【ブラームスの小径】 | pocopanのブログ 「地図がいっぱいある暮らし」

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先日の東京新聞(2024年05月22日)に掲載された片山由美子さんの「私の東京物語」の第5話で原宿の竹下通り近くに「ブラームスの小径」という異空間が紹介されていましたので、さっそく先日の早朝ウォーキングに家内と出かけてみました。

JR新橋駅から東京メトロを銀座線・千代田線と乗り継ぎ、明治神宮前駅で下車。エレベータで地上階に上がると、JR山手線上に架かる広々とした神宮橋。その向こう側にはこれまた深々と茂った森があり、奥には明治神宮が広がっています。反対側を見れば、表参道が一直線に延びています。もちろん、明治神宮のために造営された参道です。冬至の朝には、この参道の延長線上から太陽が昇るとのこと。ケヤキの並木道としても有名で、読売新聞社選定の「新・日本街路樹100景」のひとつになっています。

さて、そばにはJRのモダンな原宿駅です。原宿駅は明治神宮に近い駅でもあり、皇室専用ホームがあることでも有名ですが、竹下通りに直結している小さくて狭い竹下口の方が知られているかもしれません。この竹下口を大いに利用してしまい、その結果、この原宿駅が西洋風の素敵な駅舎であることに気づかない人が多いかもしれません。まさに「神宮の森の緑とマッチしている西洋風の駅舎」という理由で、1997年に「関東の駅百選」に認定されています。でも、この肝心のハイカラっぽい駅舎がいつのまにかなくなっており、びっくりしたものです。2020年以降は今のモダンな新駅舎となっていますが、2026年の冬に旧駅舎のデザインが復活するとのことで、駅舎の奥では、まさに現在進行形の工事中となっていました。

竹下通りへ向かう途中、木造かと思うような複合施設「WITH HARAJUKU(ウィズ原宿)」を見つけます。鳥居を思わせる木材に、家内はシロアリを心配しますが、耐火基準を満たしているはずので、心配はないはずです。早朝でも、竹下通りを行きかう人は少なからずいますが、路地を一つ離れると静寂とした異空間です。ブラームスの小径はそんな異世界の一つでした。レンガを組み合わせた清潔そうな細い道が延びています。両側も木々に覆われたレンガ造りの洒落た建物。石造のライオン像に豪華な門構えとバルコニーのある建物。そして、いかめしい表情のブラームスの胸像。満開のアジサイ。蔦をあしらった洒落た街灯。わずか200mほどの小径でしたが、まさに異空間でした。

ブラームスの小径から通りを横切ると、再び小径が続きます。おそらくここがモーツアルト通りのようです。ちょっと殺風景な感じでしたが、奥に進むにつれ、通りを彩るデザイン群に出会えます。スペイン風の壁絵。パテオ風の噴水のある広場。通りの出口で振り返ると、モーツァルトの肖像画のタペストリーにモーツァルト通りと書かれた標識が見つけられます。

目の前には、東京中央協会がそびえています。ここが教会通りのようですが、そろそろ引き返すことを考えます。帰りは、まだまだ人気の少ない竹下通りを歩きます。通り過ぎる人は、酔っ払って足取りのおぼつかない人と、足早に通り過ぎる人の二極化です。人よりも、落ちている食べ物をついばむ鳩の数の方が多いくらいです。この通りなら、鳩たちも食事には困らないことでしょう。定番のクレープ屋にメイド服を中心にすえたコスプレ店が立ち並びます。最先端の「KAWAII」を発信する竹下通りということですが、昭和レトロを感じるのは、うちら老夫婦だけでしょうか。

帰りは、千代田線一本で二重橋前駅まで。JR東京駅までの長くて広い地下道には、むかしの東京駅周辺の写真が数多く展示されていて、ここでも昭和を思い出すのでした。


■周辺図


●神宮橋


●表参道


●原宿駅


●竹下通り入口


●ブラームスの小径


●モーツァルト通り


●竹下通り



さあ、今日も地図を広げて、
クラシックを聴きながら冒険にでかけましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。