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社会化するアートプロジェクト

夜、神田のカンダダへ。
先日告知したアーティスト・中村政人氏の講演会を聴講しました。
「社会化するアートプロジェクト 地域因子と創造プロセス」
という講演タイトルで、この10年間程の活動を語って下さいました。

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話はコンビニの看板やマクドナルドのサインを用いた作品(「QSC+mV」)から始まりました。
写真は中村政人氏のHP「m-lab」より
「2001 第49回ヴェニス・ビエンナーレ「ファースト&スロウ」日本館」
これらの先進国であればそこら中で見ることが出来る「看板」を、
「作品」として美術館やギャラリーに展示することで
「価値」が生まれてしまうことの不思議さ。

そこからオリジナルとは何かという視点が生まれ、
個の作品の造形のオリジナリティよりも、
作品を生み出し見せる仕組みや
社会との接し方が重要と考える様になったそうです。

そして次に話されたのは「秋葉原TV」プロジェクト。
当時(’98年~’00年)PCのモニターも含めると
13000台のテレビ画面が秋葉原にはあったそうです。
そこにアーティストの作ったビデオアートを流し、
ここでは個人の創造と町の創造をシンクロさせることを試みました。

そして「アートとは何か?」「アートは社会とどのように関わるのか?」
という問いが投げかけられます。

中村氏は、アートとは「逸脱の創造プロセス」だと提示します。
社会あるいは日常というフレームに対して逸脱するものをアートだとすると、
アートの持つ社会的有効さは、まず
「地域の特性を可視化すること」にあるといえるでしょうか。
その地域らしさをアートによって刺激することにより、
地域社会を活性化させる役割を果たすことが出来ます。

そして話は富山県の氷見市における文化活動「himing」に移ります。
竹林であったり、天馬船であったり、
氷見独特の場所や文化・技術を外部の目で捉え、
それらを活性化する刺激を与えることを「続ける」プロジェクトです。

この氷見の話は、元々市内の永芳閣という
民事再生を受けた旅館の復興から始まりました。
Relive EIHO」プロジェクトとして、
永芳閣でどのようなことをしたのか、するのか、見ることが出来ます。
情報を整理し効果的に発信するマネージメントやファシリテーションもまた
現代のアートに求められることであり、デザインの役割そのものであります。

中村氏の故郷である秋田県大館市でも
アートにより街を復興する
ゼロダテ」というプロジェクトが行われています。

最後に、中村氏はこれまでの拠点であったこのカンダダから、
千代田区の旧練成中学校を改修して作ったアートのための拠点
3331」へと移る話となりました。

まっさらな空間があるだけの美術館ではなく、
汚くても使い難くても「街の記憶」が残る学校の様な場所でこそ
アートは活性化し、そして街も活性化するという
思想とその実践に学ぶことが誠に多かった講演でした。

ラテ・アート

木村拓哉主演のニコン・クールピクスS640のCM「オープンカフェ」編で、
バリスタがコーヒーにミルクで絵を描くラテ・アートを作るシーンがあります。
アートが特別なものじゃなく、
コーヒーという日常のモノの中に
ちょっとした発見があるというのが素敵ですね。

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このCMでラテ・アートを描いているのが、澤田洋史氏。
2008年 Free Pourラテ・アート・ワールドチャンピオンに輝いた人物です。

「Free Pour(フリーポア)」とは、
ピンや楊枝、ココアパウダーなんかは使わず、
ミルクを注ぐことで起こる対流を使ってラテの表面に絵を描くこと。
こちらのインタビューで澤田さんいわく、フリーポアは
「完璧に抽出されたエスプレッソと、
 究極にきめ細かいフォームミルクがないと成せない」技。
つまりフリーポアによって生まれた美しいラテアートは、
味も美味しいということだそう。

さてこのラテ・アート、他にはどんな絵があるのでしょうか。
無限にあるのかもしれませんが、
下記のサイトに50種類が紹介されています。
Webdesigner Depot:50 Beautiful Delicious coffee Designs

中村政人氏講演会のお知らせ

私が理事を務める東京インテリアプランナー協会が主催する
講演会のお知らせです。
まだお席があるようですので、
お時間がある方はぜひお越し下さい。
当日、直接で結構です。

この企画のスピーカーの中村政人氏は、
相当面白いことをされているアーティストです。
個人的には、倒産した温泉旅館をアーティストや建築家、地元住民と力を合わせて再生させる
「ヒミング」プロジェクトに興味津々です。

第18回 IP-TALK
テーマ:「地域再生に挑むアーティスト」
講師:東京芸術大学美術学部絵画科准教授 中村政人氏(アーティスト)

◆とき  2010年3月1日(月)
 午後6時~午後8時30分  午後5時30分 受付開始
◆ところ  精興社 1Fオープンギャラリー「KANDA」
 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-9 精興社1 階
 電話: 03-3518-6176 FAX : 03-3518-6177
◆アクセス JR線: 御茶ノ水駅より徒歩20 分
 東京メトロ東西線: 竹橋駅1b出口より徒歩3 分
 都営三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線: 神保町駅
 A9 出口より徒歩3 分
 http://www.commandn.net/new/pdf/kandadamap02_j2.pdf
◆会費  正会員、一般会員、法人会員: ¥3,000
 ビジター : ¥3,500、学生会員: ¥1,500、学生: ¥2,000

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真央ちゃん、銀メダルおめでとう!

新橋での打合せを終えて駅へ向っていると、
パチンコ屋の前で数人のおじさん達が
外壁に設えられたテレビ画面を見ていました。
そこに映っていたのは、
表彰式の後リンクを滑って観客に挨拶している
フィギュアスケーターの浅田真央選手。

そうだ、フリーの結果はどうだったのかなと
おじさん達に同化して見ていました。
バストアップでメダルを掛けているのは分かるのですが、
ちょうどメダルが切れてる画。
でも真央ちゃんの微妙な表情で、
金ではなかったのだなと得心。

夜になってニュースを見ると、
浅田真央選手の得点は自己ベストの205.50点で素晴らしい演技だったということ、
金メダルに輝いた韓国のキム・ヨナ選手の228.56点という歴代世界最高得点が
凄すぎたのだと知りました。

しかしこれまでそんなに興味がなかったフィギュアスケートという競技を
オリンピックとはいえこれほど気にして見たのは、自分でも不思議です。
ひとえに浅田真央選手という一人のスター選手の魅力によるものですね。
おめでとう銀メダル!

ここからは余談ですが、
人形の久月が浅田真央選手をモデルにした
立親王「親のねがい雛」を製作しました。
3月3日まで展示中だそうです。
写真は下記HPより。
「人形の久月」
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浅田真央選手の人形といえば、
2年前に王子製紙がネピアのCMに出演していた浅田真央選手の
「まおレゴ」を作ってプレゼントしていたことがありましたね。
これはあまり似ていない気が(w)
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日本オラクル本社見学

東京インテリアプランナー協会の有志で、
日本オラクル(株)本社を見学させて頂きました。

外苑前駅から直結で2Fスカイロビーへ上がると、
まるで高級ホテルの様な受付がお出迎え。
この部分のインテリアデザインは、
デザインアーキテクトとして関わった佐藤尚巳氏。
ちなみにビルの設計施工は清水建設。

オフィスやサーバー室まで見せて頂いた後、
14Fのパブリックスペースとセミナールームを見学。
待合室は、竹や格子のモチーフによる和の雰囲気。
ここのインテリアデザインはSYSTEM-O Design Associates。
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ちなみに14Fのエントランスでは、
オラクルの有名な社員犬Wendy Wendyのぬいぐるみが出迎えてくれます。
毎週水曜日に出勤しているということで、残念ながらこの日は会えませんでした。
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最後は24Fへ。
役員用会議室を見た後、茶室を見学。
そう、こちらには地上100mに茶室があるのです。
お茶を頂きながら、ファシリティ担当のディレクターである瀬谷氏から、
今回のオフィス移転計画に関する理念を伺いました。
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日本オラクルといえば、
旧オフィスは「赤の部屋」「青の部屋」といった会議室や
インコのいるジャングルの様な内装といった
特徴的なデザインで知られていました。
それは日本における外資系ベンチャー起業として自社をPRし、
企業風土を構築する段階ではとても効果的に働いたそうです。

そして社員が2000名を越え東証一部上場を果たした企業として、
日本オラクル第二章を具現化したものが今回のオフィス。
詳しくはこちらのHPを見て頂くとして、
共感したのは「経営ビジョンとオフィスデザインは一致する」ということ。

企業理念をオフィスデザインに還元するという哲学の元に、
単に「働く場所を作る」=ハコをつくるのではなく、
根本的な「働く環境を考える」ことで
企業そのもののブランディングに成功していると感じました。