【基本情報】
SEAFLO バッテリースイッチ
電線アクセス用の取り外し可能なプレートを備えたコンパクトなカットオフスイッチ。
最大電流許容値:300A
電流許容値:175アンペア
対応電圧:6VDC - 36VDC
【温度問題】
オフラインでの仮組立が終わった所からの続きです。
リチウムバッテリーでの満充電長期保管は推奨されていません。
※ソーラー充電があるのでほったらかしにしておくと満充電になります。
リチウムバッテリーに交換した際には満充電保管ではなく
充電を抑えて満充電以下での保管の運用を行う予定でしたが、
リチウムバッテリーの長期保管と言っても半年以上の保管のことらしいし、
80%で使用しても100%満充電で保管しても2%程度しか状況は改善されない、
と言うか100%運用でも目立った劣化などの変化はないということらしい。
って事で保管状態を気にすることは基本的に必要ないと思います。
正確に言うとリチウムは鉛と違って満充電こだわる必要が無いが正解で、
80%充電で運用するのがベストって訳ではありません。
我が家はハイパーエボに備わった80%充電の様な方式を
今後一切考えない100%充電での運用方法を行います。
大手メーカーの提唱する80%運用が世間一般の常識として
今後は定着していく様な風潮は感じますが、
普段から100%満充電のほうが使い勝手は間違いなく上ですし、
80%充電運用で得られるメリットより100%満充電運用で
得られるメリットの方が大きいと考えています。
80%運用は間違いではないけど気にする程の問題でもない
我が家が100%満充電運用で問題ないとする理由はこちら
------------- 参考文献 -------------
国立研究開発法人科学技術振興機構
低炭素社会戦略センター
Investigation of Degradation Behavior of Lithium-Ion Battery
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そんな理由で当初は満充電での自動遮断機構で
自動でバッテリー残量を制御する予定でしたが、
前回の変更で自動遮断機構は別の用途で使用しています。
って事で満充電に対する充電制御の機構は取付けていません。
但し、リチウムバッテリーでの運用方法で新たに判明した、
低温での充電は推奨されない事の方が自分には気になります。
------------- 参考文献 -------------
Progress in Natural Science: Materials International
Volume 28, Issue 6, December 2018, Pages 653-666
「Temperature effect and thermal impact in lithium-ion batteries」
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0度以下での充電はバッテリーへダメージが有る問題
我が家はスノートリップで毎週末冬は寒冷地に行きます。
本当に寒い時はFFヒーターをつけて就寝しますが、
車内の乾燥が嫌なのでFFヒーターを消して寝ることが多い
って事で低温時の充電を遮断する回路が必要ですが、
満充電での充電制御用に購入した部品が余っているのでこれを利用します。
低温時の放電は・・・これは今後の課題ですね。
温度センサーを付けて自動で電装庫を温めるユニットでも考えるか、
冬のスノートリップではFFヒーターを付けっぱなしにするかですが、
充電と違って放電の方はそれほど大きな問題にはならないかな。
車内がマイナス10度を下回る状況は無いですからね。
バッテリーへ充電しているのは走行充電器経由、
走行充電器出力側にあるサーキットブレーカー:60A
走行充電もソーラー充電もサブバッテリーとの間にある
サーキットブレーカーからの入力になるので、
このブレーカーを手動で入り切りする事により
バッテリーへの充電停止が可能です。
但し、サーキットブレーカーを毎回入り切りするのは耐久性の問題もありそう
専用のカットスイッチを取り付けて対応することとなります。
サブバッテリーと走行充電器の間に設置すれば充電を手動で制御できます。
ある程度車内が温まったらスイッチを入替えて充電開始
今回の施工はその手動充電制御部分の施工です。
この手動充電制御を利用して手動で満充電以下で止めることも出来ますが、
前述の通り我が家は満充電保管なので80%保管には拘らないですけどね。
気になる人は毎回手動充電制御で充電をストップすることも可能です。
80%充電問題より気になるのはバッテリー保管温度の問題です。
リチウム電池は0~45℃の温度範囲内での使用が推奨されており、
25℃を中心に 15~35℃が最も理想的な使用温度範囲です。
また、電池の保管温度範囲は、-20~45℃になります。
一般的に約0℃ ~ 40℃の環境では問題なく充電ができますが、
0℃を下回る寒い環境下はバッテリーに好ましくない影響を及ぼします。
リチウム電池の最高許容周囲温度は45℃と言われており
リチウムは熱に敏感で温度が約45℃以上になると劣化が始まり、
バッテリーの寿命にも影響が出てくるようです。
ちなみに我が家が使っているSinopoly SP-LFP400AHAの
カタログ値だともう少し保管温度範囲は高い値ですが、
45℃が高温側の一つの目安だと思って間違いないでしょう。
Sinopoly SP-LFP400AHAの温度範囲
Operation Temperature Charge : 0℃ ~ 45℃
Operation Temperature Discharge : -10℃ ~ 45℃
Storage Temperature : -20℃ ~ 55℃
------------- 参考文献 -------------
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そこで保管温度となる車内温度は真夏に何度になるかですが、
キャンピングカーの車内温度のテストはさすがにありませんが、
普通乗用車での真夏の車内温度の検証テストでは
真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)
車内平均温度(白)で47度(対策なし)
車体の作りが違うのでこの温度より低い車内平均温度だと思いますが、
日が入らないようにしたり外気を取り入れたりすることで温度を下げることも可能
真夏の平日の停車はMAXXFANを開けておくのが良さそうです。
忘れたとしても車内平均温度なので日陰になる電装庫は45度以下かなと思ってます。
念の為に電装庫の排熱は平日も絶えず行う方が良さそうですが、
真夏で車内にあるサブバッテリーは過酷な状況にあるのは事実。
リチウムは鉛と違って温度管理に気をつける必要があります。
この点だけが鉛と比べてリチウムのデメリットになりますね。
【施工】
走行充電器の時に余った端材を座板として利用します。
座板のサイズは130mm×300mm×9mm
走行充電器ユニットを製作している時はまさか生セルに手を出すとは思わず
座板はちょっと無駄な切断が入ってしまいました。
走行充電器ユニットの横に座板を取付けてバッテリースイッチを取付け
サーキットブレーカーの配線と接続
カットスイッチが中間に入ってバッテリーの正極と繋がります。
これで走行充電器からの充電をストップすることができます。
ま~ 本当に寒い時はFFヒーターをつけているので
電装庫がそんなに低温になるかは微妙かもしれません。
でも何かしらの不具合発生時に充電をカットできるのは良いかも。
走行充電はエンジンを切れば止まりますが、
現状ではソーラー充電を遮断するスイッチが無いので
ソーラー充電からの遮断もできる事になります。
素人施工のユニットなので完全にバッテリーと切り離しが出来るのは
やはり何かと安心なような気がしています。
車体側にある配線がバッテリー正極に繋がるので
充電制御の座板に正極配線固定ブラケットを取付けます。
正極端子に無理な力がかからないように一旦座板に
設置した固定ブラケットを経由してからバッテリー正極と接続します。
【銘板】
機能を考えると充電制御の座板が大きすぎる気がしますが、
ここは新たに銘板のスペースとして利用します。
キチンとした銘板を作ろうと見積もりとりましたが結構高い
12cm✕4cmで税別3,500円との事でしたのでそちらはやめました(^_^;)
ん~ 見えないところなのに拘る必要が有りますかね(笑)
もうね ここは我が家お得意の見た目勝負ですよ(^_^;)
タイルは付属の両面テープで貼り付けます。
銘板一つでそれっぽくなった感じがするのは気のせいでしょうか。
アルファベットタイル 22mm 陶製
まだちょっと寂しいので余ったアルミモールを利用します。
これでかなり高級感のある立体的な銘板になったかな。
これなら銘板ってより表札に近いですね(笑)
Renogy商品に付属のステッカーをちょっと加工して貼り付けます。
CEL POWERED あっ これもなかなか良いフレーズですね。
Cheap & Easy Lithium Systemに魂が入った瞬間かも(^^)
【まとめ】
走行充電器ユニット関連の組立ては機能を盛り込むとなかなか大変
最初の予定と色々変わりましたが素人が個人レベルで
安価で簡単なシステムを考えるとこんな感じで追加作業が発生します。
でも、自分なりに走行充電に求める重要なポイントは押さえたつもりです。
安定している鉛バッテリーと違ってまだ黎明期のリチウムバッテリー
気持ちよく使うためにも色々と追加作業が発生しましたが、
これでユニット製作の主だった作業は終了です。
次回はユニットに電気を流す、俗に言う「火を入れる」準備です。
次はオフラインで機器の動作確認を行います。
まずはスマートBMSの専用アプリのインストールです。
キャンピングカーのお勧め記事はこちらです。
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