皆さまおはようございます☀️
PS-Customizeの渡邊です。
前回の記事で、NoPS2には大きく分けて3通りの症状があることを紹介しました。
今回は、NoPS2の中でも重症なPS2のソフトを起動すると...
B. 赤点滅で電源が落ちる
機体の修理方法についてです!
*EE+GSの交換(BGAリワーク)はそれなりの機材と技術が必要です。
ご自身で試される場合は、機材を揃えたうえジャンクなマザーボードで練習することを強くお勧めします。
修理する機体は、去年の6月16日に動作確認をしてそのままとなっていたCECHA00のリファービッシュ機です!
もともと1002 YLODで、RSX側のプロードライザ 1個を交換して確認したところ、残念ながらPS2が動作しませんでした。
いつか直そうと思い、そのまま放置〜笑
早速分解して基板を取り出します...👇

約一年前なので、チラッと見えるSP-Capは斜め実装ですね笑
左上が現在実装されている故障したEE+GS、右下がドナーから取り外した(これも1年くらい前に取り外してそのまま保管していたものだった気がします...笑)ものです。
基板を予熱しサクッと旧EE+GSを取り外して...
新たに実装するEE+GSと基板のパターンを清掃しました👍
パターンの清掃には、ステーションはんだごてのHAKKO FX-951を使用しています。
スパチュラ型(T字型)のこて先が必須...とまでは言いませんが、あると大変便利です。
続いて、実装するEE+GSのリボールをしていきます👇
ステンシルを使用して新たなハンダボールを載せます。
ボールを載せる前にフラックスを塗布するのですが、その量が極めて重要です。
多過ぎると加熱中にボールが動いてマージし、逆に少な過ぎるとパターンにボールが乗らなかったり、綺麗に整列しないことがあります。
つまり、厚すぎず薄すぎずの適量を全てのパターンに均一に塗布する必要があります。
ステンシルに残ったはんだボールは、小瓶の中に戻します笑
いよいよリボールタイムです笑
予熱でフラックスを活性化させて...
頃合いを見てボトムヒーターの温度を上げて、上部からはヒートガンで加熱します!
綺麗にリボールできました✨
はんだボールは、0.76mmで有鉛です。
リボールが完了したらメイン基板に実装していきます👇
・EE+GS交換後
EE+GSならリワークステーションを使わずとも、プリヒーター+ヒートガンで交換作業ができるかと思います......が、温度に相当気を遣う必要があるうえ、デラミネートやポップコーンのリスクが高まるのでお勧めはできません笑
「急がば回れ」という諺もありますが、リワークにおいては何よりも適切な下処理(ベーキングや予熱)が肝要で、これを端折って早くやろうとすればするほど事故率が上がります。
リワーク後に一応コンデンサも交換しましたが、230μFほどだと若干挙動が怪しいですね〜
270μF越えのものに換えたところ、起動直後でもしっかりロゴが出て安定しました。
中古のコンデンサを流用する場合、250μFを切るものは使用しない方がよさそうです。
タンタル系の高分子コンデンサの静電容量は、定格+15〜20%くらいあることが多いので、それが前提の設計となっている(定格以上でも、+10%未満だと不安定になる等)のか、ESRが高くなって悪さをしているのかもしれません...
使用されているコンデンサは、刻印からしてNEC/TOKIN(YAGEO TOKIN)のNeoCapacitorだと思いますが、Digikeyでこれに相当するPOSCAPを発注したので、今後交換する際は新品を使用しようかと思います。
EE+GS_VDD(1.2V)はコアに電力を供給するラインですので、低周波側の平滑コンデンサ(C6620)が劣化するとノイズが増えてNoPS2になるということじゃないかなぁ〜?
PS3側の動作に例えるならば、CELL/RSXのプロードライザのフィルタリング不良で1001や1002 YLODが発生しているような感じでしょうか笑
・動作チェック
元々はPS2を起動させるとYLODで電源が落ちていましたが、EE+GS&コンデンサ交換後は電源投入直後(低温時)でも正常に起動するようになりました!
Gran Turismo 4 B-specでしばらく走らせましたが、フリーズや描画異常などはなく、安定して動作しております👍
・メンテナンス
サーマルパッドの交換とCELLの殻割り、プロードライザの交換を行います。
リファービッシュ基板ですので、RSXは40nm CXD5300A1GBです。
プロードライザは、ちょうどこの日に届いたPSlizer v4を使用して交換します。
PSlizer v4では、高分子コンデンサx3はそのままに、1206 MLCCを5個に変更(v1は6個、v2は4個)しました。
使用するMLCCは4種類4または6個から5種類5個に変更し、22μFを新たに追加しました。
MLCCの構成は、
KYOCERA AVX X7R 10V 22μF
KYOCERA AVX X7R 16V 2.2μF
KYOCERA AVX X7R 16V 0.1μF
Würth Electronik X7R 16V 0.047μF
Würth Electronik X7R 16V 0.022μF
となっており、中〜高周波をバランスよくカバーします。
DCバイアス特性なども考慮し、X7Rかつ10〜16V品を採用しました。
今回の機体で採用した高分子コンデンサは、
Panasonic POSCAP 2R5TPE470M7
Panasonic SP-Cap EEF-HX0E471R
となります。
価格は高いですが、性能と信頼性を重視しますので、中華のノーブランドなタンタルコンデンサは使用しません。
...というわけで、EE+GSの交換も無事に終了し基板のメンテナンスも完了しました👍
一週間ほど入念に動作確認をして、特に異常がなければゴールデンウィークに出品する機体用に仕上げますよ〜!
またまた長くなりましたが、以上になります!
ご覧くださいまして、ありがとうございました✨
2026.4.25 作成