【バスバー】
リチウムバッテリーの購入と準備からの続きになります。
さすがリチウム化は準備だけでもかなりの連載になりますね。
木材を使った日曜大工は終わったのでいよいよ生セルと
走行充電器ユニットを含めた機器類の組立てを行います。
実際の組み立てはこちらのページを参考にしました。
英語のサイトですがGoogle翻訳でなんとなくわかります。
生セルをイチから組み立てて紹介している日本語のサイトは
まだまだ数が少ないのでどうしても海外サイトが中心になります。
DIY LiFePo4 Battery
まずは生セルバッテリーを新規に製作した座板の上で組立しますが、
海外のYou Tubeでは色んなケースに入れている様子です。
生セルの外周を金属バンドで縛ったりする場合もあります。
何やら長期使用で生セルが膨らむ様で外周を含めて囲う方が良いらしい。
スマフォのバッテリーで言うところの妊娠した状態でしょうか。
確かに使い古して妊娠したバッテリーは極端に性能が悪くなります。
だからと言って力技でバッテリーが膨れないようにするのも変かな?
充放電の使用方法を間違えず、使用状況の最適化が一番なんじゃ
って事で熱に弱いリチウムバッテリーを無理やり自作ケースに入れるより
発熱が一番の原因だと思うので自分は放熱優先でケース無しで考えます。
元々が頑丈なプラケース入りの生セルなので心配していません。
同じ生セルでも最近流行りのアルミシェルならどうなんでしょうね。
このへんは何年後かに正解だったのか間違いだったのか分かります。
その頃にはもっと良いバッテリー運用方法が出ているかもですね。
生セルにはセットとしてバスバーが付属しています。
400Ahにしては頼りない薄い2mm厚のバスバーです。
ちなみにスマートBMS:JBD-SP04S005の仕様は
最大放電電流:150A
過電流保護値:200A
30mm×2mm厚のバスバーでは計算上で150Aと仕様上微妙。
やはりもう少し余裕をもたせたほうが良いと思います。
定格電流200Aとして必要な断面積を計算すると、
必要断面積(mm2) = 定格電流(A) / 電流密度(A/mm2)
ここで定格電流125A以上250A以下の電流密度(A/mm2)は2.5以下
必要断面積(mm2) = 200(A) / 2.5(A/mm2) = 80mm2
バスバーの幅を30mmとすると厚みは2.7mm以上必要な計算です。
バスバーの選定方法とその事例
加えてこのバスバーではBMSとアクティブバランサーの配線が難しい。
圧着端子で取り出したくてもM14のボルトサイズがかなり特殊
2-14なんてサイズの圧着端子はバラ売りなしの100個単位
しかもサイズが特殊だからかなかなかいいお値段(笑)
日本圧着端子製造 【100個セット】圧着端子 2-14
諦めておとなしく無難に圧着端子を買おうとも思いましたが、
正極端子と負極端子の取出し部にも配線取付問題があります。
結局は正・負極側の端子も製作が必要なので全てイチから製作します。
ま~ 素直にショップ販売のバスバーを買ったほうが無難ですけど、
BMSとアクティブバランサーの配線の取り出しは考慮されていません。
購入しても自分の仕様を満足できないなら作るしか無いですよね。
5mm厚 強化バスバーセット
って事で各端子専用の配線取出しバスバー製作用のプレートを購入します。
配線取出し用バスバー製作のために購入した銅板はこちら
タフピッチ銅 フラットバー 厚さ4mm 幅 30mm、長さ 800mm
配線取り出し用の端子を作るのもバスバーを新規製作するのも
それほど労力は変わらないだろうと判断して、
配線取出しプレートはバスバーとして新規に製作しましたが、
これが予想以上に苦労したポイントとなりました。
素人には思ったよりハードなバスバー製作となります。
木材と違って金属加工は思った以上に大変なので、
真似する人はかなり気合い入れてバスバー製作に取り組んで下さい。
素人には金属加工は難易度高くて挫折しそうでした(笑)
付属のバスバーは30mm✕2mmなので厚みを30mm✕4mmにアップ
ってか容量からすると付属品の2mm厚は定格電流150A迄の対応なので、
断面積比にして2倍と付属品より大電流対応の300A対応にしました。
ついでにバスバーを新規に作るならセル間の隙間も開けられます。
バッテリー間の隙間の寸法は7mm±0.5mmで考えています。
バスバー新規製作の意味合いは隙間を開けるのが目的でしたが、
定格電流で考えても付属のバスバーは使えない代物です。
まずは自宅で百均の金鋸を使って地道に指定寸法にカットします。
孔あけはいつものようにホームセンターの工作機を借りて加工します。
ボール盤があれば苦労するけどそれっぽくバスバーが完成します。
カインズ工房
但し、M14用15mmドリルは特殊なのでホームセンターに売っていないので
あらかじめネットで購入して持参した方が良いかもしれません。
鉄工用 15mm ドリル
端子はそれぞれの機能に合わせて4種類6本製作しました。
出来上がりは随分と穴がガタガタだけど気にしない気にしない(笑)
ま~ 所詮は素人の加工なので美しさは求めなくていいでしょう。
BLUE SKY CAMPER PROJECTさんのマネしてバスバーを
折り曲げようとしましたが4mm厚は万力じゃ曲がりませんでした(^_^;)
ポイントはΦ4.2の穴開け位置に要注意してください。
センターから25mmではかなりギリギリで取付けにちょっと苦労しました。
セル連結用バスバーはΦ4.2の穴を4つ開けていますが2つしか利用しません。
配線する際にどちら側を通っても良いように多めに開けています。
4mm厚銅板で製作した端子の各サイズは以下になります。
セル連結用バスバー:3本
サイズ:30mm✕140mm✕4mm
孔あけ:Φ15✕2、Φ4.2mm✕4
正極端子用:1本
サイズ:30mm✕120mm✕4mm
孔あけ:Φ15、Φ8.5✕3、Φ4.2mm✕2
負極端子用:1本
サイズ:30mm✕85mm✕4mm
孔あけ:Φ15、Φ8.5、Φ4.2mm✕2
BMS中継端子用:1本
サイズ:30mm✕85mm✕4mm
孔あけ:Φ8.5✕3、Φ4.2mm✕2
中継端子は板厚が4mmも必要がないので加工が簡単な
薄い板厚でOKですが自分はまとめて同じ厚みで製作しました。
【仮組】
生セルの設置は冷却性を一番に考えて、
生セルの間にアルミモールを差し込んで隙間を開けます。
今回生セルの配置で一番のポイントになります。
アルミモールの厚み寸法は載っていませんが実測7mmです。
アルミモールH型ハカマ シルバー、高さ 5mm、幅 25mm
2連の冷却ファンは横から吹き付けるかたちになるので
アルミモールは生セルの横幅いっぱいの445mmに切断します。
それを3箇所ある隙間に上下2本ずつ入れて生セル間の隙間を保ちます。
アルミモールは1mを3本買ったので445mmが6本取れます。
配置するアルミモールは強力両面テープを貼って固定します。
これで横から冷却ファンで送風すると反対側までキレイに抜けます。
とにかく生セルの冷却にこだわった設置を心がけています。
バスバーとバッテリーの取付時に接続部分をペーパー掛けでゴシゴシ
キレイにしないと酸化被膜が付いているのでかなりの抵抗になります。
ペーパーがけは力任せにやらず、当板にペーパーを巻いて水平に移動
角がダレないようにゆっくりやるのが基本です。
銅の電極端子がマイナス側でアルミの電極端子がプラス側になります。
この状態でバスバーを取付けて隙間なくしっかりと固定します。
M14とかなり太いボルトなので車載工具に合うスパナは有りません。
メンテナンス工具として専用に22mmスパナを購入しました。
TRUSCO コンビネーションスパナ 22 X 22mm
最後に座板の長辺側の位置決めを押し付けて木ネジで固定します。
走行時の振動で生セルが動くとバスバーが緩み接触不良の原因、
生セルが動かないような上面からの固定も必要になりますが、
車体にリチウムユニット取り付け後、上からの押さえを追加して固定します。
これで1つの生セル3.2V 400Ahが4つ直列となり12.8Vの400Ahになります。
12.8V×400Ah=5.12kWhの大容量は迫力があります。
キャンピングカーのリチウム化の本命は今後はやはり、
鉛サブバッテリーをリチウムバッテリーへの置き換えでしょうね。
新車販売でもリチウム搭載の流れは加速するだろうし、
鉛サブバッテリーからリチウムバッテリーへの置き換えも
リチウム化のハードルは思うほど高くないので、
個人がチャレンジできるレベルの作業だと思います。
そうなればリチウムの情報もどんどん出てくると期待してます。
【まとめ】
ネットで調べた素晴らしい先達の情報と自分の考えをミックス
単純に真似するだけでは面白くないのである程度自分仕様にします。
ま~ この素人丸出しの考えが吉と出るか凶と出るかは不明です。
もしかしたら間違っていることをしているかもしれないので
このブログを見て真似する人は疑って見てください(笑)
自分はあくまでも電気の素人なので聞きかじりの知識しかありません。
でも余程間違った事をしない限り問題ないとも思っています。
自分的にはリチウムバッテリーの肝は冷却だと思っているので、
今回の様な感じで放熱最優先で組立てしています。
既製品の安い中華リチウム組みバッテリーの中身の配線は
細く大電流に対応していない作りのようです。
生セルは面倒ですが自分で仕様を決めて製作できるので、
安心して大電流を取り出すことが自分で決めれるのがメリット。
車内では100Aを超える電気製品を安心して使いたいですからね。
次は座板に取付けた機器の配線を行います。
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