「Woman」 第11話(最終回)~こどもたちのこどもたちへ | 日々のダダ漏れ

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「Woman」

日々のダダ漏れ-Woman

第11話(最終話)
こどもたちのこどもたちへ
 
その日小春(満島ひかり)、望海(鈴木梨央)、陸(髙
橋來)、そして紗千(田中裕子)、健太郎
(小林薫)は
いつものように明るく穏やかな朝食
の時間を過ごす。
しかし、紗千と健太郎は内心、
気が気ではなかった。
栞(二階堂ふみ)が受けた
骨髄適合検査の結果が
出る日だったからだ。祈る
ような思いの紗千と健太
郎。しかし小春は、もし
栞の骨髄が適応したとしても
提供を受けることは
できない、と紗千にきっぱり告げ
るのだった。そ
んな折、由季が段ボール箱を抱えて
やって来る。
中には預けていた信(小栗旬)の遺品
の数々が入
っていた・・・。

**********
 
望海) お母さん、なぞなぞです。
小春) なぞなぞ、はい。
望海) 望海のものなのに、
    お母さんのほうがよく
使うものは何でしょう?
小春) えっ?
望海) 帰って来るまでに考えといてね。
小春) いってきます!
陸) いってらっしゃ~い!

**********
 
小春) 全然違う今があったんだろうね。あなたにも、
    私にも、信さんも。違う今があって、そしたら、
    お姉ちゃん、
と、妹に。・・・でもそれは選ばれ
    なかったから。
あなた、選ばなかったから・・・。
栞) お願いします。適合したら・・・。
  その時だけ、妹だと思ってください。お願いします。
  病院に行って来ます。

**********

良祐) 母性なんて、男が逃げるために作った言葉
    だった。子供への愛情は、母性と父性を分け
    るもんじゃ、なかった。
僕たちは・・・手分けす
    るんじゃなくて、手を取り合うべきだった。


**********


(回想)
小春) どうして山に登るんですか?
信) えっ?
小春) 真面目に答えてくださいね。
信) イヤです。・・・う~ん。読書と同じですよ。
小春) え~?
信) 最後のページに、何が書いてあるのか知りた
  いんです。答えが知りたいんです。

小春) 何の?
信) 生きている?
小春) 生きている? 答え?
信) うん。


**********

(回想)
信) 小春、前にさ、何で、山に登るのかの話。
小春) 最後のページ。生きている答え。
信) 俺、わかった。
小春) 答え?
信) うん。
人生に答えなんかないんだって。生きて
  る限り、いろんな事があるけど、答えは出ないし、
  人は、最後のページを読む事はできないんだと
  思う。
最後のページを読むのは、子供達なんだ。
  僕と小春が生きて来た答えを見つけるのは、子
  供達
なんだよ。いつか、僕達がいなくなった後、
  子供達
が、僕達が生きて、つづった人生を読む。
  僕達の人生を、子供達が読んでくれる。
  その時、子供達がその本を・・・う~ん、その答え
  を、こう・・・
胸に抱いてくれるように、もらえるよう
  に、
そのために生きる。できるだけ誠実に。でき
  るだけ一生懸命。
子供達に恥ずかしくない様に。
  そうやって続いて行く。子供達は、子供達の、
  子供達に向けて。
子供達の子供達は、
  子供達の子供達の、子供達に向けて。

  そうやって、読み継がれて行く。
 
**********

小春) 私・・・許せるかどうかわかりません。でも、
    こんな風にも思うんです。
子供達がいつか、
    知るかもしれない。
私、その時・・・子供達に
    彼女のことを
憎んでほしくないって。
    信さんを好きな気持ちで誰かを憎むとか・・・
    人を大事に思う気持ちが・・・。
    それが・・・憎む気持ちに変わる。
    それが辛いです。
伝えてください。
    検査受けてくれて、ありがとう。
    手術の時は、よろしくお願いします。
    ・・・・・・私の妹に伝えてください。
    あなたのおかげで生きられる。
    あなたも生きてください。

**********
 
小春) 答えわかった。望海のものなのに、
    お母さんの方がよく使うもの。
望海) わかった?
小春) 望海。望海の名前。
望海) 正解。

**********

紗千) 不思議ね、こんな大きくなっちゃって。ねえ。
小春) ねっ。
紗千) 何もしてあげてないのに。
小春) あのさぁ、台風9号、覚えてる?
    入院してた時。私、家に私一人で。
紗千) はい。
小春) すっごい雨だったの。風も凄くて。
紗千) ええ。
小春) テレビ観てたら、急に切り替わって、川が溢
    れたとか、どこかの町で土砂崩れがあったと
    か。たくさんの人がって話になって、そしたら、
    急に、フッて、真っ暗になったの。窓開けて、
    見たら、滝の中にいるみたいな、雨と風で、木
    が倒れてたり、看板が、飛んで、落ちて、車に
    刺さってたり。すっごかったの。
紗千) うん。
小春) 人が泣く声が、聞こえて、救急車と消防車の
    サイレンがず~っと聞こえてて。雨、もう、やま
    ないのかもしれないなぁ・・・。何か、このまま
    朝、来ないんじゃないかなぁ。私、どうなるんだ
    ろうって思ってて。不安だった。怖かった。フフ、
    怖かったんだよ。
紗千) うん。
小春) そしたら、部屋入ってきて、入院してていない
    はずなのに、電車動いていないはずなのに、
    帰ってきた! ね、でしょ? びっしょ濡れになっ
    てるのに、何でもなかったみたいな顔して、た
    だいまって言って、小春、って言って、フフ、私
    の手、握って、身体、ギュ~ってしてくれたの。
    朝までずっと。ねえ?
紗千) うん。
小春) 覚えてる? 子供の頃の話、してくれたんだよ。
紗千) うん。
小春) 最初、雨で冷えてた体が、だんだん温かくな
    って、冷たくなった手も、だんだん温かくなって、
    フフ。こう・・・守られてる、大事にされてる感じ?
    私、さっきと違うこと思ったんだよ。ず~っと台
    風だったらいいのに。このままず~っと真っ暗
    だったらいいのにって。一緒に台風見てたいな
    あって。だからねえ。あのねえ、
    台風9号は、いい思い出なんだよ。うん、そう。
小春) 私、大きくなった?
紗千) なった。
小春) ず~っと見せたかったんだよ。大きくなったの。



小春) 思い出があったから大きくなったの。
    子供って・・・思い出で大きくなれるの。
    私達、ずっと結ばれてたわけじゃないけど・・・。
    離れ離れだったけど・・・。代わる代わる・・・、
    渡し合うみたいに、続いてたんだと思う。
    あや取りみたいに。だからね、望海が、陸が、
    いつか、そう思ってく
れたらいいなって、思いな
    がら・・・いつも手握って
る。
    お母さんが握っててくれたみたいに、握ってる。
紗千) 小春。
小春) ん?
紗千) また会えてよかった。よかった。
    いい一日だった。
小春) ・・・ただいま。
紗千) ・・・おかえり。




**********



望海) 4月10日、晴れ。
    お母さんが、帰ってきました。



**********
 
選ばなかった方の夢の話をする栞と小春。そんな風に
なれたかもしれない、でも、選ばなかった方の夢の話。
互いの会話を想像できるほどに、相手を無視できない
存在だった姉と妹。違う出会いが、未来があったかもし
れない2人。でも、栞は選ばなかった。人生は、後戻り
できない。選んでしまった方の人生の続きがあるだけ。

ずーーっと、重苦しく、辛い状況が続いたお話で・・・。
もうそうなるしかない、そうなってほしい結末になって、
その事にホッとしながら、少しだけ心に痛みも残った。
私には子供がいないので、人生の最後のページを読
んでくれる人はいないんだなあって。望んでも、「続け
ていく」ことが出来ない人も、たくさんいるだろうなあと。
もちろん、子供がいなくても、音楽や小説、アート作品
と、いろんな形で、その人が残した人生のページを読
み継いでもらえる稀有なケースもある。ただ、単純に、
自分が綴った物語を読む人はいない事に、少しだけ、
寂しくなったのでした。ほんのちょっとだけ・・・ですが。

とまあ、センチメンタルな感想は置いといて。母と娘の
和解のシーン、手を繋ぐ姿にグッときて・・・。その後の、
お涙頂戴にになりがちな展開を、望海の絵日記を使っ
て、説明しすぎることなく、未来が続いていく予感の映
像で終わらせたのが、すごくよかった。一生許せない、
過去のあやまちは、許せないままでいいと思うけれど、
許せなくても、少しだけ、やさしくできるかもしれないし、
家族として、少しだけ、そこにいる場所を許せるかもし
れない、そんな希望を、感じさせてくれたドラマでした。

「ただいま~」と「おかえり~」と。そう言える事の幸せ。

いざや、楽しきまどいせん。
ただいまとおかえり。言える時に、ちゃんと言っておか
なきゃね~。一人芝居で言えないことはないけど・・・
誰かに言ったり、言われたりするほうが100倍嬉しい。

一つ気になるのは、「
ウーギークックのこどもたち」が
書籍化するのか・・・。完成版は見たいけれど、あれを
病院に置くのは・・・やめてほしいかな~と思いますw

 
 
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