前回に引き続き、FUJIGENのNCST-M10Mのポットとコンデンサをを交換していきます。回は配線材の交換によって、ぺちゃぺちゃのハリのない音になってしまいましたが、今回はポットとコンデンサの交換し、音のハリと芯を取り戻すことを狙います。

 

 

  .ポット交換の経緯

 なぜポットとコンデンサの交換に至ったかというと、岸本恭一氏のブログにストラトのポットの抵抗値とコンデンサの静電容量の組み合わせで出音を検証する記事を発見したこと。内容はというとボリュームポット:250kΩ、トーンポット:500kΩ、コンデンサ:0.022μfという高音成分をスポイルしないセッティングにし、音に芯とハリを得るというもの。

 

 後日、同氏のブログによってこのセッティングはハリや芯は得ることができるが、低音や音圧はオーソドックスなセッティング(ボリュームポット:250kΩ、トーンポット:250kΩ、コンデンサ:0.047μf)の方が強く、良い音(同氏の好みの音)という結論で終るのですが、現状のギターの芯のない音から脱するには可能性を感じる設定と思い、ポットとコンデンサの交換に至りました。

 

※同氏のブログはコンデンサや配線材も積極的に比較検証しており、ギター改造を行う上で非常に参考になります。

※ちなみに私の改造対象のストラトはボリュームポット:250kΩ、トーンポット:250kΩ、コンデンサ:0.047μf(フィルムコンデンサ)でリアにもトーンが効く仕様となっています。ポットは国産です。

 

  2.パーツの選定

 ボリュームポット:モントルー Custom CTS A250K Split metric [9521] ×1個

 

 トーンポット:モントルー Custom CTS A500K Split metric [9522] ×2個

 
 
 
 

 

 コンデンサ:モントルー Ceramic Disc Capacitor 0.022uF 100V  ×1個

 
 

 

 

 ポットは無難にCTS、コンデンサにはより固い音質になるといわれているセラミックコンデンサをチョイス。メーカかは選び出すと泥沼にはまりそうなので、吟味せずに無難にモントルーにしました。ハムバッカーとは違い、ボリュームポットに250KΩを使うところがミソとなっています。

 

 このポット。シャフトはミリ規格なんですけど、ナットの外径はミリ規格ではなく、手持ちのレンチは合いませんでした。そのため、もともと国産ポットについてたナットを移植して、取り付けができました。また、トルクは比較的軽めというか重くないです。私はノブ弄らないので重いほうが好みでしたね。

 

  3.交換後の感想

 配線材と違って、エージングでの音質変化は感じませんでした。強いて言えば2日目で角が取れて少しまとまりが出たような。というような感じなのでエージングの影響は無視できるレベルかもしれません。以下感想。

 

 ・音のハリ、艶、キレが増した。

 ・音に芯が出た。巻弦で刻むとバキバキ感がある。

 ・ローミッドの厚みが減り、すっきりした音に。

 ・反面、チョーキングの音に厚みが減り、少し貧相になった。

 ・歪みやすい音域が減ったのか、歪がすごくクリーンになった。

 ・ファットな厚みはないが芯が強いおかげか、ブレない安定感がある。

 ・ハイミッドの一定のレンジが面で押し出され、高音成分が豊かになった。

 ・鈴なり感が増えた

 ・ハイの雑味が減った

 

 バキバキ感やタイトなミッドローの音から、一般的なストラトのイメージにかなり近い音がします。この改造だけで楽器らしさがかなり改善しましたが、やはりチリチリ音が多いことや、レンジが広くて解像度が高すぎるのか音にまとまりを感じません。ハードロックでも使用できるようファットなローミッドも欲しいので個人的にはまだ微妙な感じです。しかしこの改造、かなり悪魔的です。ローミッドと引き換えに芯の強い超COOLな音を得ることができます。元に戻すのはもったいないのでローミッドを強化する方向で改造を続けることとします。

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