キャンピングカーのリチウム化について考える | キャンピングカーと雪山と

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キャンピングカー コルドリーブスとくるま旅



【質問】


 

我が家のキャンピングカー コルドリーブスの電力事情は自作により、

多くのキャンピングカーと比べても比較的余裕がある構成です。

サブバッテリーは生セルで組んだリン酸鉄リチウムの630Ah(8,064Wh)

メインで使うサブバッテリーのプラシェル400Ah

 

冗長性を上げるため予備の意味合いが強いアルミシェル230Ah

 

それに加えて納車時からソーラーは400Wのパネルを搭載済み

 

最近は新車でリチウム搭載のキャンピングカーも増えてきて、

キャンピングカーにリチウムの導入事例も増えてきました。

車の買替えは出来なくても鉛のサブバッテリーから

リン酸鉄リチウムに変更したいと言う人も多いでしょう。

自分は仕事的にも専攻的にも電気とは無縁の電気素人ですが、

キャンピングカーのバッテリーに関して時折質問を受けたりします。

ま~ 比較的早くから自力でサブバッテリーのリチウム化を、

しかも個人では珍しいマニアックな生セルで組んでいるので、

バッテリーに関してとても詳しい人と思われている様子

独学なんで全然そんな専門の知識は無いんですけどね(^_^;)

 

とりあえずちょっぴり人より早く個人で大容量リチウム化して

真夏の猛暑を2度ほど乗り切った経験からのお話です。

なので電気的な知識からというより経験からのお話です。
電気的な知識の裏付けはないので電気に詳しい人は生暖かい目で見て下さい。

とりあえず自作でも大きなトラブルも無く二年以上使えているので、

考え方や施工は間違っていないと信じています。

 

充電能力に関しての考察は先にブログにアップ済みでした。

 

こちらのブログでも当時からキャンピングカーの電気容量の理想は
予算と設置場所の許す限りの範囲で大容量のリチウムを積む
我が家のような夫婦二人なら300Ah以上400Ahあれば余裕
ペット有りでエアコン常時稼働なら600Ah以上800Ahは必要
ソーラーパネルは必須装備で極力大容量を搭載する。
走行充電はそれほど拘らずそこそこでも対応可能
この組み合わせがカムロードベースのベストアンサーだと思います。
鉛と違って満充電に拘る必要のないリチウムならではの構成で、
熱に弱いリチウムのためにも優しい充電環境の構築が可能です。
カムロードの充電能力や走る時間を考えて走行充電ばかりに頼るのは
長期滞在時にバッテリー容量が足りなくなる可能性があります。

 

上記を書いた時から2年経ちましたが考えにあまり変わりは無いですね。

エアコンを使わない時の一晩の消費が80Ah~100Ah程度で、

停泊時のエアコンのみの夕方から1時間あたりの電力使用量は

15Ah/1時間として12時間計算で200Ah程度と考えて、

トータルして一晩の最大使用量が300Ah弱程度になりますかね

やはり一つの目安としてサブの容量は400Ahあればコスパを考えて十分かな

7月~9月の猛暑日を除いて一泊ならほぼ足りなくなることはないでしょう。

この除いてってのが曲者かもしれませんが(^_^;)

ペット有りなら事情が変わって日中もエンジンかけずにエアコン稼働が有るので

600Ah~800Ah程度必要になるのは仕方ない

って言ってもこちらも必要なのは7月~9月までの猛暑日限定です。

逆に言うと600Ah~800Ahが猛暑日を考慮した合格ラインでしょうか。

 

5月の涼しい時にバッテリーの検証をして大丈夫!ってブログを見かけますが、

5月と猛暑日ではバッテリーの消費量は桁違いで、

自分も販売店オリジナルシステムで真夏に検証してからって断られた時に、

たいした変わらないんじゃない?と思っていた時期もありました。

外気温に対する電力消費って馬鹿にできないくらい違います。

まっ 猛暑日に検証してダメだって感じてももう手遅れですから、

検証のチャンスって一年を通してなかなか少ないのも現実です。

足りなかったらまた来年チャレンジって事になりかねない。

 

計画的に行動できるならRVパーク利用が一番確実で安上がり

猛暑日は外部充電の出来るRVパークを計画的に利用するとか、

足りなくなりそうならエンジンをかけてアイドリングで凌ぐとか

こだわらないならそんなに高容量が絶対的に必要でもない。

今回はそんなわかりきった話が前提ではなくて、

あくまでもオフグリッドでエコに対応できる状況を想定しています。

走行は観光を考えて一日最大5時間以下の走行充電が目安だけど、

走るのは朝と夕方で昼間は観光ってスタイルが多いかな。

不必要に長時間のアイドリングは行わない。

その前提条件があってのお話となります。

ま~ 我が家の標準的な休日キャラバンが判断基準かな。

 

--- 参考 ---

我が家の猛暑日や長期滞在型休暇での検証ブログ

 

 

 




【バッテリー】


 

個人でサブバッテリーをリチウム化する際に最初に悩むのは、

サブバッテリーはRenogyに代表される組バッテリーが良いのか

100AH 12V BLUETOOTHモジュール内蔵

 

我が家の様に生セル+スマートBMSが良いのかの問題

 

それぞれどちらもメリット・デメリットがあります。

組バッテリーを選択するメリットはズバリ保証問題ではないでしょうか?
メーカー製のバッテリーなら安心ってのがあると思いますが、

正直言って商品自体にメーカー保証はあるのでしょうが、

キャンピングカーに搭載した場合の保証ってどうでしょう?
個人でサブバッテリーをリチウム化した場合は、

キャンピングカー販売店の保証が切れてしまいますよね。
だったら商品の保証って本当に重要なのかな?と思います。

いやいやそれでも生セルよりメーカーの組バッテリーが安心

って思う人もメリットとして大きいのでしょうが、

組バッテリーの中身も基本的に生セルです。

リンクしたRenogyのバッテリーで内部構造が確認できますが、

プラスチックのケースに入っているかどうかの違いくらいしかありません。

Renogyの様なしっかりしたメーカーなら大丈夫ですが、

マイナーなメーカーの組バッテリーの分解動画を見たことありますが、

価格重視で細い配線で雑に組み立てていたりして、

メーカーの組バッテリーが安心とも言いづらい場合もあります。

生セルなら自分でしっかり計算して余裕を持って配線が可能です。

 

あとは盲目的にリチウムは危険って思っている人も多いようですが、

主流の生セルはリン酸鉄系リチウムで安全性の高い素材です。

ポタ電に使っている18650タイプの三元系リチウムのほうがよっぽど危険かな。

落としたりぶつけたりする可能性の高いポタ電のほうがリスクが大きい。

発火などの事故は配線が悪かったりして起こるもので、

配線が悪い場合なら鉛サブバッテリーだって同様に危険です。

何でもかんでもリチウムが危険というのは違うような気がします。

 

逆に生セルのメリットと言えばズバリ省スペース高容量な事です。

我が家は比較的導入が早かったのでディスコンのプラシェルなので、

Renogyの組バッテリーと大差なくそれ程小さくありませんが、

今流通している主流のアルミシェルなら非常に小型軽量です。

我が家はアルミシェルも使っていますがプラシェルと比べて高性能

しかも高エネルギー密度で限界付近での性能も安定しています。

鉛バッテリー100Ahとアルミシェル300Ahは同じくらいの大きさです。

しかも配列がある程度自由なので自分の車の電装庫に合わせて

配置すれば組バッテリーより自由度が遥かに高くて省スペースです。

鉛トリプルバッテリーのスペースが有れば生セル900Ahも余裕です。

 

他に生セルのメリットを上げるとすると導入価格ですかね。

AliExpressなどを利用すると非常に安く購入可能です。

個人で施工するなら大容量のポタ電買うより安上がりで、

300Ahの生セルが10万以下で売ってます。

個人でリチウム化の施工は無理っていう人なら業者に頼む手もあります。

それでも販売店が設定している新車のリチウムに買い替えるより

遥かに安い費用で済むのがメリットでしょう。

しかも販売店で設定している数倍の大容量も予算次第で可能です。

キャンピングカーにおける大容量のサブバッテリーは正義です。

電気を使いたいだけ使えるのはストレスフリー

だけどやっぱり販売店の保証が欲しいって人は素直に新車買換です。

この保証をどう考えるかでリチウム化の方向性が変わります。

鉛バッテリーのままでポタ電を追加するのも正解だと思いますが、

人によって考え方は違うけど自分なら保証より大容量に価値がある。

遊び車のキャンピングカーは気にせず楽しんでなんぼですからね。

 

以上のことから我が家のオススメはキャンピングカーをリチウム化するなら

生セルで最初から予算とスペースの許す範囲で、

大容量のサブバッテリーを個人で頑張って組むのが良いと思います。

自分も最初は無理と思っていたけど案外出来ました(笑)

我が家のリチウム化は早すぎたのであまり資料はありませんでしたが、

頑張ってリチウム化のブログを丁寧にまとめたので参考になると思います。

あとは使ううちに段々と電気の使い方が贅沢になります。

最初に想定していた使い方より必ず電気使用量は増えていきます。

あとで追加するなら最初から最大容量が施工も簡単です。

組バッテリーも生セルも難易度としてはそれ程変わりませんし、

組バッテリーで組めるなら生セルでも出来るはずです。

限られたスペースで大容量を獲得できるのは生セルだけです。

ちょっと分かりづらいのはスマートBMSの設定くらいなもの

それだって我が家のブログを熟読すれば出来るはず。

設定は英語ですが難しい箇所はありません。

 

組バッテリーでは出来ない大容量も生セルなら可能で、

くわえて設定を自由にいじれるスマートBMSが魅力です。

あっ ギリギリ限界を攻めるのではなく余裕を持った設定が可能です。

逆に市販の組バッテリーのほうが攻めた設定になっているので驚きます。

スマートBMSの設定は最初は分かりづらくてデメリットに感じても、

理解できれば運用上でメリットとなり得る頼もしい管理ツールです。

 

組バッテリーにはヒート機能があって高機能だ!って思っている人

・・・商品のヒート機能の仕様を見たらわかるけど、

ヒート機能が有効に働くのは限られた条件の時だけです。

結局BMSの設定で低温時に充電をしなければ良いだけなので、

ヒート機能を売りにして魅力に感じるのは違うかな~って思います。

って事でヒート機能付き組バッテリーに幻想を抱くのは考えものです。

我が家が厳冬期の北海道に行くときは終始FFヒーターつけっぱなし

そのほうがよっぽど低温時の充電を気にせず使用できます。





【走行充電】


 

Nutsハイパーエボのような充電能力の高いシステムは魅力があります。

でも正直言ってあそこまでの充電能力を個人で施工するのは無理

だからと言って個人で設置出来る走行充電器の充電能力が

遥かに落ちるかというとそうでもないかなってのが実感です。

我が家が使用している走行充電器はRenogy DCC50S

 

我が家は初期型なので最新型とはちょっと仕様が違うかも

6月に最新型の4型に大幅アップデートして発売になります。

この走行充電器Renogy DCC50Sは12V 600Wで50Aとなります。

なので実際には13.6Vの充電になると600W / 13.6V = 44.1A

加えて充電の吸収力は鉛の70%台と比べてリチウムは97%程度

走行充電がそのまま貯まると思って間違いありません。

なのでこの走行充電器なら鉛のエボシステムより充電は強力です。

 

Renogy DCC50S 走行充電の実力値

 

もう少し充電量の大きな60Aタイプの走行充電器も販売していますが、

値段と発熱の兼ね合いで50Aタイプがバランスが良いような気がします。

カムロードのオルタは130Aなのでどんな場合でも、

Nutsハイパーエボは最大充電量が出せるわけではないけど、

Renogy DCC50Sならアイドリングから同じ出力がコンスタントに可能です。

お出かけでエンジンをかけて走っている時間ってどのくらい?

観光を考えて一日最大でも5時間くらいかな~

滞在型ならもっと走らないこともあるしね。

出発時や帰宅時は走るけどその時点であまり走行充電の恩恵はないので、

トータルの走行充電での発電量で考えるとそれほど変わらないんじゃないかな?

鉛エボの人は120万の投資でハイパー化出来る様ですが、

それだけ投資するのはコスパ的に疑問がありますし、

それならソーラー充電に投資したほうが有意義だと思います。

 

 


【ソーラー充電】


 

ソーラー充電ってどれくらい充電出来るの?

そんな素朴な疑問が出ると思います。

効率を考えて一般的にパネルの定格の7割程度が発電量でしょうか

外気温や日がさしている角度等の影響もありますが、

我が家の場合は400Wパネルなので、

400Wの7割=280Wが実際の発電量で、

計算すると280W / 13.5V = 20.7Aなので計算通りの充電量です。

 

400W ソーラー充電の実力値

 

あとは一日の発電量は約7時間として計算するのが良いかな

なので20.7A×7時間=145Ahとなります。

実際に一日150Ahオーバーの充電を確認しているので、

こちらもほぼ計算通りの発電が出来ていると言うことになります。

 

では実際に車載するベストなパネル容量は?というと

理想は猛暑日の炎天下、エンジンをかけずにソーラーだけで

エアコンの消費電力が賄えるのがベストだと思います。

設定温度、周囲の温度やエアコンの種類で違うでしょうが、

我が家の場合猛暑日でのエアコン消費量は40A程度です。

ソーラーパネルで40A充電できるパネルの大きさというと

40A×13.5V×7割=770Wのパネルがあると良いということになり、

Renogyから商品を選ぶとするとバンクベットにこちら、

RENOGY フレキシブル ソーラーパネル 175W 単結晶 

 

天井部分にこちらの枠付きかな

RENOGY フレーム式ソーラーパネル 200W 単結晶

 

そんな組み合わせで設置したとして、

これでソーラーパネルは175W×2+200W×2=750Wなので、

ソーラーだけで日中のエアコン消費を賄える計算になります。

コルド系ならバンク・天井部分とフラットなので実装できそうです。

確かに優れた大容量走行充電システムも魅力的ですが、

走らずとも発電するソーラー充電器は滞在型のキャラバンに都合がいい

ソーラーは天気に左右されるよと言う人もいますが、

相対的に雨の日はそこまで気温も上がらず消費も多くありませんから。

とにかく日が差している日の電力消費がやばいって話です。

天気によって左右されるけどソーラー充電を設置するってことは

サブバッテリーを追加で搭載しているようなものと考えて同じでしょう。

 

 


【まとめ】


 

人間慣れると贅沢なもので、キャンピングカー購入当初は

鉛トリプルとエアコンがあれば夏もへっちゃらだぜ~

なんて思っている時期もありました。

なんで絶対に大容量リチウムが必要かと言われると違います。

あくまでもその家庭がどこまで妥協できるかが重要になり、

その家族の使い方で必要な電気量が変わってきます。

RVパークを巡れば良いじゃんって考えならリチウム化は重要じゃない。

けど、電気量に余裕があれば行動の自由度が上がります。

自由気ままな旅ができるキャンピングカーの特性を考えて

有り余る電気量で少ない休日を思う存分楽しめるのも魅力です。

高い最新型のキャンピングカーが絶対ではありません。

古くてグレードの低い車種でも大容量のサブバッテリーを積んだ

キャンピングカーのほうが相対的に快適だと思います。


珍しく2週連続してお出かけしていないのでブログネタがなくなった(^_^;)

仕方ないので急場しのぎでリチウムネタを言葉攻めしてみました(笑)

こんな電気の知識もない素人の戯言のようなブログで、

しかもかなり偏った私見が多めの内容ですが、

サブバッテリーのリチウム化の参考になれば幸いです。

 

--- 注意! ---

バッテリーの間違った取り扱いは非常に危険を伴います。

自己責任を理解した上で十分注意してチャレンジしてください。

 

 

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