「千と千尋の神隠し」でお馴染みの名曲

「いつも何度でも」

奥深いメッセージと 美しいメロディーが

溶け合った、まさに ”神曲”だと思います。

人生を俯瞰し、何が大切なのかを達観した

歌詞が 随所に散りばめられています。

  

  ゼロになる身体が 耳を澄ませる

  生きている不思議 死んでいく不思議

  花も風も街も みんな同じ 

  

  悲しみの数を 言い尽くすより

  同じ口びるで そっと歌おう

  

  粉々に砕かれた 鏡の上にも

  新しい景色が 映される

 

  輝くものは  いつもここに

  私の中に  見つけられたから


 この曲は何となく、高い空の向こうから

地上を眺めて歌っているように聴こえませ

んか?

そのはずで この曲は元来、木村 弓さんが

「煙突描きのリン」という作品に寄せて

作られた曲なのです。

その物語とは、

震災で荒廃してしまった街ー 

主人公リンが 街の高い煙突に登って絵を

描いていきます。

そして街を見降ろして「いつも何度でも」

を口ずさみ 人々に希望を与えていく!

そんな気持ちが 詩に込められているのです。

そこから改めて「いつも何度でも」を聴くと

また新鮮な歌の響きが感じられるのではと

思います。  

 

   「いつも何度でも」

 

 ♪呼んでいる 胸のどこか奥で

  いつも心躍る 夢を見たい

  悲しみは 数えきれないけれど

  その向こうできっと あなたに会える

   繰り返す過ちの そのたび人は

   ただ青い空の 青さを知る

   果てしなく 道は続いて見えるけれど

   この両手は 光を抱ける

 

 ♪さよならのときの 静かな胸

  ゼロになる身体が 耳を澄ませる

  生きている不思議 死んでいく不思議

  花も風も街も みんな同じ

      ララ ランランラン ランララララ

      ランランラン ランララララ

    ランランララ ランラララ ランラララララ 

          ホホ ホッホッホ ホッホホホホ

    ルンルンルン ルホホホホホ

    ル ルルルルルールールル ルールールルル

 

 ♪呼んでいる 胸のどこか奥で

  いつも何度でも 夢を描こう

  悲しみの数を 言い尽くすより

  同じくちびるで そっと歌おう

   閉じていく思い出の その中にいつも

   忘れたくない ささやきを聴く

   粉々に砕かれた 鏡の上にも

   新しい景色が 映される

 

 ♪はじまりの朝の 静かな窓

  ゼロになる身体 充たされてゆけ

  海の彼方には もう探さない

  輝くものは いつもここに

  私の中に 見つけられたから

    ララ ランランラン ランララララ

      ランランラン ランララララ

    ランランララ ランラララ ランラララララ 

          ホホ ホッホッホ ホッホホホホ

    ルンルンルン ルホホホホホ

    ル ルルルルルールールル ルールールルル

 

*イラストレーター komatomenkoさんの絵をお借りしました

            ☆

 

「煙突描きのリン」の企画は、残念ながら当時の

時代性にそぐわないなどの理由から実現しません

でした。

けれど、様々な危機が叫ばれている現在にこそ、

「煙突描きのリン」は そこに希望を与えられる

作品になるのではと感じます。

「いつも何度でも」の前向きなメッセージが、

天の声みたいに 苦境にある人々に届いていくー

そんな場面を想像すると 素晴らしい作品になると

思います。

「煙突描きのリン」が この時代に再始動される

ことを待ち望んでいます。

 

 ☆ダズビーさんの 味わいある歌声もお勧めです