パンカーダ・ミュージアムへどうぞご来館ください。
21日より国立新美術館で始まったルーブル美術館展。
16世紀初頭から19世紀半ばまで、約3世紀半にわたるヨーロッパ風俗画の多彩な展開を、約80点の名画によって紹介する展覧会です。
パンカーダでも、現在特別企画として「名画にみるアンティーク」を特集中。
名画に登場する家具を通して、その時代背景に迫っています。
そして、パンカーダにはウェブ上のミュージアムがあること、皆様ご存知でしょうか?
パンカーダ・ミュージアムでは選び抜かれた最高級の逸品を、様々な角度から読み解き、豊富なサイド・ストーリーとともにご紹介しております。
そのものがどんな背景で作られたのか、どのような人々に好まれていたのか。
当時の王侯貴族や富裕層の生活の一辺に触れ、より深くアンティーク家具をお愉しみいただくことができます。
どうぞごゆっくりご鑑賞ください。
ご来館はこちらからどうぞ。
http://pancadamuseum.blogspot.jp/
by N
名画にみるアンティーク:居心地の良い場所
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パンカーダ 早春の特別企画
Antiques in the masterpiece
~名画にみるアンティーク~
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今日ご紹介する画家は、今では世界中に広まったある習慣の
「はじめて」を描いた人物です。
ジョン・コルコット・ホーズリー/John Callcott Horsley(1817 - 1903)。
彼は1817年、ロンドンに生まれました。
父は音楽家であり、ヴィクトリア女王からナイトの位を
授かったコルコット卿の縁者でもありました。
1843年、画家として既に成功し、ロイヤル・アカデミーの会計会長の職務にあった彼がヴィクトリア&アルバート博物館の設立者ヘンリー・コールからの依頼で描いたのは世界初の「クリスマス・カード」でした。
さて、この絵。
タイトルは「A Pleasant Courner」。
製作年は1865年。
光り差し込む窓辺の花瓶にはスノー・ドロップが飾られています。
冬の終わり、まだ少し遠い春。
英国はまだまだ寒く、暖炉の炎はかかせないものでしょう。
でも窓から差し込む陽は暖かさを増し、
窓辺のベンチは心地よい光で溢れています。
ベンチ上、壁面の装飾はおそらくCUOI D'ORO/クオイドーロ。
日本では「金唐革/きんからかわ」という名前で知られています。
ルネサンスの巨匠・サンドロ・ボッティチェリが完成させた壁面装飾の技法です。牛革に特殊な金属箔をつかい、金型をつかって凹凸をつけたこの技法はイタリアを発祥とし、その後ヨーロッパ各地の宮廷や寺院などの壁面を飾ってきました。
そのようなクオイドーロがあるお屋敷は、さぞ立派なものだったに違いありません。
そんなお屋敷の一角。立派な書物をかかえる女性。
ドレスは深みのあるワインレッドのベルベット。
小脇には更に数冊の書物が見えます。
腰かけているベンチはがっしりとした作り。
恐らく英国家具で一番歴史が古い、オーク材でしょう。
修道士がつかっていたというモンクス・ベンチだったかもしれません。
頬の赤みは、暖炉の暖かさのせいか、
それとも、本から得られる心地よい興奮のためでしょうか。
遠くをみつめる柔らかい瞳に、満ちたりた生活が
あるからこその知的好奇心が輝いています。
豊かな安心。暖かさ。ぬくもり。
それは1865年の英国がもつ余裕そのもの。
いつまでも傍に置いて心癒されたくなる、そんな1枚です。
by N
ヨーロッパの定番魔除けアイテム・ホースシュー
世界各国には様々な魔除けアイテムがありますが、
ヨーロッパの定番魔除けアイテムのひとつにホースシュー/馬の蹄鉄があります。
由来のひとつ、聖ダンスタン/St.Dunstanと悪魔の話をご紹介しましょう。
959年、カンタベリー大司教となった聖ダンスタンはもともと鍛冶屋でした。
ある夜、突然訪れた悪魔から、馬の蹄鉄を修理するよう頼まれた際、悪魔の足(鼻孔という説も有)に蹄鉄を打ち付け、痛がる悪魔に、扉にホースシュー/馬の蹄鉄が留められている家には絶対中に入らないという約束をさせた・・・という伝説。
そんなことから、ホースシューは魔を除け、
幸運をもたらすものとして信じられてきました。
上に向ければお金がたまり、下に向ければ災いを防ぐ、というホースシュー。
色々なアイテムに登場しますが、家具のフォルムやモチーフになることもあります。
例えばこちらは1880年代の「ホースシュー・パブチェア」。
背のトップレイルとアームレストがつながって、
上から見るとまるでホースシューのようなフォルムをしています。
パンカーダのサロンチェア
にも、バックスプラットにホースシューがみえます。
丸い小さなドットはきっと釘の穴をイメージしたのでしょう。
幸運をもたらすホースシュー。
貴方のおそばにぜひ置いてみてください。
by N
蒐集の愉しみを感じる松岡美術館
白金にある松岡美術館 に行ってまいりました。
現在『創立40周年記念 特別企画
わたしの好きなシロカネ・アート
あなたが選ぶ、松岡コレクション』が開催中。
実業家松岡清次郎氏が蒐集したコレクション約1800点のなかから、
ベスト100を発表しています。
ナンバーワンはこちら。
ディエゴ・ジャコメッティ 『猫の給仕頭』
彫刻はよくわからないスタッフでも、
単純に「いいね!」スタンプを押したくなるかわいさ (^-^)
絵画、彫刻、仏像など、多岐にわたるコレクションは
蒐集家、その方自身の人となりを表しているようでした。
パンカーダのお客さまにも
その方独自の美の選定基準があるようです。
日本のみならず、世界中から「本当に良いもの」を求める方々に
選ばれるアンティークショップでありたいと思います。
ゆったりと落ち着いた白金らしい雰囲気の中で、
アートを気軽に楽しめる松岡美術館。
自分のお気に入りを見つけに行ってはいかがでしょう。
by T
名画にみるアンティーク:北西航路
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パンカーダ 早春の特別企画
Antiques in the masterpiece
~名画にみるアンティーク~
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ロンドン・テート美術館を訪れたことがある方は、
この絵の前で思わず脚をとめたのではないでしょうか?
「オフィーリア」。
シェイクスピアの戯曲『ハムレット』に登場する悲劇のヒロイン・オフィーリアは
恋人ハムレットに父親を殺されて正気を失い、小川で溺死してしまいます。
その死の劇的な瞬間が、緻密な細部描写によって見る者の心に迫ります。
この作者こそが、ジョン・エヴァレット・ミレイ/John Everett Millais(1829-1896)。
英国ヴィクトリア時代、ラファエル前派を起こした巨匠。
イングランド南部サザンプトンに生まれ、幼いころより優れた画才を発揮します。
わずか11才でロイヤル・アカデミー付属美術学校に入学を許され、やがて19歳で
硬直した英国画壇に反旗を翻すべく仲間たちと「ラファエル前派」を立ち上げました。
肖像画家としても評価が高く、多くの著名人が彼によって描かれています。
歴史家で有名なトーマス・カーライル(1795-1881)なども眼光鋭い姿を
ミレイによって描かれました。
さて、この絵。
タイトルは北西航路/North West Passage。
製作年は1874年。
北西航路とは北米大陸をまわり太平洋に出る危険に満ちた海路で、
多くの探検家がこの海路に挑み、命を落としました。
アームチェアに座るのは、がっしりとしつつも既に年老いた男。
引退した船乗りか海軍の軍人でしょうか。
彼の巨体を支えるアームチェアもまたゆったりと大きく、脚先はボウル&クロウ、
レッグのニーのカーヴィングも見事な品物です。
チッペンデール・スタイルの一級品なのでしょう。
脇に従うのは恐らく彼の娘。
男の手を優しく握り、もうどこにもいかないで、と訴えかけているようです。
男の前の地図が広げられたテーブル。
覆いが掛けてありますが、デスク代わりにもなる
オークのサイドテーブルかもしれません。
傍らの飲み物はきっとホット・ウィスキー・トディ。
お湯で割ったウィスキーにレモンを絞るカクテルです。
温かく香り高いウィスキーを飲みながら、年老いた男が見据えるのは、
繁栄の絶頂にある大英帝国の、
さらに舵取りが難しくなるこれからの航路でしょうか。
巨匠ミレイの手による、1874年の英国を象徴する光景に、
家具もしっかりとその役割を果たしているかのようです。
by N
エスカッチョン/Escutcheonとは
エスカッチョン/Escutcheon(エスカッシャン)とは、「鍵座」ともいい、
鍵穴の周囲につける金物のことを指します。
この言葉は紋章学において紋章が描かれる盾/シールドのような
形を指すこともあります。
盾は戦闘用の武具であるためか、この形は男性だけにふさわしいものと考えられており、自らが所属する家門とその名誉を意味するのに用いられる事もあります。
鍵座としてのエスカッチョンはアンティーク家具では、
ブックケースやキャビネットなど鍵をかける家具に欠かせない存在。
シンプルなこのようなタイプはそのままエスカッチョンと呼び、
プレート状になっているものをエスカッチョンプレートと呼びます。
凝った意匠のものや、取っ手とデザインを揃えたもの、
取っ手と一体になっているものもございます。
様々な意匠が施されたエスカッチョン・プレートはそれだけで素敵なオブジェ。
その家具それぞれにあったエスカッチョンは、
まるで家具の名誉を護っているかのようにもみえます。
アンティーク家具を選ぶ時の、まさに"キー・ポイント"として、いかがでしょうか。
by N
名画にみるアンティーク:カンバセーション・ピース
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パンカーダ 早春の特別企画
Antiques in the masterpiece
~名画にみるアンティーク~
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名画にみるアンティーク、1回目はロンドン生まれの
ジョセフ・ソロモン/Solomon Joseph Solomonをご紹介いたします。
ジョセフ・ソロモンは1860年ロンドンに生まれました。
ロイヤルアカデミー(王立美術院)等に学び、1886年にはthe New English Art Clubを設立。1919年にはRoyal Society of British Artists (王立アーティスト協会)の会長となります。
巧みでドラマティックな画風で宗教画そして神話の世界を得意としましたが、その力量からジョージ5世、メアリー王女、皇太子エドワード(後のエドワード三世)などの肖像画も描き、肖像画家として確固たる地位を築いていました。
さて、この絵。
タイトルは「A Conversation Piece 」。製作年は1884年。
ヴィクトリア時代の後半、描かれている場所は上流階級のパーラー。
1850年代から流行した、たっぷりとクッションをつめたカンバセーション・セティに腰かける男女。手に持っているのはアルバムでしょうか。
その後ろにはレースのカバーをかけたピアノを弾く女性。
夫婦の子供にしては年齢が高く見えます。でも服装は使用人には見えません。
何かの事情で一緒にいる親族でしょうか。
後ろに控える執事は、主人の様子をじっと見守るように立ち尽くしています。
一番奥にはオイルランプを灯すメイドの姿が見え、
プランツスタンドの奥にもひっそりともう一人のメイドが。
実は「カンバセーション・ピース」とは、「家族の肖像」のこと。
18世紀英国で流行した家族の群像画です。
もとは「話の発端」という意味なのですが、ヨーロッパの家では壁に掛かっている家族の肖像が、ゲストが来ると話の糸口になり、それから転じてそういう絵自体がカンバセーション・ピースと呼ばれるようになりました。
手前に敷かれているのは虎の毛皮。
当時の富裕層がこぞってでかけたグランド・ツアーで手に入れたものでしょうか。
左奥にはサザーランドテーブルに置かれたお茶のセット。
どこでも手軽における小ぶりのテーブルは重宝されていたようです。
右手サイドテーブルの上にはフォトフレーム。
このようなタイプは人気の形だったようです。
執事の後ろには荘厳な佇まいをみせるキャビネットが置かれています。
きっと執事が管理するこのようなバーキャビネットだったのでしょう。
全体に暗い色調のなか、中央のピアノを弾く女性がぼんやりと浮き上がり、
画面に奥行を感じさせます。
取り囲む豪華な家具や小物のなかで、
巧みに配された人物の位置は彼らの地位そのもの。
ヴィクトリア時代の英国、ある豊かな家族のひとときを
社会背景も含めて鋭く切り取った一枚です。
by N
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フォトフレームはウェブサイト未掲載です。
詳細はお問い合わせください。
Antiques in the masterpiece ~名画にみるアンティーク~
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パンカーダ 早春の特別企画
Antiques in the masterpiece
~名画にみるアンティーク~
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名画。
確かな技術と、人の心に訴えかける抒情。
長い時を経ても色褪せない輝きをもつもの。
アンティーク家具にも通じるその美は、私たちを魅了してやみません。
今回パンカーダでは、19世紀から20世紀にかけての
英国を中心としたヨーロッパの名画をピックアップ。
作家の背景ををご紹介しつつ、そこに描かれた人々や室内調度品、
そして家具を発見してゆきます。
Delphin Enjolras/1857-1945
絵画に描かれた家具は、写真とはまた異なり、
そこに在ることの意味まで考えられ、配置されていることがほとんど。
どんな家具が、どんなシーンで使われているのか。
そして巨匠の筆先から引き出された家具の美とは。
Jacques Joseph Tissot/1836-1902
名画とアンティーク家具の世界を、どうぞお愉しみに。
by N
記事は以下からご覧ください・・・次々に名画とアンティークをご紹介する予定です。
ジョセフ・ソロモン/Solomon Joseph Solomon
Conversation Piece
1884年
ジョン・エヴァレット・ミレイ/John Everett Millais
北西航路/North West Passage
1874年
ジョン・コルコット・ホーズリー/John Callcott Horsley
居心地の良い場所/Pleasant Courner
1865年
ジェームズ=ジョセフ=ジャック・ティソ
/James-Joseph-Jacques Tissot
Room overlooking the harbor
1876-1878年
ギュスターヴ・カイユボット/Gustave Caillebotte
ベジーク・ゲーム/Game of Bezigue/La Partie de Besique
1880年
ポーラタンカレーのキャンベル夫人
ジョセフ・ソロモン/Solomon Joseph Solomon
1894年
Grandmothe's Birthday
ジョン・ヘンリー・ロリマー/John Henry Lorimer
1893年
A Stirring Conversation
チャールズ・ジョセフ・フレデリック・ソウラクロス
/Charles Joseph Frederic Soulacroix
1896年発刊、「サヴォイ」4月号の表紙
Aubrey Vincent Beardsley
la Lettre/The Letter
Delphin Enjolras/デルフィン・アンジョルラス
Mihaly Munkacsy/ミハーイ・ムンカーチ
1880年頃
George Dunlop Leslie/ジョージ・ダンロップ・レスリー(1835-1921)。
芸術を科学的に?『新印象派』展
寒さ厳しい真冬の空は透き通るような青空です。
上野の東京都美術館で開催中の『新印象派~光と色のドラマ』 展に
行ってまいりました。
印象派の流れを時系列で展示しながら、その技巧の変化をクローズアップしています。
色見本まで並べ、印象派の楽しみ方をまた一つ提示してくれているようです。
斬新なアイデアで、審美眼を持つ王侯貴族を楽しませた画家たちの
たゆまぬ努力を垣間見た気がします。
芸術を追求するあくなき意志はどんな時代も変わらないのですね。
クロード・モネ、カミーユ・ピサロ、マクシミリアン・リュス、
ポール・シニャック、アンリ=エドモン・クロス、アンリ・マティスなど、
印象派の有名画家の作品が並びます。
印象派の色彩表現の変化を丁寧に見直すことのできる展示なので、
ぜひお時間のある方はお立ち寄りください。
by T

































































