その日小春(満島ひかり)、望海(鈴木梨央)、陸(髙
橋來)、そして紗千(田中裕子)、健太郎(小林薫)は
いつものように明るく穏やかな朝食の時間を過ごす。
しかし、紗千と健太郎は内心、気が気ではなかった。
栞(二階堂ふみ)が受けた骨髄適合検査の結果が
出る日だったからだ。祈るような思いの紗千と健太
郎。しかし小春は、もし栞の骨髄が適応したとしても
提供を受けることはできない、と紗千にきっぱり告げ
るのだった。そんな折、由季が段ボール箱を抱えて
やって来る。中には預けていた信(小栗旬)の遺品
の数々が入っていた・・・。
橋來)、そして紗千(田中裕子)、健太郎(小林薫)は
いつものように明るく穏やかな朝食の時間を過ごす。
しかし、紗千と健太郎は内心、気が気ではなかった。
栞(二階堂ふみ)が受けた骨髄適合検査の結果が
出る日だったからだ。祈るような思いの紗千と健太
郎。しかし小春は、もし栞の骨髄が適応したとしても
提供を受けることはできない、と紗千にきっぱり告げ
るのだった。そんな折、由季が段ボール箱を抱えて
やって来る。中には預けていた信(小栗旬)の遺品
の数々が入っていた・・・。
**********
望海) お母さん、なぞなぞです。
小春) なぞなぞ、はい。
望海) 望海のものなのに、
お母さんのほうがよく使うものは何でしょう?
小春) なぞなぞ、はい。
望海) 望海のものなのに、
お母さんのほうがよく使うものは何でしょう?
小春) えっ?
望海) 帰って来るまでに考えといてね。
小春) いってきます!
陸) いってらっしゃ~い!
**********
陸) いってらっしゃ~い!
**********
小春) 全然違う今があったんだろうね。あなたにも、
私にも、信さんも。違う今があって、そしたら、
お姉ちゃん、と、妹に。・・・でもそれは選ばれ
なかったから。あなた、選ばなかったから・・・。
栞) お願いします。適合したら・・・。
その時だけ、妹だと思ってください。お願いします。
病院に行って来ます。
私にも、信さんも。違う今があって、そしたら、
お姉ちゃん、と、妹に。・・・でもそれは選ばれ
なかったから。あなた、選ばなかったから・・・。
栞) お願いします。適合したら・・・。
その時だけ、妹だと思ってください。お願いします。
病院に行って来ます。
**********
良祐) 母性なんて、男が逃げるために作った言葉
だった。子供への愛情は、母性と父性を分け
るもんじゃ、なかった。僕たちは・・・手分けす
るんじゃなくて、手を取り合うべきだった。
**********
(回想)
小春) どうして山に登るんですか?
信) えっ?
小春) 真面目に答えてくださいね。
信) イヤです。・・・う~ん。読書と同じですよ。
小春) え~?
信) 最後のページに、何が書いてあるのか知りた
いんです。答えが知りたいんです。
小春) 何の?
信) 生きている?
小春) 生きている? 答え?
信) うん。
**********
(回想)
信) 小春、前にさ、何で、山に登るのかの話。
小春) 最後のページ。生きている答え。
信) 俺、わかった。
小春) 答え?
信) うん。人生に答えなんかないんだって。生きて
る限り、いろんな事があるけど、答えは出ないし、
小春) 真面目に答えてくださいね。
信) イヤです。・・・う~ん。読書と同じですよ。
小春) え~?
信) 最後のページに、何が書いてあるのか知りた
いんです。答えが知りたいんです。
小春) 何の?
信) 生きている?
小春) 生きている? 答え?
信) うん。
**********
(回想)
信) 小春、前にさ、何で、山に登るのかの話。
小春) 最後のページ。生きている答え。
信) 俺、わかった。
小春) 答え?
信) うん。人生に答えなんかないんだって。生きて
る限り、いろんな事があるけど、答えは出ないし、
人は、最後のページを読む事はできないんだと
思う。最後のページを読むのは、子供達なんだ。
思う。最後のページを読むのは、子供達なんだ。
僕と小春が生きて来た答えを見つけるのは、子
供達なんだよ。いつか、僕達がいなくなった後、
子供達が、僕達が生きて、つづった人生を読む。
供達なんだよ。いつか、僕達がいなくなった後、
子供達が、僕達が生きて、つづった人生を読む。
僕達の人生を、子供達が読んでくれる。
その時、子供達がその本を・・・う~ん、その答え
を、こう・・・胸に抱いてくれるように、もらえるよう
に、そのために生きる。できるだけ誠実に。でき
るだけ一生懸命。子供達に恥ずかしくない様に。
そうやって続いて行く。子供達は、子供達の、
子供達に向けて。子供達の子供達は、
子供達の子供達の、子供達に向けて。
そうやって、読み継がれて行く。
その時、子供達がその本を・・・う~ん、その答え
を、こう・・・胸に抱いてくれるように、もらえるよう
に、そのために生きる。できるだけ誠実に。でき
るだけ一生懸命。子供達に恥ずかしくない様に。
そうやって続いて行く。子供達は、子供達の、
子供達に向けて。子供達の子供達は、
子供達の子供達の、子供達に向けて。
そうやって、読み継がれて行く。
小春) 私・・・許せるかどうかわかりません。でも、
こんな風にも思うんです。子供達がいつか、
知るかもしれない。私、その時・・・子供達に
彼女のことを憎んでほしくないって。
信さんを好きな気持ちで誰かを憎むとか・・・
人を大事に思う気持ちが・・・。
それが・・・憎む気持ちに変わる。
それが辛いです。伝えてください。
それが・・・憎む気持ちに変わる。
それが辛いです。伝えてください。
検査受けてくれて、ありがとう。
手術の時は、よろしくお願いします。
・・・・・・私の妹に伝えてください。
あなたのおかげで生きられる。
あなたも生きてください。
**********
**********
小春) 答えわかった。望海のものなのに、
お母さんの方がよく使うもの。
お母さんの方がよく使うもの。
望海) わかった?
小春) 望海。望海の名前。
望海) 正解。
**********
紗千) 不思議ね、こんな大きくなっちゃって。ねえ。
小春) ねっ。
紗千) 何もしてあげてないのに。
小春) あのさぁ、台風9号、覚えてる?
入院してた時。私、家に私一人で。
紗千) はい。
小春) すっごい雨だったの。風も凄くて。
紗千) ええ。
小春) テレビ観てたら、急に切り替わって、川が溢
れたとか、どこかの町で土砂崩れがあったと
か。たくさんの人がって話になって、そしたら、
急に、フッて、真っ暗になったの。窓開けて、
見たら、滝の中にいるみたいな、雨と風で、木
が倒れてたり、看板が、飛んで、落ちて、車に
刺さってたり。すっごかったの。
紗千) うん。
小春) 人が泣く声が、聞こえて、救急車と消防車の
サイレンがず~っと聞こえてて。雨、もう、やま
ないのかもしれないなぁ・・・。何か、このまま
朝、来ないんじゃないかなぁ。私、どうなるんだ
ろうって思ってて。不安だった。怖かった。フフ、
怖かったんだよ。
紗千) うん。
小春) そしたら、部屋入ってきて、入院してていない
はずなのに、電車動いていないはずなのに、
帰ってきた! ね、でしょ? びっしょ濡れになっ
てるのに、何でもなかったみたいな顔して、た
だいまって言って、小春、って言って、フフ、私
の手、握って、身体、ギュ~ってしてくれたの。
朝までずっと。ねえ?
紗千) うん。
小春) 覚えてる? 子供の頃の話、してくれたんだよ。
紗千) うん。
小春) 最初、雨で冷えてた体が、だんだん温かくな
って、冷たくなった手も、だんだん温かくなって、
フフ。こう・・・守られてる、大事にされてる感じ?
私、さっきと違うこと思ったんだよ。ず~っと台
風だったらいいのに。このままず~っと真っ暗
だったらいいのにって。一緒に台風見てたいな
あって。だからねえ。あのねえ、
台風9号は、いい思い出なんだよ。うん、そう。
小春) 私、大きくなった?
紗千) なった。
子供って・・・思い出で大きくなれるの。
私達、ずっと結ばれてたわけじゃないけど・・・。
離れ離れだったけど・・・。代わる代わる・・・、
渡し合うみたいに、続いてたんだと思う。
渡し合うみたいに、続いてたんだと思う。
あや取りみたいに。だからね、望海が、陸が、
いつか、そう思ってくれたらいいなって、思いな
がら・・・いつも手握ってる。
お母さんが握っててくれたみたいに、握ってる。
いつか、そう思ってくれたらいいなって、思いな
がら・・・いつも手握ってる。
お母さんが握っててくれたみたいに、握ってる。
選ばなかった方の夢の話をする栞と小春。そんな風に
なれたかもしれない、でも、選ばなかった方の夢の話。
互いの会話を想像できるほどに、相手を無視できない
存在だった姉と妹。違う出会いが、未来があったかもし
れない2人。でも、栞は選ばなかった。人生は、後戻り
できない。選んでしまった方の人生の続きがあるだけ。
ずーーっと、重苦しく、辛い状況が続いたお話で・・・。
もうそうなるしかない、そうなってほしい結末になって、
その事にホッとしながら、少しだけ心に痛みも残った。
私には子供がいないので、人生の最後のページを読
んでくれる人はいないんだなあって。望んでも、「続け
ていく」ことが出来ない人も、たくさんいるだろうなあと。
もちろん、子供がいなくても、音楽や小説、アート作品
と、いろんな形で、その人が残した人生のページを読
み継いでもらえる稀有なケースもある。ただ、単純に、
自分が綴った物語を読む人はいない事に、少しだけ、
寂しくなったのでした。ほんのちょっとだけ・・・ですが。
とまあ、センチメンタルな感想は置いといて。母と娘の
和解のシーン、手を繋ぐ姿にグッときて・・・。その後の、
お涙頂戴にになりがちな展開を、望海の絵日記を使っ
て、説明しすぎることなく、未来が続いていく予感の映
像で終わらせたのが、すごくよかった。一生許せない、
過去のあやまちは、許せないままでいいと思うけれど、
許せなくても、少しだけ、やさしくできるかもしれないし、
家族として、少しだけ、そこにいる場所を許せるかもし
れない、そんな希望を、感じさせてくれたドラマでした。
「ただいま~」と「おかえり~」と。そう言える事の幸せ。
いざや、楽しきまどいせん。
ただいまとおかえり。言える時に、ちゃんと言っておか
なきゃね~。一人芝居で言えないことはないけど・・・
誰かに言ったり、言われたりするほうが100倍嬉しい。
一つ気になるのは、「ウーギークックのこどもたち」が
書籍化するのか・・・。完成版は見たいけれど、あれを
病院に置くのは・・・やめてほしいかな~と思いますw
なれたかもしれない、でも、選ばなかった方の夢の話。
互いの会話を想像できるほどに、相手を無視できない
存在だった姉と妹。違う出会いが、未来があったかもし
れない2人。でも、栞は選ばなかった。人生は、後戻り
できない。選んでしまった方の人生の続きがあるだけ。
ずーーっと、重苦しく、辛い状況が続いたお話で・・・。
もうそうなるしかない、そうなってほしい結末になって、
その事にホッとしながら、少しだけ心に痛みも残った。
私には子供がいないので、人生の最後のページを読
んでくれる人はいないんだなあって。望んでも、「続け
ていく」ことが出来ない人も、たくさんいるだろうなあと。
もちろん、子供がいなくても、音楽や小説、アート作品
と、いろんな形で、その人が残した人生のページを読
み継いでもらえる稀有なケースもある。ただ、単純に、
自分が綴った物語を読む人はいない事に、少しだけ、
寂しくなったのでした。ほんのちょっとだけ・・・ですが。
とまあ、センチメンタルな感想は置いといて。母と娘の
和解のシーン、手を繋ぐ姿にグッときて・・・。その後の、
お涙頂戴にになりがちな展開を、望海の絵日記を使っ
て、説明しすぎることなく、未来が続いていく予感の映
像で終わらせたのが、すごくよかった。一生許せない、
過去のあやまちは、許せないままでいいと思うけれど、
許せなくても、少しだけ、やさしくできるかもしれないし、
家族として、少しだけ、そこにいる場所を許せるかもし
れない、そんな希望を、感じさせてくれたドラマでした。
「ただいま~」と「おかえり~」と。そう言える事の幸せ。
いざや、楽しきまどいせん。
ただいまとおかえり。言える時に、ちゃんと言っておか
なきゃね~。一人芝居で言えないことはないけど・・・
誰かに言ったり、言われたりするほうが100倍嬉しい。
一つ気になるのは、「ウーギークックのこどもたち」が
書籍化するのか・・・。完成版は見たいけれど、あれを
病院に置くのは・・・やめてほしいかな~と思いますw
「Woman」関連ブログ↓
第1話~いざや楽しきまどいせん
第2話~母が母であるための間違った選択?
第3話~母であること。そして娘でいること
第4話~ぼく、お父さんに会いたいよ
第5話~誰にも言えない、母の覚悟
第6話~生きるための嘘、我が子のために
第7話~生きる為に死んだ大切な人、その真実
第8話~あの子を殺して私も死ねばいいの?
第9話~生きたい!せめてあと10年
第10話~お母さん、ほんとうのこと言って!
第11話~こどもたちのこどもたちへ
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