私、メインのストラトのポットを500KΩ、コンデンサの静電容量を0.022μFにしています。これは高音域のレンジを広げて、音像のハッキリした音にすることを狙っています。この改造を施してから、ギター単体で聴けばコードの分離感や艶を感じられ、聴感上はバランスのいい音に聞こえます。
しかし、これがアンサンブルに入るとフロントのリードプレイにおいては今一つ中音域が抜けてきません。これはギター単体で出音帯域のバランスを整えたために、バンドアンサンブル上でパートが持つ役割(帯域)がボヤケてしまっているのかなと感じます。なんとなくですが、改造による音作りの捉え方やイメージに今まで誤解があったのかな?と思いました。最近では「帯域をブースト・カットする」というより、「欲しい帯域にフォーカスを合わせる」というイメージの方がなんだか腑に落ちますね。今回はフロントの中音域にフォーカスを合わせるため、ポットの抵抗値とコンデンサの静電容量をスタンダードなストラトに戻してみたいと思います。
1.改造内容
・フロント、センターのトーンポットを500KΩから250KΩに交換する。
・トーンコンデンサを0.022μFから0.05μFに交換する。
・リアはトーン結線有り ⇒ 無しとする。
2.レビュー
(1)フロント、センター(ポット:500KΩ ⇒ 250KΩ、コンデンサ:0.022μF ⇒ 0.05μF)
・ハイミッド、音の芯が弱くなった。
・音のピークはローミッドにある。
・モコっとした解像度の低めの音になった
・チョーキングした時にはしっかりとした厚みを感じる。
・アンサンブルで存在感の大きい音になった。
250KΩに戻した後に気付いたのは、上のレンジが狭まったように感じる一方で、自然なまとまり感、自然な各帯域の繋がりを感じます。これがトーンポットを500KΩとした場合、ピークがハイミッドにあり、帯域に連続性の無いピーキーな高音だけ浮いているように感じます。といってもキンキンして耳に痛いわけではないので、ギター単体であればメリハリのある良い音に聞こえます。そんな印象です。
また、HOTタイプのピックアップ、チタンサドルを搭載、ミディアムスケールの比較的ウォームな音像のストラトであっても、250KΩの方が自然な音に感じました。そのため、単に高音がもう少し欲しいとか、イマイチ抜けが悪い等を解決するために、トーンポットを変更するのは意外と難度の高いことのように感じます。
(2)リア(500KΩ ⇒ 結線なし)
・雑味が減り、素直な音になった。
・ローミッドは結線なしの方が出ているように感じる。
リアに関してもトーン結線されない設計の理由をなんとなく垣間見た気がしますね。恐らく、リアポジションは深みや雑味を排除する設計なのでしょう。250KΩだと高音が弱い、500KΩだと高音が強い。結線なしだとより素直な音、混じりけの無い音、ストレートな音がします。また、トーン結線なしは500KΩと比較して相対的にローミッドが出ている印象です。
今回、改造を行った事によって、ピックアップ以外の電気系の構成は元の状態とほぼ同じになっています。往年のギターヒーローのトーンを良しとするのであれば、この回帰も自然なことなのかもしれません。「一周回って良く感じる」とは言いますが、こういうことなのかなー
おしまい☆
■関連記事