2人の子育てをしながら、働き盛りの社会人としてもお互いフリーランス&自営業で忙しい日々を送る夫と私
夫はビデオゲームやオンラインゲーム、VRゲームなど、デジタル・エンターテイメントのコンテンツ・ディベロパーとして活躍中。いま投資家が目を付ける熱い分野の一つでもあるため、仕事のオファーや相談がひっきりなし。
デジタルエンターテイメントには複数の会社が絡む訴訟も多く、ローファームからExpert Witness (専門証言人)として訴訟案件のコンサルタントも引き受けることもあります。
一方、私は映像翻訳家として、映画やドラマ、ドキュメンタリー、バラエティ、アニメの脚本の翻訳や校正、字幕翻訳や字幕編集が仕事です。
Netflix, Amazon, Hulu,に加え、新たにApple, Disneyなどのメガ企業が、動画配信のプラットフォームを利用したオリジナル作品の制作や配信に参入します。外国語への字幕翻訳や吹替を扱うローカリゼーション産業も、また熱いマーケットとなっています
そんなクライアント主導型のいまどきの仕事と子育てをジャグリングしながら、忙しい毎日を送る私たち夫婦は、週末ともなればグッタリ死人状態
しかし、子供たちが寝たあとの唯一の週末の楽しみが、TEDトークを観ること
TEDは各界のスペシャリストやインフルエンサーが登場し、より良い世の中と未来にするために、人は何ができるのか?をテーマに、様々なジャンルのアイデアや問題点、その改善策について語るカンファレンスです。
カンファレンスの動画はHPにアップされるので、誰でも無料で視聴できます。また多くの動画には日本語字幕が付いているので、字幕ボタンで日本語字幕を選ぶと字幕付きで視聴できます。
TEDの良さはなんといっても、最高の編集とはなにか?を見れることです。
その分野の何の予備知識もない一般視聴者でも分かるように、トークの内容が構成(編集)されています。
私の尊敬するコメディアン&作家であるスティーブ・マーチンの名言がコチラ
Editing is the most powerful skill and tool for a human being.
(編集ができるということは、人にとって最もパワフルな技能であり能力である)
TEDは5年生のわが娘でも大半のコンテンツは楽しむことができるので、日本に在住の社会人や、お子さん(英語の基礎をもつ小学生高学年~高校生)の英語学習にも、格好の映像コンテンツだと思います。
前置きはこれくらいにして、つい最近夫と視聴したのがコチラ。
ツイッターの創設者でCEO、ジャック・ドーシーのカンファレンスです。
バンクーバーのTEDカンファレンスで、アビューズツイートやハラスメントなどの社会問題、俗称TWITTANICに関し、現在の取り組みを語りました。
TEDの動画サイトはコチラ(英語)
(Courtesy of WIRED)
ドーシーはカンファレンスの冒頭で述べます。
最も大きな問題となっているのが会話の健全性だ。
誹謗中傷などのアビューズやハラスメント、不正操作、オートメーション、デマなど、ツイッターのサービス開始当初は予期しなかった問題が深刻化して、ユーザーの不信感や不満を不必要に拡大している。
インタビュアーから、女性、特に黒人女性のユーザーがより多くのハラスメントを受けていることへの質問には、
プラットフォームが提供するハラスメントの誘引について深く調査をしている。また現状のシステムでは、誰もが簡単にアビューズやハラスメントを行うことができる。昨年、機械学習とディープラーニングの採用を決定し、被害者の負担を取り除くため、積極的に取り組んでいる。
ドーシー氏によると、現在、アビューズコンテンツの38%はアルゴリズムで認識できるようになっているとのこと。なお、これらのツイートは、取り除く前に人間がレビューを行なっているとも語った。
今年1月から3月の間に停止したアカウントで、新規アカウントの作成を停止したものが、昨年より45%増の10万件となった。また通報後24時間以内に停止した悪質なアカウントは、昨年同時期より3倍に上昇した.。
テクノロジーの改善に加えて、暴力や暴徒的なふるまい、集団ハラスメントを何が誘発したのかなど、根本的な考察が必要。ネットワークに内在する力学についても調査をしている。
それでは、このTWITTANICを回避するため、いかにユーザーの行動を変化させるのか?について質問されると、アカウントフォローのコンセプトについて言及。
ツイッターは「興味」をベースにした、オープン・カンバセーションのネットワークだと考えている。誰もが自分の興味のある分野や記事を見つけ、フォローすることで、自分のアイデアや視野を広げる役割を果たすために利用してほしい。
コメントや会話はCritical(うのみにせず批評性をもつ)であることは大前提だが、だからといって気軽に他人を中傷することが許されてはならない。
アカウントフォローの代わりに、興味やトレンド、ハッシュタグ、コミュニティをフォローできるようにすることが可能だ。アカウントに対するバイアスからトピックや興味に対するバイアスまで、ネットワーク全体のバイアスを除く、根本的な変更を加えたい。
もう一度ツイッターのサービスを始めるなら、フォロワーの数をこれほど強調しないし、”いいね”の数も強調しないだろう。最初から”いいね”をつけることさえ考えなかっただろう。ネットワークへの健全な貢献という、現在我々が最も重要と考えるものに役立たないからだ。
なるほど~。興味深いですね。
SNSの中でも、ツイッターはリツイートで拡散するスピードが速いのが特徴であり、ユーザーの利便性も高い。重要なメッセージや意見、アイデアなどを瞬時に世界中に広めることのできる、パワフルなプラットフォームであることは間違いない。
一方で、否定的な意見を投入することで炎上をもくろみ、他人を中傷して楽しむDick Users(どうしようもないユーザー)が簡単に入り込めることが原因で、時には人を死に追いやるほどの軋轢を生みだすほどの社会問題も生み出している。
AIでさえまだ制御できないこの現代病を、人間の良心と頭脳によって解決できるのか?テックジャイアント、ツイッターCEOとしてのドーシーの使命とも言えるでしょう。
また、SNSを利用する現代人の私たちにできることは、
非難中傷には応じない、理不尽に否定的なコメントは無視する(掲載しない)、他人は他人、自分は自分、と割り切る潔さを持つこと。そして多様性を認める心の寛容性をもつことです
それでは、この1週間も頑張りましょう
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