こんな本、読んでます。 -17ページ目

こんな本、読んでます。

どれくらい本を読んでいるのか記録してみます。。

最高は☆5つです。

睡眠文化研究所
寝床術
☆☆☆☆

どのようにしたらよく眠れるかというHow-To本ではない。

もちろんエッチな本でもない。


出版が睡眠文化研究所となっているように、寝るということを文化として捕らえ、

国による「寝る」という意識の違い、生理学的に寝るということはどんなことなのか、

寝る環境としての寝室~家 など多彩な角度からの調査・研究のレポートを集めている。

いろいろな専門家のレポートがあり面白い。

もちろん、寝るための工夫などの豆知識もいっぱい。


イラストや写真が多用されていたり、雑誌ぴあの「はみだし」のような欄外コメントがあったりと

楽しく読める工夫がされた、読みやすい本である。


日本では夫婦の寝室が別になっている家庭が40%もあるそうだが、

世界的には異例で、ほとんどは夫婦同室のようだ。

家庭で夫婦が二人きりで話し合える環境は寝室だけだと思うのだが

別室だと会話が減ったりしないのかと他人事ながら心配である。

眠りに落ちる直前のたわいもない会話を交わす時間が私は好き。


また、よく眠りよく目覚めるためのリポートも面白い。

脳内にある体内時計が作り出す体のリズムをサーカディアンリズムというそうだが

このリズムは明るさを感じることにより調整されているらしい。

つまり、昼間に明るい光をあびることでメラトニンの分泌も正常になり

だんだん夜になり暗くなるにつれ眠くなる。そして朝にむかって明るくなり始めると

覚醒していく。

夜にあまり強い照明を浴びない、刺激の強いものに触れないほうがよいということは

なんとなく知っていたが、朝については知らなかった。

起きる少し前からだんだん照明を明るくしていくことにより、無意識下で身体が覚醒していき

ある程度覚醒した段階で目覚まし時計など音により起きると

気持よく起きられるそうだ。

そのような照明セットもあるようなので、早朝暗いうちから起きるような仕事の方は

検討するのもよいかもしれない。

下記はスタンドだけど、シーリングライトも6万円くらいであるようなので

いつか欲しいなあ。

ナショナル おめざめスタンド ASSA ホワイト
¥26,040
東急ハンズ




木村 貢
総理の品格―官邸秘書官が見た歴代宰相の素顔
☆☆

著者は昭和27年に池田勇人の秘書となり、それ以来四代の総理に仕え

50年以上永田町を見続けてきた人物。

大平、宮沢両首相の首相秘書官を勤めたというが、名前を知ったのは本書が初めてだった。

宏池会という池田首相を中心とした政治グループを立ち上げ、

長らくその事務局を務めてきたという著者が

池田-大平ー宮沢といった人物を身近に見ながら、それぞれの首相が

どんな人間関係の中で生きて政治を行っていたのかを語っている。


当時の官邸担当記者の追想なども織り込まれ

政治家の人物像を浮き彫りにしている。


ニュースでしか触れる機会のない政治家の生態を知ることのできるいい本。

政治好き(そんな人いるかな?)にはたまらないかもしれない。

「加藤の乱」とかで印象になっている加藤紘一も、非常に頭の切れる優秀な人だとか。


ただ、やはり身内のことは悪くは書いていない。

宏池会は「汚い金」は受け取らなかったというが、じゃあ集めた金は何に使ったのか?

使い方は汚くないのか?

政治に金がかかるとはどういうことなのか?

庶民には分からないままであった。

角川エンタテインメント
戦場のアリア スペシャル・エディション
☆☆☆☆

非常に感動して、映画館で2回見た。


1914年、第一次大戦下、ドイツ軍占領中のフランス北部の前線で

フランス軍、スコットランド軍、ドイツ軍が睨み合っていた。

クリスマスの夜に、スコットランド軍の塹壕からはバグパイプの音色が聞こえ、

ドイツ軍ではテノール歌手のアリアが流れる。

そして互いに歩み寄り、クリスマスだけの停戦が前線で実現した。

この3カ国が歩みよるシーンは非常に感動的です。


停戦といっても、戦闘を止めるだけではない。

互いの兵隊が酒を酌み交わし、愛する家族の写真を見せあい

サッカーに興じ、そして死者を弔う。

「対戦相手を殺せ」という国の上官よりも、

生身の兵士たちの方が人間らしいと気づき、苦悩する兵士。

そしてその出来事は、軍上層部に伝わり、それぞれで処分がされる。


3ヵ国のそれぞれの立場から平等に描かれており、

それぞれの視点からの国家・宗教などへの皮肉もこめられている。

非常によくできた反戦映画であるとも思う。

予告編では戦場で歌う女性のシーンが印象的だったのだが、

本編では彼女はとくに主役ではなく、

むしろフランス経由でのオランダ逃避を考える自己中なところが気になった。


配給元のHP を見ると、1993年にイブ・ビュフトー著「フランドル地方とアルトア地方の戦い1914-1918年」の一節、

「1914年の驚くべきクリスマス」と題された章に同様のエピソードがあるらしい。


戦地という極限状態、さらに緊迫した前線にいる兵士たちが戦地でのつかの間の温かさを味わえた〈クリスマス休戦〉のきっかけとなったのは、ドイツ人テノール歌手の素晴らしい歌声だった。
この役柄は当時、実際に慰問公演を行っていたドイツのテノール歌手、ヴァルター・キルヒホフである。

1914年のクリスマスにドイツ軍の塹壕で歌っていたところ、

100m先のフランス軍の将校がかつてパリ・オペラ座で聞いた歌声と気づいて拍手を送ったのだ。

そしてヴァルターが思わずノーマンズ・ランドを横切り、賞賛者のもとに挨拶に駆け寄ったことから、

他の兵士たちも塹壕から出て敵の兵士たちと交流することになった、という得がたいエピソードが史実として残っている。
ノーマンズ・ランドの境界線は、戦争を始めたごく一部の軍部指導者間で決められていたが、

音楽には境界線などなく、同じ気持ちで祖国を想う兵士達に友情の交流を生んだのである。

エリヤフ ゴールドラット, 三本木 亮
ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

☆☆☆


いろいろなビジネス雑誌で名著として取り上げられていたので

読んでみました。


機械メーカーの工場長を主人公に、工場の業務改善プロセス、

生産管理、経営管理とはなにかについて

小説仕立てで描かれている名著。

アメリカのMBAコースの副読本に指定されているように

中身は非常に濃い。


生産管理において重要なのは、効率性とか、目先のプロセス改善ではなく

「利益」という尺度で測るべきだというのはなるほどと思った。

エンジニアとしては、目に付くところを一つ一つ改善して、それを積み重ねることで

全体の最適化が図れるように思いがちだが

実際にはそれが事態を悪化させることがあるということを

意識しなければいけない。


本書の詳細解説はAmazonの日経BP企画によるものが分かりやすいので

そちらを参照するのもよいかと思う。


ナンシー ウッド, Nancy Wood, Frank Howell, 金関 寿夫, フランク ハウエル
今日は死ぬのにもってこいの日
☆☆☆

Today is a very good day to die

で知られる、プエブロのインディアンに言い伝えられている詩を集めたもの。

1974年に出版されていらい、世界各国で読み継がれているそうだ。


自然に神聖なものを見出し、共生しようとする彼らの行き方は

八百万の神を大切にしてきた日本人の思想と重なる部分も多く

暖かい詩は受け入れやすい。


冬というと、季節の終わりや死などを連想しやすいが

彼らは冬を誕生の季節と位置付ける。

夏の間にエネルギーを消耗した大地を休め

次の誕生のために鋭気を養うために冬があると。


インディアンにとって冬が重要で、

Many winters I have lived

と振り返る一節があるように

日本人も数え年では冬を数えていた。

やっぱり両者の考え方は似ていると思う。


この詩集には英語の原文(?)が載っているが

そのリズムもとても美しい。

ぜひ原文も読んでみてほしい。


私の好きな詩を一つ引用する。


A long time I have lived with you

And now we must be going

Separately to be together.

Perhaps I shall be the wind

To blur your smooth waters

So that you do not see your face too much.

Perhaps I shall be the star

To guide your uncertainwings

So that you have direction in the night.

Perhaps I shall be the fire

To separate your thoughts

So that you do not give up.

Perhaps I shall be the rain

To open the earth

So that your seed may fall.

Perhaps I shall be the snow

To let your blossoms sleep

So that you may bloom in spring.

Perhaps I shall be the stream

To play a song on the rock

So that you are not alone.

Perhaps I shall be a new mountain

So that you always have a home.


近藤 勝重
大阪の常識東京の非常識
☆☆

この本は、大阪と東京の比較というよりも、大阪文化の応援本という

位置付けになる。

吉本興業や、大阪のおばはんのファッション、阪神タイガースなどを

取り上げて、大阪文化を語るエッセイ調のものだが、

ところどころで歴史や古典芸能も取り上げられている。


個人的に面白いと思ったのは、

江戸の「粋・意気(いき)」に対する大阪の「粋(すい)」である。

恥ずかしながら「粋(すい)」という言葉を初めて知ったのだが、

佐々木幹郎氏の公演録からの抜粋によると、下記のようなものらしい。


江戸で言う「いき」の概念は、色気があること、才能の幅が広い、それから風雅、

華やかなこと、というふうに非常に多くのバリエーションがあります。

来れに対し、大阪の「すい」の概念は、もうちょっと狭い。

むしろ道楽という言葉に近い意味があります。大阪における道楽というものはひじょうに 

価値が高い使われ方をしていて、物事の酸いも甘いもよく経験して、人間生活の表裏に通じ、

そして諸芸全般にわたっても知識がある人、というニュアンスがこめられています。

そこには色気が、江戸の「いき」に比べてちょっと少ないんです。


また、大阪弁を話す人は早口だったり、口数が多かったりするので

きつい印象があるが、大阪弁というものは、人を思いやるという意味から

あいまいさを残した言葉であるそうだ。


関西人と話をしていると、笑いの焦点が東京とちがうと思う。

関西人は自分をネタにして笑いをとる自虐的な笑いが多いのに対し

東京の人は他人を貶めて笑いを誘おうとする傾向があるように思う。

これは言葉の使い方を含めた文化的なものなのかもしれない。


赤川 次郎
小豆色のテーブル
☆☆

赤川次郎が1989年以降、毎年一冊づつだしている杉原爽香シリーズの第10作目。

爽香は高齢者向けの高級ケアマンションで働いている。恋人明男が殺人の罪で逮捕されていることから

いろいろな妨害や偏見の目が爽香へも向けられるが強く生きている。


勤務先に入所してきた元大女優の栗崎英子の子ども達が、財産目当てに孫の偽装誘拐をたくらむことから

事件は始まる。この英子がなかなかよい。気風がよくて、曲がったことが嫌いで、

そばにこんな相談相手がいたらよいなと思わせる人物。


本書では珍しく殺人が起きなかったこともあり読後感も爽やか。

明男の懲役2年は短いんではないかい?

赤川 次郎
暗黒のスタートライン
☆☆

赤川次郎が1989年以降、毎年一冊づつだしている杉原爽香シリーズの第9作目。

爽香の人生が一気に朝ドラの主人公の人生のように転回した一冊。

爽香の人生を構成しなおすだけで、一冊の本になりそうな気配になってきた。


爽香は大学卒業後、古美術点に勤めている。

そこに突然明男から中丸教授婦人真理子が殺されたので連絡がある。

無実だと主張する明男を信じて、爽香は彼をかくまうが、

彼は姿を消して、また殺人が起こる。


明男は真理子の愛人のようになり、恋人だった裕子とも疎遠になっている。

そして裕子は中村教授に体を許し、そのコネでG興産に就職した。

そしてG興産の社長の甥と結婚を前提に付き合いはじめている。

明男はかくまわれている最中にも女の子を「買う」ような

駄目な男に成り下がっているが、そんな奴でも爽香は愛していることに気づき、

明男に犯した罪を償うよう導いていく。




赤川 次郎
瑠璃色のステンドグラス
☆☆

赤川次郎が1989年以降、毎年一冊づつだしている杉原爽香シリーズの第8作目。

大学の事務室のアイドルである和田良江の姉はかつて恋人と心中していた。

その相手五十嵐武士が、人気作家として突然現れる。

おまけに五十嵐は婚約者との仲を母親に反対されると、あっけなく別れ、

良江に接近してきた。相談相手だった爽香も事件に巻き込まれる。

瑠璃色のステンドグラスとは、五十嵐が婚約者と下見にいった結婚式場にあったもので

五十嵐の欺瞞の象徴であるかのようだ。


本書では、衝撃の次回作「暗黒のスタートライン」への布石がいくつかちりばめられている。

明男は中丸助教授の夫人との仲が噂され、それが原因で裕子との仲もぎくしゃくし始め、

大学の中での立場も孤立していく。

中村助教授自身も大学の女子学生に手をつけているようだ。

爽香はそんな明男を見捨てることなく心配している。

爽香の物語として読むと、やはり次回作へのジャンプ台のような位置付けの本だと思う。




赤川 次郎
象牙色のクローゼット
☆☆

赤川次郎が1989年以降、毎年一冊づつだしている杉原爽香シリーズの第7作目。

河村家に居候していた由紀が今回の準主役。

援助交際もしていた由紀はも不良っぽいが根は素直。

河村刑事が担当していた連続婦女殺人事件に巻き込まれて。。


相変わらず別れたはずの明男がうろちょろしていて目障りな感じ。

爽香は新しく始めたワープロのバイトで男の人に声をかけられたりするが

結局は野崎というサラリーマンと付き合いそうな気配。

ワープロうちのバイトというところに時代を感じる。

1990年代半ばといったらPCが普及し始めるころだと思うのだが

中小企業ではまだまだワープロが活躍していたようだ。


今回のテーマは「性」。推理小説としてはちょっと物足りない感じもするが

若者の性を嫌味なく描いているのは作者の力量。