RAW CARESSな日々2nd -25ページ目

映画批評「ボルベール」

ボルベール<帰郷>




得点60点(まぁまぁ)

2006年(スペイン作)
監督 ペドロ・アルモドバル
出演者 ペネロペ・クルス
カルメン・マウラ

(2010年1月1日深夜枠テレビにて)

こんな映画
カンヌ国際映画賞で、ペネロペ・クルスは女優賞を獲得する。タンゴの名曲「Volver」を題材にした血の繋がった三世代の女性による人間ドラマ。

一言で言うと
過ちは続く~~よ~三代まで~♪

ストーリー
ペネロペ扮する主人公の三姉妹は、火事によって両親を亡くしていた。
主人公は、失業中の夫の分もしっかりと働く気丈な女性であるが、その駄目夫が娘に手を出して逆襲にあい、娘の手によって殺害されてしまう。必死に隠蔽をする親子。その最中に死んだ母の霊が姉の面倒を見ていると噂が立ち、半信半疑ながらも、ほとぼりを冷ます意味も相まって姉に会いに行くのだが、そこには信じ難い光景が待っていた。

評論(ネタバレ注意)

ペネロペ・クルスが女優として一皮剥けたと言わしめる本作は、ペネロペの美貌と谷間(だって劇中にそう言うんだもん)と美声に加えて、今までにない深い演技を観るだけでも価値ある映画である。

ただ、さすがにね~。
そのオチというか、真実はないんじゃないの?と突っ込みたくなる。
深夜だったのであまり印象に残らなかった映画でしたので、評論もこんな感じ。

男性の視点で映画を観るのと、女性の視点ではまた違った捉え方をする映画かもしれません。
これを面白いと思うにはもう少し小生は、女性の心を理解しなくてはならないことかな?

最後にペネロペ・クルス美声をどうぞ。


映画批評「勇者たちの戦場」

勇者たちの戦場

¥3,990
Amazon.co.jp




得点75点(GOOD)

2006年(米)
監督・製作・原案 : アーウィン・ウィンクラー
出演 : サミュエル・L・ジャクソン 、 ジェシカ・ビール 、 ブライアン・プレスリー 、 カーティス・ジャクソン(50cent) 、 クリスティーナ・リッチ

(2010年1月2日DVDにて鑑賞)

こんな映画
イラク戦争に参加した兵士たちの、その後を豪華キャストで描いた問題作。

一言で言えば
ランボー1作目の複数視点かな

ストーリー
2003年に起こったイラク戦争時に現地に赴任していた兵士は、母国に帰ることが決定し最後の任につく。しかし、そこではイラク民兵の待ち伏せに合って多くの死傷者を出してしまう。傷ついた兵士達は帰国を余儀なくされる。

友人を亡くした青年兵、その部下だった50セント扮する国人兵士は民間人を誤射してしまっていた。

運転手だった体育教師のジェシカ・ビールは、乗っていた車を襲撃され右手を失い義手となってしまう。
サミュエル・L・ジャクソン扮する従軍医は、その過酷な状況によるストレスにより、それぞれが帰国したとしても心に傷を抱えていた。
極度のストレス状態にあった彼らは、なかなか一般生活に馴染めず自分と社会となんとか向き合っていこうとするのだが・・・。

評論(ネタバレ注意)
人間が極度のストレス状態に直面した後の、精神疾患PTSDをメインに描きつつイラク戦争とは、なんだったのか?を丁寧に丁寧に描いた本作は、今も続くアメリカのイラク戦争後の迷走を、一般人レベルと実際に戦地に行った兵士達とを対照的にさせることによってうまく描いた作品である。

前半20分間はイラクでの戦場での悲劇を、
その後は、それぞれの視点で帰国後が描かれる。

戦地での描写はなかなかリアルだった。
自爆テロを警戒する米兵士など、なかなかリアルに描かれていた。

帰国後の、それぞれの歩みも丁寧で、印象に残るシーンと台詞は、

帰国後に右手を失くした女性と、青年兵士が偶然出会った時の二人は、精神安定剤を服用しているらしく、二人で何を服用しているのか語り合うシーン。

その後に青年兵士のこの台詞。

「おかしいと思われるかもしれないが、あそこに戻りたいんだ。」

と、女性もこの言葉に共感してしまう。この台詞がこの映画を物語っている台詞であると思う。
最後、この青年兵士は再びイラクに従軍することになる。そして親に宛てた手紙のなかでこう綴る。

「この戦争を早く終結させ、多くの人をイラクを母国に帰すことは間違ってはいないはず。」

と、これを「勇者」として感じるかは、感じ方の違いはあると思うが、戦場にいた双方は、間違いなく勇者であると言えよう。

ただ、主人公を誰と定めない群像劇であるためか、それぞれの描き方が若干浅く。
全体的にあっさりしてしまっている感が残念だ。
例えるならば、そうチャーシューの量の少ないチャーシュー麺といったところか?(なんじゃそりゃ!)


なかなか報じられない、イラク戦争がもたらしたその後を真正面に描いた本作は、ぜひ日本人も見てもよい映画であると思う。

なんせ、日本はイラク開戦で米国支持をしていたのだから、けっして対岸の火事として見てはならないと思う。そういう意味では、とてもよく出来た映画である。

しかし、なぜか観ているとランボーの一作目を意識してしまう。
そうだ、彼もPTSDだったっけ・・・。

最後に映画広告用トレイラーをどうぞ。


映画批評「ラストサムライ」

ラスト サムライ







得点45点(好きな人すいません)
批評2回目ですが再度レビュー

2003年(米)
監督 エドワード・ズウィック
出演者 トム・クルーズ
ティモシー・スポール
渡辺謙
真田広之
小雪

(2009年12月25日金曜洋画劇場にて鑑賞)

こんな映画
トム・クルーズ製作・主演を務め競演の渡辺謙がこの作品でアカデミーノミネートを機に海外進出を果たすきっかけとなった。明治の日本で錬兵に来た外国軍人が日本のサムライに魅せられるアクション作。

一言で言えば
サムライじゃない!武士だ!

ストーリー
近代化を進める明治の日本。軍隊にも近代戦術を取り入れるべく米国の将兵を招致する。
そこに、いまだ戦争での心の傷がとれないトム・クルーズ扮する主人公が指揮を執る事になる。
そこで、いまだ近代化に反対し反乱を起こす渡辺謙扮する勝元率いるサムライ達の鎮圧に向かうも、敗退し捕虜となってしまう。捕虜となった主人公は徐々にサムライに心惹かれていき、勝元と共に戦に出るのであるが・・・。

評論(ネタバレ注意)
ハリウッド資本のこの映画は、米国で売れることを前提に製作されているため、やはり日本人からすると頭をかしげる部分が多い。

細かいところを突っ込むときりがないのでそれは目をつむる。

このストーリーを見ていると「地獄の黙示録」と似ている点がある。
ジャングルの奥地に理想郷をたてた兵士を殺しにいく話で、その兵士に惹かれてしまうのであるが、その辺が酷似してたりする。
(ウィキでは、ケビン・コスナー監督作「ダンス・ウィズ・ウルブス」に酷似しているとあるが小生は見たことがない)

米国の映画でよく見かけるのが、カルチャーギャップを取り上げる内容がウける傾向があったりする。
その例が、異文化の人間との結婚模様を描いた「ビックファットウェディング」などがある。

この映画でも、日本のカルチャーギャップを米国人に見せるには、うってつけの内容だ。
その際たる場面は明治の時代なのに忍者が出てきたりする点だいい例だと思う。

さすがに最後の展開は、日本人としては唖然としてくる。一種の宗教ではないか?と思わされる展開がどうにも受け入れがたい。

それは切腹じゃないよ!

戦闘を指揮していた榎本武揚が一番まともに見えてくるから驚きである。

そういったしがらみを度外視して見たらよく出来ている映画だと思う。
ただ、やはり日本人からして見たら、どうもな~って感じ。

最後にそんな禁断の最後の戦闘シーンをどうぞ。
超わめきちらしてるのが榎本武揚。

映画批評「X-ファイル真実を求めて」

X-ファイル:真実を求めて





得点50点(がんばりましょう)

2008年(米)
監督 クリス・カーター
出演者 デビッド・ドゥカブニー
ジリアン・アンダーソン

(2009年12月23日DVDにて鑑賞)

こんな映画
1993年から2002年にかけてアメリカで製作されたSFテレビドラマの劇場版第2作目。
元FBIで超常現象を扱う部署X-ファイルに所属していた捜査官モルダースカリーが非科学的な難事件に挑む話。

一言で言うと
X-ファイルの同窓会

ストーリー
X-ファイル部門は閉鎖され別々の道に進んだモルダーとスカリーは、ある事件をきっかけに協力を要請され再会する。その事件は、FBIの捜査官が行方不明になり捜索するためであったのだが、そこに捜査に協力を申し出た神父が奇跡を見せる。埋まっていた遺体や殺害現場をピタリと突き止めてしまう。その神父は果たしてその能力は真実か?偽りか?共犯なのか?と疑いの念がかけられ事件が進展していくうちに衝撃の真実が待っていた・・・・・。


評論(ネタバレ注意)
今でも根強い人気を誇る米製作のドラマの劇場版の2作目。
実際には、TVシリーズはシーズン9で終幕しているため本作はその後日談であると思われる。

この作品のキモとなるのは、超常現象を信じようとするモルダーと、現実主義のスカリーとの論理的なやり取りと、二人付かず離れずの関係が面白く人気を博してきた。

それと、連作物ではなく。一話完結のスタイルをとっていたので毎回新鮮なエピソードが目を惹く。
(エピソード事に、当たりはずれがあったりする)

その中でも、傑作の誉れ高い「海のかなたに」に近い印象を受ける本作は、従来のUFOと政府の暗躍のエピソードではなく。人間の透視能力に主観を置かれている。

前作の劇場版は、TVシリーズのお決まりに則したつくりになっているが、今作はどこか違う印象を受ける。ストーリーのスケールも小さくTVシリーズのスピンオフ的な話にも思える。

内容的にも中途半端間が否めない。
事件の全容、神父の真相。なんだかしっくりこない。
釈然としないんだよなぁ~。

結局真実は闇の中なんだけど、事件のオチになんか品がない。

この結末を見たら多分、これが完結なんだろうなと思う。
その結末だけを見る価値はありますが、最後に取ってつけたような感じ。

えっ?
って感じ。
多分、主演の二人も年取ったからだろうな~。
ファンの方以外にはちときつい作品です。

二人の行く末が気になる方は是非。

最後に映画広告トレイラーをどうぞ

映画批評「トランスフォーマーリベンジ」

トランスフォーマー/リベンジ




75点(good)

監督 マイケル・ベイ
主演 シャイア・ラブーフ
ミーガン・フォックス
ジョン・タトゥーロ

(2009年12月23日DVDにて鑑賞)

こんな映画
前作驚異的な興行成績を記録した「トランスフォーマー」の続編。人類と機械生命体との戦いを描くSFアクション。

一言で言えば
まだ地球に未練があるかんかい!

ストーリー
人類側と共闘することになったオートボットは悪のデセプティコンとの戦いが散発的に続いていた。
前作で破壊した力の元オーブの欠片を持っていた主人公は、その影響で古代文字が見えるようになってしまう。
その古代文字が導く先にはオーブとは違う彼らの力の源エネルゲンの在り処だった。それを狙うデセプティコンは前作に破壊したはずのメガトロンを再生し、大規模な反撃に出る。
反撃を受けたオートボットのリーダーオプティマムプライムは破壊されてしまう。
主人公はオプティマムを救うべくそのエネルゲンを探すのであるが・・・・。

評論(ネタバレ注意)
映像重視のマイケル・ベイ印は今作も健在。
迫力は前作以上である。続編に出てくるクリーチャーは倍増するという法則もちゃんと守っていまして、前作以上にロボットが登場します。

ただ、前作を見ていない人と映画に興味がない人が上のストーリーを読んだら何が何やら?でしょうね。

ロボットの動きがごちゃごちゃしていてよく分からないと前作言われていたが、今作は若干緩和されているものの、それでもいざ戦闘となると何がなにやらわからない。

前作を見ている人であれば、今作はいきなり降って沸いたような設定に驚いてしまう。
「えっ?前作そんなこと言ってないし、語っていた歴史とちょっと違うじゃん!」
と突っ込みたくなる。

マイケル・ベイというと、映像重視でシナリオは二の次のような傾向がある。
「アルマゲドン」しかり「パール・ハーバー」しかり。
元々が音楽プロモ出身の監督なので音楽と映像をうまく見せるのが得意な監督なのである。

しかし、前作との整合性を重視しなければ、なかなか今作はシナリオもしっかりとしていた。
ただのアクションだけでなく、アドベンチャー要素も取り入れたのが功を奏したと思う。

素がアニメであり、それをここまで大真面目に描いたハリウッドの馬鹿さ加減を評価したい。

最後は、劇中で使われているLINKIN PARKの「NEW DIVIDE」をどうぞ
劇中はこの曲をメインに使ってます。