前回に引き続き、FUJIGENのNCST-M10Mトレモロブロックを交換します。前回、理想の音になった!と言った手前、蛇足感や改造自体が目的になっている感じが否めませんが気になってしまったのでやっちゃいます。

 ※トレモロブロックは他にもイナーシャブロック、サスティーンブロックと別称がありますが、ここではトレモロブロックで呼ぶこととします。ちなみに私はイナーシャブロック派です。(どうでもいい)

 

  1.パーツ選定

 まず、ネットの前情報だとトレモロブロックは重くなる程サスティーンが伸びる、響きが良くなる(なんか曖昧)は多く見かけます。他にもアーミングが重くなるとか、音にハリが出るとか、太くなるとか、ボールエンドの位置の違いで弦のテンションが緩くなるとか、チューニングが安定するとか色々見かけます。

 

 良い事づくめのような気がしますが、上記に挙げた弦のテンションが緩くなってるのに音にハリが出るのはおかしくないか?とか、それぞれの報告をひと口にまとめちゃうと矛盾があるような気がします。ギターとブロックの組み合わせによっては特性が異なる形で現れるのかもしれません。

 

 とゴチャゴチャ考えてましたが、そもそもリプレイスメント用のトレモロブロックって適合サイズや材質を考えると意外と選択肢が少ないです。というわけで一番手頃でサイズの合う以下のフェンダーのスティール製ブロック(285g)を選定しました。他社製のブラス製のものは倍音が多く出るらしいですが、倍音が多いのは好きじゃないのでスティール製にしています。また、交換対象のギターにデフォルトで搭載されているのはダイキャスト製(228g)です。

 

・フェンダー Pure Vintage Stratocaster Tremolo Block(インチサイズ)

 ※インチサイズのネジ(ステンレス製)も購入しています。

 

 

 

  2.レビュー

 まず最初に、互換性があるかとても不安でしたがトッププレートと見事合致しました。アームの穴の位置までドンピシャです。しかし、トレモロブロックの穴がインチサイズなのに対し、既存のアームがミリサイズのため、アームは買い直しになりました。このギター、弦間ピッチはインチだけどアームはミリなんですねぇ。

 

 音はというと結構小さい変化です。激変!とか露骨にキャラクタが変わるような事はなく、キャラクタはそのままに少しパワー感がプラスされた印象なので、録音しておかないと分かりにくいかもしれません。細かく言えば以下のような変化です。

 

・ハイミッドの響きがほんの少し強くなった。

・ローミッドの押し出しがほんの少し強くなり、音に厚みが出た。

・単音にほんの少し芯が出た。

・コードの分離感がよくなり、より真っすぐ伸びる。

・特段サスティンが伸びたようには感じない。

・弦のテンションも変わったようには感じない。

 

 トレモロブロック交換後、音に厚みが出たことにより巻弦が少しブーミーな感じになったので、GAINを目盛半分くらい下げてトーンを調整しています。これくらいの調整が発生するということは、感じているよりも音が変わっているようです。スティールブロックへの交換後の傾向としては硬質で厚みのある筋肉質な音になるので概ねハードロックに向いていると思います。今回のように重量50~60gの差だと変化としては小さいですが、もっと軽いトレモロブロックを搭載してる人は効果が大きいんじゃないでしょうか?

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