【ブロンズ像のある街「船橋」】 | pocopanのブログ 「地図がいっぱいある暮らし」

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今年は、2月が29日まである閏年なので、オリンピックが開催される年です。まもなくパリオリンピック。もっとも、前回のパリオリンピックの1900年は、100で割り切れるけれど、400で割り切れなかったので、平年でした。何事も例外はあるものです。前回といえば、あまり記憶に残っていませんが、東京オリンピックでした。このときのサーフィン会場は千葉県の東浪見海岸でしたが、内陸にあるパリ大会のサーフィン会場はどこだろうと調べてみました。ヨット会場は地中海に面したマルセイユ。これはある程度予想できました。では、サーフィンはノルマンディー海岸あたりかと想像を膨らませますが、正解はなんとタヒチ島。パリから見てほとんど地球の裏側にある島ですけど、選手や関係者たちは開会式とかどうするのでしょうか。オンライン開会式なんですかね。

オリンピックは、金銀銅のメダルを競うということで、独特な雰囲気に満ちています。各メダルを英語にすると、ゴールド・シルバー・ブロンズですが、ブロンズという言葉には少し違和感があります。ブロンズって青銅なのでは。銅の英訳は、「copper(カッパー)」なので、ここでも、世界の常識と日本の常識は違うのだと思い知ります。青銅は、銅Cu を主成分とし錫Snを含む合金です。青銅があるのならば、赤銅はあるのでしょうか。「赤銅色の肌」という表現があり、銅に3~5%の金を加えた合金です。象嵌細工などの日本の工芸品に用いられる日本独自の合金のようです。白銅は、銅を主体としニッケルを10%から30%含む合金となります。

さて、銅といえば、どの街にも銅像はあります。もちろん、銅像といっても、主な原材料は青銅になるわけで、結局は「ブロンズ像」になります。「青銅像」とは言わずに「銅像」と象徴的にひとくくりに表現してしまうところに日本語の妙があるようです。なかには、車田正美先生の「聖闘士星矢」のように、青銅聖闘士(ブロンズセイント)ときちんと表現している作品もあります。

うちら老夫婦が暮らす稲毛の街にもすぐれた銅像がいくつもあるのですが、少し離れた船橋の街には、ちょっと変わったユニークな銅像から力作の銅像までそろっているということで、少しばかり家内と訪ねてみることにしました。

早朝の5時過ぎには早くも船橋駅に到着。夏至が近いので、外はすでに明るくなっていますが、小雨の降る中を折りたたみ傘をさしながらのウォーキングです。最初に向かった場所は、船橋市民文化ホール。ここには、菊池一雄作の「ふれあい」という像があります。二人の少女像ですが、これは、もう見事です。二人の背中の距離間。二人の座席の微妙な高低差。一人はのびのびと、もう一人は控えめにとポージングが素敵です。なので、どのアングルから見ても、構図が様になります。あと、見えそうで見えないところも、秀逸かと。蛇足ですが、同じ広場には、太宰治の植えた夾竹桃がありました。

次は、本町中央公園です。ここには「海からの風」と題された裸婦像があります。公共の場に裸婦像が置かれているのは、世界的には珍しいようで、日本だけのようです。銅像は明治以降に普及してきました。戦前はもっぱら軍人像が増えていきますが、戦中の金属供出や、戦後のGHQの軍国主義排除の指導により、代わって登場したのが、歴史性や政治性の薄い「乙女の像」です。亜細亜大国際関係学部の高山陽子教授(文化人類学)によると、裸婦像には平和の象徴のような意味合いがあり、日本で初めて公共空間に置かれた女性裸体像は東京・三宅坂の「平和の群像」(1951年)で、「ここで平和の意味付けがなされた」と指摘されています。以降は、脈絡もなく駅前などに裸婦像が設置されるにいたります。まあ、混浴などに見られるにように、多少なりとも日本には性の解放感があるように、個人的には思えます。

このまま船橋大神宮の方へ向かい、海老川に到達します。この海老川には、数多くの橋がかけられ、各橋には特徴あるブロンズ像が置かれています。これらの橋を訪ねる「海老川十三橋めぐり」というウォーキングコースが船橋市によって選定されています。今回は、海老川橋と八千代橋の二つを訪ねます。別名「長寿の橋」と呼ばれる海老川橋には、「歴史・商業」をイメージしているといわれるブロンズ像が置かれていました。小舟の船首に竜と仙人らしき人物という像。少し小さいのが残念ですが、猛然と河口を目指して突き進んでいるという感じです。あと、ここには、船橋の地名の発祥の碑もあります。八千代橋には、「漁業・豊漁」をイメージした魚のブロンズ像が置かれていました。

さて、先の二つの橋の間には、変わった銅像があります。かっぱとシーラカンスの像です。かっぱは、海へ流れる川が集まる船橋らしい妖怪ですが、シーラカンスはちょっと意味不明です。この謎の銅像について調べてみると、「シーラカンスは、デボン紀、古生代より行き続けた生命力の強い深海魚であり、河童は我々を擬人化したものである、共に永遠の生命と万物の生態系の回復と市民健康のもと、速歩一万歩への道標としてこの像を設置する 船橋海老川災害対策協議会 平成八年七月十四日建立 寄贈 内海 功・内海 幸子」とのことでした。個人の寄贈なんですね。

川をあとにし、近くの大神宮下駅から京成線で船橋駅へ出て、総武線を使い帰宅するのでした。


■コース


①船橋市民文化ホール


②本町中央公園


③海老川橋


④八千代橋


⑤かっぱとシーラカンスの像




さあ、今日も地図を広げて、
ブロンズ像のある街へ冒険にでかけましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。