リ・メイク版TV放映が好発進の、「宇宙戦艦ヤマト」
その勇壮な主題歌は、何度聴いても気持ちが高鳴ってくる、
まさしく
“神曲” だと改めて感じます。
豪放なホルンの響きで始まる、オープニングイントロ。
流れるように続く、軽快なオーケストラアンサンブル。
その荘厳華麗なオープニングから、♪さらばー地球よー 
と、滑らかに繋がる、ささきいさお氏の高らかな歌声。
この序盤の “つかみ” は見事の一言! 
まっすぐにヤマトの世界へと入って行くのです。

そして私が注目するのが、その次からなのです。
歌のバックに流れる “スキャット”
これが実に秀麗で、この♪あ~~あ~~ があってこそ、
「宇宙戦艦ヤマト」なのです。
宇宙の神秘さ広大さを、見事に表現する美しいスキャット。
さらに、ささきいさお氏の勇壮な歌声と好対照をなす、
神秘的な音色。
この絶妙なコントラストが、宇宙の深みを
より一層醸し出しているのです

大宇宙の漆黒の闇を、一条の光に誘われるように進む
「ヤマト」。 
その勇姿が、美しいスキャットを背景に浮かび
上がってくるのです。

        「宇宙戦艦ヤマト 主題歌」
          作詞:阿久悠 作曲:宮川泰


 ♪さらば地球よー 旅立つ船はー 
  宇宙戦艦 ヤ・マ・ト!
 
  宇宙のかなた イスカンダルへ 運命背負い 今飛び立つ
  あ~~~~~~~あ~~~~~~~ あ~~~~~  あ~~あ~~ 
  必ずここへ 帰って来ると 手をふる人に 笑顔でこたえ
  銀河をはなれ イスカンダルへ はるばる望む
  あ~~~~~~~あ~~~~~~~ あ~~~あ~あ~
  宇宙戦艦 ヤマトー!

 ♪さらば地球よー 愛する人よー 
  宇宙戦艦 ヤ・マ・ト!

  地球をすくう  使命を帯びて 戦う男  燃えるロマン
  あ~~~~~~ あ~~~~~~~あ~~~ あ~~~あ~~ 
  誰かがこれを やらねばならぬ 期待の人が俺たちならば
  銀河をはなれ イスカンダルへ はるばる望む
  あ~~~~~~~あ~~~~~~~ あ~~~あ~あ~
  宇宙戦艦 ヤマトー!
                 ☆

ああ~ やっぱりいつ聴いても素晴らしいです!
さらに今の時代、歳を重ねて心に刺さるのが、
 ♪誰かがこれを やらねばならぬ  
時代を達見した、阿久悠先生の名フレーズです。
そもそも、「宇宙戦艦ヤマト」は幾度もTV放映され、ストーリー
も知れているのに、なぜ今も興味をそそるのだろうか?
私はこれは「忠臣蔵」であり、日本人が好む話し立てにあると
思います。
理不尽な攻撃を仕掛けられ、滅亡寸前の地球。 
その故郷、地球への“忠義”を立て、命をかけて様々な困難に
立ち向かい “祖国再興”を願う姿。

まさに赤穂義士を思わせる、そんな方向性が、最初から明示
されていてブレがない
のが良いのです。(後付けのような“謎”
ばかりが増えていく、近年の人気アニメとは大きく違う
のです。)

さらには震災からの復興を願う、今の社会情勢とも重なり合う
のも非常に大きいといえます。
日本が世界が危機に瀕するごとに、「宇宙戦艦ヤマト」は蘇り、
「誰かが これをやらねば」という機運を盛り立てるのです。

そんな主題歌と並んで有名なのが 「無限に広がる大宇宙」
という、ヤマトの随所で流れる美しいスキャット曲です。(試聴)
ヤマトといえばこのメロディー
 ♪あ~~あ~~あああ  あ~~あ~~あああ  なのです。
(TV版では、次週予告のバックに流れます。)
こうしたスキャットを巧みに活かした「ヤマト」-宮川泰先生の
音楽世界は、その後のアニメ界に多大な影響をもたらしました。

ファンの間では、由起さおりの「夜明けのスキャット」
 ♪る~~~る~るるる~ と双璧を成す、日本の“2大スキャット”
と呼ばれているようです。
時代を経ても、今なお心を奮わせ続ける「宇宙戦艦ヤマト」。
その不朽の主題歌を、ぜひ音楽の教科書に載せてほしいもの
だと願っています。