pocopanのブログ 「地図がいっぱいある暮らし」

pocopanのブログ 「地図がいっぱいある暮らし」

地図を眺めれば、家にいながら「冒険」の始まり。
毎日をワクワクドキドキの「夏休み」にするためのブログ。

 

ひさびさの大型ファンタジー小説を読み始めています。

日本では、「ゲーム・オブ・スローンズ」や「七王国の玉座」で知らているジョージ・R・R・マーティン著の「氷と炎の歌」シリーズ以来の大作かもしれません。まだ判断できかねていますが、少なくとも読み応えのある物語です。

「フォース・ウィング-第四騎竜団の戦姫-」レベッカ・ヤロス作

原題は「Fourth Wing 」と二単語なので、「戦姫 」を追加している日本語の題名は、少しばかり訳しすぎかもしれません。主人公は、生まれつき体の弱い少女なので、少女が最終的に「戦姫」に成長するというのが分かってしまうというのは、「ちょっと」という感じです。少女の年齢は20歳。なので、「少女」と呼ぶには、妙齢です。「F1層」では通じないし、先斗町でお酒を飲み歩く若い女性の小説「夜は短し、歩けよ乙女」では「乙女」と称しているので、ここでも「乙女」としましょう。 乙女の名前は、ヴァイオレット・ソレンゲイル。その乙女のその後の行動から「ヴァイオレンス」と仇名されることもあるので、単なる「戦闘好きな乙女」で終わるのかどうかは、ご自身で当本を手に取り、お読みください。 

「ウイング」は航空自衛隊でいうところの「航空団」。首里基地や小松基地などの基地単位に展開する戦闘単位です。その一つ上の単位は「航空方面隊」。小説「航空自衛隊 副官 怜於奈」に登場する主人公の斑尾怜於奈さんは、「南西航空方面隊」司令官付き「副官」となります。 一つ下の単位は「飛行隊(スコードロン)」で、さらにその下の単位は、4機(フライト)もしくは2機(エレメント)の「編隊」となります。編隊を率い、目標を捜索し、主に攻撃を行う「長機(リーダー)」と、長機の後方や斜め上方に付き、主に周囲の監視と援護を行う「僚機(ウィングマン)」の2機「編隊」は、旧ドイツ空軍で確立された「ロッテ戦術」(Rotte:一団) が基本となっています。1936年から始まったスペイン内戦での実戦経験より、3機よりも優位性が高いということで、第二次世界大戦を経て各国空軍が採用しています。太平洋戦争中の海軍航空隊や陸軍航空隊は、戦闘機の能力やパイロットの技量が優れていたため、戦局が悪化するまでは「全機攻撃」の思想のもと、3機が基本でした。本作でも、2騎を基本に行動します。

シリーズ始まりの舞台は、隣国ポロミエル王国との戦いに明け暮れる王国ナヴァールにあるバスギアス軍事大学。ポロミエルではグリフォン、ナヴァールでは竜が主力の航空戦力。軍事大学は、竜に乗る騎士たちを育成する場となるため、決してほのぼのとした学園生活とはなりません。主人公は、本が大好きで、書記官科への入学を望んでいましたが、ナヴァール軍の司令官である母によって、騎手科への入学を強いられます。

主人公のヴァイオレット・ソレンゲイルは、生まれつきの虚弱体質だけでなく、関節が外れやすいとか、骨が折れやすいとか、常に魔法による治癒が必要な乙女です。入学に当たり、戦場で活躍している姉からもらった、竜の鱗で作られた防御用コルセットと、6年前の反乱鎮圧で死亡した兄ブレナンの助言が書かれた日記から、生き抜くすべを大いに学びます。読書好きなので、各戦地から送られてくる公開された戦闘詳報を読み込み、軍事史にも知悉。現時点では、トリッキーな戦術が得意のようです。利用できるものは、すべて何でも利用する。もちろん、ルールの抜け道すらも。そして、学園での生き残りをかけた軍事訓練が続く中、希少な仲間に支えられながらも、常に自立を心がけ、強い女性へと成長します。 

本世界では、竜が主役。竜に乗るためには、竜に気に入ってもらわなけらばなりません。竜が騎士を選び、気に入られない騎士はその場で焼き殺されてしまうこともあります。ただし、一度選ばれて、結ばれた絆は強いものです。まあ、この辺は、「アバター」を想起するところです。 ただし、こちらでは新たな魔法を付与されたりと、絶大な絆です。あと、本作品での竜の食生活とか、食物連鎖などを気にするのは野暮というものです。 

本小説は、アメリカでは「ロマンタジー 」と呼ばれています。死と隣り合わせの世界であるがために、恋愛(ロマンス)は激しく情熱的に描かれており、実に「ロマンス+ファンタジー」な作品です。常に気にかけてくれる一つ年上の幼馴染の存在と反乱軍指導者の息子という絶対に恋人にしてはいけない存在(反乱軍指導者を処刑したのは司令官である母)との間に立つ乙女の運命は、乙女自身が切り開いていきます。

最後に、この作品は最後まで予想だにしない展開をしてくれるので、「氷と炎の歌」シリーズ以来の興奮を味わっています。




■AIが生成した「竜に乗る乙女」


さあ、今日も地図を広げて、
竜に乗って冒険にでかけましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

主人公の成瀬あかりさんは京都大学の一回生。自宅の滋賀県大津からの通学とはいえ、舞台が京都になるのは必然でしょう。しかも、今回成瀬さんが掲げた目標は、「京都制覇」です。もちろん、周りの者たちは「制覇って???」なのですが、今回ばかりは、当の本人もよくわかっていないようです。そんな始まりなので、これからいったい何を始めるのだろう。どれだけ、周りの人間を巻き込み、そして明るくしていくのだろうかと余計に楽しみになってしまいます。悲しいかな、年を取るにつれ、物忘れがひどく、記憶がどんどん抜け落ちていきます。なので、さすがに相棒の島崎さんははっきりと覚えているけれど、西浦君や城山君に関しては記憶がほとんどありません。なので、二人の登場する話だけ前作と前々作を読み返します。そういうつもりでしたが、気が付けば結局第一巻からすべて読み直してしまいました。「そうそう、こんな面白い話があったんだ。」てな具合に、朝の楽しいひと時を過しています。

さて、「都を駆け抜ける」では、成瀬あかりさんは、借りた「夜は短し、歩けよ乙女」を読み終わって「達磨研究会」に向かいます。「達磨研究会?」って「何を研究するの?」って冒頭から突っ込みたくなりますよね。まあ、森見登美彦氏のファンである方たちには達磨の意味が瞬時にわかるのかもしれません。なので、この機会に森見登美彦氏の作品を読んでおくのも悪くないかも。なにしろ、成瀬さんも読みおわっているのですから。さっそく、アマゾンのキンドルストアで探してみます。森見登美彦氏の作品などは、まったく目を通していないと思っていましたが、一冊だけ熟読していました。「ペンギン・ハイウェイ」です。「ノート術のバイブル」だということで、面白おかしくそして楽しく読んだ記憶が蘇りました。アニメ映画も鑑賞しました。なるほど、普段の生活を細かく描いているのに、いつのまにか不思議な世界に巻き込まれている感じですね。

さて、成瀬あかりさんって、どんなヴィジュアルの人なのかなと気になります。表紙カバーに描かれた人物は成瀬さんの特徴を凄くつかまえていると思います。コミック版の成瀬さんも同様に雰囲気をつかめています。あとは、映画などの実写版でのキャスティングですね。どの女優さんが成瀬さんを自然に演じることができるでしょうか。実写化の話は今のところまったくありませんが、個人的な考えでは、芦田愛菜さん。これは、あまりにも無難すぎる選択でしょうか。実写版の「薬屋のひとりごと」にも抜擢されていますから、ここは思い切って、予想外の女優さんがよさそうです。何を考えているのか、まったくわからない成瀬さんを演じるとなると、朝ドラの「おかえりモネ」のヒロインを演じた清原果耶さんを思い出します。ネットを見ると、大津出身の高橋ひかるさんが最有力のようです。 来年の7月に開幕される舞台劇では、山下美月さんが成瀬さん役を務めるようです。

あと、ロケ地探しは大変そうです。なにしろ、肝心の「大津西武店」がなくなってしまっているからです。「西武大津店や!」と誰か突っ込みをいれてくださいね。そんなわけで、代わりとなるロケ地をさがしてみました。

「Oh!Me大津テラス(おうみおうつてらす)」:「Oh!Me」は「近江」のことですね。都に一番近い湖ということ、「西部大津店」の近くでもあり、もともとは、「大津パルコ」。その建物を再利用しているので、候補としては最適かと。

「近鉄百貨店草津店」: 大津市にはありませんが、滋賀県内の格式ある百貨店というと、こちらが最有力のデパートとなります。難点があるとすれば、立地場所が街として開けすぎているという点でしょうか。あとは、滋賀県と境遇が似ている埼玉県の百貨店から選びましょうか?(何でやねん!)

まだ、成瀬あかりさんは大学二年生になったばかり。小学校の卒業文集に書いた将来の夢は「二百歳まで生きる」なので、この歳でシリーズ完了はあまりにももったいない話です。しかしながら、一話一話の今までの質を考えると、これと同等以上のものを書きあげていただくのは、作者さんとしては、やはり大変な苦労だと思います。「また、気が向いたら書いてください」と頭を下げるばかりです。とまあ、成瀬さんの近況を知っている方は、どんなことでもよいので教えてほしいところです。

■大津市周辺


■膳所(ぜぜ)駅周辺


■西武新宿本店

■AIが生成した成瀬あかりさん




さあ、今日も地図を広げて、
都を駆け抜けましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

「Amazon Prime」で「南極のシェフ」という配信ドラマが紹介されていました。堺雅人さん主演の日本映画「南極料理人」が面白かったので、そのドラマ化であればと思い、ボタンを操作すると、韓国ドラマであることが判明。先日の台湾ドラマの「零日攻撃」の会話(こちらは、ハングルですが…) の騒々しさに辟易してしまったことや、かつての韓国版の「深夜食堂」や中国版の「深夜食堂」を視聴した際に、すぐに飽きてしまったことから、南極にはめちゃめちゃ興味はあるけど、韓国の料理は「ちょっと」という感じで視聴を中断してしまいました。 定食やつまみと言えども、何でも芸術の領域に持ち上げてしまう日本の料理の世界には到底及ばないのではないか、そう考えてしまいました。

ただ、テレビ画面から離れて、ふと思います。お隣の国の韓国の基地って、南極大陸のどこにあるのだろう。さすがに「グーグルマップ」ではわからず、娘の高校時代の地図帳を開いたりしますが、最終的には、ウィキペディアで調べ、ようやく場所が判明した次第です。

まず、日本の南極観測基地の位置をおさらいしましょう。日本の南極観測基地「昭和基地」は、南緯69度00分・東経39度35分ですから、日本から単純に南下しても、南極大陸を半周しないとたどり着けない場所にあります。ちょうど、マダガスカル島の真南にあります。なお、基地は大陸ではなく、東オングル島という島にあります。もっとも、島と大陸の間には常に分厚い氷におおわれているだけなので、雪上車や徒歩で上陸することが可能です(クレバスには要注意)。タロとシロで有名な犬ぞりは、生きた動物や植物などの南極への持ち込みが禁止されている条約ができたため、現在では使われていません。あと、現在では無人ですが、みずほ基地(閉鎖中)・あすか基地(閉鎖中)・ドームふじ基地(無人観測基地)が大陸に作られています。



韓国の南極観測基地は2カ所あります。世宗(セジョン)基地と張保皐(チャンボゴ)科学基地です。セジョン基地は、南極半島の北にあるキング・ジョージ島にあり、韓国初の南極観測基地です。チャンボゴ科学基地は、東南極のビクトリアランドにあるテラノヴァ湾沿岸にあります。テラノヴァ湾は、有名なロス氷棚の近くにあり、この湾にはイタリアやドイツ・アメリカの観測基地があります。特にイタリアのマリオ・ズッケーリ基地との距離は、わずか2.5kmです。イタリア側との綿密な協議や調整を経て、建設されています。南極では、医療や火災、悪天候など予期せぬ緊急事態が起こる可能性があるので、基地が近いことは、緊急時に互いに迅速に支援し合えるという大きなメリットがあります。また、航空機による内陸への輸送拠点などを共同で利用することで、運用コストを削減できるというメリットもあります。日本の昭和基地に一番近い基地は、夏のみの基地だとロシアのモロジョジナヤ基地(230km)、通年基地だとインドのバーラティ基地(670km)となります。

 中国の南極観測基地は5カ所もあります。科学技術力の誇示や、国際的な影響力の拡大、そして南極資源への将来的な関心といった、複数の戦略的な要因が考えられます。ちなみに南極の資源についてですが、現在の南極条約では、南極における鉱物資源の開発を禁止しています。しかしながら、漁業資源(オキアミなど)については生態系の保全を最優先とした規制があるのみです。

ロシアの南極観測基地も5カ所あります。特に、氷底湖を発見したボストーク基地は有名です。ボストーク基地は分厚い氷床(約3,700メートルの厚さ)の上にあり、氷の下の地表付近は空洞となっており、そこに満々と水をたたえたボストーク湖が存在しています。なんと、琵琶湖よりも20倍以上も大きい湖です。

台湾と北朝鮮は、南極観測基地を保有していません。北朝鮮は南極条約に加盟していますが、台湾は加盟していません。というか、台湾は国際連合の加盟国ではないため、南極条約という条約に加盟すること自体が困難な状況です。

お隣の国の南極観測基地状況を見てきましたが、どんな国が南極に観測基地を持っているのか、興味本位で調べてみました。驚くべきことに、ウクライナが南極観測基地を保有していました。基地自体はイギリスから引き継いだようです。ロシアのベリングスハウゼン基地とウクライナのアカデミーク・ヴェルナツキー基地との間の距離は、430kmでした。もっとも、南極条約により、南極大陸での軍事活動はご法度です。海上自衛隊の砕氷船「白瀬」は、観測活動に必要な物資の運搬という平和目的での利用であるため、問題にはなりません。



さて、「南極のシェフ」 の第一話を視聴してしまいました。ペク・ジョンウォンという料理長のもとに、イム・スヒャン、スホ、チェ・ジョンヒョプの3名の若手芸能人が集結し、南極観測基地の隊員たちに、温かい食事を提供するという趣旨の番組のようです。第一話は、チリのプンタアレナスに到着し、悪天候により足止めとなるところで終わりです。ただ、予告編のように、ときおり映し出されるカットから判断すると、日本の民放でもやらかしそうな料理バラエティー番組になりそうです。日本人の感覚からすると、被災地へボランティア活動で行くには、自分たちの食料は自前というのが常識だと思われますが、この番組では日本の常識は通用しないようです。というか、撮影スタッフを含めた部外者が基地の貴重な食材を浪費したとして、韓国では大問題になっていました。3名の芸能人で視聴率を稼ぐつもりだったのかなと思っていましたが、実は料理長のペク・ジョンウォンは、他の若手芸能人よりもはるかに有名人でした。料理番組に長年出演し、料理関連のチェーン店をいくつも経営し、つぶれそうな店を見事に立て直すといったコンサルもするという凄腕の料理人です。日本でも、新宿にあるセマウル食堂が有名です。ただ、いくつかの問題を起こしたため、テレビ出演から遠ざかっていましたが、「南極のシェフ」が復帰作ということで、話題になるよりも先に問題となってしまったという感じです。

そんなわけで、第一話で視聴中断。韓国の有名シェフと芸能人の4人の話よりも、やはり日本の女子高生4人の南極物語のほうが圧倒的に良さそうです。

日本のアニメ「宇宙(そら)よりも遠い場所」は、4人の女子高生たちが、民間による南極観測活動として参加する青春物語です。フィクションでありながら現実をリスペクトし、南極観測の魅力を存分に伝えてくれます。

まずは、南極という大自然の描写がまぶしいです。
・南極途上の「吠える40度」「狂う50度」といった荒れた海域での描写  
・「ハロ(日暈)」や「太陽柱」などの光の現象の描写 
・外で熱い飲み物を撒くと瞬時に氷の粒になるダイヤモンドダストの描写などなど 

女子高生4人が目標に向かって突き進む姿もまばゆいです。特に報瀬の「諦めない」強い意志と、それを支える仲間たちの絆に自然と熱くなります。

「誰かの情熱が、別の誰かを突き動かす」

そんな挑戦することの素晴らしさ、そして人生の輝きを教えてくれる傑作アニメ。見終わった後、必ず何かを始めたくなることでしょう。




さあ、今日も地図を広げて、
自分の食料は自分で担いで、冒険にでかけましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

「荷風が偶然出会った湧き水」

そんな気になる見出しが、2025年11月16日発行の東京新聞の連載記事「ぷらっと千葉凸凹でこぼこ探訪」に載っていました。荷風とは小説家の永井荷風のこと。戦後の晩年は、市川市に住みつき、周辺の路地やあちこちを、しかもかなり遠くまで歩き回っていたことで有名で、いわばウォーキングの大師匠ともいえる人です。東京新聞と言えば、政府のやることなすことすべて反対の論調の新聞ですが、なぜか「東京」と名がつくだけあって、前述の「でこぼこ探訪」 などを含め、千葉を含めた東京周辺のウォーキングコースや珍しいスポットの紹介などはメチャクチャ豊富です。なので、家内がコンビニで買ってくると、必ず隅から隅まで目を通してしまう新聞となっています。

記事を読み進めてみると、船橋にあるという「葛羅の井(かづらのい)」の紹介でした。「井」という言葉が示す通り、今も枯れることがない湧き水のたまり場となっている場所のようです。このくぼんだ地形の一帯には、このような湧き水が出る場所が多く点在し、「葛飾湧水群」と呼ばれているそうです。 

「葛飾」と呼ばれる地域は、かつて下総国や武蔵国にまたがる広大な「葛飾郡」を指す地名で、現在の東京、千葉、埼玉、茨城の広い範囲に及びました。特に、現代では東京都の「葛飾区」、千葉県の「葛南地域」(市川市、船橋市、浦安市など)がその代表的な地域となります。  

湧き水が多く出る理由ですが、中学の地理で習う関東ローム層に関係があります。関東平野一帯は、第四紀の火山活動(富士山や箱根)で噴出した火山灰が堆積してできた、赤褐色の土壌の地層が広がっており、関東ローム層と呼ばれています。 粘性土に分類され、保水力が非常に高く、地下水を貯める役割をしているのだそうです。市川から船橋にかけての成田街道北側は関東ローム層の台地となっていて、台地に浸み込んだ雨水はその南側の低地一帯に湧出したことで、湧水群となっているわけです。 

そんなわけで、巨大な都市化の波にも負けずに生き残った、この葛飾湧水群の証拠となる場所を家内と訪ね歩いてみようと思い、記事に記載されていた地図の湧水の各地点を「Google Map」で確認しつつ、印をつけていくのでした。5カ所全部歩くと、3キロほどのコース。家内の膝も以前に比べれば、かなり改善しているので、大丈夫そうです。

当日は、敬老の日。青空が広がり、気温も15度と最適なウォーキング日和です。JR総武線の各駅列車で下総中山駅へ向かいます。

■二子藤の池
下総中山駅の改札を出ると北口から北上し、国道14号線に沿って船橋方面へ向かいます。しばらくすると、沿道に案内板が立っているので、二子藤の池の場所はすぐにわかります。湧き水というよりは溜水というべき小さな池ですが、よく保存されているなと感心します。池の名前の由来は、近くに建立されている中山法華経寺の南側一帯が二子浦と呼ばれていたことと、池のほとりに藤の木があったことからのようです。 

■二子浦の池
再び、国道14号線に沿って東進します。すぐに二子浦の池です。幅の狭い、小川のような池でした。
 
■葛飾神社の池
葛飾神社の池は、国道14号線の土手を少し南に下ったところにありました。喧騒から離れた落ち着いた場所に池があり、小さな秋の花が咲き乱れていました。葛飾神社とありますが、鳥居を含め神社らしい建物は見当たりません。地図で調べると、200mほど東にあるようです。手を叩くと、神の使いとして大きな鯉が現れると伝えられているそうです。 

■葛羅の井 
池を後にして、千葉県道180号松戸原木線を北上します。次の涌水地を目指しているのに、すぐに台地を上っていきます。「Google Map」では高低差が分かりにくいのが難点です。登りきったところで、東へ曲がり、台地を下ると、大きなけやきの木が目印の葛羅の井が見つかりました。ここが、永井荷風が訪れた場所です。直径2mほどの井戸は奥にあり、その手前に置かれた石碑には、大田南畝(おおたなんぽ) の書で、「葛羅の井」と書かれています。大田南畝と言えば、「べらぼう」に登場する明るい狂歌師であり、戯作者です。永井荷風も大田南畝の石碑に感銘を受け、「葛飾土産」の中で紹介しています。

■ゲエロの池
曲がりくねった細い道を北上すると、ゲエロの池に到着です。マンションの敷地に浸食されている感じですが、ちょっとしたオアシスになっています。かつて暗くなるとウシガエルが鳴いていたことから、カエルの方言である「ゲエロ」が名前の由来となっているとのことです。 

帰りは近くの暗渠を伝って南下し、京成線の京成西船橋駅の自動販売機で喉の渇きを癒し、JR総武線の西船橋駅へと帰宅の途につくのでした。

■コース


■二子藤の池


■二子浦の池


■葛飾神社の池


■葛羅の井


■ゲエロの池




さあ、今日も地図を広げて、
喉の渇きを癒したら、冒険にでかけましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

家内が新国立劇場のオペラを鑑賞したいということで、週末は道案内です。新国立劇場は都営新宿線で新宿から一つ目の駅の初台にあります。初台といえば、東京オペラシティ。その東京オペラシティの複合文化施設の隣にあります。エリアが同じなので、東京オペラシティの一部として語られることもありますが、正確には異なります。なぜならば、東京オペラシティは新宿区にありますが、新国立劇場は渋谷区にあるからです。「こんなところに区の境があるの!」と驚きですが、もともと、渋谷区本町一丁目と新宿区西新宿三丁目にまたがる形で、かつての通産省の工業技術院がひろがっていたそうです。その跡地の再開発で、渋谷区と新宿区の両区の行政が協力したということなので、どうしても一線を引いておきたいのでしょう。

あと、新国立劇場に対する国立劇場です。こちらは、半蔵門の近くにあり、現在建て替えで休館中です。国立劇場が歌舞伎や文楽などの日本の伝統芸能を上演するのに対して、新国立劇場は、オペラ、バレエ、現代演劇などを中心とする現代舞台芸術の劇場となります。

さて、肝心のオペラですが、アルバン・ベルクが作曲した3幕のオペラ「ヴォツェック(Wozzeck)」です。原作は、ゲオルク・ビューヒナーの未完の戯曲「ヴォイツェック(Woyzeck)」で、実際に起こった殺人事件をもとにしています。下級軍人ヴォイツェックが、浮気をした情婦のマリーを刺殺する情景を描いているということで、「いっしょに鑑賞しない?」と家内から誘われましたが、あまりにも暗い話であることと、値段も値段だけに辞退してしまいました。 

なぜ、「Wozzeck」と「Woyzeck」とで、綴りが異なるのでしょうか。それは、原作者のビューヒナーの筆跡が非常に小さく、判読が困難だったからです。ビューヒナーの死後に、ばらばらであった原稿に科学的処理を施して、まとめられたのが「Wozzeck」でした。ベルクは、この「Wozzeck」をもとにオペラ化しましたが、その後の原作の研究で、実は「Woyzeck」であることが判明し、原作は「Woyzeck」と改定されているのです。

ということで、ようやく道案内の話です。家内のタブレットはwifiなので、常時「Google Map」に道を尋ねることができません。なので、私が直接連れていくことになりました。千葉に在住しているので、総武快速線の馬喰町駅で、ゲートで連結している都営新宿線の馬喰横山駅で乗り換えれば、あとは初台駅で下車するだけです。迷ったのは、初台駅でした。新国立劇場が東京オペラシティの一部であると信じて疑わない私は、「東京オペラシティ 」の案内に従って歩いてしまいました。家内もオペラを観るのだから「東京オペラシティ」との錯覚もあったようですが、新国立劇場は西の方だと気づくのに、時間がかかってしまいました。新国立劇場への矢印があったからよいものの、しばらくシティーのサンクン広場をうろうろしてしまいました。広場は、ちょうどクリスマスシーズンへの飾りつけの真っ最中でした。

無事に新国立劇場へ家内を送り届けた私は、そのままウォーキングです。日本最大のモスクを目指して歩き始めました。首都高速中央環状線の高架下の道を南下します。代々木八幡宮の入り口が見えたところで右折し、細い路地に入ります。しばらくして見えてくるのが日本キリスト教団の代々木教会の建物です。和洋折衷的な簡素な教会。周囲もお洒落な店が点在しており、歩くのに最適な道です。

道は、小田急線の北側をくねくねと代々木上原駅まで続きます。東京都道413号赤坂杉並線に出ると、右手に高いミナレット(尖塔)が見えてきます。この鉛筆型のミナレットは15世紀のオスマン帝国の時代から続いているとのことで、日本最大のモスク「東京ジャーミー」 に到着です。横断歩道を渡ると、モスクの間近。イスラムの人たちが大勢います。昨今のニュースで少々怖いイメージが焼き付いていますが、日本人もいるので、近づいてみます。それにしてもでかいドームに高いミナレットです。いかにもアラビア風という青年に扉をあけてもらい、目礼しつつ中へ入ると、文化施設のようです。異国情緒満載の空間で、ディズニーシーのアラビアンコーストも顔負けです(そりゃ、本物だし)。多目的ホールには、大きな聖書のコーランが飾られていました。ほどよい装飾が施され、小説「わたしは赤」の細密画を思い出してしまいます。

さらに中に入り、小用を足そうと男性トイレへ。左のコーナーには大用の個室が数部屋あり、厳粛な面持ちのイスラムの人たちが数名待っています。右のコーナーを見ると、これまた開放的なトイレです。誰もいないので、数歩中に入りますが、「これは違うぞ!」と直感的に悟りました。座った高さに蛇口があります。これは、顔や手足を清める場所だと気づきました。あやうくズボンのチャックを開けるところでした。視力が悪いのと、年寄り特有の思い込みの強さのせいだと言い訳をしておきましょう。ということで、出るものも出なくなってしまい、お清めの部屋からそそくさと退出するのでした。
 
小さな「ハラールマーケット」を見学し、2階へと上がります。2階というか、文化施設の屋上にモスクが建ち、礼拝堂の入り口があるという感じです。土足では入れないため、登山靴のひもをほどき、中に入ってみました。でかいドームです。ただ、東京駅のドームを小さいころから見上げていた私には、やや小ぶりですが、それでも幾何学模様の装飾が圧巻です。女性たちはみなスカーフで髪を隠しています。思い思いの場所で礼拝が始まるのを待っています。なお、礼拝中の撮影は厳禁です。それ以外の撮影は、許可を得ればOKとのことです。

かつてロシア帝国に住んでいたイスラム教徒やトルコ民族は、ロシア革命(マルクス・レーニン主義に基づく共産革命は、宗教を「人民のアヘン」とみなしている )により、数百名が東京周辺へ移住。英米のキリスト教とは異なる宗教のため、第二次世界大戦中も保護され、日本の援助で木造のモスクが建てられるなど、この地でのイスラム教が根付いたようです。2000年6月、現在の「東京ジャーミイ・ディヤーナト トルコ文化センター」が完成しています。

モスクを後にしながら、かつての仏教、そして現在のクリスマスやハロウィン・バレンタインのように、イスラム教も日本の文化に取り入れてしまえば、面白いなと考えるのでした。和風のハラール料理やラマダン(断食の期間)前後の食事「サフール」「イフタール」も少しは流行るかも。というか、トルコ料理の代表である羊肉のケパブは結構昔からあるよな。そんなことを考えつつ、代々木大山公園のトイレに立ち寄り、玉川上水旧水路緑道を伝って、出発点の初台へと戻るのでした。


■渋谷区と新宿区

■コース

■新国立劇場


■代々木教会


■東京ジャーミー


■代々木大山公園


■玉川上水旧水路緑道



東京ジャーミーへようこそ
 https://tokyocamii.org/ja/


さあ、今日も地図を広げて、
体を清めつつ冒険にでかけましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

リフォーム後の生活は実に快適です。一つだけ問題があるとすれば、それは「テレビ」です。リフォーム完成後の入居の際、テレビの配線は引っ越し屋に任せてしまいましたが、リモコンのスイッチを入れても、電波状況が悪いようで、いくら調節しても映りません。幸いにも「Amazon Stick」による配信動画は問題なく視聴できるため、しばらく放っておきました。最近になって、ようやく配線を再接続するなどして確認したところ、BSは映るようになりましたが、地デジはいまだに映りません。リフォームの際、テレビの置き場所を変えるため、テレビの配線口を少し遠くしてもらっことが敗因かもしれません。地デジはケーブルが長いと、信号が減衰するらしいのです。ただ、あくまでも素人の配線なので、再接続したケーブル側に問題がある可能性は否定できません。

一度、修理屋に見てもらうのが一番良いのですが、修理費用をかけてまで、テレビが見たいかというと、正直どうでもよくなっています。すでに民放はみていないし、NHKのニュースも配信動画の「NHK ONE」でいつでも視聴可能です。ということで、我が家では「テレビ」は完全にオワコンとなってしまいました。接続ケーブルも邪魔なので、完全に外してしまいました。テレビからつながっているのは、「Amazon Stick」 と「テレビ本体」の電源ケーブルだけとなっています。ケーブルを外しているので、NHKの受信料を払う必要もないわけですが、「大河ドラマ」や「朝ドラ」「夜ドラ」「ブラタモリ」など、NHKが作成するコンテンツにはお金を払う価値があると思い、「NHK ONE」がいずれ有料化されることを考え、いまだに払い続けています。といっても、3月に一年分をまとめて払っているので、払っているという感覚はほとんどありません。我が家からステレオがなくなり、テレビがなくなり、昭和の懐かしい家電が少しづつ無くなっていくのは、寂しい感じもしますが、新しい時代を優雅に楽しめているという感覚もあり、複雑な心境のこの頃です。そういえば、「4K」ってどうなったのでしょうか。

調べてみると、意外なことが分かりました。4Kの放送は、BSが主体のようで、地デジでは限定的なようです。むしろ、動画配信で4K対応のコンテンツが増えつつあるようです。あとは、ゲーミングのディスプレイとして活躍しているようで、実際に販売されているテレビも4Kが標準ですが、チューナーレス(テレビ放送の受像器がない)が増えつつあるようです。こうなると、民放って廃れていくばかりのようですが、視聴率が5%もあれば、590万人の視聴者が一度に視聴したことになるので、コマーシャルを打ち出す企業としては、テレビCMはインパクトがでかく、いまだに有効な広告手段と言えそうです。我が家のテレビは、4K対応ではありませんが、夫婦ともに視力が衰えているので、現状のままでしばらくは良さそうです。

ということで、最近視聴している動画配信です。直近では、台湾ドラマ「零日攻撃(ZERO DAY ATTACK )」を見てしまいました。

「12億の国家プロジェクト」とまで言われる、台湾政府も力を入れた、この台湾製ドラマは、中国の台湾侵攻前夜を描いています。オムニバス形式なので、一触即発の危機的な情勢の中での、様々な階層の人々の暮らしが描かれていきます。

第一話は総裁総選挙の投票中に爆弾テロと順当な出だしですが。第二話からは一転して、他人の家で勝手にパーティーするカップルが描かれます。いくら出産費用のためとはいえ、非合法行為に手を染め、挙句の果てはデモに参加していた妊婦を殺害してしまい逃亡するという後味の悪い結末。懲りずに、第三話以降も視聴を続けます。家電メーカーの話では、企業や各家庭のネットのルーターがすべて中国製なので、個人情報は駄々洩れ。しかもコマンド一発で、台湾全体のネット通信が麻痺という状況。地方の選挙では、配布するティッシュにお札を入れたり、その資金のために組合の金庫の鍵を勝手に開けたりとやりたい放題。銃器類が簡単に手に入るし、司令官は裏切るし、最前線の兵士がスマホで家族と会話できたり、所長が収容所から凶悪犯たちを脱走させたりと、どうにも救いようがない世界が描かれます。「だから、人民解放軍が台湾の人たちを開放してあげるのかな?」って、いや、これ台湾側のドラマでした。

ただ、毎日を一生懸命生きている人たちが、中国側の強烈な認知戦(フェイクニュースやサーバー攻撃・SNSによる扇動)にハメられて、右往左往する様がリアル?に描かれているといえば、少しは納得できるかも。あと、人間がブタになるという、完全にファンタジーの回もあったりします。ただ、日本語字幕なので、全体的に中国語の会話がうるさいです。普通の会話なのに、常に怒鳴りあっている感じ。日本人の感覚からすると、もう少し静かに会話できないのかなと思ったりしますが、高橋一生さんや水上あさみさんが登場し、ときおり落ち着いた日本語をしゃべってくれます。

救いがあるとすれば、ダーダン島(大胆島 )を死守する兵士たちの士気です。台湾には徴兵制がありますが、この島を守る兵士たちは志願兵のみ。最終話で、中国側からの威力偵察的な攻撃を受けますが、からくも死守します。ただ、この島の位置を確認したら、ぶっ飛んでしまいました。中国本土沿岸の島なのです。もう目の前が中国の本土なのです。資本主義陣営の蒋介石が台湾に籠る際に死守した島だとかで、他にも馬祖列島などが台湾の実効支配地域として最前線に存在しています。

なお、台湾島と中国本土との距離は、最も狭い部分で約150kmです。さらに言えば、日本の領土である与那国島と台湾島との距離は、わずか111kmです(尖閣諸島とは170km)。


■台湾島周辺図

■台湾と中国の境界線



さあ、今日も地図を広げて、
フェイクに踊らされずに冒険にでかけましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

10月より始まった朝ドラの「ばけばけ」が好調のようです。日本テレコムのODNのCMで有名だった池脇千鶴さんの変貌ぶりには、腰を抜かしてしまいましたが、貧乏ながらもユーモアあふれる日常の風景に家内と頷きながら視聴を続けています。松江のような、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)という外国の人に愛される街というのは、うらやましい限りです。

私が暮らしている稲毛では、この地を愛した外国人はいたのでしょうか?「稲毛(いなげ)」に住んでいると言うと、「稲城(いなぎ)?」と聞き返えされることが多いので、ほんと知名度が低い街です。稲城については、広大な多摩ニュータウンの一部分を占めるベッドタウンですし、さらには、在住されているメカニックデザイナー大河原邦男氏がデザインした、アニメ「装甲騎兵ボトムズ」に登場する 「スコープドッグ」の等身大モニュメントが「いなぎペアパーク」に実戦配備?されているということで、一大聖地としても名が轟いています。 

さて、稲毛ですが、一人有名な外国人がいました。風刺画家のジョルジュ・ビゴーです。社会科の教科書にビゴーの絵が掲載されていたのを思い出す人は多いことでしょう。そのビゴーは、稲毛海岸にアトリエを構えていた時期があり、稲毛海岸の風景画を描いています。そのことを知ったのは、清水裕貴氏の小説「海は地下室に眠る 」 です。 稲毛海岸近くの古い洋館・伝兵衛邸の地下から、正体不明の絵画が発見されたということで、謎の絵画に秘められた、戦時を生きた女たちの過去が描かれています。もちろん、謎の絵画は、ビゴーの絵ではありませんが、ビゴーの絵が千葉市美術館に所蔵されているということで、鑑賞できる機会をうかがっていました。

この秋、ようやく千葉市美術館にて「千葉美術散歩」展が開催される運びとなりました。この展覧会は、千葉市美術館の開館30周年と千葉開府900年を記念した特別企画展です。 「千葉」という「場」をテーマに、 千葉市美術館が所在する明治期から現代までの千葉の美術とその背景を、約300点の作品・資料で辿るとのことです。 もちろん、ビゴーの絵も飾られているということで、先週の日曜日に家内と出かけてきました。

まず、稲毛駅前で昼食です。今回、丸亀製麺にはじめて入店しました。この丸亀製麺のペリエ稲毛店が立つ場所は、昼間の陽ざしが強く当たるせいか、今まで開店していたお店がすぐにつぶれていくというジンクスがありました。丸亀製麺ができた当時はいつまで続くだろうかと、心配していましたが、2023年08月30日開店なので早くも2年が経過しており、意外と長続きしています。おそらく味が良いのでしょう。近くのワイズマートへ向かうたびに、いつも行列ができています。家内が一度食べてみたいと話していたので、今回入ってみました。いつも行列なので、券売機の前でまごつくことがないようにと、事前にネットでお店のシステムを調べておきました。3つのステップで食事できそうです。

①最初のコーナーで釜揚げ・かけ・冷と基本のスタイルを選び、店員に告げます。
 すると、こちらが用意したお盆に、うどんが入ったどんぶりを置いてもらえます。
②次のコーナーで、好みの天ぷらを乗せます。お握りを選ぶこともできます。
③最後の会計のコーナーで代金を払います。
あとは、好きな座席で食事をすることができます。

当日は開店時間の10時に入店しました。開店間際なので、さすがに人がおらず、2番目の入店です。夏ではないので、普通のかき揚げ天ぷらうどんを注文し、席に座ります。うどんの食感と出汁の味は良いのですが、致命的にぬるいです。出すまでに時間がかかりすぎて、温度が低くなったというわけではなく、出汁の温度が最初から低めのようです。一方、かきあげ天ぷらは巨大です。枝ぶりの良い盆栽をもらった感じ。まあ、ひたしていれば、形がくずれ、食べやすくなりますが、それにしてもぬる過ぎです。これなら、改札口にある蕎麦屋の「いろり庵きらく」の熱々のソバの方が絶対に良いなと感じます。

巨大な天ぷらで、もたれぎみの胃を鎮めるために、千葉駅から美術館まで歩きます。モノレールの駅からも距離がありますし、バスだと「Google Map」で調べるのも面倒くさいからです。美術館のアクセスマップに少々迷いながらも、無事に美術館に到着。蔦重の展示会の際は結構混んでいましたが、今日はまばらにしか人がいません。ゆっくり鑑賞できそうです。

8階の受付では、市内に住む65歳以上は、2割引きということで、健康保険証を見せることで、960円でした。家内も、セゾンカードか何かで、960円です。入館して、すぐ右手に目指すビゴーの絵がありました。当時の観光地・保養地として知られた稲毛海岸の絵です。稲毛の浅間神社の一の鳥居が海辺に小さく描かれています。



現在では、埋め立てられてしまって、海岸の面影はありません。 漁師らしいふんどしの男性や、着物の裾をまくった女性たち。日傘を持つ女性など、思い思いに海辺の風景を楽しむ、なかなかの賑わいのある油絵でした。ビゴーの絵は、あと一枚だけ。他にも、千葉ゆかりの画家たちによる洋画が展示されていましたが、全体的に暗い感じで、正直なところ、記憶に残っているのはビゴーの稲毛海岸だけです。

コースの後半で、床一面に、「千葉市街鳥瞰」の拡大コピーが置かれていました。お店の名前が一軒一軒記載されているような精密な絵地図であり、鳥観図です。隅から隅まで、食い入るように見入ってしまいました。「場」を意識した展示なのですが、残念ながら説明なさすぎです。まあ、「地図」は芸術作品ではないということなのでしょう。「地図」を軽視(はやりの差別?)しているような感じです。そもそも、千葉市美術館のアクセスマップぐらい、機能美を重視して描いてほしいところです。



帰りも千葉駅まで歩きます。うどんの印象が強すぎて、千葉市を散歩したというよりは、香川県の高松市を散歩したという感じ(行ったことないけど)でしたが、今はもう見ることができない、かつての稲毛海岸の風景を今でも思い浮かべるのでした。

■千葉市美術館「千葉美術散歩展」
 2025年11月01日(土)~2026年01月08日(木) 
 入場料1200円



さあ、今日も地図を広げて、
熱々の麺を探しに冒険にでかけましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

「大阪・関西万博」 がいつの間にか終了していました。この博覧会の正式名称は「2025年日本国際博覧会」で、2025年04月13日から10月13日までの184日間、日本の大阪府大阪市此花区夢洲で開催されていたそうです。運営費は黒字になったとかで、関係者は大いに喜んでいるようですが、あくまでも運営費なので、建設に要した費用は一切含まれていません。この博覧会による経済効果は、いろいろな計算方法があるようですが、一説では建設費を含めたもろもろの費用を上回っているとの話もあり、個人的な感想では、「確かに、何もしないよりは、何かした方が良いかな」と思う程度です。もちろん、ずさんなイベントは「No!」ですが、それにしても、万博にしては知名度低すぎです。

まず最初に、開催の趣旨が分からないです。万博なので、日本が自慢できる製品や技術を博覧するというのは分かるのですが、何かしらのガイドラインとなるべき、テーマはあるはずです。今頃になって、調べてみると、次のような記述に出会いました。

・テーマ  :いのち輝く未来社会のデザイン 
・コンセプト:People’s Living Lab――未来社会の実験場 
・目的   :国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の達成への貢献

佐伯教授が中心となって開発を進めた、純国産の手術支援ロボット「カエサル」なんかは、当てはまるのでしょうか。テーマが分かりにくくて判断できません。もっとも、「カエサル」は、ドラマ「ブラックペアン」に登場するマシーンで、実際に開発されているのは、川崎重工業の手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」 ですね。はたして、いったい何が展示されていたのでしょうか?

次に、マスコットです。あくまでも、個人的見解ですが、マスコットの「ミャクミャク」は「気持ち悪い」と思いました。こんな発言をすると、「ルッキズム」とか言われそうですが、第一印象ぐらい、嘘はつきたくありません。世間でも、ミャクミャクの姿については、発表当初から「怖い」「気持ち悪い」といった否定的な意見と、「個性的で魅力的」「癖になる」といった肯定的な意見に二分され、大きな話題となったそうです。選定者たちの精神状態を疑うほど、従来のゆるキャラやマスコットとは一線を画すデザインであることは間違いありません。これは、「気持ち悪い」と思われる方が「まったくの無関心」よりは、「はるかにマシ」を狙った、かなりアグレッシブな広告戦略と言えるでしょう。もっとも、この気色悪いマスコットの売り上げは、800億円以上だとのことで、多くの人たちの心をがっつりとつかみ、運営費黒字化の大きな要因になっているようです。確かに何度も「みゃくみゃく」の画像を見ていると、ちょっと気になってしまいます。「ミャクミャク」の一部が分裂したようなデザインの「こみゃく」たちは、確かに可愛いかと思います。



最後に、訪れた人たちの印象です。あくまでも、NHKのニュースなどで知った程度ですが、唯一印象に残ったのは、万博会場のシンボルである「スカイウォーク」だけというのも寂しい限りです。このスカイウォークの高さは約12メートル、全周約2キロで、「最大の木造建築物」として、今年3月4日にギネス世界記録に認定されたようです。あと、「火星の石」が展示されていたようですが、 まったく知りませんでした。もっとも、よくよく調べてみると、南極に落ちていた隕石なのですが、間違いなく火星由来とのことで、かなり拍子抜けしてしまいました。



ところで、結局のところ、何が展示されていたのでしょうか。いろいろ、調べてみました。その中で一つだけ、面白いなと思った展示がありました。それは、川崎重工業が開発・展示した未来のオフロードパーソナルモビリティである「CORLEO(コルレオ)」です。 「未来の乗馬」をコンセプトに、2050年頃の移動手段として提案されたコンセプトモデルだそうで、水素エンジンを動力源とした四脚で動く馬型のロボットです。 長時間乗っているとお尻が痛くなりそうですが、これなら、舗装された道路が不要で、地球に優しそうな乗り物です。いわゆる究極の無限軌道です。無限軌道といったらキャタピラーで動く戦車やブルドーザーを想起しますが、これらよりはるかに洗練されています。もっとも、四脚走行ロボットは、アニメ「太陽の牙ダグラム 」に登場する「クラブガンナー 」とか、「スターウォーズ」に登場する「AT-AT 」でお馴染みなわけですが、コルレオが実際に実用化されようとしているのは驚きでした(まだ、開発のGoサインは出ていません)。他国が開発しているロボットを見ると、人型の対人兵器にしか見えない風潮の中で、四脚走行ロボットは日本らしい技術です。究極的には、反重力装置で浮遊・走行する「スピーダー・バイク」が展示される日が待ち望まれるわけですが、さすがに、それは、はるかに遠い未来の話ですね。

ところで、「万博って、場所どこだったの?」と、改めて地図で調べてみました。かつて、大阪城に行ったことがありますが、 親戚の伯父さんに車で連れて行ってもらったので、まったく位置関係が分かりません。昭和の大阪万博も、父に連れて行ってもらったので、これも覚えていません。 もちろん、USJの場所すら分かりません。今さらながら、大阪周辺の地図にはまったく関心がないことに気づきます。正直、大阪湾のぱっと見の海岸線の第一印象が単調すぎて、詳しく見ようとは思わないからのようです。あと、大阪には、山手線のような環状線があるんですね。輪の大きさは少し狭いようですが、大きな違いがあるようです。山手線ではこんなことは絶対にありえないのですが、 この環状線に乗っていても、別の路線に入り、例えば奈良へ向かってしまうことがあるとかで、関東人は大いに気を付けて、関西に出かけましょう。



さあ、今日も地図を広げて、
第一印象で決めることがないように、多様性を信じて、
冒険にでかけましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今年も残すところ、2カ月とほんの少しとなりました。ここまでくると、素晴らしいアニメがこれから登場するとは考えにくいので、早くも今年のアニメの総括を始めてしまいます。

 

今年のアニメは豊作でした。まさに実りある一年でした。いろいろな観点から検証してみましょう。

まずは、その一つ目。人気アニメが途中で終わることなく、しっかりと継承されている点です。
「キングダム」シーズン6
銀河英雄伝説のように、なんとか最後まで続いてほしい作品です。まずは、原作者のご長寿をお祈りするばかりです。
「青のオーケストラ」シーズン2
ようやく、原作が13巻なので、アニメが原作に追いぬきそうな感じです。まあ、この作品をアニメで観る理由はただ一つだけ。原作では味わうことができない「音」を「リアルに聞きたい!」ってことです。現在、シーズン2の第3話ですが、2年生主体の体制となったばかりで音がまったく合いません。まともな演奏シーンが視聴できるのは、もう少し先のようです。
「青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない」
「青春ブタ野郎」シリーズも、原作本を2巻残すのみとなりました。
「薬屋のひとり言」シーズン2
アニメだと説明が少なくなってしまうため、実は後半のストーリーは消化不良気味です。原作を読み通したい衝動にかられています。
「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」
「シン・ガンダム」でした。
「SPYxFAMILY」シーズン3
マンネリ化してきましたが、ロイドの少年時代はよかった。
「嘆きの亡霊は引退したい 〜最弱ハンターによる最強パーティ育成術〜」シーズン1第14話~
原作の第4部から再開中です。相変わらず、スルースキルはレベル上昇中です。



二つ目は、実写でドラマ化されているのに、あえてアニメで挑戦している点です。実写だと予算制限がありますが、アニメだとそれがないので、どこまでも自由に描けます。
「ブスとデブと過ちと。」
ドラマの公園はどこだったんですかね?
「謎解きはディナーのあとで」
「天久鷹央の推理カルテ」(放映はアニメが先) 
「フェルマーの料理人」
上記3作品については、こちらのblogで。
【最近ハマってる配信動画】
【今年の夏はアニメが盛況】


三つ目は、かなり個性的なヒロインが普通に登場する時代になった点です。「君に届け」を思い出しますが。 真面目だけど地味で純粋なヒロインはやっぱり素敵です。
「スキップとローファー」
「ブスに花束を。」

あるいは、理不尽な状況に対して、あえて悪役となり、完膚なきまでに相手を叩きのめす「悪役令嬢系」「復讐ヒロイン系」は、昔からあるようですが、自ら進んで視聴するのは初めてです。純粋にスカッとします。
「傷だらけ聖女より報復をこめて」
紙芝居のようなアニメも悪くないと思っています。要はスカッとするかどうかです。
「最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか」
かしこまった「お願い」の内容は、単純に「殴らせろ!」です。もちろん、ヒロインの決めセリフです。

四つ目は、幅広い世界で多彩なジャンルが楽しめた点です。学園・推理・歴史・料理・旅行・スポーツ(しかも、フィギュアスケート)・音楽と定番のジャンルは元より、思わぬジャンルにも出会えました。
「チ。」
この作品で、今年の元旦を越したのは快挙です。ジャンルは何になるのでしょうか。単なる架空の歴史では収まり切らない質と内容です。「知の探求」対「異端審問」ですかね。
「タコピーの原罪」
夏に放映された、この作品のジャンルは「ダークファンタジー」になるのでしょうか。

最後の着眼点はアニソンです。最近は、一人ではなく、娘とカラオケに行くのですが、「えっ、今年の曲ばっかり? どういうこと!」と娘に不思議がられています。今年は、本当に良い曲ばかりがリリースされています。すべて歌いたくなってしまいました。前回で紹介した「瑠璃の宝石」のOP「光のすみか」以外では、次の曲がお勧めです。
「水平線は僕の古傷」(「青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない」のEP)
「MONTAGE」中島健人(「謎解きは、ディナーのあとで」OP)
「BOW AND ARROW」米津玄師(「メダリスト」OP)
「SCOPE」Aimer(アニメ「天久鷹央の推理カルテ」のOP)
 
今年のアニメではありませんが、今年、始めて視聴できたという点でおまけのアニメです。
「ユーリ!!! on ICE 」
ディズニープラスのラインナップにようやく追加です。「メダリスト」の記事を読むと、必ず登場するのがこのアニメ。男子フィギュアスケートの動きを、当時の技術でよく描かれています。完成度の高いアニメで、特に物語の出発点と着地点が素晴らしく、架空の話とは思えないほどです。
「リコリス・リコイル」
Amazonプライムで、追加料金を払わずに視聴できるようになり、慌てて視聴しました。ClariS が歌うOP「ALIVE」も最高ですが、日常と非日常のギャップが面白く、特にガンアクションがめちゃくちゃやばいです。二人の女子がお互いのお尻を蹴りあうのは、このアニメからきているんですね。



さあ、今日も地図を広げて、
いろんな世界へ冒険にでかけましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

漫画家・イラストレーターである江口寿史氏の「トレパク疑惑」がトレンド入りしています。江口氏のファンとしては、 大変残念な出来事です。発端となったルミネ荻窪のビジュアルについては、モデルとなった女性とは、肖像権について事後に許諾を得ていることや、女性が映っていた写真の著作権については不透明な点、過去の江口氏の作品については一切情報がないことから、江口氏に肖像権や著作権についての正しい知識がなかったことはあきらかであり、悲しむべきことです。

ただ、個人的には、江口氏よりも発注者側の方に大きな問題があると考えています(もちろん、江口氏の問題がなくなるわけではありません)。江口氏の絵は、見ればわかる通り、写真から起こしている画風であることは明らかです。なので、発注者側が単純に「写真を撮影した人やモデルにした人から許可は得ていますか」と江口氏に尋ねればよかったのです。つまり、発注者側のリスク管理が甘すぎるのです(くどいけど、ファンなので)。あっさりとビジュアルの使用中止を決定したことは、このようなリスクをまったく考えていなかったといわれても仕方がありません。

あと、ファンとして、とても残念な点は、「トレパク」と言われてしまっていることです。正確には「模写パク」と言われてほしいところです。どちらも、良くない言葉ではありますが、言葉は正確に使いたいところです。江口氏の作品はトレースではありません。見ながら正確に描いています。つまり、元の絵をなぞっているのではなく、模写しているのです。そう確信するのは、江口氏がインスタグラムで「ボールペンで描きましょう」と勧めているからです。ボールペンだから下書きができません。正しく言えば、下書きをしないで5分以内に描き上げようという練習です。輪郭線を正確に写し取れないまでも、構図はしっかりと、しかも一発で決めなければなりません。江口氏はこのような練習を日々行っていますし、作例を見ても、さすがはプロの技量だと思えるからです。

ただ、トレースにしても、模写にしても、大きな問題点があります。それは、マネをしたくなる構図を独自に考えるのはとてつもなく難しいという事実です。女性たちの何気ないけども素敵で可愛い仕草をゼロから想像することは至難の業です。だから、一瞬を切り取るプロのカメラマンは本当に凄いということになります。あるいは、撮影しないまでも、頭の中で構図を仕上げる、世の漫画家たちも、とてつもないクリエイターたちであるといえるでしょう。

というわけで、江口氏には、ぜひともチームを作って再起していただかなければなりません。つまり、カメラマンやスタイリストやモデルたちとチームを作り、肖像権・著作権について、だれからも文句が言えないような体制を作り、江口氏独自の画風を進化発展させていただきたいと思うのです。

私も江口氏に倣い、毎日気に入った絵を見ながらボールパンで描いています。なんでそんなボールペンの練習をしているかというと、年に一度の年賀状の絵を描くためです。かつては、気に入った絵の上に紙を置き、下から光を当てて、トレースしていました。もちろん、江口氏の絵を利用したこともあります。 でも、この作業、けっこう面倒くさいのです。練習によって、見たものがそのまま描けるようになるのであれば、練習してしてみようと始めてみたわけです。確かに今年の2025年の年賀状は簡単に女性を描くことができました。ただ、蛇の方は、気に入った蛇の絵がなかったために、蛇を描くのに相当苦労しています。まったく、ゼロから創造することはやはり凡人には土台無理な話です。結局、デフォルメされたカピバラのぬいぐるみを見ながら描き上げました。



ところで、やっと本題です。今年の夏は、アニメの豊作でした。猛暑になる前から、気にはなっていたけど、見逃していたアニメが一つあります。それは「瑠璃の宝石」。鉱物採取という地味なテーマにあっさりと敬遠してしまいました。毎度欠かさず視聴する「ブラタモリ」でも、岩石の話になると、ちょっと気後れしてしまいます。火成岩と堆積岩の区別もつかない岩石音痴ですが、秋のアニメのラインナップに、しょんぼりしているわけにもいかず、本アニメの視聴に挑戦した次第です。



で、「瑠璃の宝石」です。「これ、ほんま、すごいわ」と、にわか似非関西人になりつつ、うなってしまいました。鉱物のことが分かりやすく、推理・冒険・研究と三拍子揃っているじゃないですか。そして、登場する5万分の1の地形図は、まさに「宝の地図」。もはや、これは私のために作られたアニメだと大絶賛中です。

それに、魅力はつきません。宝石や鉱物の描写の美しさは見事です。光の反射や乱反射、構造色などが非常に緻密に、そしてリアルに表現されています。また、鉱物採集の舞台となる自然の風景、川のきらめき、木々などの背景美術も素晴らしく、作品の世界観を深めています。制作陣がリアリティと美しさにこだわって作っていることが伝わってきます。

さらに、鉱物採集というマニアックなテーマを扱いながらも、専門的な知識が作中で分かりやすく解説されています。主人公の瑠璃が大学院生である凪らとの出会いを通して鉱物や地球の動きを学んでいく様子は新鮮で、知識を得る良い機会です。岩石に抵抗のある私でも、すんなりと好奇心を持って視聴できます。珍しい石はないかと地面を見ながら歩く日々が始まってしまいました。

主人公の瑠璃をはじめ、登場するキャラクターたちが非常に生き生きと、豊かに動く作画も魅力です。構図も素晴らしいのに、それが動いているのです。さすがはアニメです。特に瑠璃の、好奇心旺盛で図々しいけれど真っ直ぐな性格、鉱物への熱望が見事に描かれています。最後に、主題曲の「光のすみか」も名曲です。周防神社に持ってきた鉱石ラジオから、この曲が流れ始めたシーンは感動モノでした。カラオケで歌えるようにと早くも練習開始です。



ここまで解説してくると、日本放送協会にもってこいの作品なのですが、一つ問題があるのです。それは女性たちの胸がとてつもなく強調されて描かれていること。しかも、アニメなので、しっかりと揺らしてきます。表現の自由が保証されているとはいえ、いやいや、そこまで強調しなくてもと思うのです。まあ、これも、この作品の魅力の一つなのかもしれません。
 

「瑠璃の宝石」ノンクレジットオープニング映像 安田レイ『光のすみか』



さあ、今日も地図を広げて、
鉱物採取に冒険にでかけましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。