東京の高級アンティーク家具店パンカーダのブログ -52ページ目

シャーロット王女のお名前候補だった「アリス」

2015年5月にご誕生されたシャーロット・エリザベス・

ダイアナ・オブ・ケンブリッジ王女。






性別、そして命名をめぐってはブックメーカーによる賭けの対象になり、
多くの英国人が注目し参加する者も多かったそうです。


ご予定日と噂された日から、だいぶご誕生が遅れ、
日本でも何度も報道されました。


この賭け事、日本ではちょっと考えられないせいか、
改めて英国に興味を持った人も多かったのではないでしょうか。





その時、一番人気だったのが「アリス」。



エリザベス女王の夫、フィリップ殿下の母親と同じ名前ということもありましたが、
キャサリン妃が卒業論文において、「不思議の国のアリス」を書いた
ルイス・キャロルが撮影した写真作品を取り上げたせい・・・という噂もありました。





ひょっとして王女様の名前だったかもしれない、「アリス」。


もし命名されていたら、英国ではきっと
「不思議の国のアリス」ブームがおきていたのでは・・?と思います。





by N

200年の歴史・Thurston社

今日は英国の老舗テーブル・メーカー、サーストン社/Thurston & Coをご紹介いたします。




創業者のジョン・サーストン/John Thurstonはかの有名な1695年創業のキャビネットメーカー、Gillow社に勤めていました。そこで高級家具やビリヤードテーブルの作り方を学んだ彼は、1799年にサーストン社を創業。




1832年にはジョージ四世からロイヤルワラントをうけ、王室御用達となりました。その後も、1837年にはヴィクトリア女王より、1911年にはジョージ5世からも御用達をうけています。



19世紀末には各界の有名アーティストとコラボレーションし、特別デザインのビリヤードテーブルを製作しています。


こちらはロイヤルアカデミーのフランク・ウィリアム・ブラングィン。




そしてこちらはウィリアム・モリス。



伝説となっている1901年につくられたレスター・スクエアのショールームは格式高い装飾で彩られ、立派な競技用の会場まであり、多くの競合他社の嫉妬の視線を浴びたそうです。






第二次大戦でダメージをうけたショールームは、多くの努力によって復活しましたが、1960年代には移転。現在はバーミンガムとリバプールにオフィスと工場をもち、英国を中心に世界中にスヌーカーテーブル、ビリヤードテーブル、他多種のゲーム用品を販売しています。



サーストン社のテーブルは日本にはそれほど多くなく、スヌーカー愛好家にとって、「サーストン社のテーブルでプレイできることは光栄なこと」といわれるほど。


そのうちの貴重な1点がパンカーダに。




スヌーカーテーブルの正式なものは巨大(長辺が約3.7m)で、とても一般家庭には入りませんが、テーブルにもなる「スヌーカーダイニングテーブル」は、普段はダイニングテーブルとしてご使用いただけるこぶりなタイプ。



「食後はサーストン社のテーブル でスヌーカーでもいかが?」

・・・そんなおもてなしをしてみたくなる、特別なひと品です。



by N



貴婦人、そして鏡。

貴婦人、そして鏡。



このふたつは昔から絵画のモチーフとして良く使われてきました。

鏡をみつめる貴婦人が美しいからでしょうか。



               Woman before the Mirror

               by Luis Alvarez Catala (1836-1901)



それとも、端正な顔立ちを2方向からみることが出来るから?


               Portrait of CatherineⅡ in front of a mirror

               by Ericksen Virgilius (1722-1782)



画面構成上、奥行きが生まれるから?


               Before the Mirror

               by Thomas Wilmer (1851-1938)

化粧鏡のことを「バニティ・ミラー/Vanity Mirror」といいますが、
「Vanity」の意味は虚栄心、むなしさ、儚さ。



               Before trhe Mirror

               by Pierre Paul Leon Glaize 1873


儚さの上で揺れる女性の美しさを表現するために
鏡を小道具として配置した・・・というのは考えすぎでしょうか。


 

               Memories and Regrets

                by Alfred Stevens c. 1875


そんな鏡を小道具にした絵画のなかで、個人的に最も心奪われるのがこちら。





               Madame de Pompadour at Her Toilette,
               1750-c1760 ,by Francois Boucher


無垢な瞳でこちらを見つめるポンパドゥール夫人のなんと愛らしいこと。
そして、鏡は非情にも背を向けています。
そこに、どれほど美しい顔が写っているのか、見たくてたまらない。
ブーシェにじらされているような気がしてなりません・・・。


さて、パンカーダにも19世紀半ば、フランスの小さなミラー がございます。



果たしていったいどんな貴婦人がその姿を映してきたのでしょうか。


そっと覗きこんでみてください。
そこに映るのは、きっと現代の貴婦人。





150年を超える時の流れに、貴女も参加した瞬間です。


by N






フランスに酔いしれるボルドー展


上野の国立西洋美術館で開催中の

「ボルドー展~美と陶酔の都へ」に行ってまいりました。



ドラクロワの大作『ライオン狩り』も圧巻でしたが、

フランス文化を牽引したボルドーという都に焦点を当てた今回の展示は

展示品もバラエティに富んだ楽しい内容です!


ボルドーを主題として、古代から現代まで文明の発達をたどることができました。


絵画にとどまらない多岐にわたる展示品の中には、アンティーク家具もありました。



パンカーダにもあるウォルナットのアームチェアや

マホガニーのオケージョナルテーブル。。。


キューバ産マホガニーのポリッシュの仕上がりは

アンティーク家具好きの方には必見モノです!

チェアの装飾はパンカーダでもたくさん扱うかわいらしいお花のモチーフ。


「ボルドーの美意識は、パンカーダにある家具も受け継いでいる」と

再確認した展示でした (^∇^)


ボルドー展で美に酔いしれた後は、

「本物のアンティーク家具と暮らす」

ためにパンカーダにお越しください。


by T




ルイス・キャロルと家具

「不思議の国のアリス」作者、ルイス・キャロルは
どんな家具に囲まれていたのでしょうか。


彼が生きていたのは1832年から1898年。


ヴィクトリア女王の治世が1837年から1901年なので、
ほぼ生涯どっぷりとヴィクトリア時代を生きた、といえるでしょう。


経済の発展が成熟に達し、豊かな中流階級がうまれた
大英帝国の絶頂期。





オックスフォード大学のクライスト・チャーチ・カレッジの数学講師をしながら詩や小説を書き、写真家としても活動していたキャロルは「アリス」の成功により名声と富を得ました。


そんななか、彼が使っていたオックスフォード・クライスト・チャーチの書斎はこんな様子でした。



天井から下がっているのはおそらくガス灯。
個室にガス灯があるのは、金銭的に余裕がなければ出来ない事でした。



柔らかな詰め物をした椅子が好きだったのでしょう、
複数のアームチェアがおかれ、ダブルエンドのセティも置かれています。


その合間にはちいさなワインテーブル。天板はどうやら石のようです。




飲み物などを置くのに便利な石の天板のワインテーブル 、パンカーダにもございます。




こちらはツイストレッグの家具と写るルイス・キャロル。





後期ジャコビアンリバイバルのハイバックチェアは、
まさにパンカーダにあるこちらのチェア と瓜二つ!





本当は画家にもなりたかったというキャロル。


彼独自の美意識で、身の回りの家具も揃えていたのではないでしょうか。


英国ヴィクトリアンの繁栄の結晶を名作と共に鑑賞するのはいかがでしょう。


by N

陰影を愛でる・フレットワーク

フレットワーク/fret work とは、Fret Saw/フレットソウ/糸鋸で行う細工のこと。




一般的にはフラットな木などをくり抜いた彫の模様のことを指します。
透かし彫りのことを指すこともあります。





透かし彫りといえば「ピアスドカーヴ/Pierced Carve」 もその意味ですが、
いったいどう違うのでしょうか。


画像と共に比べてみましょう。


彫刻的で立体感がある造形の中で、貫かれて(pierced)いる部分があるものを
「ピアスドカーヴド/Pierced Carved」。




平面的なフレットワークでくり抜かれた部分が透けているものが
「ピアスドフレットワーク/Pierced fret work 」。



同じくフレットワークでくり抜かれた部分が透けていないものが
「ブラインドフレットワーク/Blind fret work」。





このフレットワークは、フレットソウによって行われます。


現代では電動のものが沢山ありますが、
18世紀頃から足踏みの糸鋸機が使われてきました。



フレットワークはマーケットリー(象嵌)にも必要な作業の一環であるため、
このような機械は「The Marquetry Cutter’s Donkey/象嵌職人のロバ」とも呼ばれ、
長く愛されてきたそうです。




心惹かれるものに出逢った時、そのものの由来を知りたくなるのも
アンティーク家具の醍醐味。


職人のこだわりがつまったフレットワークの美しさは
立体的なピアスドカーヴドとはまた違った、
影絵のような凛とした佇まいが魅力。




お傍に置いて、陰影をゆっくりと愛でてみるのはいかがでしょうか。


by N

不思議の国のアリスとアンティーク:ウィリアムとうさんのゲートレッグテーブル

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パンカーダ 7月の特別企画
不思議の国のアリスとアンティーク


「不思議の国のアリス」をアンティーク家具の視点で読み解きます。


~ウィリアムとうさんのゲートレッグテーブル~

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CHAPTER Ⅴ


ADVICE FROM A CATERPILLAR


page66-68


`Repeat, "You are Old, Father William,"' said the Caterpillar.

Alice folded her hands, and began:--
`You are old, Father William,' the young man said,
`And your hair has become very white;
And yet you incessantly stand on your head--
Do you think, at your age, it is right?'

`In my youth,' Father William replied to his son,
`I feared it might injure the brain;
But, now that I'm perfectly sure I have none,
Why, I do it again and again.'
・・・・・・・・・・・・・・


この部分はアリスが芋虫にそらんじる戯詩。




同じ詩句ではじまるロバート・サウジーの教訓詩「老いた男の安楽、それはいかにして得られたか」(The Old Man's Comforts and How He Gained Them)を言おうとしたアリスが、何故かとんでもない詩をよんでしまう、というもの。


もともとの詩は、ウィリアム神父 (Father William) が老いても健康で静かな生活の秘訣を若者から問われて、若いころの慎み深い信仰生活の大切さにあると答えるという内容なのですが・・・





この「ウィリアムとうさん」は、もう壊れる脳もないからと
逆立ち三昧、バック転をこなし、ガチョウを骨まで食べ、
鼻にウナギを立てる(そんな無茶な!)、という超人ぶり。






当時アリスを読んだ子供たちはきっと大笑いし、

大人たちは眉をひそめつつ笑いをこらえる・・・


そんな様子が目に浮かびます。



この詩はナンセンス詩の傑作として評価され、英国では大変人気があるとか。きっとキャロルも、挿絵画家のテニエルも大のお気に入りだったのではないでしょうか。


おひげが立派なジョン・テニエル。



彼がこの詩を気に入った証拠として・・・。


テニエルによる「不思議の国のアリス」の挿絵は全部で41枚。


そのなかのなんと4枚もの挿絵がこの「ウィリアムとうさん」に使われているのです。どこにどんな挿絵を描くか、決してキャロルのいうがままではなく、自分の意見をしっかり主張し、時には文章まで変えさせたというテニエル。


もう絶対、彼はこのシーンを描きたかったのかも・・・ですね。


そんなウィリアムとうさんのバック転のシーン、
背景にはゲートレッグテーブルが。



バック転をしている場所は「in at the door」。
ちょうど家の出入り口のあたりでしょうか。


参考までにこちらは1852-53年作、ディケンスの「荒涼館」の挿絵。
女流階級のエスタが煉瓦職人の家を訪れる様子が描かれています。





ここにも、ゲートレッグテーブル。





このように、当時の人々の暮らしのなかにはゲートレッグテーブルが頻繁に登場します。





そのことから、家の中の家具の代表的なものとして、テニエルはゲートレッグテーブルを描いたのかもしれません。



畳んでコンソールとしておいておき、広げてちょっとした作業や
お茶をするのにぴったりな便利なテーブル。




ぜひ、ひとつ、いかがでしょうか。


ただし、そばでのバック転はおすすめしません・・・。


by N

美しさを永遠に・オニキス

オニキスと言うと漆黒のものを連想する方が多いようですが、
他にもさまざまな色のものがあります。




もともとオニキスの語源はギリシア語の「Onyxis(爪)」で、
古くから魔除けの護符として使われてきました。


そのため、昔からアクセサリーとして加工されたものが多くあります。




ただ、このような美しい石は、やはりインテリアとしても

愛でたいと考えるのが、王侯貴族。


インドなどから遙か海を越えて集められた美しい石は
時計やキャンドルスタンドなどを手始めに
家具、主に天板として利用されました。



オニキスを使った家具の逸品を何点かご紹介しましょう。


英国王室の「ロイヤルトラストコレクション」より

「17世紀の日本の蒔絵パネル」をもとに黒檀とピューター、
ブロンズで形作られたキャビネットにオニキスの天板を乗せたもの。



1826年にパリでジョージ四世のためにフランソワ・ブノワが
購入したものの可能性が高いと言われています





英国ナショナルトラストコレクションより
Penrhyn Castle(ペンリン城)所有のローズウッドとオニキスのベッドサイドテーブル。
1811年頃のもの。




同じく英国ナショナルトラストコレクションより
Mompesson House(モンペッションハウス)所有の
キングウッドとオニキス、オルモルの小さなテーブル。
1800-1900年頃のもの。




このように、19世紀には多くのオニキスの家具が作られました。


共通点は、どれもが細工に凝った逸品であり、

上流階級の持ちものであった、ということ。


特にグリーンオニキスは女性の若さと美しさを

永遠に保ってくれる石ともいわれています。




パンカーダにも、グリーンオニキスの天板をもつ

小さなテーブル がございます。





是非お近くに置いて、その輝きを楽しみつつ、

太古からの歴史を感じてみてはいかがでしょうか。


by N










久が原の隠れ家カフェ続編・自家焙煎珈琲工房カフェ・パブロズ

まだまだあります久が原の隠れ家カフェ。


久が原駅そば、池上線線路沿い。


爽やかな外観が印象的な、センスのよいセレクトショップのような外観は

実は自家焙煎珈琲工房。





白が基調のインテリアは、すっきりとまとまっていて、オーナーのセンスの良さを感じさせます。





お店の名前は「Cafe Pablo's かふぇ・ぱぶろず」。




チェロがお好きなオーナーが、スペインのチェロ演奏家パブロ・カザルスからとった名前とのこと。そんなことを気さくにお話し下さるオーナーとのおしゃべりも愉しめる、まるでセンスの良い友達の家にお邪魔しているような空間です。




今回私がいただいたのは有機ミニトマトジュース。


トマトジュース独特の癖がなく、ストローが立つほど濃厚で、それでいてすっきりと飲めてしまう逸品でした。




今度は必ずこだわりのコーヒーをいただきに参ります!




皆様も、パンカーダ田園調布にいらしたときに、ぜひ脚をのばしてみてください。





Cafe Pablo's かふぇ・ぱぶろず
東京都大田区東嶺町29-14-103
OPEN:10-20時(水・木定休)
TEL:03-6410-9433


by N

不思議の国のアリスとアンティーク:帽子屋のお茶会

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パンカーダ 7月の特別企画
不思議の国のアリスとアンティーク

「不思議の国のアリス」をアンティーク家具の視点で読み解きます。


~帽子屋のお茶会~

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CHAPTER Ⅶ


A MAD TEA PARTY


page98-101

There was a table set out under a tree..........
The Table was a large one,but the three were all crowded together at the corner of it.
...........,and she sat down in a large armchair at one end of the table.


帽子屋のお茶会。





大きなテーブルの片隅にみっちり座っている帽子屋、3月ウサギ、そしてその間で居眠りをしていてすっかり彼らの肘掛クッションとなっているヤマネ。


大きなテーブルなのに、なぜか「場所はないよ!」と叫ばれ、
置いてもいないワインをすすめられるアリス。


このわけのわからないお茶会、メンバーには実は理由があるのです。




英国には昔から「帽子屋のように気が狂っている/

as mad as a hatter」という慣用句があります。


これはフェルトの帽子を作る時に、硝酸第1水銀で獣毛を帽子に接着させたため、その蒸気を吸って帽子屋が水銀中毒になったと言う悲惨な労働環境から生まれたといわれています。



一方で三月ウサギは3月に発情期となる落ち着かないウサギをモチーフに、ヤマネはヴィクトリア時代にペットとしてティーポットのなかで飼うことが流行っていたとか。





このお茶会のシーン、テニエルのイラストではとてもシンプルに描かれています。



でも、例えばお茶とバターパン以外は飲むことも食べることもできないもので溢れている・・・・このクレイジーなお茶会のテーブルはそんな感じでも面白いかもしれません。





もちろんアリスが座った大きな肘掛椅子はショーウッドチェア




帽子屋たちが座っているのはファーマーズハウスチェア





大きなレフェクトリテーブル に、クロスをかけて。




好きなものをつめこんだ、貴方だけの不思議なお茶会、いかがでしょうか?




ぜひ、パンカーダで不思議な物をみつけてください。



by N