【作品#0381】イップ・マン 葉問(2010) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

イップ・マン 葉問(原題:葉問2/英題:Ip Man2)


【概要】

2010年の香港映画
上映時間は109分

【あらすじ】

前作の後、イップ・マンは家族で香港に移り住み、そこで武館を開くと、門下生が徐々に増えていった。ところが、その街を仕切るホンが武館を開く条件を提示してくる。

【スタッフ】

監督はウィルソン・イップ
音楽は川井憲次
撮影はプーン・ハンサン

【キャスト】

ドニー・イェン(イップ・マン)
サモ・ハン・キンポー(ホン)
リン・ホン(ウィンシン)

【感想】

好評を得て製作された「イップ・マン 序章(2008)」の続編。前作でもアクション監督を務めたサモ・ハン・キンポーが本作では重要な役どころで出演している。

前作道場荒らしをしていたカムが、序盤でイップ・マンに手を貸すという展開がある。前作の項でも記載したが、カムがイップ・マンに味方するような展開は前作の終盤にすべきだったと思う。カムはこの場面と留置所から出る場面くらいしか見せ場がなく、反目していた男同士の友情を描くにはあまりにも雑な扱いだと感じる。これくらいだったらこのキャラクターを登場させない方がまだマシだったと感じる。

そして、本作の重要キャラクターはホンである。反目しあっていたイップ・マンとホンが徐々にお互いを認め合っていくことになる。ホンが無理をしてツイスターに勝負を挑み、イップ・マンがタオルを投げ込めなかったことでホンはツイスターにリング上で殺されてしまう。そしてイップ・マンがその復讐に挑む展開となっていくが、ほとんど「ロッキー4/炎の友情(1986)」と同じ展開である。その試合後にスピーチをする場面があるところもまんま一緒である。また、妻が身籠っているという設定も「ロッキー2(1979)」で見た光景である。

そのホン役を年を重ねたサモ・ハン・キンポーが見事好演。撮影中に心臓に問題が生じるなどあったらしいが、ジャッキー・チェンの初期作品に登場する師匠のような、あるいはそれを上回る存在感があった。

イップ・マンがツイスターに復讐を挑む場面では、詠春拳対ボクシングという異色の戦いになる。蹴りも何でもありのイップ・マンが有利に見える中、ツイスターにダウンまで取られてしまう。そこで初めて審判団から蹴りを封じられることになるが、これだったらイップ・マンが優勢だから蹴りを封じられるか、もしくは最初から封じられていた方が良かった。ルール的にはツイスターの方が圧倒的に不利に見える中、イップ・マンはダウンを取られてツイスターが優勢に見える中で蹴りを封じるというのもよく分からない。最初から不利なイップ・マンが戦いに挑んで勝利する方が燃えるものがあると思う。

また、本シリーズのリアリティラインを考えると、円卓の上での格闘シーンはちょっとやりすぎかな。ワイヤーアクションも使い、特殊能力があるように描かれると、この世界観を壊しかねないものになる。円卓が真っ二つに割れて、宙に浮いた半分の円卓を足で扱って椅子の上にうまく乗るシーンはいかにも荒唐無稽である。ここは「普通」に戦えば良かったシーンだと思う。

前作のラストの後日談でも語られていたように、本作のラストには少年時代のブルース・リーがイップ・マンに修行を依頼するシーンまで用意されている。お馴染みの「あの動き」までやらせるのはちょっとやり過ぎにも見えるが、きれいな落としどころだったと思う。前作のヒットを考えると、続編が製作されるのはごく当然にも感じる。本作も見所はたくさんあるのだが、やはりサモ・ハン・キンポーの存在感が絶大だった。

【関連作品】


イップ・マン 序章(2008)」…シリーズ第1作
「イップ・マン 葉問(2010)」…シリーズ第2作
イップ・マン 継承(2015)」…シリーズ第3作
イップ・マン 完結(2019)」…シリーズ第4作
イップ・マン外伝 マスターZ(2018)」…シリーズ第3作のスピンオフ



取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

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