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与謝野晶子源氏物語の第四巻を読み終える

与謝野源氏物語の第四巻まで読みました。


あと残るは、第五巻のみです。


一か月に、一巻のペースで読んできたことになります。


今年は、源氏物語の現代訳を読むのだと決意して、なんとか、ペースは遅いですが、実行しています。


『早蕨』の帖を今、読み始めています。


光る源氏が死亡してからの物語は、宇治が舞台になっていることから、『宇治十帖』と呼ばれている。


宇治十帖は、登場人物が比較的少なくて、読みやすいような気もします。


光る源氏が死亡してからの物語は別物と考えたほうがいいのではないかと思います。


作者は紫式部ではないと思われます。


あと一か月で、なんとか、第五巻を読み終えたいと思います。


『アフターダーク』は『1Q84』とリンクしているのか

村上春樹の、『アフターダーク』を読んでみた。


すでに読んでいるはずだけど、内容は完全に忘れていた。


『アフターダーク』が、『1Q84』にリンクしているのかと思ったのだが、全くそういう気配は感じられない。


おそらく、これまで、村上春樹の作品を読み続けてきた読者にとっては、この作品は異質だろうと思う。


作家が実験的なことをしているのは分かるのだが、物語は空中でホバリングしていて、どこにも着地はしない。


そういう終わり方は、村上春樹の作品では珍しくはないのだが、何かを求めて読んだ読者の多くはがっかりするだろうと思う。


全般に評判がよくない作品だけど、会話が多くて、割合と、リアリティがあって、読みやすい。


しかし、読みやすいだけで読後に何も残らない。


『アフターダーク』があまり評価されなかったことを踏まえて、『1Q84』を書いたのだろうかとも思われる。


たとえば、『アフターダーク』に書かれている題材の一部をうまくまとめて、原稿用紙200枚程度に、新人が書いたとする。


夜の世界の、ラブホテルの従業員、そこを利用する客と、不合法な商売をする外国人、などの話をリアルに書けば、芥川賞候補になるかも知れない。


村上春樹は芥川賞を受賞できなかったことをどう思っているのだろうか。


というより、村上春樹に芥川賞を与えなかった、選考委員はどう思っているのだろうか。


もし、村上春樹が芥川賞を受賞していたら、『1Q84』を書いていただろうかと、考えてみたりもする。


芥川賞作家だからといって、へんに保守的な、純文学路線の作品を書いていただろうか。


『アフターダーク』は実験的な作品だろうけど、その実験がうまくいったと、村上春樹本人思っているのだろうか。


そんなことより、30年の作家生活の中で、村上春樹の長編作品は少ないように思える。


あと何年、村上春樹が作家として精力的に活動できるのかは分からないけれど、あと、何作の長編作品を残せるだろうか。





川端康成 『古都』を読む

ほんの少しずつですが、読みすすんで、川端康成の、『古都』を読み終えました。


川端康成の本は、何か読んでいるはずなのですが、記憶がありません。


『古都』は京都が舞台です。


双子の一人が捨て子になって、そこの子は呉服問屋に拾われて、お嬢様として裕福な生活をしている。


双子のもう一人は、北山で、裕福ではない暮らしをしている。


その双子の姉妹がある時に出会って、お互いが双子の姉妹であることが分かる。


姉妹は、一晩だけいっしょに、呉服問屋の家で寝る。


双子の一人は、北山に帰って行く。


分かりやすい、美しい日本語で書かれている。


読みやすいけど、歯ごたえはあまりない。


でも、とても切ない。


京都の歳時記の案内のような気もする。


とくに何か、大きな出来事を描くわけではなくて、日常の情景を丁寧に、美しい日本語で書いていけば、きちんと文学になるということだろう。


物語の進み具合が、けっこう、速い。


同じ場面で、無駄に時間がすぎるということはない。


川端康成は、この小説を睡眠薬を飲みながら書いたということだ。


あまり意識がはっきりしない状態で書いたのだろうと思う。


あまり多くを語らず、行間を読ませて、余韻を残すのが正統な文学というものだろうか。






1Q84 BOOK3 発売12日目で100万部突破

発売12日めにして、『1Q84 BOOK3』が100万部突破したということです。


驚くべきスピードで売れています。


こんなに売れていいのでしょうか。


BOOK3が売れているために、BOOK1,2も売れているということです。


それのみならず、村上春樹氏の他の作品も読んでみようという気になる読者もいることと思います。


私自身も、『アフターダーク』を読み返しています。


現在、半分くらい読んでいます。


感想は、のちほど書きます。


それにしても、なぜ、村上春樹の本は売れるのか。


もし、同じ内容の本を他の作家が書いたとしても、100万部単位で売れることはないだろうと思う。


村上春樹だから売れているのだろうと思う。


村上春樹に読者は期待しているのだろう。


では、何を期待しているのか。


自分の気持ちを代弁してくれること。


あるいは、自分の気持ちを解放して救ってくれること。


つまりは、癒しを求めているのだろうか。


本が売れるということは、多くの読者は、村上春樹の言葉と文章に癒されているのだろう。


読者が村上春樹の信者だとしたら、村上春樹は教祖なのか。



村上春樹氏と父の関係

かなりしつこいようですが、どうしても気になったので、村上春樹関連の話を続けます


1Q84 BOOK3で、NHKの集金人が何度もしつこいくらい登場する。


この集金人は、天吾の父親の生霊か、死霊ではないかと思われる。


物語の中の天吾と父親との関係はあまりうまくいっていなっかただろうと思う。


しかしながら死に直面している父親の姿を見て、天吾の父親に対する気持ちも変わってきたのではないかと思う。


和解という言葉は適切ではないかも知れないけれど、天吾と父親は和解をしたのだと思う。


父親の生き方を天吾は理解し、認めた。


その象徴が、しつこい描写の生霊としてのNHKの集金人だろう。


これは物語の中のことだけど、実際の村上春樹氏と父親の関係もうまくはいっていなかった。


村上春樹氏は父親のことを多くは語らなかった。


しかし、近頃、父親を亡くした村上春樹氏は、父親の生き方を理解するようになった。


そういうことを考えると天吾の父親の死と、実際の村上春樹氏の父親の死が重なる。


天吾の父親の葬儀の手続きから、火葬のまでの場面の描写はリアリティがあり、胸に迫る。


NHKの集金人のしつこいほどの描写は、天吾の父親と、現実の世界の村上春樹氏の父親への鎮魂のような気もする。