360度からかまされるボケをつっこむ日常は移転しました。



基本的に小説ブログです。


需要があったらURL載せます。
今日から本屋でバイト。
初めてだからよくわかないけど、まあ常識的に考えて、大丈夫だろう本屋だし。


なんて思っていた僕を嘲笑うかの如く先輩
「はいこれ。」
渡された一枚の紙切れ。
そこに書かれたるものは
「店内の書物(タイトル)の配置図!?」
「そ。うちじゃあ、これを覚えるのが新入りの仕事。」
「・・・これをいつまでに!?」
「さあな。だが、これを覚えるまではお前、給料ゼロな。」




というわけだ。
僕はアルバイトに来て早々、紙切れと睨めっこするハメになってしまったようだ。
「ちなみに先輩は覚えてるんですか?」
聞いてみる。
「ふざけたことを抜かしやがれってんだこの畜生が!」
口悪っ!
「俺ぁ店内配置だけでなく、書庫にある在庫数、さらにはお客様の顔からその人の本の趣味まで覚えてる。」
その言葉が僕を驚かせた。
こんな本屋にこんな熱い人がいるなんて。
「ど、どうしてそこまで・・・」
「甘いな、新入り君。今や出版業界は氷河期を迎えようとしている。最近じゃあ、情報は全てネットですぐ獲得できるからな。しかし!しかしだ!それでいいと思うか!?新入り君!!!」
「いや・・まあ・・だめかと」
「それじゃあ俺達に何ができる!?お客様に気分よく本を買ってもらうことだろう!?なあ!そうとは思わんか!!!?」


という具合だ。
これから大丈夫だろうか。
私には小さい頃からの夢があった。


それは、人を操ることだ。


その実現は、途方もなく先のこと、もしくは不可能ではないのか、と疑ったこともあった。




しかし、32歳にしてその夢を実現させることに成功。発明した。




見た目、ただのリモコンであるが、中身は本物。
これを使えば、簡単に人を操ることができる。



さて、街へ繰り出せば、早速このリモコンを使うことになる。

「おい!どこ見て歩いてんだよ!!」

肩がぶつかっただけでこんなことを言ってくるようなベタで典型的な輩と遭遇。
嗚呼、面倒。
そんなとき、このリモコンだ。
このリモコンの命令ボタンを押しながら
「そんなこと言う前に謝ったらどうだ」
と私が言えば
「すまねぇーな!」
という調子だ。


面倒なので、そのまま私は素通りする。
すると野郎の方はわけのわからないような顔で「なんで謝っちまったんだろう」と呟くわけだ。


なかなか面白い発明だと思わないだろうか。
頭ではわかっていてもできなくて情けなくても踏み出す勇気



頭重い体だるくて起きられないそんな朝には朝ズバ見よう



そんなこと言った手前でなんだけど俺は意外とズームイン派



疲れ目に瞼を閉じて開けてみりゃいつの間にやら夜が明けていた



受験生日本を担うエリートかそれともただのユトリートかな




溜息が癖になったのいつからだ昨日も今日も息は白くて





5分間走っただけで筋肉痛




あああああそれは私のだったのに拗ねる姉をなだめる父親






がんばれと言わないほうがいいのならなんと言ったらいいのやら
(五七五七五)
最近ブログからちょっと目を離すと業者が蔓延るようになった。



いやな世の中だなぁ、と。



ブログならまだしも、僕のメールの受信フォルダは大変なことになってしまっている。



一日平均60件ほど業者メールが届く。


ex)おめでとうございます。30万円当たりました。


などなど。



身に覚えのないサイトからメールがバンバンくる。



やっぱりメルアド変えた方がいいのかもしれない。




大学決まったら変えよう。
タッタッタッ・・
階段をのぼる音には悲しみと怒りが込められていた。

許せない。絶対に。



2階に着くと、なにやら人影が見えてきた。

「待ちくたびれたよ~、カツオく~ん」


「あんたは・・・・どうして・・」

タバコをふかすその唇は印象的過ぎて見間違うことはないだろう。


唇はたらこなのに名前は・・・

「アナゴさん・・・!」


アナゴは不敵な笑みを浮かべてタバコの吸い殻を落とした。


「君があまりにも遅いから、もう一箱吸っちゃったよ」


足元を見るとタバコが散乱していた。

「あ~あ、これでニコチン中毒になったらどうしてくれるんだ?えぇ!?」

そう言って、くわえていたタバコをカツオに向かって吹き飛ばした。


「なにすんだ・・・!」


「何すんだ・・だって?ふふん・・何って・・今から君を・・・・・・殺すんだよ」

そう言うやいなや、カツオの首を掴み上げた。


「うぐっ・・・ぐっ」


「ハッーハッハッー。もがきたまえ」


急に捕まれたので持っていたバットを手から落としてしまった。


そして、抵抗も弱々しくなり、声もか細くなり、ゆっくりと意識が落ちようとしていたその時!



「やめろーッ」


「んん?」


威勢の良い声と共に野球のボールが投げつけられた。
紅く、天に向かってそびえ立つ魚介ビルを忌ま忌ましく見つめるカツオ。

唾を飲み込み、バットを握りしめ、ゆっくりと中へ入る。しかし―――――


「誰も・・・いない?」

受付のお姉さんも観光客も誰もそこにはいなかったのだった。


「まあ、これはこれで好都合だが―――」

確かにバットを持って入るような不審者は入場を禁じられそうなものだ。

しかしそのとき、地震でも起きたのかという程の揺れと、何が爆発したような音と、叫び声が聞こえた。

まさかと思い、エレベーターを空けると、そこには―――

「ノリスケおじさん!?」

「あ、ああ・・・カツオくん・・やつを・・マスオくんを・・止めてく・・れ・・・・あいつは・・くるって・・る」


――――その頃屋上では


「ハハハハハハ・・・動揺してるよ、カツオくん。もしかして、怯えてるんじゃない?・・お?こっちに昇ってくるつもりだよ?愚かだねぇ・・どうせ殺されるのに。ねぇ、サザエ?」


マスオの言葉にサザエは睨みかえすのみだった。


――――ロビーでは


「とりあえず、救急車を」

「いや・・・待て・・カツオくん・・・・救急車なんて呼んだとあいつにしれたら・・・サザエさんは・・・もう・・ぐふっ・・・僕のことはいいから・・・とにかくあいつを・・げふぉっ・・・はやく・・・と・・め・・・」


「ノリスケおじさん?・・・・なあ、おい・・・ノリスケおじさん?・・冗談だろ!?・・・・・・おじさん!?・・・おじさぁぁぁぁぁぁん」
何らかの理由でマスオが魚介ビルの屋上でサザエを縛り付けていることを知ったカツオは怒りよりもまず、崖から落ちていくような恐怖心に襲われた。


「カツオ兄ちゃん・・・」

それ故、急に声をかけられて驚いてしまった。


「・・!?お母さん!え?ちょっとこれ、ねえ・・お兄ちゃんがやったの?」


カツオは黙って、野球のバットを持って、玄関に向かった。

「ねぇ、ちょっと!」

「母さんをよろしく。」

カツオはワカメを巻き込まないために、何も告げないつもりだ。

「どこに行くの?」


「野球だ・・・それと・・お前は外に出るな。今日はもう一日中家にいろ。誰か来ても家を空けるな。・・わかったな?」



そう言い残してカツオはスニーカーを突っかけて外へでていってしまった。
「ただいまー」


いつものように意気揚々と家に帰ってきたカツオ。

玄関には母・フネの草履がある。

しかし、返事がないのでカツオは不思議に思った。


「裏庭にいるのかな・・」

そう思いながらも居間を除くとそこには


「・・・むぐっ・・ふ・・ぐ・・ぐぐぐっ」


縄で縛り付けられたフネがいたのだった。

カツオはみるみるうちに青ざめていった。

「・・・母さん!」


すぐさま駆け寄って縄をほどいてやることにした。

「誰が・・・誰がこんなことを!」

そのとき、消えていたテレビが急につき、砂嵐を映し出した。

だんだんノイズが消え、克明になったころ、そこに映し出されている人影が誰がわかるようになった。


「ねぇさん!」


そう、あの国民的魚介類サザエだ。

サザエもまた縛られているが場所が場所だった。

テレビはサザエからズームアウトしていき、その場所を映し出した。

「・・・魚介ビル。」


最後にもう一度ズームインして、今度は別の人物が映し出される。

「カツオくん・・魚介ビルの屋上で待ってるよ。」

その人物、つまりすべての首謀者を目にしたとき、カツオは呆然とした。


「マスオ兄さん・・・どうして・・」
「動くなお前ら!このバスは今から俺らがジャックする!」



〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇



「だから言ったんですよ、先輩」


弱ったように言う広報部山口に俺は小声で答えた。


「なにがだ?」



「だから、ピクニック気分でこんなとこに来ない方がいいって言ったじゃないですか」


「じゃあ、お前はあれか?こうやってバスに乗ったらジャックされるとでも思ってたのか?」



「そうじゃないですけど、僕らって、取材に出かけるといつも変なことに巻き込まれるじゃないですか」



「一理あるが・・・それは俺が一流だからだ。一流の探偵の周りには事件がなぜか多発するだろ?あれと同じだよ。」



「先輩、それドラマの話ですから」


俺達がそんな会話をボソボソとやっていると、黒づくめの男の一人が気づいて近づいてきた。



「おいおいおいおい、そこのおっさん。喋ったよな?今、あん?喋っただろ?」


おっさんとは俺のことだろうか。



いささか年をとったものだ。


俺が自分の老に悲観的になっている間、通路側に座った山口は恐怖のあまり震えていた。



そのとき、俺達の後ろの席から甲高い声が響いた。


「喋るな、とはいってませんよね?」



「あん!?」


綺麗な顔立ちで自信ありげな表情をしたまま、野中くんはまっすぐにくろづくめを睨んだ。



くろづくめはすぐに顔を赤らめた。



「お、おいっ!・・・女かよっ・・・調子狂うな、全く・・ああ、胸がドキドキ・・じゃなくて、おまえら黙ってろ!」



野中くんから視線をそらし俺達の方を向いて威嚇した。


そして運転席の方へ戻っていった。



「ちょっと待ちなさいよ!」


野中くんだ。



「あん!?・・・あ、」


野中くんは男の足元にしゃがんでなにやら男の靴に何かをしている。



「靴紐、解・け・て・る・ぞっ!」


野中くんは渾身のスマイルに極上のウインクを加えて男に対し、先ほどまでとは真逆の女の子らしい態度を見せる。



まさに飴とムチの応用編



これに対して男は――――


「・・・俺は恋をしてしまったのかもしれない」




まんざらでもなさそうだ。





恋に落ちた男は、自分の犯した罪の意識に駆られる。



「ああ、俺はこんな可愛い子が乗っているバスをジャックしてしまった。こんな罪、死んでも拭いきれない。ああ、どうすればいいのですか、神様。」




「おお、ジャックよ。お前はまだ罪など犯してなどいやせんよ。まだ間に合う。まだ警察にはばれてないんだからな。お前を希望へと導いてくれる道を今から教えるからそこの運転手に伝えるがいい。」



この男をジャック呼ばわりする神なんているのだろうか。



「はい。お願いします、神様」


お前もジャックで構わないんだな。



「そこの交差点を右に行け。そして三百キロは道なりだ。その周辺におそらく白と黒の車が止まっている建物があるだろう。そこに行くがいい。」



「ああ、なんてことだ、神様。白と黒の車、そいつはパトカーじゃないのか?」


「いやいや、お前、パトカーじゃねーよ。あくまでも白と黒の車であってパトカーじゃねーよ?うん、落ち着けってお前。あれだよ、あのお前が小さい頃好きだったパンダをモチーフにしたそうだ。」




「ああ、パンダか。・・・でも神様、俺は幼い頃パンダなんて別に好きではなかったのですが・・」



「いや、間違った。コアラだ!そうコアラ!いやー、よく間違えるんだよねー、俺。」



「いやー、神様でもそんなことってあるんだー・・・ってお前さっきの冴えないサラリーマンじゃねーか。何が神様だこのやろ!」



神様の正体は山口だった。



てかジャックどんだけ妄想?



そんなこんなでジャックは今山口に銃口を向けている。




「お前、俺をおちょくったな?」


「ひぃぃぃ」


「やめて!ジャック!ジャック・ニコルソン!!!」


「はい。やめますぅ」



ジャックは野中くんの言うことだけは聞いた。



だから俺は提案した。


「おい、野中くん。もうあの男を自首させよう。警察に行くようにお願いしてくれ」


俺の提案に野中くんは少し悩んでいた。


「えー・・・だって彼、私の言うことなんでも聞くんですよ?そんな人、刑務所に入れるなんて勿体ないじゃないですか。」



「え?の、野中くん!?」


「大丈夫ですよ。使えるだけ使って不要になったら自首させますから」



ああ、人の心は時として鬼になるのだな、と思った瞬間だった。