ヘルワーンの蝋人形館
地下鉄の終点、
ヘルワーンというところに蝋人形博物館がある。
終点手前のアイン・ヘルワーンという駅で降り、
人通りの少ない大きな道路をヘルワーン方面に向かって、
5分ほど歩くと右側に入り口が見えてきた。
入場料2ポンド(約40円)を払い敷地内に入ると、
客は私たちの他には誰もいないようだった。
博物館は敷地の一番奥にあった。
受付のようなものがあるのだろうと思ったが、
一歩足を踏み入れると、いきなり展示スペースだった。
館内には、古代から現代までのエジプトの生活が
テーマごとに展示されていた。
全然リアルじゃないのが、かえって不気味な蝋人形たちは、
ものの10分もあれば見終わってしまうほど少なかった。
いや、コンパクトにまとまっていた。
まもなく見終わろうとする時、
入り口にいた警官がやってきた。
写真を撮っていたのを咎められるのかと思いビクビクしていたが、
どうやら違ったようで、おもむろに展示の説明を始めだした。
しかし、この警官。熱心に説明してくれるのは良いのだが、
アラビア語しかしゃべれないので、全然わからない。
すべての展示の解説をしたそうだったが、
丁重にお断りし、出口へ向かった。
案の定。バクシーシをせがまれた。
説明はともかく、写真代としていくらか渡した。
私たちが帰る頃になっても、
誰も訪れる人はいないようであった。
一体一日に何人がやってくるのだろう。(yo)
廻る廻るスーフィーダンス2
ショーは10分遅れで始まった。
打楽器と笛、それから土産物屋で売っていた
あの弦楽器の音にのせて、歌い手が歌いはじめると、
いよいよ巨大なスカートのようなものを身に着けた男が登場。
廻りながら舞台の中央まで行くと、
男はそのまま延々と廻りつづけた。
休むことなくぐるぐると。
10分。
20分。
途中、何枚か重ねてあるスカートを
一枚また一枚と脱いでいく間も、ぐるぐる。ぐるぐる。
普通ならとっくに目が廻っていそうなものだが、
全然平気なようで、ぐるぐる。ぐるぐる。
そのまま約30分間、男は廻り続けた。
これで、ショーは終わりかと思いきや、
今度はスカートをはいた男が2人出てきた。
シングルぐるの次は、
ダブルぐるぐるだった。
やっぱり、
10分。
20分。
ほっとけばいつまででも廻っていそうだ。
タンヌーラと呼ばれるこの踊りは、もともと宗教的なもので、
廻ることで神と一体になることができると考えられているらしい。
確かに、廻りながら男は何やら祈りのようなものを口にしている様子だった。
何枚も重ねたスカートやその模様の意味などは分からないが、
長時間廻り続けるのには相当な精神力が必要だろう。
並みの人には不可能だ。
ショーはたっぷり、1時間30分程あった。
旋舞もさることながら、演奏もすばらしい。
これだけの内容で無料とはエジプト政府も太っ腹である。
ユリもすごく満足している様子だった。
帰りはタクシーで帰ることにしたが、
相変わらず結構吹っかけてくるドライバーばかりだった。
やはり、観光客だからなぁ。
と思っていると、エジプト人客も乗車拒否されていた。
タクシードライバーは誰に対しても強気らしい。
大体5ポンド位だろうと思い、
タクシーが停まるたびに交渉するのだが、
その値段で行ってくれるタクシーは皆無。
この際、高くても良いかと思っていると、
一台のタクシーがやってきてドアが開いた。
先ほど断られたタクシーだった。
「乗れ」という。
5ポンドで宿周辺まで行ってくれるらしい。
見ると、後部座席は一杯で、
助手席に無理やり2人座ることになった。
窮屈な思いをしている私たちをよそに、
タクシーは夜のカイロを颯爽と駆け抜けた。
運転手は笑っていた。(yo)
廻る廻るスーフィーダンス1
ガーマ・ムハンマド・アリを駆け足で回った後、
私たちはハンハリーリへ向かった。
さすがに歩いて行ける距離ではないので、
タクシーを使う。
何台かに声を掛けて、7ポンド(約140円)と
一番安かった車に乗り込んだ。
タクシーは車線変更を繰り返し、他の車を次々と抜いていく。
他の車も同様に別の車を抜いていく。
その模様はまるで、映画のワンシーンのようだった。
日常的にカーチェイスが行われていた。
これでよく事故がおこらないものだ。
感心している間にハンハリーリに着いた。
夕方のハンハリーリは観光客で賑わっていた。
私たちの目当ては、8時30分から開催される
無料のスーフィーダンスショーだった。
それまで時間を潰さなければならない。
定価販売の店があるというので、
とりあえず、そこへ向かうことにした。
それにしても、さすがにスゴイ数の土産物屋が並んでいる。
客引きの呼び込みもハンパではない。
カフェの客引きに見せられたメニューには、
コーラ10ポンドと書かれていた。
いつもの5倍だった。
いちいち相手にしていたら、まともに歩けないので、
無視することにした。
目指す店「JORDI」は細い路地を入って、
階段を上がった一番奥にあった。
狭い店内は欧米人観光客で一杯だった。
他の店にはちっとも客が入っていないのに「JORDI」は別格だった。
店内の品物にはすべて値札が付いていた。
必ずしも質が良いものばかりではなかったが、
やはり安心して買い物できるというのが人気を呼ぶのだろう。
エジプトの土産物屋ははじめの言い値が半端なく高く、
ウインドウショッピングもままならないので、本当に疲れる。
このような店は観光客にとってはありがたい。
他の店もちょっとは見習ったら良いのではないだろうか。
「JORDI」を後にすると、他に特にすることもないので、
スーフィーダンスの会場に向かった。
開始1時間ほど前で客としては一番乗り。
舞台ではまだ稽古中の様子だった。
開始時刻が近づくにつれ、続々と人が集まってくる。
観光客も多いが、エジプトの人も結構、見に来ているようだった。
つづく(yo)
回る回るイスラム地区
炎天下の中、へとへとになりながら辿り着いたのは、
イスラム地区のシタデルにあるガーマ・ムハンマド・アリ。
こんなことならタクシーを使えば良かったと、
今更ながら後悔した。
はじめは簡単にバスに乗れると思っていた。
地下鉄イッ・サイイダ・ゼーナブ駅を降り、
モスク行きのバスはないかと、バスターミナルのおじさんに尋ねると、
手の平にバスの番号を書いてくれた。
だが、教えてもらったバス乗り場に向かうも、
モスク行きのバスはなかなかやってこない。
同じようにバスを待っているエジプト人のおじさんたちが、
バスが来るたびに、「これではない。これではない。」
と親切に教えてくれるのだが、おじさんごとに言うことが違い、
中にはバスが通り過ぎてから、「あれだ。」(遅いよ!)
と言う人もいたりして、ちっともバスに乗れず。
ようやく乗ったバスには半分くらい進んだところで降ろされ、
そこから歩くことになったのだが、気づいたらモスクと逆方向を歩いてた。
気を取り直して、なんとかシタデルまでたどりつけたが、
シタデルの入り口は南側にあるため、
西側からやってきた私たちが中に入るためには、
ぐるっと回らなければならなかった。
モスクはすぐそこに見えているのに。。。
結局、入り口に着いたのは、出発してから3時間後だった。
しかし、なんだか様子がおかしい。
帰る人は多いけど、向かう人の姿が無い。
まさか。
さっそく、チケット売り場へ駆け込んだ。
「クローズド」という返事が返ってきた。
「オーマイガッ」である。
シタデル入り口に着いたのは4時20分。
開館時間は5時までだから、まだ間に合うはずなのに!
暑い中を延々と歩いた。暑さに耐えながらも、よく歩いた。
苦労してたどりついたシタデルなのに。
それなのに、無常にもクローズド。
あんまりだ。
この3時間は一体なんだったのだろう。
疲労と脱力感から入り口前でぐったりしていると、
同じようにやってきた欧米人が入り口に入っていくのが見えた。
ああ、彼らも「クローズド」の一言に、
がっかりしながら戻ってくるんだろうな。と、様子を伺っていると、
どういうわけか、入り口を通過して中に入っていった。
?なんだ?入っているではないか!
あわてて私たちも再びチケット売り場へ。
すると、さっきはかたくなに「クローズド」の一点張りだった係員たちが、
欧米人を入れたことに対して、バツが悪そうにしながら、
「オンリー、ムハンマドアリ」という条件で入れてくれることになった。
欧米人がどのような手段を使ったのかわからないが、良かった!
というか我々が舐められていたのだろうか。
いづれにせよ、苦労して長い道のりを歩いてきたことが報われた。
巨大なモスクを眺めながら、とりあえず、ホッとした。(yo)
巨大なガーマ・ムハンマド・アリ。入場料40ポンド(約800円)
コシャリの王様
カイロにはアブーターリクというコシャリ屋がある。
ガイドブックにも、
「コシャリの名店で、地元の人にも人気でいつも混んでいる。」
と書いてある。
店の前を通ると噂どおり人で溢れかえっていた。
店内はイートインの客で一杯だが、
テイクアウェイの客もそれにもまして多い。
たくさんの客をさばくことに慣れているのか、
他の店と違って、従業員もテキパキしており、
注文してから出てくるまで10秒もかからなかった。
さすが、名店。早さもピカイチ。
一切、無駄が無い。
形の違うパスタ数種類とご飯に揚げタマネギや豆などをトッピングし、
トマトソースをかけて食べるコシャリは、
安い上においしいので、これまで何度となくお世話になってきた。
1日1回は食べていたかも知れない。
街にはあちこちにスタンドがあり、
店ごとに微妙に違う味を楽しむことができる。
しかし、基本は大体同じなので、
どの店もそんなに大差ないというのが正直な感想だった。
ところが、このアブーターリクのコシャリを口にした瞬間。
今までの価値観が変わった。
なんというか、今まで食べてきたコシャリは、
一体なんだったのだろうと言う位、美味しい。
私は幸か不幸か、はじめてカイロに訪れたときは、
この店で食べる機会に巡り合わなかった。
もし、はじめて食べたコシャリがアブーターリクのものだったら、
その後に食べたどんなコシャリも味気なく感じただろう。
ここのコシャリを食べた後は、
もう他の店では食べられないとさえ思わせる程、絶品だった。
それほどコシャリ好きではなかったユリも
美味しい、美味しいと喜んで食べていた。
味、そして早さ、ともに申し分ないアブーターリクは、
私たちの間で、キング・オブ・コシャリに輝いた。(yo)
コシャリのサイズは3ポンド(約60円)、5ポンド(約100円)、7ポンド(約140円)がある。
写真は一番小さい3ポンド。それでも結構なボリューム。(激辛チリソース付き)








