眼窩腫瘍・・・ 君の名は腺様嚢胞がん -34ページ目

放医研入院編 副作用(早期有害反応) その1

副作用については、次のように説明されていました。

・皮膚が日焼けの状態なる
・照射されたところの眉毛、まつ毛、髪の毛の脱毛
・涙腺に当たるためのドライアイ症状の発症

・視神経に当たるための視力低下
・眼球に当たり白内障や網膜剥離の発症
・筋肉や血管に当たり眼圧が上がり緑内障に・・・

最初の3項目は、照射開始から照射終了後の2,3週をピークに
出てくる早期有害反応。

後の3項目は、半年から数年に出てくる晩期有害反応とのこと。

晩期有害反応については、その時期が来たらブログに書くとして、
今回は早期有害反応について書きます。

重粒子線は、
・垂直 ・・・ 顔に垂直に前方から?
・水平 ・・・ 顔に平行に左から?
・斜め後方 ・・・ 左の耳のやや上からコメカミを突き抜けるように?
の3方向から照射されたと思っています。

「?」が付いているのは、治療を受けた本人は
どう照射されたか正確には分かっていないからです。

通常の放射線は照射する場所にマジックで印を書くようですが、
重粒子の場合は固定具に書いているようです。
印が書かれていれば照射位置が良く分かりますが、
顔に書かれても困るので重粒子で良かった!

でも通常の放射線の場合も、顔の場合は直接書くことは
無いと思いますが・・・。

早期有害反応は、皮膚反応で、
多かれ、少なかれの反応が出たのですが、
その結果から、照射された範囲は大体分かりました。

自分の顔写真を載せるのは恥ずかしいので、
よく「似ているね!」と言われることの多い、
福〇雅〇の写真をお借りして説明したいと思います。


・・・ウソです。似ていません。本当にごめんなさい。



オレンジ色で囲んだ辺りが照射された範囲で、
多少なりとも皮膚反応が出たところです。

赤色で囲んだ辺りが、3方向のから重複して照射された範囲で
私に取って一番強い皮膚反応が出たところです。

先生からは早期有害反応のピークは照射終了後の2~3週を
ピークにして収まっていくと説明を受けていました。

ただ、ブログ上では、照射開始から〇週目と書きます。
そうすると「照射終了後の2~3週」は、
「照射開始から5週目から6週目」ということになります。


・・・続く


重粒子線治療の原理とは その2

生まれた炭素イオンは、
幼少の頃から、大リーグボールギブズをはめられ鍛えられます。

電気的に+のイオンにした理由は、
例えば風力で原子を高速に飛ばすことはできるか?
というと出来ないので、電気の性質を使うためです。

鍛えるためには、人間と同じで、
いきなりプロの世界に行くのではなく、リトルリーグから始めます。

まず、低速用の加速器を使って、
順々と電圧を掛けて真っ直ぐに炭素イオンを加速させます。
(RFQライナック)

更に、中速用の加速器を使って、
同様に電圧を掛けて真っ直ぐに炭素イオンを加速させます。
途中で練習が厭になり、恋に夢中になりそうな炭素イオンもいますが、
磁石の力で引き戻されてしまいます。
(アルバレライナック)

この段階で光の速さの11%まで達するそうです。

最後に電磁石のお化けのような円形の加速器に入れられ、
地獄の周回マラソンで鍛え上げられます。
(シンクロトロンⅠ、または、シンクロトロンⅡ)
1秒間に100万周も回り、
光の速さの80%まで達するようになれば一人前です。

以下は、放医研のパンフレットで説明されている加速器HIMACを図示したものです。



ただ、この状態の重粒子線は、細いビーム状です。
これでは、大きな癌細胞に当てるためには
ビームを動かさなければならないので大変です。

そこで、重粒子線を太らせる必要があります。

垂直、水平に置かれた電磁石を通すことにより、
ビームが円形に動くようにすることができます。(ワプラー電磁石)
そのビームを散乱体に通すことにより、
10cm程度の円形に一様な強度を持つ重粒子線を作り出すことができます。

しかし、この状態では進行方向に対して同じエネルギーの状態のため、
同じ場所でブラッグピークが起きてしまい、厚さのある癌細胞に対応できません。

そこで、深さ方向へブラッグピークの範囲を広げる必要があります。

そのためにアルミニウムでできた三角形のギザギザが並んだフィルタを用います。
(リッジフィルタ)

これで、重粒子線は完全体となり、
地球の平和と癌の撲滅に向かい、飛び立っていきます。

以下は、上記を説明した図です。



治療の際は、円柱形に出来上がった重粒子線を、
患者さんそれぞれの癌の形に合った形にして照射するために、
癌の形に真鍮をくり抜いた「コリメータ」と呼ばれるものと、
癌の奥行きの形にポリエチレンの塊を彫った「ボーラス」と呼ばれるものを
通して照射し、正常な組織へのダメージを最小限に抑えるようにします。



以上です。

分かり辛かったですよね・・・。


重粒子線治療装置の原理とは その1

副作用(早期有害反応)は進行中です。
山場を超え、収束の見込みがついたらブログの記事にしたいと思います。
写真付きで・・・


・・・見たくないですよね。(笑)

副作用は、殆どが皮膚反応だけですので、
特に日常生活には問題ありません。

まぁ、電車内等で若い女性が、私の目の周りの赤みや腫れを、
見た瞬間に少し身を引くときの精神的な落ち込みを除けば・・・(悲)


さて、今回は、重粒子線治療装置の原理を解説したいと思います。

実は、良く分かっていないのですが、
他人に教えることは、自分が理解する早道ということもあるので、
あえて、大胆に書いてみたいと思います。

もし、少しでも分かった気になって頂けると嬉しいです。
しかし、嘘だろうが何だろう、言い切った表現で書きますが、
誤り、曖昧な内容が含まれていてもご容赦願います。


そもそも、
通常の放射線治療と重粒子線治療との差は、
癌細胞を狙い撃ちする「玉」が、
「電子」か「炭素原子」であるかの違いとなります。

普通の放射線はエネルギーを失いどんどん進んでいくのに対し、
重粒子線はエネルギーを温存しながら進み、
止まる瞬間に大きなエネルギーを発散して止まります。

その性質を利用することにより、
「がん」の前にある組織、後ろにある組織への影響を最小限にして、
しかも、「がん」に対して大きなエネルギー(癌をやっつける力は3倍)を
当てることができます。

ちなみにエネルギーが最大になるところを「ブラッグ・ピーク」と
呼ぶそうですが、何故こういう性質があるかは、
私に聞かれても分かるはずはありません。

以下は、放医研から勝手にお借りした上記説明を図示したものです。




では、重粒子の誕生から消失まで、順番に書いていきます。


「かえる」の子は、「おたまじゃし」。
「トンボ」の子は、「ヤゴ」。
「鮭」の卵は、「イクラ」。
「ニシン」の卵は、「数の子」。

では、重粒子の子供は? ・・・ 炭素イオンです。
イオンと言っても、ジャスコの持株会社ではありません。

通常、原子は、+の電荷を持つ陽子、電荷を持たない中性子が
詰まっている原子核の周りを
-の電荷を持つ電子が回っていて、
+と-の電荷の数が等しく、電気的には安定しています。

ここまでは、中学生の理科の知識です。
次は、高校生の物理の知識かな。

その原子に高速な電子をぶつけることにより、
原子の周りを回っている電子を剥がしてしまうことができます。
そのとき、原子は+の電荷の数の方が多くなり、電気的に+となるわけですが、
このような電気的に安定していない原子をイオンと言います。

重粒子の場合、電子を2個剥ぎ取った炭素イオンを用いるそうです。
この炭素イオンが重粒子線へ成長していきます。


・・・続く

放医研入院編 医療費

今回の放医研での医療費について書きたいと思います。

医療費を以下のように分類します。

①入院・診療・投薬・画像診断の費用(通常は3割自己負担、7割は保険給付)
②食事療養費の費用(原材料費相当は自己負担、残りは保険給付)
③差額ベッド代(原則自己負担)
④重粒子線治療代(一律314万円、原則自己負担)

但し、どういう形で治療を受けたかにより自己負担は変わってきます。

入院患者の中には、外国人の方もいました。
ブロンドの髪の毛で30代前後のなかなかの美人の女性です。
外国籍なのか、日本国籍の方なのか分かりません。

重粒子線治療設備で実際稼動しているところは、
日本の2箇所とドイツ1箇所だけとのことです。

重粒子線治療を受けるために日本に来られる外国の方もいるでしょう。
その場合は、自由診療になります。
まったく私と同じ治療を受けた場合には、
上記①から④を全て自己負担しなければならないので、
総額 370万円強(個室で無い場合は、350万円弱)となります。

また、日本人の場合で、先進医療適用の部位であった場合は、
総額 350万円弱(個室で無い場合は、325万円弱)の自己負担となります。

私の場合、まだ先進医療適用ではなく、臨床試験の段階であったため、
総額 約27万円、一般病室にすれば、約2万円の自己負担となりました。
臨床試験の場合、重粒子線照射初日から最終照射日の間は、
①、②、④は全て自己負担は無しとなります。
保険給付として健保組合の負担になっているのか、
放医研の負担になっているのか分かりませんが・・・。

涙腺がんの治療実績としては、以下の通りで
まだ臨床試験のサンプルが少ないという理由であると思います。

2002年 5人
2003年 3人
2005年 4人
2008年(9月まで) 3人(私を含む)
合計 15人

幸い臨床試験の適用となり、
非常に少ない費用負担で済みましたが、
先進医療適用となったとしても、重粒子線治療を受けたと思います。

今の私にとっては、314万円という金額は、もちろん大金ですが、
払えない額ではありません。

しかし、支払いがかなり厳しい人もいると思います。

マイケル・ムーア監督のアメリカの医療費問題を
取り上げた映画「シッコ」の場面に、
事故により両腕を切断してしまったが、
医療保険が片方の腕の縫合手術費用分しか出ない
との理由で利き腕の手術だけをした・・・
という場面がありました。
記憶が定かではありませんが、費用も数万ドルだった気がします。

映画を観ているときは、義憤にかられたのですが・・・
日本とアメリカは異なるし、他人事のように思っていました。
しかし、今は、日本でも同じ状況にあると実感しています。

もし、涙腺がんが先進医療適用になった時点で、
重粒子線治療費は高いので、安い治療法を選択し、
眼球も瞼も眼窩の一部の骨も取りました。
という方が出てくることになるわけで・・・ 
これでは、アメリカと同じでは無いでしょうか。

誤解があると困るので、念のために書きますが、
当然、適切な技術がある前提です。
縫合手術の技術が無い時代では、腕をあきらめるしかないですし、
重粒子線治療が無い時代では、眼窩内容除去術も仕方無いです。
しかし、選択肢があるのに、
金持ちと貧乏人の治療方法が余りにも違うのは問題だと思います。

だから、早く重粒子線治療も保険適用になって欲しいと思います。

一番の阻害要因は、普及性で、
「国民が平等に治療を受けられるための地域発展」
であるそうです。

つまり、日本の津々浦々に重粒子線治療設備が配置され、
誰でも治療を受けることができなければならないということです。

現在、具体的に計画が進んでいるのは、群馬大学ということのようですが、
各地でも構想が練られているようです。

一日でも早い保険適用を切望します!

当面は自己防衛しか出来ないので、
妻には、先進医療特約付きの共済に加入させました。
あくまで保険なので・・・
先進医療費全額はカバーできませんが、
保険料の負担もソコソコのものを選びました。

放医研入院編 重粒子線治療について

放医研の2007年度の平均入院者数は、
女性34名強、男性35名強、合計約70名だそうです。

入院患者の全員が重粒子線治療を受けるわけではありません。
重粒子線治療のために検査入院している方、
他の放射線治療を受けられている方もいると思います。

入院直後の9月初旬の状況は、男性入院患者数が27名、
重粒子線治療者数は全体で36名でしたが、
私が退院する直前9月中旬の状況では、
男性の入院患者数が36名で、
重粒子線治療を受けられる方は全体で69名でした。

何が言いたいかというと・・・

重粒子線治療装置の定期メンテナンスが冬・夏の年2回あるが、
夏は8月一杯メンテナンスを行う。
治療を受けるならば、メンテナンス明け直後の方が
空いていて良いですよ・・・と言う事。
でも、そう都合良く病気にはなれませんね。(笑)

また、9月中旬で入院患者数は、ほぼ平均となっており、
今後は、キャパシティが一杯になり、
治療を受けるためには、ベッドの空きを待つ必要が出てくると
思われることです。

重粒子線治療装置は大変高価な機械だから、
休み無く稼動させた方が良いに決まっていますが、
人材の確保、検査機器や入院設備の拡充などの問題があり、
現状の運用に収まっているのだと思います。

重粒子線治療時間となり、看護師さんから声を掛けられたら、
病院の地下通路を通り、重粒子線棟の地下にある治療待合室へ行きます。
初めは看護師さんに連れられて行きますが、
馴れてきたら一人で行きます。

重粒子線の治療待合室で待っていると、
順番が自分より前の患者さんの治療が終了すると、
重粒子線治療室の看護師さんが治療室へ連れて行ってくれます。

治療室は、A、B、Cの治療室に分かれていますが、
治療方法(照射位置等)によりそれぞれ異なります。

治療室に入ると準備をします。
私の場合はネット帽子のようなものを被るだけです。
治療部位によっては膀胱に食塩水を貯めるなども必要になるそうです。

あとは治療台に乗り、固定具により固定されます。

じっと10~15分、我慢している間に
技師さん達が、照射装置やベッドの位置など色々微調整し、
照射位置決めを行います。
その後、技師さんの「治療を始めます」との言葉から、
1~2分で終了します。

前にも書きましたが、
照射終了の少し前に7~8回、青い光が見えます。
重粒子線の治療が目に見えるのは、目の周りの部位の患者の特権ですね。
気のせいだと思いますが、照射時かすかな圧力と特有のにおいも感じましたが・・・。

前方から、横から、斜め後から3方向からの照射を
交互に行いました。
斜め後からの場合は、ベッドを横へ30度台傾けるため、
態勢的には一番辛かったですが・・・馴れてくると半分眠っている状態で
治療を受けることができるようになっていました。

全て「馴れ」ですね。
初めの頃は「治療を始めます」の言葉で、心臓がドキドキしはじめ、
胸の辺りをベルトで固定されているため、大きな呼吸も出来ず息苦しいし、
意識してしまうと目や瞼が動きそうになるし・・・
治療中に渡された「ナースコールボタン」を今押したらどうなるかな?とか
変なことを考えてしまうし・・・
でも、馴れると何でも無くなります。(笑)

治療中はBGMが流れています。
自分の好みの音楽を流して貰いたい場合は、
CDやテープを持ち込めるそうです。

さすが、最先端の病院ですね。
iPODスピーカーもありました。

・・・ウソです。(笑)


病室から呼ばれて、治療を終え病室に帰るまでの時間は、
30~40分でした。

順番は自分で決められないので、
朝早く終わってしまう場合とか、18時過ぎになるとか
バラバラでした。
9月初旬は午前中内に全ての治療が終わっていましたが、
9月中旬には、最終治療者の終了が20時頃になる日もありました。

私の場合、最終治療日、退院日の予定は4番目で、
当日、1番繰り上がって3番目となったため、
治療が10時前に終わり、早い時間に退院が出来て幸いでした。


副作用については、治療終了後、1~2週間が、
早期有害反応のピークだと言うことなので、
後日、まとめて書きたいと思います。

とりあえず、現段階での副作用としては、
まったく無いわけではありませんが、
特筆すべきほどではありません。

こんなことを書くと非難されそうですが・・・

同じ「人に優しい癌治療」を受けていても、
早期有害反応で喉にダメージを受け、食事が自由に食べられなかったり、
導尿のため袋を提げて行動しなければいけなかったり、
治療も光を見つめてじっとしていなければならないとか、
膀胱に食塩水を貯めなければならないとか・・・
それと比べたら、早期の副作用は非常に軽く済みそうで、
治療の受け方もとても楽にでき、
健康そのもので入院生活をエンジョイできて・・・

もし生まれかわって、不幸にもまたガンになってしまったとしたら、
同じガンが良いかなぁ・・・なんてね。(笑)

もちろん、あくまで、ここまでの経過に対する評価です。
今後のことは分からないし。

それに、生まれかわりは有り得ないし。(笑)