パリ・オペラ日記 -2ページ目

<ル・グラン・マカーブル>(Le Grand Macabre)を見ました。

今回のブリュッセル旅行のメインイベント、<ル・グラン・マカーブル>のゲネプロです。

最近この作品は日本の新国立でも上演したようですね。ラ・モネーの作品は、ローマ、バルセロナ、イギリスの

オペラ座との共同製作です。作曲家のリゲティはハンガリー人で1923年生まれで2006年に亡くなった人。

キューブリックの映画に彼の音楽は使われて有名です。<ル・グラン・マカーブル>は1976年にスエーデンで

初演だそうです。彼のギンギンの現代音楽のオペラ、そして演出は映像をフルに使ったスペインの芸術集団

<ラ・フラ・バウス>のアレックスとヴァレンティナ。予習としていろいろと調べたけれどストーリーは

良く把握できませんでした。


結論から言うと、さっぱりワカランチン!


音楽は、と言うより効果音でつづる現代劇。でも、メロディーがあるようでないような歌はソロ、デュオ、

コーラスありでダイナミックにつながって行く。もし、100年前の人が聞いたら音楽とは思わないような作品。

友人のアレックスとヴァレンティナの演出は、ステージ上に巨大な女性の裸体がくるくる回り、

それと映像がシンクロしたりする。この女性のお尻の穴から人が出てきたり、かなり下品なところもあるが、

未来劇的で面白い。

とにかく分けの分からない作品でした。

聞く人が聞けば、でたらめな作品ではなくピカソのような輝きを持ったオペラなんでしょうね。

確かに最近パリで見たやはり現代オペラの<Yvonne, Princesse de Bourgogne>より、ずっと内容が濃いと

感じました。

パリ・オペラ日記-Le Grand Macabre 1       パリ・オペラ日記-Le Grand Macabre 2
美術セットはこんな感じです。

日本の新国立で見た人、是非この作品をベルギーかロンドンかローマかバルセロナで見て感想を聞かせて下さい。

ブリュッセル日帰り旅行

3月22日 日曜日。ラ・モネーでの<ル・グラン・マカーブル>を見にブリュッセルへの日帰り旅行です。

同行者は家内と友達のクミコさん、その娘のメグミちゃんです。メグミちゃんは女子大生で今クラシック音楽に

興味を持ち、先日、バスティーユでの小澤さんのコンサート、オペラ<ウエルテル>に一緒に行って、

オペラファンになりつつです。

朝8時25分のユーロスターで北駅を出発します。



パリ・オペラ日記-Gare du Nord         パリ・オペラ日記-Euro Star
パリ北駅                      ユーロスター

ブリュッセルまでの運賃は往復一人約100ユーロ。もっと早く購入すればもっと安く買えます。残念!

ブリュッセルには10時少し前に着き、すぐに歩いて10分ほどのところにある蚤の市

(Place de Jeu-de-Balle)へ。

買ったばかりのiphoneのマップが大活躍です。



パリ・オペラ日記-Marche au Puce 2       パリ・オペラ日記-Marche au Puce 1

広い広場にたくさんの露天が並んでいます。ほとんどがガラクタ。でも、結構値段は吹っかけてきます。

家内は塩こしょうのテーブルセットを私の知らないうちに買っていました。



続いて、また歩いて15分で<王立美術館>に到着です。残念ながらマグリートなどがある近代美術館は

改装のため23日まで休館でした。仕方なく古典美術館のみを見学。

パリ・オペラ日記-Musee Bruxelles 1       パリ・オペラ日記-Musee Bruxelles 2
入り口のホール                  ルーベンスの部屋

オランダ、ベルギーの古典は良く知りませんがとりあえず、ルーベンス、ヴァンダイク、ブリューゲルは

見ました。

続いて昼食。またグランド・プラスまで約15分歩きます。

パリ・オペラ日記-Grande Place



そうそう途中でサブロン広場によってヴィタメールでチョコレートを買いました。

ベルギーはチョコレートの街。ゴディヴァ、レオニダス、ほかほかと町中チョコレート屋さんです。

私はこのヴィタメールのチョコレートが一番好きです。どういう訳かブリュッセルと日本でしか買えない

チョコです。ちょうどイースターでイースターの卵型のチョコレートを買いました。


昼食は軽めに。私はベルギー名物の<ミートボールのトマトソース>、他のみんなはやはりベルギー名物料理の

エビのコロッケとチーズのコロッケ。それにMAESの生ビール。

昼食後、腹ごなしの散歩。<小便小僧>と<小便少女>を見ました。<小便少女>は何回もブリュッセルに

行っていますが初めてです。グランド・プラス近くの食堂街からちょっと入ったところにあります。

写真を載せますがこれは掲載してもいいのかな?




パリ・オペラ日記-Mannequin 1        パリ・オペラ日記-Mannequin 2



そしてようやく今日の目的地、ブリュッセル・オペラ座<ラ・モネー>へ。

パリ・オペラ日記-La Monnaie Ex


15時からゲネプロ開始です。

この模様は次に続きます。

アレックスとヴァレンティナ(La Fura dels Baus)

今日は、やはり日本公演のおかげで仲良くなったラ・フラ・デル・バウスのアレックスとヴァレンティナ

紹介します。

ラ・フラ・デル・バウスはバルセロナ・オリンピックの開会式の演出もしたスペインの演出家集団です。

その中でアレックスとヴァレンティナはオペラの演出を多く手がけています。

日本に行った<消えた男の日記/青ひげ公の城>の演出を担当しました。

パリ・オペラ日記-Chateau 1  パリ・オペラ日記-Chateau 3 
©DR                  ©DR
パリ・オペラ日記-Chateau 2
©DR


彼らの演出は斜幕を使ってビデオ映像を多用します。上の<青ひげ公の城>では、お城が<オペラ・ガルニエ>

という設定でした。またウオーターカーテンに映像を映したり、見ているだけで引き込まれるてい来ます。

この<青ひげ公の城>では6枚の斜幕を使って、映像に立体感を出していました。


また彼らの演出の<魔笛>では、大きなエアーマットをたくさん使い、不思議な世界をかもし出していました。

アレックスは演出家でヴァレンティナはその補佐ですが、アレックスは芸術的でいつも発想が飛んでいるスペイ的

大まか男。その隣でいつもきりきりしながらヴァレンティナが理論的に整理して行きます。

非常に良いコンビです。彼らとも何回か夕食を共にしましたが、日本酒も大好きでいつもかなり飲みます。

酔うとオペラの夢の話です。日本の宮崎アニメをオペラ化して演出したいと言っています。




今月末からブリュッセルの<ラ・モネ>で彼らの演出の<ル・グラン・マカーブル>が始まります。

パリからブリュッセルまで電車で1時間30分です。22日午後にゲネプロがあり、

友達親子と家内と4人で日帰りで見に行くことになりました。

この<ル・グラン・マカーブル>はバルセロナ他の歌劇場との共同製作作品です。

話によるとステージ上に巨大な人形が寝転んでいてそれを美術セットにした演出だそうです。

また、かなり前衛的な演出が期待されます。


朝早くパリを出て、午前中は美術館見学、午後は<ル・グラン・マカーブル>を見て、

その後彼らと一杯飲んでパリに戻る予定です。<初モネ>も楽しみです。

結果は来週レポートしますね。

<セミヨン・ビシュコフ>(Semyon Bychkov)さん

東芝グランドコンサートで来日中の<セミヨン・ビシュコフ>さんについてです。

ネットを見ているとこのコンサートの評価は高いようですね。是非可能な方は彼のコンサートに行って

下さい。暖かみのあるすばらしいコンサートだと思います。


彼はパリ国立オペラの来日公演で<トリスタンとイゾルド>を指揮しました。パリ、日本で

一緒に夕食をしました。日本ではまだ過小評価の感じがしますが、ヨーロッパでの評価は非常に高い

すばらしい指揮者です。仕事の上でのいろいろな条件では難しいところもある人ですが、

本当は人間味のあついすばらしい人です。


パリ国立オペラ来日公演のインタビューをした時はインタビュー場所を彼のパリの自宅と指定されました。

マレ地区にある非常にパリっぽいアパートメントです。世界中を飛び回る彼ですが時間がある時は

パリの自宅、そしてビアリッツにある別荘で過ごすそうです。パリが大好きだそうです。


パリでは来日直前に寿司屋のカウンターでいろいろな話をしました。その日、トリスタンのオケのリハを

見学した後だったので、「あなたの指揮を見ていると私も体が動いてきちゃう。」と話すと、

「君も芸術家だよ。今度一緒に指揮してもいいよ。」なんて、気さくにおしゃべりしました。

また、彼の携帯にメッセージを送るとすぐに答えを返してくれます。これだけ有名で多忙なのに

高ぶること無くざっくばらんにおつきあいしてくれます。


そうそう、東京で一緒に食事をしたのは六本木の<田舎家>でした。焼いた金目鯛が彼の好きな料理です。

ここは彼のお気に入りのレストランです。きっと今回の来日でも行っているでしょう。



残念ながら彼と一緒にとった写真が無いので、今回は写真掲載なしでした。

ガルニエ宮 −1−

今日はパリ国立オペラのガルニエ劇場の秘密案内をします。

4年近くに渡った<パリ国立オペラ日本公演>の準備のおかげで普通は見学できないようなガルニエと

バスティーユのバックステージを見学しました。

第一回目はあのガルニエ宮の屋上です。ここは、安全管理のため一般見学者はもちろん、オペラ座の

スタッフも滅多に上ることが出来ない特別な場所です。日本でも公演した<青ひげ公の城>は、

このガルニエ宮が青ひげの城になり、この屋根の上で撮影したイメージも流れました。

風も結構強く、見学コースになっていないので足下も安全とは言えません。

パリ・オペラ日記-ガルニ屋上6
オペラ座の最上階に上り狭い通路を通って、屋根の上に行きます。そこから写真のように階段を上って屋根の頂上まで行けます。


パリ・オペラ日記-ガルニエ屋上1
ガルニエ宮屋上正面の像を屋根の頂上から見たところ。


パリ・オペラ日記-ガルニエ屋上3   パリ・オペラ日記-ガルニエ屋上2
360°の大パノラマ。モンマルトルの丘とエッフェル塔。

パリで一番景色の良い場所の一つでしょう。


パリ・オペラ日記-ガルニエ屋上5    パリ・オペラ日記-ガルニエ屋上4
ガルニエ宮正面にある馬の像。馬の足下の楽譜には下からはよくわかりませんが音符も彫ってあります。


パリ・オペラ日記-ガルニエ屋上7
夕暮れのエッフェル塔。

オペラ座の見学はVIPを案内して何回もしたのですが、私もいつも行けるところではありません。

ここに登れたのはパリ国立オペラ日本公演の役得でした。

<ウイラード・ホワイト>(Willard White)とランチ。

3日間のロンドン出張でした。本当はコヴェント・ガーデンの<I Capuleti e i Montecchi>(アンナ・ネト

プレコとエリナ・ガランチャの共演)を見たかったのですが、残念ながら公演日に当たりませんでした。

パリ国立オペラの来日公演で<青ひげ>役を演じたウイラード・ホワイトがちょうどロンドンに戻っていたの

で一緒にランチを食べることになりました。彼は、ジャマイカ人ですがロンドンに住んでいます。

パリ・オペラ日記-Willard White


彼がパリに来る時はよく日本料理を食べに行きます。日本酒が大好きです。彼が案内してくれたのはロンド

ン・コンサート・ホールの中にあるレストラン。ロンドンには、中華とインド料理以外おいしい物は無いと

思っていたのですが、ここではフレンチやイタリアンをベースにしたおいしい料理が食べられました。


ウィラードは、DVDにもなっている<ポギーとベス>のポギー役で有名になりました。最近はエックス・

アン・プロヴァンスとザルツブルグで何年かに渡って、サイモン・ラトル指揮の<リンク>のヴォータン役

を見事にこなし、バリトン•バスとして実力を発揮しています。前日にトロントでのコンサートからロンド

ンに戻り、翌日にはロンドンでコンサートを開くと言うことでした。


彼と最初に会ったのはパリ国立オペラ日本公演のインタビューの時でしたが、ジャマイカならレゲエだねと

いうと「ノー・ウーマン・ノー・クライ」をテノールで口ずさんでくれました。非常に気さくな人柄です。

エリザベス女王の前で歌ったこともあり、今は「サー」の称号を持っています。


この日、時差ぼけと翌日のコンサートのために、お互いグラスワインしか飲みませんでしたが、パリで日本

料理屋で食事をした時は、ミヒャエル・ケーニッヒ(Michael Koning 日本公演で<消えた男の日記>の

主役を演じたテノール)と私の3人で軽く一升瓶を空にしました。日本酒は声にいいんだよというとワイン

もブランデーもみんな声にいいから好きだと言います。


ここだけの話、彼はかなりのプレイボーイでもあります。このレストランでも若いかわいいウエイトレスに

あのバリトン・バスの声で冗談を言って笑わせていました。彼の場合、こういう時にじっと彼女を見つめて

話します。非常に良い勉強になります(o(^▽^)o)。


近々、パリに来るので再会を約束して、約2時間の長い昼食を終えました。





ジャズ・ブランチ

日曜日にジャズ・ブランチに行ってきました。

モンパルナスにある老舗のジャズクラブ<ル・プティ・ジュルナル>(Le Petit Journal)です。

この日の演奏は、<クロード・ボリング>(Claude Bolling)。

ボリングと書きましたが、日本ではボランとも発音するようですが、正しい発音はボリングです。

クロード・ボリングは映画<ボルサリーノ>他の作曲家としても有名な人です。

最初はクロードのピアノソロ、次にベースとドラムが加わり、そして2名の管楽器(サックス、トランペット

他)、最後に男女の歌手が加わりました。

音楽はジャズのスタンダードナンバー。約2時間のコンサートです。

クロードは今77才ですが、年齢を感じさせないすばらしい演奏です。

料金はバイキングスタイルのブランチを含め、飲み物別で一人40ユーロ。この演奏を聴けてこの値段は

お得です。


パリ・オペラ日記-Bolling 2
ピアノのクロード・ボリング


パリ・オペラ日記-Bolling 1
トランペットとサックスが加わりました。


パリ・オペラ日記-Bolling 3
最後は歌手も加わり、<ルート66>。

久しぶりに聞いたジャズでしたが、熱い日曜の午後を過ごしました。

ここではほぼ毎晩、ジャズを中心としたライブがありますので、お勧めです。値段はディナー込で

70-80ユーロぐらいです。

<ウエルテル>(Weerther)を見ました。 続き

ウエルテル続編です。

まずは、写真をアップしましたのでご覧ください。


パリ・オペラ日記-Wertel 2  パリ・オペラ日記-Werthel 1

舞台セットはこんな感じでした。昨日、照明をどこから照らしているか分からないと書きましたが、舞台の上と左右が壁に見えますが、実は布で外側から照らして舞台を明るくしていたのでした。他に、影を見ると正面からのスポット、どこにあるか分かりませんが後ろからも舞台上を照らしているようです。普通は気がつかないかもしれませんが、こんな照明の工夫にもお金をかけてオペラの雰囲気を高めています。さすがはパリ国立オペラです。

私がオペラを見に行くとまずオケボックスをのぞきます。日本公演に行ったミュージシャンに手を振ります。100名以上のオケのメンバーが日本に行っているので全員の顔を覚えている訳ではないのですが、オケ側は覚えていてくれて手を振替してくれます。音楽家たちは結構変人が多くて話していて楽しい人がたくさんいます。公演が始まる前にバスティーユ劇場の楽屋入り口のすぐ前にある”OPERA CAFE”は楽団員たちが結構いるので、ちょっとしたおしゃべりをして親交を深めています。中には楽器を持たせると信じられないような演奏をするけれど、普段はアル中なんてミュージシャンもいます。日本での演奏会の話があるけれどどうしようか?なんて相談を持ちかけられることもあります。

そうそう、オケのメンバーで大島莉紗さんという日本女性がいます。かなりな美人。
彼女はブログを持ってます。パリ国立オペラの内側からのブログなんで私のブログよりずっと面白いですよ。
興味がある人は彼女の名前とヴァイオリニストで検索してみて下さい。

オペラ初日はいろいろなVIPが招待されます。この日も、フランスの<スポーツと青年省>大臣が来ていました。まだ文化大臣や大統領が来たのを見たことがありませんが、この大臣や前の大統領候補だったリオネル・ジョスパン、文化大臣だったジャック・ラングさん等はオペラ座の常連です。フランスでは右党の人より左党の人たちの方が文化には興味があるようですね。バスティーユ劇場だとこれらのVIPは15列目の真ん中のブロックに座ります。政治家なんか興味ないかもしれませんが別にシークレットサービスもいなく、頼めば一緒に写真を撮ってくれます。実はミーハーな我が家には元首相と家内が写っている記念写真があります。

また初日の常連さんは元オペラ座総裁の故リーバーマン氏の奥様。お年を召していますが非常に気品のあるすばらしい女性です。また当たり前のことですが、モルティエ総裁も必ずいます。彼はだいたい12列目ぐらいの真ん中のブロックの端に座っています。

バスティーユ劇場に訪れたならば是非この15列目(通路の後ろにある席)の中央ブロックに注目して下さいね。

ついでに、日本から観光できてどうしてもオペラを見たい方。
開演1時間前にオペラ座に行けば、例えインターネットでいっぱいでもほぼ当日券が手に入ります。VIP用にとっていた席を売り出すからです。またそれがダメでも、オペラ座の前に、キップを買ったけれどどうしても見られなくなった人の席を売っている人たちも見受けられます。この人たちは正規の値段で売ってくれます。もちろんダフ屋もいます。あきらめずに、トライして下さい。
そうそう、服装は普段着以上でオーケーです。別にジーンズでも大丈夫です。パリでは、日本のように正装で行くのはガラの日ぐらいで、普通の公演にドレスなど来て行くのは、オノボリさんか田舎者です。かえって恥ずかしい思いをしますよ。でも、着物姿の日本女性も時々見受けられますが、これはかえって新鮮でいいですね。フランス人観客も喜んでいますよ。しかし、パリ以外の地方都市では結構着飾った人がいますので注意して下さい。ドイツのミュンヘンも結構正装でしたね。
最終的には男女とも”おしゃれ”ならば、最高です。

<ウエルテル>(Weerther)を見ました。

連続2日目のオペラ観賞。

バスティーユで ウエルテル です。


指揮 kent Nagano
演出 Jürgen Rose

ウエルテル Ludovic Tézier
アルベール Frank Ferrari
シャルロット Susan Graham
ソフィー Adriana Kucerova


やっぱり、ヴィアゾンは休み。

残念!!!

代役と言っても11公演中4回を正キャストとして歌うダブルキャストの Ludovic Tézier がウエルテル役です。彼はオペラ座の若手ソリスト養成期間<アトリエ・リリック>出身で、今はスカラ、コヴェント・ガーデンにも出演する、ヴィヤゾンみたいにスーパースターでないけれど今後が期待されるフランス人のテノールです。
かなり良かったですよ。

また、シャルロット役のアメリカ人のSusan Graham、ソフィー役の(多分スロヴァキア人)Adriana Kucerovaもすばらしい熱唱でした。Susanは、メト、スカラ、ザルツブルグな、Adrianaはザルツブルグ、スカラなどでも歌う若手ながらすばらしいソリストでした。また二人のフランス語もかなりいけるフランス語で、自国語の発音にうるさいフランス観客からもカーテンコールで大きな拍手がありました。フランス人は、あるアメリカ人の有名ソプラノがパリで歌った時には歌はすばらしかったのですがその発音にブーイングを飛ばす人種です。

アルベール役のFrank Ferrariはイタリア系フランス人で、確か左官屋かなにかの息子で努力してソリストになったと聞きます。フランスではかなり人気のあるやはり世界中で活躍するバリトンです。

他の配役もフランス人を中心としたフランス語のきれいなソリストたちで、フランス人作曲家のフランス語のきれいな「響き」を大切にしたすばらしい公演でした。

もちろんケント・ナガノの指揮も良かったですよ。そのうち書きますが、私の冬眠期間中にミュンヘンで彼を聞いたのですが、ドイツのオケとは違うパリのオケの特徴である「より感情豊かな」演奏をうまく引き出していました。

私が最高に楽しめたのは演出でした。箱形のステージセットでしたが、特に照明がすばらしいと思いました。別に派手派手な光でないのですが、メリハリのついた良い照明でどうやってステージを照らしているか最後まで分かりませんでした。(最後には分かりました)この作品は、パリとミュンヘンの共同作品なので、見られる機会も多いと思いますので是非ご覧になる方は照明の方法を探して下さい。

演出面も面白い工夫がありました。舞台上に他の登場人物がいる時に「ウエルテルの悩みのアリア」があるとき、舞台上の全ての人たちがストップモーションで動かなくなってしまいます。この演出すごく気に入りました。
一つだけ気になったのは、最後にオケの演奏で舞台は盛り上がりそしてウエルテルが自殺するのに、その後ひん死の状態でのシャルロットとのデュオが長過ぎることです。心臓に銃を打ち込んだ人がよくもあんなに長く生き耐えられるか? もっと早く劇的に息を引き取った方が良いような気もしますが、「劇末におまけを付けてなかなか終わらない」と言うのは、とてもフランス的だと思います。

昨日は家内と友達の娘の女子大生と見に行きました。この女子大生にとってオペラデビューです。彼女はクラシック音楽には興味があり、先日一緒に小澤さんのコンサートに行きました。しかし、オペラは初めてです。もちろん彼女もこの作品を気に入りました。もしかしたらマスネの音楽だけでは眠くなってしまうかもしれませんが、演出が面白く劇的にも優れていたので最後まで退屈せずに楽しめたとのことです。

まだまだ書きたいことがありますが、今日はこれから<ジャズ・ブランチ>。ジャズを聴きながら昼食です。

この続きはまた後日。

復活しました。 イドメネオ

長ーーーい間、冬眠状態だったこのブログを今日から

再開

します。


昨日、オペラ・バスティーユで

イドメネオ Idomeneo

を見ました。

すばらしいオペラでした。

オペラを見ながら、この日記を復活させたいと感じました。

どうして?

実は私、昨年(2008年)7月に来日公演をした

パリ国立オペラ

の来日コーディネートをしていました。実に3年以上かけて準備しました。

来日前になると忙しさや長続きしない性格やらで、ついつい日記を更新せず、

こんな長い間冬眠状態だったのです。

このパリ国立オペラの仕事を通して、オペラ関係の多くの知り合いが出来ました。

これからはそれらの人たちのことや、今だから話せる「パリ国立オペラ秘話」みたいな物も

書いていきます。もちろんこの長い冬眠期間にもたくさんのオペラを見たので、

そのことも思い出して書いていきます。

よろしく (≡^∇^≡)




心機一転第一弾は、昨日のオペラのことを書きますね。ガルニエ宮でのオペラです。

このイドメネオの指揮は Thomas Hengelbrock
演出は Luc Bondy
ソリストは Paul Groves イドメネオ役
      Joyce DiDonanto イダマンテ役
      Camilla Tilling イリア役
      Mireille Delunsch エレットラ役

もともとイダマンテ役はカストラートが演じた物だったそうですが、今回はテノールではなくメゾです。つ

まりズボンです。

本当にすばらしいオペラでした。本物のモーツワルトを見た/聞いたという感じです。

このオペラ、歌が難しくそれもかなりな技量のソリストを集めなければいけないので

公演が難しいオペラだと聞きました。

今回のソリストたちは、多分名前的には超一流ではないかもしれませんが、みんな若くて声量があり、

すばらしいキャスティングだと思います。

Paul GrovesとMireille Delunschは、モルティエさんのお気に入りで、パリ国立オペラには結構出演して

います。ルイーズでの共演はすばらしかったです。

Luc Bondyの演出では、舞台を現代に置き換えていますが、すごくシンプルなステージですが、別に違和感

も無く自然に入っていけます。以前DON CARLOSを見ましたが、彼の演出は好きです。特に、セットの色

使いが気に入っています。今回舞台のバックはプロジェクションでしたが、微妙な照明で良い雰囲気

を出していました。



パリ・オペラ日記-Idomeneo


カーテンコールの写真です。今回は買ったばかりのiphoneで撮ったのですがやっぱり画質が悪いですね。

ごめんなさい。日本公演の時、やはりカーテンコールをデジカメで撮っていたら、係の人が駆けつけてひど

く叱られました。パリを始め、ヨーロッパで行ったオペラ座ではもちろん公演中の撮影はダメですが、カー

テンコールの時は赦してくれます。観覧記念にそのくらい赦してくれても良いと思うのですが。

規則は規則 !  日本は大変ですね。


そうそう、小さな役ですが「アリアーヌと青ひげ」で来日した韓国人のソプラノYoun Jung Choiさんも出

演していました。彼女は若く結構美人でパリでがんばっているこれからが期待できるソプラノです。

幕間の休憩時間に楽屋に行っておしゃべりしてきました。初日で幕間だから、バックステージはぴりぴりし

ているかなと思ったら、そんなことはなくみんなかなりリラックスして、おしゃべりしたり、おやつ(?)

をつまんだり、和気あいあいです。舞台監督のパスカルだけはアシスタントたちに指示を出して、結構働い

てました。


今晩はウエルテルをバスティーユに見に行きます。ローランド•ヴィアゾンが主役なのですが、体調が悪く

代役が歌うと言う噂が流れています。

あー、ヴィアゾンを聞きたい !