辺AB、AC、BCの長さがそれぞれ4cm、3cm、5cmの直角三角形の2つの辺AB、ACを利用して、直角二等辺三角形DAB、EACを図のように作ります。かげをつけた部分の面積の和を求めなさい。

  

BCの長さは不要です。

様々な解法が考えられますが、解説では、2組の相似を利用して辺の比をAD上に集めて解いています。

比をうまく活用することで計算の手間が省けます。

ところで、開成中の受験生であれば、角の二等分線定理を知っているでしょうね。

そこで、角の二等分線定理を利用した解法を紹介しておきます。

ADとBCが交わった点をFとします。

角の二等分線定理より、BF:FC=AB:AC=4:3となります。

三角形BDFと三角形CEFのちょうちょ相似(相似比はBF:CF=4:3)だから、その面積比は(4×4):(3×3)=16:9となります。

ここで、三角形BDFの面積と三角形CEFの面積の差は

  三角形DABの面積+三角形AECの面積-三角形ABCの面積

 =4×(4×1/2)×1/2+3×(3×1/2)×1/2-4×3×1/2

 =4+9/4-6

 =1/4cm2

だから、求める面積の和は

  1/4×(16+9)/(16-9)

 =25/28cm2

となります。

まぁ、より高度な知識を使った割にたいして楽になっていないので、微妙な感じですね。

ただ、面積をうまく足し引きする手法はしっかりマスターしておいた方がいいでしょう。

詳しくは、下記ページで。

 開成中学校2002年算数第1問(4)(問題)

 開成中学校2002年算数第1問(4)(解答・解説)

因みに、この問題と同じような問題を以前取り上げています。

 

ラ・サール高校の問題の解説では、直角三角形を2個組み合わせた二等辺三角形を作出して解いていますが、今回取り上げた開成中の問題と同様の補助線を引いて解くこともできます。

(ラ・サール高校2010年数学第2問(2)の略解)

AD上に∠AFCが直角となるような点Fを取ります。

開成中の問題と同様の相似の処理を行います。

 AE:AF=AB:AC=3:2=⑮:⑩
 FD=②、DE=③
 AD:DE=(⑮-③):③=4:1
 三角形ADCの面積:三角形BEDの面積=(AD×CF):(DE×BE)=(⑫×2):(③×3)=8:3

 

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 ある文房具店に鉛筆とボールペンがあり、その本数の比は6:5である。また、黒の鉛筆と黒のボールペンの本数の比は5:3で、黒以外の鉛筆と黒以外のボールペンの本数の比は8:7である。このとき、次の問に答えよ。
(1)鉛筆のうち、黒と黒以外の本数の比を求めよ。
(2)ボールペンの全本数が400本より多く450本より少ないとき、鉛筆の全本数を求めよ。

 

中学入試でも結構出される問題です。

(1)は簡単な消去算の問題で、(2)は整数条件を利用する問題です。

(1)の答えが5:28で、(2)の答えが528本というのはなかなかおしゃれですね。

詳しくは、下記ページで。

 慶應義塾志木高等学校2021年数学第2問(問題)

 慶應義塾志木高等学校2021年数学第2問(解答・解説)

 

 
 

 

 

 

 2025のように各位の数の和が9である4けたの整数のうち、2025未満のものは[ ]個あります。

近年、同じような問題が中学入試でよく出されています((麻布中学校2016年算数第5問((1)の問題は今回取り上げた問題と同じですね)、灘中学校2021年算数1日目第3問六甲学院中学校2024年B算数第4問など)。
まず、千の位が1で各位の数の和が9である4桁の整数が何個あるか考えます。
合計8個の1(〇)を百、十、一の各位に配置すると考えます。

 

例えば、/〇/〇〇〇〇〇〇〇であれば、1017となり、〇〇〇/〇/〇〇〇〇であれば、1314となります。
〇8個と仕切り2個の配置の仕方を考えればよいから、千の位が1で各位の数の和が9である4桁の整数は
  (10×9)/(2×1)
 =45個
あります。
次に、千の位が2で各位の数の和が9である4桁の整数(ただし、2025未満もの)が何個あるか考えます。
2007と2016の2個だけあります。
したがって、条件を満たす整数は全部で
  45+2
 =47個
あります。

2026年の受験生は、各位の数の和が10となる整数が何個あるか考えてみるとよいでしょう。

上で紹介した各問題と異なり、安易に考えると間違えてしまいます。

〇を10個とも1つの位に配置した場合を排除する必要があります。

 

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 下の図において、角(あ)の大きさは[ ]度です。
   


「回転+拡大・縮小」が合同を生み出すことが分かっていれば、ほんの数秒で答えが求められます。

詳しくは、洛南高等学校附属中学校2021年算数第2問(4)の解答・解説で。

因みに、「回転+拡大・縮小」が合同を生み出すということは、最難関中学校の受験生や算数オリンピックにチャレンジする子にとっては常識レベルの知識です。

下の問題もぜひ解いてみましょう。

 

 

 

 

 

 

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 日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2004年の問題

 

今回は、日本ジュニア数学オリンピック2004年第6問を取り上げ、解説します。

中学入試にも同種の問題(灘中学校1997年算数1日目第7問など)が出されていて、本質的には今回取り上げたJMOの問題と何も変わりませんね。

877(バナナ)と15(イチゴ)という数字がおしゃれですね。
まず、2つの魔法について分析します。
魔法Aを使うと、イチゴの個数は変わらず、バナナの本数がイチゴの個数の分だけ増え、その結果、バナナの本数がイチゴの個数以上となります。
魔法Bを使うと、バナナの本数は変わらず、イチゴの個数がバナナの本数の分だけ増え、その結果、イチゴの個数がバナナの本数以上となります。
最初の状態から考えようとしても、どちらの魔法を使ったかわかりませんが、バナナの本数がイチゴの個数より多い最後の状態からさかのぼって考えると、直前に魔法Aを使ったことがわかり、以下同様に考えることができますね。
そこで、最後の状態からさかのぼって考えます。
(877-15)÷15=57・・・7だから、
 バナナ877本 イチゴ15個 ←魔法A57回← バナナ22本 イチゴ15個
となり、
 バナナ877本 イチゴ15個 ←魔法A58回← バナナ7本 イチゴ15個
となります。
イチゴの個数がバナナの本数より多くなったので、直前に魔法Bを使ったことがわかりますね。
 バナナ7本 イチゴ15個 ←魔法B1回← バナナ7本 イチゴ8個 ←魔法B1回← バナナ7本 イチゴ1個
となります。
バナナの本数がイチゴの個数より多くなったので、直前に魔法Aを使ったことが分かりますね。
 バナナ7本 イチゴ1個 ←魔法A6回← バナナ1本 イチゴ1個
となります。
したがって、魔法Aを58+6=64回、魔法Bを2回の合計64+2=66回の魔法を使ったことになります。

 

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