村上春樹氏と父の関係
かなりしつこいようですが、どうしても気になったので、村上春樹関連の話を続けます。
1Q84 BOOK3で、NHKの集金人が何度もしつこいくらい登場する。
この集金人は、天吾の父親の生霊か、死霊ではないかと思われる。
物語の中の天吾と父親との関係はあまりうまくいっていなっかただろうと思う。
しかしながら死に直面している父親の姿を見て、天吾の父親に対する気持ちも変わってきたのではないかと思う。
和解という言葉は適切ではないかも知れないけれど、天吾と父親は和解をしたのだと思う。
父親の生き方を天吾は理解し、認めた。
その象徴が、しつこい描写の生霊としてのNHKの集金人だろう。
これは物語の中のことだけど、実際の村上春樹氏と父親の関係もうまくはいっていなかった。
村上春樹氏は父親のことを多くは語らなかった。
しかし、近頃、父親を亡くした村上春樹氏は、父親の生き方を理解するようになった。
そういうことを考えると天吾の父親の死と、実際の村上春樹氏の父親の死が重なる。
天吾の父親の葬儀の手続きから、火葬のまでの場面の描写はリアリティがあり、胸に迫る。
NHKの集金人のしつこいほどの描写は、天吾の父親と、現実の世界の村上春樹氏の父親への鎮魂のような気もする。