【第34話】 指住宅と女の子
雨上がりの朝のことです。
なんだかムズムズするので目を覚ましてみると、
体に変なものがペタペタと付いていました。

「なんだこれ?」と思い、つまみ上げてよく見てみると
それはなんと指先サイズの小さな家でした。

ボクは「もうちょっと大きかったら住めるのになぁ」などとぼんやり思い、
体に付いた家をぱっぱと手で払った後、再び眠りにつきました。
が、今度はすごく大きな家が体にのしかかって来たので、ビックリして飛び起きました。
「カニ味噌食べる?」
どこからともなく聞こえた声に辺りをキョロキョロしていると、
屋根の上から女の子がひょっこり顔を覗かせてきました。

頭の上にカニの甲羅を乗せた女の子はのそのそと屋根から降りて来て、
熱々のカニ味噌をボクたちに振る舞ってくれました。

旅先で感じる人情にはいつも心が熱くなります。
ボクたちが「ありがとう!」とお礼を言いカニ味噌を食べようとすると、
「あっちょっと待って!」と言って少量のお酒とおしょう油を入れてくれました。

パワーアップした熱々のカニ味噌はとても濃厚でコクがあり、ちょっぴり大人の味がしました。
ボクたちがあまりに美味しそうに食べるものだから、カニ味噌少女も嬉しくなったのか、
「何杯でもおかわりしていいよ」と言ってくれました。
その言葉に甘えてボクたちは、お腹がいっぱいになるまで御馳走になり、
体も心もポッカポカになったのでした。

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