パリ・オペラ日記
オペラについて一言

一昔前はオペラに触れるには劇場に行く以外は、CDを聞くことぐらいしかありませんでした。しかしここ数年のメディアの発展のおかげで、DVD、ケーブルテレビ、インターネットとオペラに触れられるチャンスが多くなりました。同時に劇場以外では、今まで<耳>だけを楽しませてくれた芸術が<目>も楽しませてくれるようになりました。それゆえ、出演者には美しい声、歌唱力だけでなく、より以上に演技力が求められ、背景の舞台セット、照明、演出を含めたオペラ本来の姿<総合舞台芸術>が見直されています。
パリ国立オペラはモルティエ総裁のもと、「オペラは<総合舞台芸術>であり、その演出は時代とともに進化しなければいけない。」という精神で新しい作品を製作しています。

私自身オペラの魔力に取りつかれたのはごく最近で、このパリ国立オペラの作品の影響によってです。恥ずかしいことに、伝統的な演出の作品をほとんど見たことはありません。もう若くはありませんが、<オペラの新世代>といえると思います。

そんな私のブログです。

ところで、よろしかったらルームの中のフォトも見て下さい。フランスを中心にヨーロッパで撮った傑作(?)を少しずつアップしてます。
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パリ国立オペラ

パリ国立オペラは昨年9月から総裁がジェラール・モルティエ氏からニコラ・ジョエル氏に変わりましたね。新総裁に変わってから劇場では2作品、テレビで2作品しか見ていませんが、少しがっかりしています。モルティエ氏のときは例え,その演出が斬新でいろいろな批判が出たにもかかわらず、作品の好き嫌いは別としてパーフェクトなオペラだったと思います。しかし,ジョエル氏に変わってから演出も演奏も今一という感じです。以前はパリ国立オペラは国を乗り越えたインターナショナルなオペラ座と言えたのですが,今はフランスのローカルオペラ座的になってしまったと思います。まあ,モルティエ好きの私のひいき目もありますが。

冬眠開け宣言

またまた冬眠してました。
パリも春らしくなってきました。
私の仕事場も変わり、オペラだけでなくもっと若いポップカルチャーを中心にこれから更新していきます。よろしくお願いします。

もう一度、パスカル・オビスポ

昨日に引き続き、パスカル・オビスポの紹介です。
今日は、少し古い曲ですがフランスではポップスの名曲として語られている<ルシー>です。
古いクリップなのでパスカルの頭に毛があります。

http://www.youtube.com/watch?v=6_gIxOdxAnU

歌詞の内容は、

ルシー
作詞:リオネル・フローランス  作曲:パスカル・オビスポ

ルシー、ルシー、僕だよ。
なぜだかわからないけれど貴女の回りですべてが崩れる夜もある。

自分の前をじっと見つめる。
腕を決しておろさない。
すべてに効く薬はない。
でも、時にはがんばらなければいけない。

ルシー、ルシー、急いで。
人は生きるし、一度しか死なない。
もう終わった意味のない時もある。

本には書いてないけれど、
生きていく上で一番大切なことは。
それは一日一日を大切に生きていくこと。
時、それは愛。

僕には、自分の感情を確かめる時間がないとしても、
その時をだんだん強く感じる。
そしてそれをまだ、欲している。

君も知っているように、僕には自分の間違いを修復するか、作り直す心がもうない。過去に戻るしかない。

ルシー、止らないで。
人は一度しか生きない。
知った時にはもう遅い。

本には書いてないけれど、
生きていく上で一番大切なことは。
それは一日一日を大切に生きていくこと。
時、それは愛。

本には書いてないけれど、
生きていく上で一番大切なことは。
それは一日一日を大切に生きていくこと。
時、それは愛。

ルシー、ぼくは愛の物語の回りを何回も回っている。
僕には次のページをめくるのに充分な勇気がある。

僕たち時間をかけたことを知っている。
決して戻ってはいけない。
残念だといいながら年を重ねる。

ルシー、ルシー、思い出に押しつぶされるな。
物事はこうなんだ。
どんな後悔も二人に保ち続ける価値はない。

本には書いてないけれど、
生きていく上で一番大切なことは。
それは一日一日を大切に生きていくこと。
時、それは愛。

本には書いてないけれど、
生きていく上で一番大切なことは。
それは一日一日を大切に生きていくこと。
時、それは愛。


今でもコンサートの時は必ず歌う曲です。

パスカル・オビスポはすごい

やっぱりフレンチポップスのパスカル・オビスポはすごい。
といっても日本ではCDが発売されていなくて聞くチャンスがありません。
ここにユーチューブで公開されているパスカルの曲を紹介します。

まずは最新曲の<Drapeau>。キャプテン・サムライ・フラワーという名前でパスカルが出した曲です。

http://www.youtube.com/watch?v=9Tz3t1IBTwM

歌詞の内容は、

ル・ドラポー(旗)
作曲:パスカル・オビスポ  作詞:リオネル・フローランス

星も無く、冠も無く、花も無い
空気の中を一つの同じ色だけが漂う

愛の歌、戦場、
今日、しなければいけないのは一つの戦い
今日

みんな、一つの旗の元へ
みんな、一つの旗の元へ

私たちの漂流と間違いの上に
一つの合図
勝者の象徴

世界をつかみ、武器を手に取り
やってくる明日に気を配る
他の戦いを探さずに
今日、しなければいけないのは一つの戦い

みんな、一つの旗の元へ
みんな、一つの旗の元へ

僕と花の武器を片手に
すばらしいことを夢見よう

愛の歌、戦場、
今日、しなければいけないのは一つの戦い

みんなが、一つの旗の元へ
みんなが、一つの旗の元へ

みんなが、

愛の歌、戦場、
今日、しなければいけないのは一つの戦い

みんなが、一つの旗の元へ
みんなが、一つの旗の元へ

みんなが、一つの旗の元へ
みんなが、一つの旗の元へ

みんなが、一つの旗の元へ

今日、しなければいけないのは一つの戦い
みんなで キャプテン・サムライ・フラワーと共に


言葉の意味よりフランス語の響きを大切にする曲なので、翻訳は難しいけれどパスカルの言ってることは分かると思います。

軽快なフレンチポプでしょう。

オペラ・ロック<モザール>(Mozart)を見ました。

今大好評上演中のオペラ・ロック<モザール>をパレ・デ・スポールで見ました。

モザールとはモーツワルトのフランス語読み。モーツワルトの半生を描くロックミュージカルです。

一年以上前からテーマ曲を発売してプロモーションをしたおかげか、出演歌手は今やみんなスターで、ロックコンサートののり。モザールなんて名前でクラシック音楽を期待すると飛んだことに。でも、軽快な80年代ブリティッシュロックの曲に混じってうまくモーツワルトの曲をつなぎで使っています。

映画<アマデウス>でも主役のモーツワルトはかなりハチャメチャな性格だったけれどこのミュージカルでも同じ。今ではクラシック音楽の巨匠もこの時代では新しい音楽で異端児だったのですね。

歌手、俳優、ダンサー、ミュージシャンを含めると50名以上の人が舞台に出演です。
衣装はものすごい数で非常にきれいでした。
演出は映画<ラ・モーム>の監督。
かなり面白いステージでした。

ただし会場の関係で音響はいまいち。オペラを聞き慣れていると失望します。

観客は若い人だけでなく、おじいちゃん、おばあちゃんが孫を連れてきていたり家族で来ている人たちが目立ちます。日本で<のだめカンタービレ>が若い人たちにクラシック音楽の世界を開いたようにフランスではこのミュージカルで若い人たちもクラシック音楽に目覚めるかも?


パリ・オペラ日記-Mozart2   パリ・オペラ日記-Mozart1


また長い冬眠から復活  キャプテン・サムライ・フラワー

またまた、更新をしないで春から夏にかけて長い間冬眠をしていました。

今日は、キャプテン・サムライ・フラワーの話です。

あのフレンチポップスの大御所、パスカル・オビスポがキャプテン・サムライ・フラワーという新しい名前で活動を開始しました。10月12日に新しいアルバム、<キャプテン・サムライ・フラワー>が発売されました。ビートルズのサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドを意識したアルバムで、曲調は70年代ブリティッシュロックを意識した「パスカル節」。軽快なフレンチ・ポップのアルバムです。

$パリ・オペラ日記-CSF

自分の子供たちの世代に何か残るメッセージを送りたいと言う気持ちから、地球の環境保護などをテーマに作ったアルバムです。過去パスカルはエイズ撲滅のためのコンサートを開いたり、いろいろなメッセージを自分の曲に込めてきました。次のコンサートツアーでは、<キャプテン・サムライ・フラワー>の冒険をアニメにしてコンサートとシンクロさせるとのことです。


先日、シャンゼリゼのヴァージン・メガ・ストアーで、このアルバムの発売を記念したサイン会がありました。せまい会場はたくさんのファンでいっぱいでした。

パリ・オペラ日記-pascal3

パリ・オペラ日記-pascal2  パリ・オペラ日記-pascal1

日本でも坂本龍一らが、エコロジーを訴えていると聞きます。

パスカルのメッセージも日本に通じて彼の曲が日本でも流れることを期待します。

ニース近郊の旅

先日お伝えしたようにニースで<ラクメ>を見ました。

今日はニース近辺の観光ガイドです。

ニースに行ったらエズ、モナコ、カンヌ観光は当たり前のこと。初心者だったらまず制覇しなければいけない観光地です。ここではニースに何回か行った人のための隠されたとっておきの場所をお教えします。

それは、Peillon(ペイヨン)。ニースの北、30キロぐらいのところにある山岳地の中世が残る村です。

パリ・オペラ日記-Peillon 1

エズのような村ですが、全く観光地化されていなく素朴で静かな村です。村の中は細い道の迷路。
ひっそりしています。

パリ・オペラ日記-Peillon 2

この村の頂上には教会があり、広場になっています。すばらしい景色です。

パリ・オペラ日記-Peillon 3

今回この村の入り口にあるレストランに行きました。
Auberge de la Madone(オーベルジュ・ド・ラ・マドヌ)という宿泊も出来るレストランです。

パリ・オペラ日記-Madone 1

テラスでゆっくり昼食をしました。

パリ・オペラ日記-Madone 2

ここの料理は南フランスの郷土料理ですが、洗練されていて、本当においしかった。
私が食べたのは、Daube(ドーブ)という日本で言えばビーフシチューですが、肉も柔らかくソースもよくなじんでいて、本場のプロヴァンス地方で食べたものよりおいしかった。

パリ・オペラ日記-Madone 3

オーナーシェフと話をすると、ニースに住んでいる人が常連で、食事の後にペイヨンの村を散策して休日を過ごすそうです。また山を越えるとモナコまで歩いて3時間半ぐらいでいけるそうです。


最後に今回ニースで撮った自分的には傑作と思っている写真を貼りますね。

パリ・オペラ日記

もう一枚。

パリ・オペラ日記-Nice 1

大統領のサルコジ人形でした。

<ラクメ>(Lakumé)を見ました。

3月26日、ニースのオペラ座で<ラクメ>を見ました。<ラクメ>は2007年5月に、東京の上野でスロヴァニア・オペラ座、<デジレ・ラントーレ>主演で見ました。この時は、デジレのすばらしさに感動したのですが、チープな舞台セットで失望した公演でした。


ニースのオペラ座はクラシックな良い劇場です。

パリ・オペラ日記-Opera de Nice 1     パリ・オペラ日記-Opera de Nice 2
ニース・オペラ座の昼と夜
 
パリ・オペラ日記-Opera de Nice 3     パリ・オペラ日記-Opera de Nice 4
舞台                     客席

この日の指揮は、Alain Guingalは、日本に頻繁に行っている指揮者のようです。アヴィニオン、ベルギーのモネなどの常任指揮者です。彼の指揮は非常にフランス的に繊細で、またオーケストラの質も良くすばらしい演奏でした。もしかしたら会場の関係かもしれませんが、バイオリンの低音の響きが気に入りました。

演出は、Jean-Louis Pichon。フランス人で、フランス地方のオペラ座を中心にヨーロッパで活躍する演出家です。美術セットにお金をかけずオーソドックスな演出でしたが、シンプルできれいな演出でした。

ラクメ役はElisabeth Vidal。やはりフランス人で、ヨーロッパで活躍する若手ソプラノです。彼女の切ない声質は私のお気に入りになりました。


この<ラクメ>は、プロダクション、キャストともほとんどフランス人によるオペラでした。
フランス語のオペラの場合、その歌声の響きの美しさも楽器のように重要な要素なので、美しい発音のフランス語は非常にすばらしい物でした。

パリ国立オペラは世界最先端を行く歌劇場で、フランス的な要素と言うより芸術性を追っているところがありますが、フランスの地方オペラ座にはイタリアのオペラ座のようなその国独特のオペラが生きているような気がします。

チャンスがあれば、フランスの地方のオペラ座でフランス物のオペラをご覧になって下さい。

パリ・オペラ日記-Opera de Nice 7
カーテンコール

<ZOROASTRE>を見ました。

………と言うことで23日、パリのオペラ・コミックでラモーのバロック・オペラ<ZOROASTRE>

ゲネプロを見ることになりました。フランス語で発音すると、ゾロアストル。日本語だとザスシュトラ。

しかし、ニーチェの<ツアラトウストラはかく語りき>のツアラトウストラと言った方が分かりやすいかも

しれません。

ラモーの中では知られていないオペラで、どうやらフランスでの上演は初めてのようです。

オランダのオペラ座との共同製作です。前日は現代、この日はバロックで200年も時代を

タイムトリップしました。


感想は、非常に美しいオペラ!

前日とは違って舞台セットはほとんどないシンプルな演出でした。

しかし美しい歌の連続はこんなにシンプルな演出でも飽きさせません。

パリ・オペラ日記-Zoroastre

歌ありバレエあり、そしてフランス語の歌のきれいな響き。話の内容が分からなくても十分楽しめました。



急に明日からニースに出張になりました。ニースのオペラ座では明日、<ラクメ>の最終公演があります。

見たいなー。

アレックスとヴァレンティナとピーター

ブリュッセル、モネの続き。

昨日、この<ル・グラン・マカーブル>は初日を迎えたのですが、ベルギーでの評判はどうだったのでしょう?

パリだったら、結構良い評判だろうと思います。古い本当にクラシックなモネ・オペラ座で残心的な美術セットと演出で現代オペラ。こういう対比大好きです。

ところで、演出のヴァレンティナとアレックスとは、パリへの帰りの電車の時間の関係で今回は挨拶だけで一杯飲めませんでした。終演後すぐにステージ上で挨拶した程度で、次回はバルセロナで会おうと約束したぐらいでした。


パリ・オペラ日記-Alex        パリ・オペラ日記-Valentina
      休憩時間にテレビのインタビューを受けるアレックスとヴァレンティナ

そうそう今回からヴァレンティナは演出補から演出に昇格されました。
飛んだひらめきのアレックスとそれを現実化するヴァレンティナ。すばらしいコンビだと思います。

この日もう一人再会した人物がいます。このオペラで照明を担当していたピーター(Peter Van Preat)です。彼はオランダ人でパリ・オペラの日本公演の演目でラ・フラの演出の<青ひげ公の城/消えた男の日記>の照明も担当しました。9ヶ月ぶりの再会です。

パリ・オペラ日記-Peter Van Praet

その彼から「明日パリのオペラ・コミックで僕が照明を担当しているラモーのZOROASTREのゲネプロがあるけれど見に来る?」と言う誘いです。もちろん大歓迎。

ということで、連日のオペラ観賞。それも超現代オペラから今度はバロックです。

持つべき物は「関係者の友」ですね。
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