「Woman」 第4話~ぼく、お父さんに会いたいよ | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「Woman」

第4話
ぼく、お父さんに会いたいよ
 
言葉数の少ない陸(髙橋來)に言葉の遅れがあるので
はないかと託児所の職員に指摘された小春(満島ひ
り)。そんな中、小春は、陸が犬に興味を持っている
こと
を知り、犬が散歩で立ち寄る早朝の公園へ陸と望
海(鈴木梨央)を連れていく。しかし、陸はそこにい
犬に関心を示さない。ある晩、小春は、陸が布団の

で泣いているのに気付く。心配する小春に「ブン」
とつ
ぶやく陸。陸は小春と望海を外に連れ出して、迷
い犬
の貼り紙が貼ってある掲示板の前に立つ。小春は、

葉にならない陸の思いに触れる。一方、栞(二階堂

み)は、紗千(田中裕子)が小春たち家族のことを
気に
掛けているのを察して不安になる。思い詰めた栞
は、
小春に対する嫌悪を紗千にぶつけ、信(小栗旬)
の死
にかかわる重大な秘密を打ち明ける・・・。

**********

陸) お母さん。
小春) ん?
陸) お父さん、捜してくれるかな?
小春) うん。
陸) 陸、お父さんと会ったことないよ?
  お願い聞いてくれるかな?
小春) 聞いてくれるよ! 聞いてくれる。
    お父さん、陸のお願いなら聞いてくれるよ。
    会ったことがなくても、大好きな人いるの。
    会ったことがなくても、愛されてることはある
    の。
お父さんはね、陸のことだーい好きなの。
 
(回想)
信) お~い! おーい、聞こえるか? 陸~!
小春) 陸? 決めてんの?
信) お父さんだよ。早く会いたいな。待ってるぞ~。
  お~い! 陸~!。
 
小春) お母さんね、お父さんに会うことできないけど、
    手をつなぐこともできないけど、お父さん
を、思
    うことはできるの。
一緒に遊べなくても、ギュ~
    ~ってできなくても、愛すこと
はできるの。
    だからねえ・・・。
陸) 嫌だ。
小春) え?
陸) 思うのだけじゃ嫌だ。お父さんと、手つなぎたい。
  お願いするのだけじゃ嫌だ。
お父さんと遊びたい。
小春) そうだね。
陸) 嫌だ嫌だ。
小春) そうだよね。
望海) お母さん、お風呂お湯どうする?
小春) 止めて!
    会いたいね、会いたいね。会いたいね。
望海) お母さん!
小春) ん?
望海) 止めた。
小春) ありがとう!
 
**********

紗千) いつまでも思ってても仕方ないのにね。
栞) でしょ? 結構バカだと思う。・・・ずっと1人でいる
  の? おかしいよね、後ろ向き過ぎでしょ。
新しい人
  好きになればいいのに。・・・
じゃない?
紗千) そうは言ってもそうはいかないのよ。
    そうやって生きてる人もいるし、そこに縋ってし
    か生きられない人もいる。
たった一日や一度の
    幸せを大事に抱えて、一生を生きる人もいるの。
    それはそんなに悪い生き方じゃないわ。

**********
 
栞) あの人、青柳信さん、梨持って帰ったでしょう?
  栞、あの後をつけたの。同じ電車、乗ったの。
  あ~こういうふうに笑う人がいるんだ。
  こういうふうに笑う人が世の中にはいるんだ。
  幸せな人なんだろうなあ。
  栞みたいな思いしたことないんだろうな。
  こういう人達がうちに来たら、栞、どこに行けば
  いいんだろう。もう行くとこないのにな。
  腹立つなって。で・・・あの人の手握ったの。
  つかんだの。
あぁ・・・この人の手、震えてるって
  思った。
思ったら、思ったら違った。震えてるの
  は、私の、
手で。自分の手で・・・。
  あの人、ビックリしてた。
でも、今まで、お金くれ
  た人たちとは違ってた。
自分の心配じゃなくて、
  私のこと心配するみたい
見てた。どうしたの?
  って。次の駅であの人、引き摺り下ろされて・・・

  酔った人とかが集まってきて、あの人、地面に
  押さえつけられて。殴られたり、蹴られたりして、
  お腹蹴られたりして・・・。踏みつけられたり、し
  て、その後に、そんな風になりながら。わかんな
  い。わかんないんだけど・・・。あの人たぶん、言
  おうとしてた。大丈夫? 違う・・・大丈夫だよって。
  止めなきゃって思
って。前、出ようとしたら、あの
  人の手から梨が
落ちて、転がって・・・。あの人、
  それ、拾いに行こうと
して。お母さんがあげた梨、
  お姉ちゃんに、
あ、あげようとしてた梨。そしたら、
  誰かが、逃げるなっ
て。誰かが、背中ドンって押
  して。線路に・・・。
電車に・・・。死にたい・・・。
  消えたい・・・。
死にたい・・・。
紗千) もうっ! もうっ!!!

 
**********

紗千) その話誰かにしたの? 誰にもしちゃダメ。
    あの子はもう、うちに近づけないから。

**********

日々のダダ漏れ-Woman(4)

小春) 「ウーギークックのこどもたち」。
 
    その こどもたちは
    みんな びょういんに すんでいました。
    びょういんで あさごはんをたべ
    びょういんで ひるごはんをたべ
    びょういんで よるごはんをたべます。


日々のダダ漏れ-Woman(4)

    ボイラーしつのとびらを あけると
    くらやみのむこうから クチャクチャと
    なにやら たべるおとが きこえてきました。
    るるは いいました
    あなたがウーギークック?

日々のダダ漏れ-Woman(4)

望海) 望海が読んであげる。
 
    あなたがウーギークック?
    わたしは るる。
    いったい なにをたべてるの?
    あなたは どうして
    こどもたちのたましいをたべるの?
    おねがい たべないで。
    ウーギークックは ひとつのめを
    ぱちくりさせていいました。

    つぎに るるは
    あかいおはなと きいろいおはなを

    もってきました。
    ルーギークックは あかいおはなを
    ひとくち かじって ペッと はきだし
    きいろいおはなを ひとくち かじって
    おえっと もどしました。
    こんなまずいものは たべられないなと。
    
    いいか?
    わたしには いのちがみえる
    にんげんの いのちが どこからきて
    どこにいくのかも しっている。
    いつ うまれて
    いつ きえるかも しっている。

 
    るるは ききました。
    わたしのいのちが
    いつきえるかも しっているの?
    ああ しっているともさ
    るるは ききました。
    おしえて いつ しぬの?
    どこにいくの? そこは どこなの?


日々のダダ漏れ-Woman(4)

    ウーギークックは またまた
    ひとつのめを ぱちくりさせていいました。

日々のダダ漏れ-Woman(4)

    そのよる
    ひゃくねんに いちどのかみなりが
    びょういんの おくじょうに おちました。

    わたしは もうじき はいになる。
    そのまえに おまえに これをあげよう
    そういって ウーギークックは
    ながいながい つめがのびた てを
    るるに さしだしました。


日々のダダ漏れ-Woman(4)

**********

吐き気がするような栞の告白。聞いてるだけで気持
ちが悪くなるその告白は、二階堂ふみの演技が上
手過ぎて、本気で締め上げたくなってしまうぐらい。
ああ、こういう子いるだろうなって。こういう、何でも
人のせいにして、自分だけが不幸のような顔をして、
他人を傷つけて、踏みつけて、その分自分も傷つ
く事に気がつかないまま、ただひたすらまわりに憎
悪をまき散らして恨む事しかできない可哀想な子。
可哀想だけど・・・同情できないし、共感もできない。
ただひたすらに気持ち悪い。想像力の無い、自己
中心的な人間の身勝手さ、気持ち悪さに吐き気が
する。でも、いるんだよね、確かに。「家族ゲーム」
にも出てきたけど、そんなモンスターが、いっぱい、
世界中、きっと自分の近くにもいるんだろうなって。

小春の病気の告知と、望海が読む絵本。静かに静
かに物語は進行し、その怖いぐらいの静けさの中、
絵本に書かれた言葉が、心に重く沈み込んできて。
ああ、上手いなあと。小春の未来を暗示する、物語
の行く末を、絵本に重ね合わせて表現する上手さ。
あまりにも暗く、悲惨すぎる出来事の積み重ねが、
見るのをためらわせる辛さを感じながら、こんな風
に、引き込ませる映像があるから、やめられない。

ドラマの中で読まれた絵本「ウーギークックのこど
もたち」の作画は、「ハヤシダシュウイチ」さん。↓
「ハヤシダシュウイチ」HP


●「Woman」HP

「Woman」関連ブログ↓
第1話~いざや楽しきまどいせん
第2話~母が母であるための間違った選択?
第3話~母であること。そして娘でいること
第4話~ぼく、お父さんに会いたいよ
第5話~誰にも言えない、母の覚悟
第6話~生きるための嘘、我が子のために
第7話~生きる為に死んだ大切な人、その真実
第8話~あの子を殺して私も死ねばいいの?
第9話~生きたい!せめてあと10年
第10話~お母さん、ほんとうのこと言って!
第11話~こどもたちのこどもたちへ


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