こんな本、読んでます。 -18ページ目

こんな本、読んでます。

どれくらい本を読んでいるのか記録してみます。。

最高は☆5つです。

赤川 次郎
緋色のペンダント
☆☆

脳溢血の後遺症が残る父と、看病疲れでやつれた母との日々の中で

爽香は家庭教師のアルバイトをつつけながら大学に通っている。

安西布子と河村刑事の間には子どもが誕生し爽子と名づけられる。


本書では爽香は大学助教授筒井とその妻や愛人との三角関係に巻き込まれ、

また今日子に横恋慕する若者から命を狙われる。


彼氏だった明男は母がつれてきた裕子との新密度を深めていき、ついには爽香と別れることになる。

この明男の別れの切り出し方の男らしくないことといったら。

ホントニ男を下げるとはこのことだと怒りが湧いてきた。

これで爽香も次の恋に進めるのね。よかったよかった。

帚木 蓬生
受精

☆☆☆


結構な読み応えのある小説だった。

恋人を交通事故で亡くした北島舞子は、生きていることに意味が感じられなくなり

空っぽの状態になっていた。あるとき、かつて二人で訪れた寺院で、外国人の老僧に出会い、

「恋人は生きている、彼の子供を生みたくないか」ともちかけられる。

舞子は老僧に導かれ、死んだ恋人の子どもを妊娠するために、ブラジルの港町サルヴァドールへと旅立つ。

そこには舞子と同じ境遇の女性が韓国やフランスからも来ていた。


地球の裏側サルヴァドールにある病院は最新設備がそろっているホテルのようなところだが、

実際には膨大な数の血液と遺伝情報のデータベースだった。

その情報を元に保険会社などから多くの利益を得ている組織だった。

そしてその裏側にはヒトラーの遺伝子を再生させようとする陰謀。


なぜ「死んだ人の子どもを妊娠できるのか」という理由については全く説明されず

マインドコントロールされた状態でそう信じてしまうところに、少し抵抗を感じたが

催眠術のようなものは、本当にそう信じさせることができるのかもしれない。



冷静に振り返るとちょっと設定に無理があるかなと思うところもあるが、

総じてダイナミックで読むものを飽きさせない大作だと思う。

子どもを授かりたいと思う女性の心理も丁寧に描かれていて嫌味がなかった。


赤川 次郎
琥珀色のダイアリー
☆☆

爽香は系列高校から大学へ進学。親友今日子は別の大学の医学部へ。

彼氏の明男は同じ大学へ進むが、明男の母親は爽香を嫌っている。

そして母親は爽香の変わりに、自分の好きなガールフレンド刈谷裕子を明男へ紹介し

その人との交際を勧める。

裕子は明男を好きになり、積極的にアプローチする。明男はそんなつもりはないものの

生来のやさしさ(=煮え切らなさ)でずるずると裕子と長時間時を過ごすようになる。

このあたりは読んでいてイライラする。ほんと、たいした男じゃないと思うし。

それに振り回される爽香もどうかと思う。

いつもは頭の切れのよい爽香にとっても、恋愛は別次元なのだろう。


今回は爽香が家計の足しにとはじめた家庭教師先の家庭でおこる。

このお金持ちな家庭は、旦那がどうしようもない男で、妻以外に愛人を家政婦として囲っている。

挙句のはてに、美人秘書(愛人2号)をつれて海外赴任から帰ってきた。

そんな家庭でそだった娘多恵が苦しまないはずがない。。


テーマとしては複雑で思い家庭内の問題が描かれていると思う。

文章が分かりやすいので読みやすいのだけど、やはり家庭問題は重い。。



赤川 次郎
薄紫のウィークエンド

赤川次郎が1989年以降、毎年一冊づつだしている杉原爽香シリーズの第4作目。

赤川次郎の他の小説だったら、主人公の家庭にいろいろと不幸があるなんてないのだろうけど

爽香の場合は少し違うようだ。そんな気配が漂い始めるのがこの本かもしれない。


爽香の環境の大きな変化は、父親が脳溢血で倒れて休職したことだ。

麻痺がおきているため母親が看病でとても疲れているのに

義姉の則子は子どもの世話を母親に押し付けるため、それが爽香には気がかり。

則子との関係は悪くなる傾向に。


親友の今日子は、マリファナ疑惑のあるお坊ちゃん大学生と交際して

事件に巻き込まれる。

最期はその拠点に踏み込むのだが、その際頼りにしていた恋人明男は

母親の引きとめに屈して現れなかった。

二人の関係はちょっとだめっぽくなってく。


赤川 次郎
亜麻色のジャケット
赤川次郎が1989年以降、毎年一冊づつだしている杉原爽香シリーズの第3作目。
ここ2日でこのシリーズは7冊読んだ。
もはや私の興味は登場人物の人生模様に集中しているので
本編の殺人事件には触れないことにしますニコニコ

親友の今日子はお坊ちゃまの中田光夫の親の交際反対に会い、別れる。

河村刑事は安西布子にようやくプロポーズ。

それに対して、爽香と明男の恋はぜんぜん進展しない。

この本では明男はほとんど登場しなかったな。不自然なくらい。

次への布石かもしれない。


東野 圭吾
時生
☆☆☆☆

非常によくできた小説だとおもう。

ミステリーではないので、東野作品にミステリーを期待している人には

期待はずれになるかもしれない。


不治の病の息子の最期を前に、宮本拓実は妻に、20年以上前の話を始める。

当時どうしようもない生活を送っていた拓実はトキオという名の少年に出会い

一緒に行方不明になった当時の恋人を追いかける。


過去・現在・未来が絡み合い、何度も読み返した本だった。

火事で死に行く人が言う「今、この瞬間にも未来を感じることができる」

という言葉が印象的だった。


今、自分は未来を感じながら生きているだろうか。


石田 恵子
女が定年退職するとき
☆☆☆☆

大変示唆に富む本だとおもう。

日本出版販売株式会社で32年間、定年まで勤め上げた著者が

仕事人生、私人生を振り返りながら

定年後の心の揺れ動きについて語っている。

女性が定年まで勤め上げることがまだまだ少ないなか、

社会で生きるうえでの経験・教訓を惜しげなく教えてくれている。


著者は働く女性には4つのトンネルが待っているという。

一つ目は会社に入社し職場の人間関係の中に投げ込まれたとき

2つ目はキャリアが身につき、ゆとりをもって見渡したときに感じる男性主導社会の矛盾

3つ目は恋愛・結婚、そして育児と仕事の両立

4つ目が定年である。


退職という孤独なトンネルを、著者は古代ローマの詩人ホラティウスの叙事詩を胸に

歩こうとする。 

神々が定め給もうた おのが行く末を

知ろうとはするな 御法度だ

・・・・・・ただ摘んで行け その日その日を


著者は退職後、日々の時間割と月単位の計画をたて、

それに沿って生活をすることで、会社を離れて孤独になった自分を支えようとする。

しかし、不意におきた体調の変化と闘病生活を経て

退職後の焦りの気持から抜け出し、穏やかな心境になっている。


これからはまったく未知の道を歩いていくのだ。

管理社会から外れた私は、これからは一歩一歩自分の足で踏みしめながら、

道を作る覚悟で、歩いていかなければならない。

疲れたら無理をせず、立ち止まって一息いれよう.

自分のまわりに吹く風に誘われながら、先に歩いていくしかない。


職業に就くまでは、人は教育課程をはじめとした決められた枠組みの中にいる。

そして会社に就職をしたら、ほとんどの人は会社という枠の中にいる。

その会社を定年で卒業したら、人はどのような枠に入ればいいのだろう。

枠がないと自由だけど、孤独になりがちだ。

体も無理がきかない状態で孤独と向き合うのは、けっこうしんどいのではないかと思う。

人生80年とも言われる中、定年後の枠をいくつか用意することは

もっと国レベルで取り組んでもよいのかもしれないと思った。

赤川 次郎, 三村 久美子
群青色のカンバス―赤川次郎ミステリーコレクション〈16〉
☆☆

赤川次郎が1989年以降、毎年一冊づつだしている杉原爽香シリーズの第2作目。

高校生になった爽香はブラスバンドでフルートを吹いている。

陸上をやっていたはずの丹羽明男もなぜかブラスバンドで打楽器。

二人は部の合宿で高原に行くが、謎の女性が宿舎で自殺し、放浪画家が自宅で殺される。

中学時代の教師の安西布子、川村刑事も登場して、事件を解決していく。

第二作では爽香と明男がいつのまにか恋人同士になり、最後はファーストキス。

爽香の兄夫婦もいつも実家で愛をはぐくんでいるだけあり、妻が妊娠。

川村刑事は布子にアタック中。

今後がますます楽しみであるラブラブ

赤川 次郎, ささめや ゆき
若草色のポシェット―赤川次郎ミステリーコレクション〈9〉

☆☆

赤川次郎が1989年以降、毎年一冊づつだしている杉原爽香シリーズの第一作目。

主人公は15歳、中学3年生。一年一冊毎に一つづつ年をとっていく。

このような形態の小説をシークウェル(sequel)というらしい。

小説を愛するものにとって、長年にわたって自分と同じように年を積み重ねていく

キャラクターがいるというのはとてもうれしい。

そのキャラクターの人生を一緒に歩んでいける気がするから。

青春まっただなかから始まったこのシリーズ、きっと恋愛、就職、結婚などをしていくのだろうと

1作目を読んだ段階で楽しみになった。


シークウェルのいいところは、後々の作品で、それまでの作品のエピソードが複線となって

絡みあうことだと思う。

あ、そうか、あんなこともあったなぁ と反芻できるのはこの形態の醍醐味だ。

とはいっても赤川次郎の作品なので、森博嗣のような、作品の重要なキーワードとしての複線ではなく

エピソード的なものになるとは思うけど。


(下記、ネタバレ)

さて、第一作目では爽香の親友である松井久代が学校で死んでいるのを

爽香始まる。陸上部の丹羽明男、刑事の川村と絡みながら事件を解決していく。

久代がもっていたのが若草色のポシェットだったのだが、これは父親からもらっている。

父親を憎みながらもポシェットを携えて家出してしまうところに

家庭内虐待の難しさが透けて見える気がした。


石垣 りん
空をかついで
☆☆

石垣りんさんの4冊の詩集から編者が選んだベスト版。

39歳の処女詩集から30年弱をかけて

編まれた詩の中から選ばれただけあって

人生を暖かく、そして厳しく、包み込むような詩がたくさんあります。


詩の一つ一つが、それぞれ物語りのようで

その物語に投影される自分自身の現在の在りようが

混ざり合って、心に響く。

そんな詩集です。

それはやはり、言葉の一つ一つが磨かれているから

投影された自分がはっきり見えるのでしょう。


ちょっと立ち止まってみたいときに

これをお供にブランコに乗りたい。


個人的に「表札」では、

第三者からの評価を気にしがちな自分に気がついて

はっとさせられました。

自分の住むところには

自分で表札を出すにかぎる。





元の4冊は下記。

石垣 りん
表札など―石垣りん詩集
石垣 りん
焔に手をかざして
石垣 りん
やさしい言葉―石垣りん詩集
石垣 りん
略歴―石垣りん詩集
石垣 りん
私の前にある鍋とお釜と燃える火と―石垣りん詩集