機時は50°C前後、その他HD画質のゲームやPS1ソフトのプレイ時は45~55°C前後でした。

FHD画質のゲームやThe Last of Usのプレイ時は55~63°C以下で推移していました。

室温等により、高負荷なソフト(GT6、The Last of Us、GTA5など)をプレイすると65℃(警戒域)以上になる恐れがあります。

*室温25°C前後の環境で検証

 

標準の値では、電源ON→XMB待機時で78°Cまで上昇し、ファン速度が25%になると60°C前後まで下がりました。

CELLが74°Cに到達するのに時間がかかるほど、RSXの温度は上昇してTgを超えるおそれが高まります。

カスタムしたファンコンにおいては、XMB待機時にファンのステップに合わせてゆっくりと温度が上昇して50°C前後を維持し、無駄な熱サイクルを防止します。

 

最後にSB(South Bridge)です。👇

 

・SB 標準(CECHA00,COK-001)

標準の値は上の通りです。

SBが原因の3034 YLODも稀に発生しますが、致命的な欠陥があるわけではありません。

以下の通りカスタムしました。

 

・SB カスタム(for COK-001)

・p0の温度を60°C→40°Cに変更

・p4までの温度を引き下げて、高温で動作することがないよう調整

 

サーマルパッドを付け忘れることがない限りは、SBのパターンに当たってファン速度が上がることはないかと思います。

カスタムしたファンコンの環境下では、40~55°Cで動作しました。

 

ファンコンについての解説は以上です。

 

VDDC低電圧化については、今後新たに記事を作成する予定ですが、少し触れておきます。

VDDC(コア電源)の標準電圧は1.2Vで、90nm CELLが実効1.22V前後、90nm RSXは実効1.20V前後となっています。

動作に影響が出ない範囲でVDDCの電圧を下げれば、コアの発熱を少なくして消費電力も低減させることができます。

ただし、電圧を下げすぎると正常に起動しなかったり、負荷をかけるとフリーズ、画面にノイズが入る等の不具合が発生します。

 

これをファンコンのカスタムと併せて行うことによりファンの回転数を抑えつつ5~10°Cほど動作温度を下げることができます。

ファンコンのカスタムだけでも標準よりは温度が下がりますが、低&高負荷時のファン回転数が高くなる(ステップが+1段階)うえ、高負荷時にRSXが64°Cを超えてしまうことが多くなります。逆に低電圧化のみでは動作温度が1~2°C下がるのみですが、カスタムしたファンコンにおける低&高負荷時にその1~2°Cの差が大きく影響します。

 

また、標準と低電圧化済(1.1625V)では、低電圧化済のほうがXMB待機時比で10Wほど消費電力が低いです。

リファービッシュ基板ほどではないですが省エネです笑

 

最近は、CELL/RSXともに1.1625V(実効電圧はCELL/RSXともに1.14V前後)で行っています。

*本記事用にデータを取った機体は1.1750Vに設定していますので、若干の違いが生じるかもしれません。

 

基本的に製造年が新しいほど電圧を下げられる傾向がありますが、2006年製のCELL/RSXの下限(個体差に関係ない下限)を突き詰めたいと思います。

RSXはもう少し下げられる気がします…


ヒートスプレッダの刻印が黒色のCELL(いわゆる黒CELL)は、標準の電圧が1.14Vでした。

もしかすると、単に刻印が違うだけでなく、電圧にも差があるのかもしれません。

(確認できた母数が少ないため、現時点では未確定情報とします。)

 

以上になります!

ご覧くださいまして、ありがとうございました✨

 

 

2025.6.8 作成

2025.8.31 加筆・修正