こんな本、読んでます。 -19ページ目

こんな本、読んでます。

どれくらい本を読んでいるのか記録してみます。。

最高は☆5つです。

真保 裕一
ボーダーライン
☆☆

面白いし、周辺取材も充実している感じがあるのだが

最初のうちは読みにくかった。

なんでだろうと思っていたのだが、カタカナが多いのかもしれない。

アメリカが舞台なので仕方はないのだけど。。


日本を離れ、アメリカで偽装結婚の末、グリーンカードと私立探偵のライセンスを取り

保険会社の雇われ探偵として、日々旅行者の不始末処理に携わっている。

その主人公の前に、日本から息子を探しているビジネスマンが現れる。

息子サニーは人を殺めることに抵抗を感じない、冷酷な殺人者だった。

そのサニーをおいかける父親と主人公。


基本的にサニーについては父親や妹、同業者などの第3者により語られる。

そこから浮かびあがるのは、他の痛みをまったく感じることができない犯罪者であり、

そういう犯罪者が存在するということを暗に匂わせている。

でもなんとなく、もっと深く描いて欲しいかんじがしてしまった。


全体的にはかなりよくできた小説だと思う。

ジェネオン エンタテインメント
ブロークバック・マウンテン プレミアム・エディション

ブロークバックマウンテン は1960年代に羊の放牧でひと夏をともにし、

友情から愛をはぐくんだ2人の同性愛者イニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)

の物語。

今だってそうだとは思うが、当時の同性愛者への差別はすごかったようだ。

イニスの父親は同性愛者をリンチして死なせ、それを少年時代のイニスへ見せている。

そんなトラウマを抱えたイニスと、素直で情熱的はジャック。

2人は一夏の放牧後はそれぞれ故郷へ戻り、結婚し、子どもをもうける。

そして、再会。 密かに愛を重ね続ける二人と、それに苦しむ妻。


同性愛者を偏見の目でみることはないし、愛し合っているならば楽しんでくれればいいと思うが、

正直、それを目の当たりにして心地よく感じることはできない。

映画としてはすばらしいと思うが、受け入れられない人もいると思う。


差別する社会への怒りはあるが、同時に同性愛を隠しながら妻を持つ2人にも怒りを感じる。

夫が同性愛者だとしったら、妻としたら救われようがない。


二人の友情が愛へと変わるきっかけが分かりづらく、

それが見ていてひっかかってしまったのが残念。

そこをもっと丁寧に描いていれば、もっと純粋に同性愛を受け入れられるのかもしれない。



日活
ぼくを葬る

フランソワ・オゾン監督の死をテーマにした3部作の2作目。

売れっ子カメラマンの主人公が余命3ヶ月の末期癌と告知される。

ゲイである彼はパートナーと別れ、いろいろなものとの葛藤の末

安らかな時を迎える。

主人公演じるメルヴィル・プボーがすばらしい。


悪夢をさまよう主人公に対して、ジャンヌ・モロー演じる祖母が言う

「今夜、あなたと一緒に死にたい」


最後に主人公が海辺に横たわり、夕焼けが静かに沈んでいく。

その映像が非常に美しい。


それを見ていて、自然とネイティブアメリカンの詩を思い出した。

映画とは関係ないのだけど、これが一番fitしていた。

こういう安らかな状態で死にたい。そう思った。


Today is a very good day to die.

Every Living thing is in harmony with me.

Every voice sings a chorus within me.

All beauty has come to rest in my eyes.

All bad thoughts have departed from me.

Today is a very good day to die.

My land is peaceful around me

My fields have been turned for the last time.

My house is filled with laughter.

My children have come home.

Yes, today is a very good day to die
.


From Many Winters  by Nancy Wood(ナンシー ウッド)

江國 香織
いくつもの週末
☆☆☆

結婚生活っていいなあ と素直に思えるエッセイ。

サラリーマンと結婚した著者が、週末のエピソードから

徒然に綴ったエッセイ集。


あまり素直にこういうことを書いた本って少ないので

ちょっと新鮮。 

夫婦の日常って他の人にとっては刺激も無く、面白くもないものに

なりがちなんだけど、

それを新鮮に感じさせるのがすごいと思う。


恋人とすごす夜の甘やかな親密さではなく、

ただ一緒に眠るときの男の人の腕が一体どんなに心地いいものか。


大人にしかできない依存もあるのだと、

夫に出会って知ったように思う。


のろけているだけかと思えば

無論結婚は”struggle”だ。

と言い切ったりする。

「無論」までついているのが笑える。

いろんな意味がこめられた”struggle”なんだろな。


結婚ていいものだと思う。


いつも帰る場所があって

絶対的に味方になってくれる人がいると信じられる。

くっついたりくっつかれたりしながら眠りにおち、

寝ているときに足がつったら直してくれる。

一緒に美味しいものを食べ、いろんな楽しい経験をする。

淡々と過ぎる日常も、2人だから今のように色づいていると思う。

今の幸せゆえに守りに入って生きている自分が

嫌いになることもあるけれど

今の幸せを返上したいとは決して思わない。


お互いに相手の知らない場所で知らない時間をすごしても、

一日がおわれば、とりあえずくっついて眠る。

そう。それが結婚。


relishという単語をこの本で始めて知った。

「味わう」とか「美味しく食べる」という意味の動詞で使う場合、

目的語に食べ物と生活をとる。


生活とは味わうものなのだ。'relish'は好きな単語だ。

そんなふうに暮らしていたいなと思う。ケーキやアイスクリームを味わうように。

 そんな生活がいつまで続くかは分からない。

 私は、誓いの言葉にある「死が二人を分かつまで」の愛なり生活なりというものは、

あくまで結果だと思っている。少なくとも目的ではないと信じていて、

そこは刹那的でいたい。いつもちゃんとその都度決めたいのだ。


江国香織は強くて素敵な女性なんだろうな。


なんでもない日常をrelishという言葉とともに過ごしてみると

また生活の色づき方が変わってくるかもしれない。


内館 牧子
切ないOLに捧ぐ
☆☆☆
  • あしたがあるから
  • 週末婚
  • ひらり
  • 想い出にかわるまで
  • 毛利元就
  • 私の青空
  • 昔の男
  • などの脚本を書いた人。

    かつてのトレンディドラマでも活躍していたようだ

    見ていなかったのでなんともいえないが、

    本書によるとOLの心情をリアルに描くことで反響があったらしい。


    この本を読んでいると、まさに女性が「クリスマスケーキ」と言われたころの

    企業のOLがどのような立場であったのかがよく分かる。

    お嫁さん候補として期待され、あまり長くいると「まだいたの?」と言われてしまう。


    著者が13年間働き愛していた三菱重工業での

    当時のOLたちのせつなさが、今読むと別世界のことのように心にしみる。

    私が知らないだけで、まだあるのだろうな。こういう世界は。


    22歳で「腰掛け」のつもりで入社し

    23歳までは「お嬢さん」として扱われる極楽生活。

    24歳で、先輩独身女性をみて将来の影を感じ

    25歳で好きな人に振られる。

    26歳で男性後輩に立場を抜かれ、会社へやる気をアピールするも

        それは受け止めてもらえない

    27歳で転職活動や習い事をするがどれも道は開かない

    28歳でシナリオ学校へ通うが周囲とのギャップに合わずすぐに挫折。

        会社同期が次々と転職しあせる。

    29歳でニューヨークに2泊3日の旅行に行き、摩天楼に雷をうたれる。

    30歳で本格的な脚本家への勉強を開始

    31歳でドラマ脚本コンクールへだした作品がNHKの目にとまり

        脚本研究会への参加がきまる。

    33歳でラジオドラマ

    34歳でついに三菱重工を退職。脚本家として働きはじめる。

    32歳で脚本研究会でしごかれ、初の作品採用。


    著者が脚本家への決心を固める30歳までは

    悩んで葛藤した普通のOLだったことが分かる。

    この本を読んでいると、悩んでいるのは自分だけじゃないんだ、

    人生いくらでも新しいことを始められるんだ

    とう気持になる。


    ユーモアいっぱいの、OL達への応援本です。




    岸本 裕紀子
    モテる女たち―恋も仕事も私らしく

    25歳をすぎたくらいの独身女性向けかな。

    男性との関係について述べた部分が多いので。


    そういえば、「女性はクリスマスケーキ」説が消えたのって

    いつ頃だったんだろう。

    25歳過ぎたら価値がないっていうやつ。

    80年代中頃だったと思うのだけど、

    スーッとなくなった。

    当然だけど。


    年を重ねるほど素敵になるって女性は難しいと思っていたけど

    最近は増えてきましたね。

    歌代 幸子
    音羽「お受験」殺人
    ☆☆

    東京文京区音羽という文教地区で

    ある幼稚園に通う子供が、同じ幼稚園に通う子供の母親に殺された。

    その事件を描いたルポタージュである。


    発生当初は「お受験殺人」として大きく取り上げられ、

    おなじ境遇の母親からは同情が集まったこともあった。

    私もそこだけは印象に残っている。


    ところが実際は、世間で騒がれた「お受験殺人」ではなかったようだ。

    マスコミに頻繁に登場した一部の母親の虚言によるところも大きかったらしい。


    本書では被害者の周りや裁判を丹念に取材をしていて

    加害者の動機をなんとか浮かび上がらせようとしているが

    結局は、動機がなんなのかはあいまいなものになっている。

    裁判でも明確には説明されなかったので仕方ないのかもしれないが

    そこが少し残念。




    斉藤 政喜
    シェルパ斉藤のワンバーナー簡単クッキング
    ☆☆☆

    この本はいい。山登り/キャンプ/バックパックなど

    ワンバーナー(EPIやPRIMSなど)をもっている人には必読かもしれない。

    手持ちメニューが増えること請け合い。

    カラー写真で非常に分かりやすい。

    (写真が必要なほどこった料理はほとんどないけど)


    私のお気に入りは「じゃがりこマッシュポテト」。

    沸騰したお湯にじゃがりこを入れて混ぜるだけ。

    味はついているので、あとは好みでトッピング。


    ツナ缶とおにぎりを混ぜるだけのツナ缶チャーハンもやってみたい。

    おにぎりは梅がお勧めというのは本当か??


    島崎 藤村
    破戒
    ☆☆

    明治39年に自費出版され、広く読まれるようになった

    藤村の代表作。

    全国水平社の結成が大正11年ということを考えると

    部落差別問題を扱った藤村の先駆性は高い。


    舞台は明治後期。部落出身の瀬川丑松は、

    その身分を隠して教員になり、その人柄から生徒たちの人気をあつめていた。

    しかし内面では、部落出身の解放運動家である猪子錬太郎を崇拝し

    自らが出身を隠していることに罪悪感をかかえ深く悩んでいた。

    丑松は父から厳しく身分を隠せと戒められていたが

    父の死、錬太郎の客死を経てついにその戒めを破ってしまう。

    そして、教員を続けることはできず、テキサスへ向けて旅発つ。


    物語の前半ではひたすらに部落差別の実態と

    丑松の苦悩について描かれる。

    本を投げ出したくなる暗さがそこにあった。


    残念に思うのは、丑松以外の彼のまわりを固める人物について

    描写が不十分だということだ。

    丑松が思いを寄せるお志保にしても、親友の銀之助にしても

    十分に人物をイメージできる段階までは書き込まれていない。

    それゆえに作品としては、物足りなさを感じてしまうのかもしれない。


    また、部落出身であることを告白する時の丑松は

    連太郎のように解放を叫んで堂々とするのではなく、

    土下座をして涙を流しながら「今まで黙っていて悪かった」と告白する。

    そして逃げるようにテキサスへと旅立つ。

    明治の時点では、そうなってしまう結末が一番素直だったのかもしれないが、

    やはりここは、部落解放を叫んで欲しかった。

    丑松の教え子には新平民の子もいたであろう。その生徒たちを前にして

    「新平民では教員ではいられない。」といってしまったら、救われないと思う。


    「破戒」とは

    「父の戒めを破り、部落出身であることを打ち明けてしまう丑松」 と

    「人としての戒めを破るもの義父(性的にお志保に迫る)」 の

    二つが題材を差すのだろう。


    この本に関しては水平社を始めとしていろいろな非難もでて

    藤村自身により改悪もされた。

    解説に詳しいので、こちらもよく読む価値が高い。


    個人的には被差別地域の方々が

    この本を読んで率直にどのように感じたのかを聞いてみたい。


    内田 幹樹
    機長からアナウンス
    ☆☆

    私は飛行機が苦手だ。

    たぶん、自分がなにも関与できない/知りえないところで機体が運航され、

    もしなにかあった場合はほぼ確実に死に至るという状態が

    怖いのだと思う。

    実際にパイロットが操縦している場面をみることができれば

    パイロットに動揺がみえないかぎり

    恐怖心は感じないと思う。


    実際、6人乗りセスナにのった時は

    目の前で操縦が行われていて、怖くはなかった。


    本書の著者は航空会社のパイロットを長年勤めていた人で

    コックピットの様子や、地上での勤務、

    キャビンアテンダントの連携等いろいろな角度から

    パイロットの様子を描いている。

    裏話的なエピソードがちりばめられていて、なかなか面白いが

    別の著作からの引用がめだったり、

    勤務先の贔屓がきになったりということもある。