パリ・オペラ日記 -5ページ目

ソリストってすごい!

オペラのソリストってすごい才能ですね。

1) 歌がうまい!
   これは当たり前のことですね。
2) 体力がある!
   2時間以上をマイクを使わず生声で会場全体に聞こえるように歌うには、かなりな体力が必要
   です。
3) 語学力に優れている!
   イタリア語だったり、ドイツ語だったり、チェコ語だったり数カ国語で歌えて、なおかつ発音
   もかなりなレベル。その上、母国語でない言葉で人を感動させるなんて!
4) 暗記力もすごい!
   長いオペラの歌詞を、それも時には母国語でない言葉で暗記しているなんて。
5) 演技力に長けている!
   一昔前のオペラではあまり重要ではなかったかもしれませんが、現在は必修ですね。

こう見ると、オペラのソリストって、映画や舞台の役者、歌手以上の才能が必要な気がします。ソリストを尊敬します。今、オペラ歌手を目指している人はがんばって下さいね。

<仮面舞踏会>

急ですが13日に<仮面舞踏会>を見に行くことになりました。バスティーユ劇場です。そこで、一夜漬けの予習をします。

作品 : <仮面舞踏会> ヴェルディ作曲
ストーリー : 不倫の物語。リッカルド総督は秘書のレナートの妻アメーリアを愛してる。占師ウルカリがリッカルドの死を予言する。レナートはリッカルドとアメーリアの密会に激怒し、総督暗殺団に加わる。リッカルドは仮面舞踏会で刺され、アメーリアの潔白を信じて息絶える。

指揮はビシュコフ。カラヤンに陶酔しているロシア人です。ウイキペディア(http://ja.wikipedia.org/wiki/セミヨン・ビシュコフ)によるとフランス近代音楽も得意にしているらしい。また2008年の<パリ国立オペラ>の日本公演では<トリスタンとイゾルデ>を指揮する。しかし残念ながら私の見る13日はPaul Weigold。
イタリアのオペラではこの二人が交互に振ったことがあるようですね。

パリ国立オペラのホームページの写真を見ると時代設定は現在の上流社会のような気がします。オートクチュール感のあるデラックスそうな衣装です。演出のGilbert Defloも結構イタリアを中心にヨーロッパの有名歌劇場で活躍する人のようです。

13日、残念ながらマルチェロ・アルヴァレズは歌わず、Paul Weigold。大スターはいませんが、パリ国立オペラだったら期待を裏切らないソリストが出演するに決まっています。

ヒット曲も数々ありますから、久しぶりに見る有名なオペラに期待します。


テレビドラマもオペラだ!?

この二ヶ月ぐらい更新できなかったのは、私の元来の怠け者の性格もありますが、実は、日本のテレビドラマにはまっていたのです。インターネットで違法(!?)ダウンロードした、<アタックナンバ-1>、<エースを狙え>から、<翔太のすし>、<クイタン>まで、たくさんのシリーズを一日3-4話ずつ毎日見続けました。(おかげで視力が落ちたような気がしますが)

そこで気がついたのはこれらのドラマも、
1)舞台で演じる。
2)台詞をすべて歌にする。
3)挿入音楽を絶え間なく流す。
というようにすれば、立派なオペラではないでしょうか?
音楽面を極端に芸術的にすれば、すべてオペラになってしまうような気がします。その音楽がポップミュージックならば、ミュージカルというオペラの一つのジャンル。
かなり極論かもしれませんが、オペラってそんな肩のはるようなものでは決してないような気がします。

これらのドラマにはストーリー的には駄作もありますが、最終的に描いているのは「人間の心の動き」。オペラも同じです。今度の水曜日からまたオペラをいくつか見に行きます。今度はオペラをテレビドラマ的に見てみようと思います。

<Piaf, une vie rose et noir>(ピアフ、バラ色と黒色の人生)を見ました

やあ、また一ヶ月ぶりの更新になってしまいました。生来の筆無精がたたっています。もっと頻繁に更新しなければと思うのですが。まあ、やっぱり私は怠け者なのですね。

ところで、先週<Piaf, une vie rose et noir>(ピアフ、バラ色と黒色の人生)という、エディット・ピアフの一生を描いたミュージカルを見てきました。出演者は3名だけなのですが、ピアフのおなじみの16曲を中心にしたミュージカルです。テレビのニュース番組のキャスター、ジャーナリストで原作者のジャック・ペシスがピアフの人生を語り、物語に合わせてナタリー・レルミットがピアフを演じて歌っていくというミュージカルです。語りの部分はやはりフランス語がわからないと厳しいところがありますが、ナタリー・レルミットの歌と演技は最高です。何年か前に<ピアフ、ジュテーム>という、ダンスを含めたもっと大掛かりなピアフのミュージカルが公演されましたが、その時もピアフ役はナタリーで、今フランスでピアフを演じさせたら一番の女優/歌手でしょう。完全にピアフになりきっていて指先の表現まで完璧です。隣にいたフランス人は<愛の讃歌>、<水に流して>の時は涙を流していました。一時間半が瞬く間に過ぎた面白いミュージカルでした。

Piaf AffichePiaf cast
ポスター                    出演の3名(中央がナタリー・レルミット)

<カルメン>見ました。

書き込みをしてくれたaliceさんのお勧めで、急遽、シャトレ劇場での<カルメン>を見に行きました。

2004年のベルリン国立歌劇場の作品です。実はこの<カルメン>を一週間前、ベルリン・バージョンをテレビで見ました。カルメンがマリナ・ドマシェンコとドン・ホセがローランド・ヴィヤソンで最高でした。シャトレでの公演は、シルヴィー・ブリュネとニコライ・シュコフで、プログラムの経歴を見ると結構がんばっている人のようです。

1)指揮のマーク・ミンコフスキ(Marc Minkowski)とオーケストラのLes Musiciens du Louvre-Grenoble
この指揮者は本当にロマンティックで優しい音を出しますね。テレビで見たダニエル・バーレンボイムとは全く違うタイプのカルメンでした。オーケストラのLes Musiciens du Louvre-Grenobleはミンコフスキが設立したフランスの地方のオーケストラですが、メンバーはみんな結構若かったのにすごく繊細で私的には好きになりました。

2)演出
現代に置き換えています。セット自体はシンプルなものですが、フラメンコ的な衣装は出てこないで、タバコ工場の従業員は結構セクシーな下着姿でした。
序曲が終わり幕が開き、前奏曲が始まるとドン・ホセが銃殺され、そこから回想が始まると言ったオープニングでした。また3幕の最後にあやまってドン・ホセがミカエラを殺してしまいます。原作では病気のお母さんに会いに行くのではなかったでしょうか。こんな感じでストーリーも少し変えてありますが、少しも違和感を感じませんでした。

3)ミカエラ役のGenia Kühmeier
ザルツブルグ出身で、モーツワルトのコンクールで優勝して、ドイツ、オーストリアを中心に活躍しているようですが、彼女は最高だった。

4)コーラス
フランス人がフランス語でコーラスするので、コーラス部分が非常に美しく聞こえました。コーラス隊全員が母国語で歌うので発音もきれいだし、音が合うのではないかと思いました。

今回テレビと劇場という違いはありますが、同じ演出の作品を違うソリスト、音楽監督で見る体験をしました。オペラの深さを新たに認識しました。

今日はカメラを忘れたのでカーテンコールの写真はありません。ごめんなさい。
また、劇場では会えなかったけれど、見に行く予定のなかった<カルメン>を見に行くきっかけを作ってくれたaliceさん、どうもありがとう。私もミンコフスキ、大好きになりましたよ。

<ラクメ>(Lakumé)を見ました。

日本滞在中、偶然<ラクメ>を見られました。4月24日、上野の文化会館です。

日本でオペラを見るのは初めてでした。その印象は、「年寄りが多い」です。パリでも確かにオペラは若者の文化ではありませんが、今のパリオペラ座の平均年齢は45歳ぐらいで、以前は50歳を超えていたのがモルティエ体制になって若返ったとのことです。<ラクメ>は一番高い席でも22000円で、パリのオペラ座と同じぐらいでした。もっと若い人にオペラを見てもらいたい。オペラ文化の違いを感じました。

それでは肝心な舞台の感想です。
<ラクメ>は、<ナタリー・デッセー>のCDを聞いて以前から見てみたいと思っていた作品で、パリで公演するのを待っていたのですが、フランスではなかなか上演されません。大きな期待でした。スロヴァニアのオペラ座と言う聞いたことのないようなオペラ座でしたが、メインのソプラノに<デジレ・ラントーレ>を迎えて、良い出来だと思いました。しかし、やはり遠くスロヴァニアから運ばれた美術セットはお金のかかっていないもので、演出も普通でした。パリのオペラ座を見慣れている私にとっては、<デジレ・ラントーレ>を聞けたことは良かったけれど、<歌劇>的には、物足りなさを感じました。一度スロヴァニアで見てみたいですね。

Lakme
フィナーレ

そうそう、パリでももちろん写真を撮ることは禁止されていますが、フィナーレのみ暗黙の了解で写真を撮っています。日本では一枚とったらすぐ係員が飛んで来て注意されました。主催者の皆様、もう少しリラックスしましょう。

<マクロプロス事件>を見ました。

面白かった!

まずは歌手。アンゲラ・デノケはもちろんのこと、Charles Workman、Vincent Le Texier、Paul Gay、David Kuebler、Karine Deshayes、Ales Briscein、Ryland Davies、すべてのソリスト最高でした。声量のある熱のこもった歌唱で、ヒットパレードのアリアがないにもかかわらず、最後まで演技を含めた見応えのある、まさに<歌劇>でした。特にアンゲラ・デノケはすばらしい熱演で、劇中では上半身裸になるぐらいでした。エキストラが裸になったオペラは過去見たことがありますが、主演のソプラノが胸もあらわにするなんて、たとえ必要だからといって考えられません。それにしてもアンゲラ・デノケはすばらしい<歌手女優>です。

次に演出。巨大なキングコングの舞台セットはもちろんのこと、ステージにトイレやお風呂場まで出て来て、時代設定は原作とかなり違いますが、多分1960年前後と思われます。スクリーンには本物のマリリン・モンローの映像が投影され、アンゲラ・デノケはあのスカートがめくれるポーズをとったり、キングコングの手のひらに乗って現れたり、観客を飽きさせません。

推理劇なので、言葉を完全に理解できたらもっと楽しめたかもしれませんが、音楽、歌唱、演技、演出だけでも十分理解できました。本当に新しいオペラの時代を感じる作品でした。

Makropoulos
熱狂のカーテンコール

<マクロプロス事件> (L' Affaire Makropoulos) その二

5月8日、<マクロプロス事件>を見に行きます。
出張などが重なり予習をさぼっていました。だからあせって勉強。

ストーリーは恋愛ものではなく、やはり推理・サスペンス小説。遺産相続の争いを描いたものらしいが、あらすじをオペラ辞典で読んでも複雑で覚えきれないなので、当日コピーを読みながら鑑賞します。

音楽聞きました。前奏曲を聴いてびっくり。
これは、まさにアメリカの推理サスペンスSF映画のオープニング曲のような感じ。その後は、美しいメロディーが続きますが、イタリアのオペラのようなヒットパレードは無し。まさに<歌劇>ですね。言葉がわからなければ、眠くなるかもしれません。しかし、キングコングとマリリン・モンローを考えると、きっと吸い込まれていくような気がします。期待、期待。

キャストを見ると、特に注目すべきは、アンゲラ・デノケ(Angela Denoke)。今、最高のソプラノの一人らしい。
これは特に楽しみです。

ラ ラ ラ ラッ ラ ラー

一年ぶりの日本出張などで、ブログを長ーい間更新できず、ごめんなさい。復帰第一号として、新シリーズです。この<オペラ、なんでも>では、オペラに関して気がついたこと、発見したことなど何でも記していきます。

日本でテレビを見ていたら、<ルイーズ>のあの特徴あるメロディー、ラ ラ ラ ラッ ラ ラーが聞こえてきました。なんと、パチンコでスロットがそろうときのあのメロディーです。初めて<ルイーズ>の音楽を聴いた時、どこかで聞いたことがあるなと感じていたのですが、こんなところで聞いていたとは。
でもいったい誰が、このメロディーを採用したのでしょうか?
パチンコを作った人はオペラファンだったのでしょうか?

パリ国立オペラ 5月-7月 プログラム

2006-07年度の最後のパリ国立オペラプログラムです。
赤字は、ニュープロダクションです。

ローエングリン(Lohengrin)   バスティーユ
5月15日 19日 23日 26日 6月2日 5日 8日 11日

ダ・ジェロ・ア・ジェロ(Da gelo a gelo)   ガルニエ
5月23日 29日 31日 6月2日 5日 8日 10日

仮面舞踏会(Un Bal Masqué)   バスティーユ
6月4日 7日 10日 13日 16日 19日 22日 25日 28日 7月1日 4日 7日 10日 13日

椿姫(La Traviata)   ガルニエ
6月16日 19日 24日 27日 30日 7月3日 6日 8日 12日

ジプシーの時(Le Temps des Gitans)   バスティーユ
6月26日 29日 30日 7月2日 3日 5日 6日 8日 9日 14日 15日

この中で面白そうな作品は<ダ・ジェロ・ア・ジェロ>で、パリ国立オペラの注文によるSalvatore Sciarrinoの創作作品です。これは日本の和泉式部の日記を題材にしたオペラでイタリア語で歌われ、日本が舞台なのに日本人はひとりもでないという作品です。どんなものか楽しみです。

また、<ジプシーの時>は、パンク・オペラと題されたもので、演出のエミール・クステュリッツア(Emir Kusturica)は、サラエボ出身の映画監督でカンヌ映画祭でパルム・ドール、ベネチア映画祭、ベルリン国際映画祭でも賞を受賞した人で、自身の映画<ジプシーの時>のパンク・オペラ化です。連日上演するところを見るときっとマイクを使ったものではないかと思われます。

<椿姫>と<仮面舞踏会>はニュープロダクションです。特に<椿姫>は昨年<フィガロの結婚>であのスキャンダルを巻き起こしたChristoph Marthalerとそのチームが演出スタッフです。どんな飛んだトラヴィアータになるか非常に興味深いです。

音楽監督と主なキャストを見ると<ローエングリン>には、指揮ゲルギエフ、キャストBen Heppner、<仮面舞踏会>はビシコフ、マルチェロ・アルヴァレズ、<椿姫>はカンブルラン、クリスティーヌ・シェーファーと言ったところです。

出来れば全部見に行きたいシーズン末のプログラムですね。