【街道の果ての街「東金」】 | pocopanのブログ 「地図がいっぱいある暮らし」

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地図を眺めれば、家にいながら「冒険」の始まり。
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先日、四街道の街を歩いたことで、千葉や船橋・成田・東金へと四方へ続く道がある一方、少し南へ進んだところに、東西に延びる一本の道があることに気づきました。御成街道です。徳川家康が鷹狩に使った道です。いったいどこへ鷹狩に出かけていたのかを調べてみたら、東金であることを知り、びっくりしてしまいました。東金駅は、「関東ふれあいの道」を歩くために二度も利用した起点となる駅だからです。しかも、家康が宿泊した御殿は八鶴湖のほとりにあったということで、さらにびっくりです。二度とも冬の寒い夜明け前の幻想的な八鶴湖を鑑賞し、その東岸を歩いていたので、なおさらです。御殿は西岸にあったようで、この機会に家内と湖を一周してみようと思い立った次第です。

東金駅へ向かうためには、外房線で大網駅まで行き、そこで東金線に乗り換えて、二つ目の駅となります。始発の外房線に乗れば、10分ほどの待ち時間で始発の成東行きの東金線に乗車することができました。途中、珍しいことに何度も濃霧にあい、いっそう幻想的な八鶴湖が見れると期待も膨らみます。それにしても、東金という地名は素敵です。想像するに、東の方を見ると黄金色に実った稲穂が一面に広がっていたかのようです。この仮説は間違いでした。もともとは、鴇ヶ峯と言われていたそうで、最福寺境内の山嶺が鴇(とき)の頭に似ていたからだそうです。

到着した東金駅は無人駅。陸橋を渡り、北口から改札を出ます。でも、市役所やショッピングモールがあるのは南側。直接南側へ出ることはできません。なんと北口からさらに陸橋を渡らないと南側へ行けないようです。

北口は昭和の景色が色濃く残る佇まいです。早朝なのでわかりずらいのですが、店じまいしたかのような古風なパチンコ屋やらお店が立ち並び、往時の賑わいがしのばれます。ホテルを改装したようなマンションやら、令和らしからぬ風景が続き、心が和みます。

ほどなくして八鶴湖。曇ってはいるものの、明るい早朝の八鶴湖はどんよりしていて、ちょっと期待外れでした。高い湿度もそんな印象を与えるのかもしれません。千葉公園の綿打池よりもはるかに郊外にあるのだから、もっときれいであってほしかったという期待が強すぎたからかもしれません。さすがに湖面の色が茶色ぽいというのはいただけませんが、クリーン作戦を展開していることは各種看板で伝わってくるので、数年後の湖を思い浮かべることにします。とはいえ、周囲は完全に緑あふれる自然に恵まれているので、これはこれで良しとしましょう。遊歩道が完備されているので、少なくとも湖を一周しようという気にはさせてくれます。

適度に休憩所があり、堂々とした鳳凰山本漸寺山門は歴史を感じさせてくれます。湖に突き出した突端には厳島神社谷弁財天が置かれていて、単調な景色をうまく打ち破ってくれています。もとは小さな湖だったようですが、御殿造営時に、湖を今の形に大きく広げたとのことで、見事に鑑賞に堪えうる風景に仕上がっています。まあ、春はライトアップされた桜と夏は打ち上げ花火とイベントも多彩なようです。

突端の根元には、満開のハスの花。それも、この区画一面です。今まで千葉公園で見ることがかなわなかったハスの花をこの地でようやく見ることができました。

東金高校の正門が珍しいので、近づいてみることにしました。こちらも歴史を感じる正門です。奥の校舎の屋上には天文台。さらに左奥に見えるのはピンク色の洋館。あとで調べてみると、この千葉県立東金高等学校は、千葉高等女学校に続いて設立された千葉県で2つめの県立高等女学校であり、100年以上の歴史があるとのことで、もう少しよく見学しておけばと後悔しました。あと、学校紹介ビデオによれば、天文台に見えたドームは、プラネタリウムでした。

もうすぐ湖の一周が終わろうとするころ、古い三階建ての木造の建物がみえてきました。八鶴館です。1885年(明治18年)に創業された割烹旅館の建物で、国登録有形文化財に指定されています。旅館としては、コロナ時に廃業。現在はレンタルスペースになっているようです。

帰りは、同じ道をたどって、東金駅へ。ちょうど東京行きの電車(京葉線)に乗車することができました。空いている席に座り、慌ててGPSロガーを停止し、肝心の東金御殿跡の案内板を完全に見逃していたことに、今さらながら気づくのでした。


■コース


◎八鶴湖


①鳳凰山本漸寺山門


②厳島神社谷弁財天


③ハスの花


④千葉県立東金高等学校


⑤八鶴館



さあ、今日も地図を広げて、
湖を一周しに、冒険にでかけましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。