私には小さい頃からの夢があった。


それは、人を操ることだ。


その実現は、途方もなく先のこと、もしくは不可能ではないのか、と疑ったこともあった。




しかし、32歳にしてその夢を実現させることに成功。発明した。




見た目、ただのリモコンであるが、中身は本物。
これを使えば、簡単に人を操ることができる。



さて、街へ繰り出せば、早速このリモコンを使うことになる。

「おい!どこ見て歩いてんだよ!!」

肩がぶつかっただけでこんなことを言ってくるようなベタで典型的な輩と遭遇。
嗚呼、面倒。
そんなとき、このリモコンだ。
このリモコンの命令ボタンを押しながら
「そんなこと言う前に謝ったらどうだ」
と私が言えば
「すまねぇーな!」
という調子だ。


面倒なので、そのまま私は素通りする。
すると野郎の方はわけのわからないような顔で「なんで謝っちまったんだろう」と呟くわけだ。


なかなか面白い発明だと思わないだろうか。