子牛ぺろり倶楽部 -73ページ目

【第40話】 期待で膨らむシャボン玉



ボクたちは今、崖の上に来ています。
ここからの眺めはとてもよく、気持ちのいい風が吹いています。


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「あそこがとまの家だよ!」

とまちゃんが指差す方向に赤い屋根の可愛らしい家がありました。
ボクはいよいよ白いたまふんに合えるんだと思い、胸が躍りました。
そんな気持ちを察したのか、とまちゃんは「もう行くよ!」といって
崖に生えているゴルペン草目掛けて飛び降りました。
ボクたちもおっかなびっくりあとへと続きます。


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ゴルペン草はぼくたち1人1人を草のシャボン玉に包み込み、宙に放ちました。
シャボン玉の中から見る世界はいつもと一味違い、キラキラと輝いて見えます。


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期待で膨らんだシャボン玉は、ボクたちをゆっくりとそして優しく
とまちゃんちまで運んでくれるのでした。


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【第39話】 強敵!! 子牛ドラゴン



ここのところ双子は馬が合わないのか、ケンカばかりしています。


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「もう、ケンカばかりしてないで行くよ!」

ボクは双子をつまみ上げ、ふたこぶラクダ号の背中へ押し戻していると、
とまちゃんがやってきて「ここから先は子牛ドラゴンがいるから
みんなこの『ぼしぼっし』の中に入って」とカバンのような物を手渡されました。


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「これ買い物カバンにしか見えないんだけど」と言うと、
とまちゃんは少し怒ったような口調で、「違うよっ ぼしぼっしだよ!」と言うのでした。
ぼしぼっしがなんなのかは知りませんが、ボクたちはとまちゃんの言う通り、
ぼしぼっしに入って子牛ドラゴンがいるという草原へ向いました。


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しかしドラゴンと言えば恐ろしい生き物。
こんな買い物カバンみたいなもので大丈夫なのかと、ちょっぴり不安になります。


「見えて来たよ~」


とまちゃんが子牛ドラゴンを発見したようです。
ボクはおっかなびっくり辺りを見回しましたが、
それらしき生き物は見あたりません。
首をかしげて不思議に思っていると、突然ぼしぼっしが「熱っ!」と叫びました。
身を乗り出して足元を見てみると、なにやら黒ぶちの小さな生き物が火を噴いていました。


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ボクはそのあまりの小ささに油断して思わず手にとってみようとしたところ、
ゴォ~っと火を吐きかけられてしまいました。
それが思いのほか強力なので、ぼしぼっしは燃えたりしないのかと心配になり、
とまちゃんに尋ねてみると、「燃えにくい素材で出来てるから大丈夫だよ」とのことでした…


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そしてよく見ていると子牛ドラゴンは動くものに対して面白がって火を噴いているだけのようで、
襲う気はないらしく、ボクたちはぼしぼっしのおかげで火傷することもなく無事、
子牛ドラゴンの草原を通過して行くことが出来ました。


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【第38話】 習性



気にしないようにすればするほど気になってしまうのですが、
ふたこぶラクダ号の背中はいったいどうなっているのでしょうか?
あれほど元気だった双子がおとなしくしているのも納得出来ないし、
それ以前に背中に引っ付いていること自体が謎です。


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矢も盾もたまらず、ボクは双子の上の子を引っ張ってみることにしました。
すると意外にもポコンッという音と共に、簡単に取ることが出来ました。


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取れてみて初めてわかったのですが、なんとふたこぶラクダ号の背中には
子どものこぶが丁度収まるくらいのヘコミが出来ていました。
念のため下の子も引っ張ってみると、やはりヘコミがありました。
こんな背中を見たのは、生まれて初めてです。


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背中から剥がされた双子はまるで糸の切れた凧のように、
辺りをちょろちょろと走り回り始めました。


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そして自分のこぶがぴったり収まりそうなへこみを見つけると、
サッとこぶを収めて落ち着くのでした。


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【第37話】 二つのこぶ



一路目指すはとまちゃんちの畑という事で、ボクは鼻息も荒く大手を振って歩いていました。
ところが、さきほどからどうもふたこぶラクダ号の顔色が冴えません。


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そうこうしているうちに、とうとううずくまってしまいました。
しかしこぶには妙なつやがあり、プルプルと元気よく動いています。


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次第にこぶの速度は増していき、もう飛んで行ってしまうんじゃないかと思ったときの事でした。
突然こぶがパンッとはじけて、中から小さな双子が出てきました。


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1人は現実的で、1人は夢見がちというか不思議な感じの子です。
双子は生まれたばかりだというのにとても元気がよく、辺りを走り回りました。

その間にふたこぶラクダ号を起こしてあげると、顔色もよく元気そうだったので安心しました。
ところが安心したのもつかの間、ちょっと目を離した隙に双子の姿が見えなくなっています。
びっくりして辺りを見回すと、遠くの方で走り回っているではありませんか!
ボクたちは慌てて双子を追いかけ回し、やっとの思いで捕まえました。


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へとへとになったボクととまちゃんは草の上に寝っころがり、ゼェゼェ息を切らしていると、
丁度その場所の草が季節の変わり目で生え変わりだったらしく、
ふわ~っとボクたちを乗せたまま空へ舞上がりました。


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そして今度は新しい草が上空から舞い降りて来て、空中で交差し、ボクたちはなすがままに
大地へと押し戻されていくのでした。
待ち構えていたふたこぶラクダ号と双子は、草まみれになったボクたちを見てクスクスと笑うのでした。


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【第36話】 ミンスミントの丘で



ミルカボちゃんと別れを告げたボクたちは、水溜りの見える丘でくつろいでいました。
いい水溜りは見ているだけで心が和みます。


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ボクとカニみそ少女はしばらくの間、ただ足をバタバタさせて遊んでいました。


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やがてどちらからともなく話し始めて、気がつくと会話が弾んでいました。
(ちなみに彼女の名前はとまちゃんだそうです)
そこでボクは探し求めている白いたまふんのことを尋ねてみました。


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するととまちゃんは事もなげに「ちょくちょく会うよ」と答えるではありませんか。
「えっ、どこで会うの?」と聞き返してみると、
「うちの畑にいっぱいいるよ!」とのことでした。

聞けば以前森で出会い、水炊きを御馳走したそうです。
そこで水炊きに入っていたハクサイをえらく気に入ったようで、
食べ終わった後も白いたまふんたちはとまちゃんのあとをついて来て、
そのまま裏庭のハクサイ畑に住み着いてしまったそうです。

ボクはもう「何それ~」と思い、思わず後ろへひっくり返ってしまいました。


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【第35話】 さよならミルカボちゃん(後編)



「おっ、ミルカボじゃねえか」
「パ、パパ!?」

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なんと行列を作っていたのは、ミルカボちゃんのお父さんでした。


「パパこんな所で何やってるの? ずっと探してたんだから。
それになんでそんな薄っぺらになっちゃったの?」
(ミルカボちゃんの目に涙が浮かびます)

すると、人ごみの中から優しげな声が聞こえました。
「実はねミルカボ、お父さんはお風呂を辞めて足湯になったのよ」

「ママ~」

ミルカボちゃんは泣きながらお母さんのお風呂に飛び込みました。


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「まあまあ大きくなって。もうぎゅうぎゅうね」


「ねえママ、なんでパパは足湯になったの?」
「それはね、あなたを探すためになったのよ。
足湯はね、気軽に入れるお風呂だからいろんな人がたくさん来るの。
そこでお父さん、あなたのことを聞いて回ってたの。
でもね、いつしか足湯のカリスマみたいになってしまって、
パパここから離れられなくなちゃったの。ごめんね、寂しい想いをさせちゃって…」

「ううん、ミルカボみんなと一緒だったから寂しくなんかなかったよ」



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ボクは今までの出来事をお父さんとお母さんに話しました。
足湯に集まって来てくれたみんなも興味深く聞き入ってくれて、
話し終わった時には「おお~」と歓声が起こりました。


あまりに突然の再会にボクはビックリしましたが、ミルカボちゃんの幸せを第一に考えると、
ここでやっぱりお別れだよねと思うのでした。

ボクたちはミルカボちゃんとの最後のひと時を楽しく過ごそうと思い、
お父さんの足湯に入らせてもらい、ワイワイ楽しくはしゃぎました。


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お父さんとお母さんが見つかって良かったね。
さよならミルカボちゃん、元気でね!!




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【第35話】 さよならミルカボちゃん(前編)



「ねえ、あの子ついてくるよ」
ミルカボちゃんがそう言うので振り返ってみると、
カニ味噌少女がボクたちのあとをついて来ていました。


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仲間が増えるのは大歓迎なので、「こっちへおいでよ」と声をかけてみたのですが、
カニ味噌少女は家の中へと隠れてしまいました。
何だかよく分からない子だけど、御馳走してもらった恩もあるし、
ついてきたいのならそれでもかまわないかと思い、
足を止めることもなく進んでいると、何かの行列に出くわしました。


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ボクは「この行列はいったい何だろう?」と思い、
好奇心で並んでみる事にしました。

30分くらい待った所で先頭へ立つことが出来たのですが、
そこには衝撃の真実が!!!


つづく


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【第34話】 指住宅と女の子



雨上がりの朝のことです。
なんだかムズムズするので目を覚ましてみると、
体に変なものがペタペタと付いていました。


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「なんだこれ?」と思い、つまみ上げてよく見てみると
それはなんと指先サイズの小さな家でした。


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ボクは「もうちょっと大きかったら住めるのになぁ」などとぼんやり思い、
体に付いた家をぱっぱと手で払った後、再び眠りにつきました。
が、今度はすごく大きな家が体にのしかかって来たので、ビックリして飛び起きました。


「カニ味噌食べる?」

どこからともなく聞こえた声に辺りをキョロキョロしていると、
屋根の上から女の子がひょっこり顔を覗かせてきました。


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頭の上にカニの甲羅を乗せた女の子はのそのそと屋根から降りて来て、
熱々のカニ味噌をボクたちに振る舞ってくれました。


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旅先で感じる人情にはいつも心が熱くなります。
ボクたちが「ありがとう!」とお礼を言いカニ味噌を食べようとすると、
「あっちょっと待って!」と言って少量のお酒とおしょう油を入れてくれました。


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パワーアップした熱々のカニ味噌はとても濃厚でコクがあり、ちょっぴり大人の味がしました。
ボクたちがあまりに美味しそうに食べるものだから、カニ味噌少女も嬉しくなったのか、
「何杯でもおかわりしていいよ」と言ってくれました。
その言葉に甘えてボクたちは、お腹がいっぱいになるまで御馳走になり、
体も心もポッカポカになったのでした。


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気まずい空気

とまちゃんどこへいったんだろ?しまちゃんと二人きりだと気まずいなぁ。ゴロゴロド~ン。ひっカミナリ。あっ今カミナリ様のうんちが落ちた。あ~早く帰ってこないかな…
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【第33話】 大地のオアシス



さんさんと降り注ぐ太陽の光、頬を撫でるような優しい風、
そして目の前には大地のオアシス、フランスベッド!!!


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ボクたちは走りました。ただひたすらに大地のオアシス目指して。
この温もり、この柔らかさ、そしてこの見晴らしのよさ。旅ならではの醍醐味です!
嬉しくて体がはずみます。フランスベッドもそれに応えるかのようにはずみました。


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ボクたちは互いにはずみ合い、そしてついには雲をも突き抜けてゆくのでした!


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そこはまるで手つかずの空気の楽園。
ボクたちは胸いっぱいに空気を吸い込み、大地へと舞い降りました。

するとなんだか体がとても軽くてフワフワします。
それもそのはず。なんとボクたちの頭には雲がひっついているではありませんか。


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ゴムのように伸び縮みする雲のおかげで足取りも軽く、
ボクたちはまた新たな場所へと向かって歩いて行くのでした。



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