オバマ大統領就任 演説に思う
ようやく全文を読んで、聴いたので感想を。
大向こうを呻らせる所謂「名演説」が出るかどうか確かに期待したのは事実。一般の評価は「いい演説だが名演説ではない」ようなのだが、自分の評価は少し違う。じわじわの格調の高さとかヴィジョンの高さがしみこむような味わいのあるすばらしい演説だった、というのが自分の評価。何年か、何十年かたってアメリカが再生できて世界がまとまりのある格調高さを得たときに、「そういえばあの演説がターニングポイントだったな」と認識できるような歴史に残る演説になる可能性がある、と高く評価している。
口の悪い人の中には「道徳の時間のよう」という人もいたようだが、今アメリカが(そして日本も)一番欠けているのが「徳目」だと思うので、むしろそこにしっかりスポットを当てた点、さらにいえば貧困や宗教対立に客観的で広い視野からコメントしていた点など、その「道徳の時間」ゆえのすばらしさがあったと思う。
アフロアメリカンのオバマが「かつて過酷な差別のあった国でも自分は大統領になれた。だから対立を全面的に解消することは難しくても、徐々に解消していくことは不可能ではない」というヴィジョンを掲げているのは本当に説得力がある。真面目な話、今の彼は世界の希望、という位置づけだと思うのでクリーンなまま8年間存分に腕をふるって欲しい。すぐに「日本との関係は」とか「経済1位と2位の国が手を携えて」などとピント大はずれのコメントが出ているので本当に苛立たしいのだが、正直日本はもうどうでもいいので世界レベルで正しい解に導かれればもう自分はそれでいい。
東京で蕎麦を喰らう
月曜日は某研究助成の採択面接で麹町へ。面接は30分だったが盛り上がらず、さらに1名からは結構しつこく絡まれ消沈。多分ダメだなぁ。あの助成は使いやすいのでよかったのだが。成果も第1期に十分だせたので期待はしていたのだが、やっぱり評価委員のキャラクターにも依る、ということで実感。
面接前に腹ごなしで、「吉田」という蕎麦屋さんへ。蕎麦屋と割烹の合間のような店かな。天婦羅がおいしそうだったので(カウンターだし目の前で揚げているし)食べたかったが、面接前に重いものは胃に負担がかかるし頭の回転が落ちそうだったので鴨南ばんにした。高い、1680円。味はまぁ美味。値段を考えなければ。今度(があれば)天せいろとかにしてみようかな。結局面接の感じからすると天婦羅系にしても変わりなかったし・・・。
カージナルズ(勝っちゃった)
願望は抱いていたが、期待はしていなかったカージナルズ。しかしワーナーには何か神の加護が(本人も言うように)あるのか、何かに導かれるように劇的勝利でスーパーボウルへ。ここまでの快進撃は全く予想外。やはり人間的にすばらしく、目立たぬ善行を重ねる人には幸運がついているんだなぁ、と実感。
相手はピッツバーグ。何度も同じことを言うが(そしてはずすのだが)、これはスティーラーズが相当に有利では?TD2本くらいの差はありそう。ピッツバーグも好きなチームなので、個人的には2月2日が非常に楽しみ。これがボルチモアとフィラデルフィアなんていうカードだった目も当てられない。
去年はNEで楽しませてもらったが、今年はまさかこういうことになるとは・・・。今から待ち遠しい。
「帰郷者」(シュリンク)
変わった角度からの評論なので、おかしいかもしれないが、非常に「音楽」を感じる作品だった。「音楽」と言っても旋律ではなく、むしろ楽理(楽典)か。テーマ(旋律)はシュリンクが頻繁に(というかいつも)取り組む、「ドイツとドイツ人の戦争責任」なわけだが、構成が非常に音楽的で、フーガのようでもあり、変奏曲のように反行・逆行などのテクニックを使っているような部分もあり、でバッハのフーガや、ラフマニノフの「パガニーニラプソディー」などを聴いているような感じ。
旋律のほうは法学者らしく、実存主義やら脱構築やらのアプローチによる法と正義に関する解釈が開陳されるのでそこの部分は理解が遅れがち。面白かったが、ところどころにシュリンクの弱さ、というか大きく話を広げておきながら、そういう第X主題の処理が疎かになったりしている部分も散見される(そういう意味ではマーラー的なのかも)。なので文句なしの大傑作、という感じでもないのだが、言葉にはしにくい魅力のある作品をずっとシュリンクは提供しているな、とは思う。ちょっとくすんだトーンというか、フランス映画のような不条理性、というか。あんまりドイツ的ではないかも。もっともドイツ的を極限まで推進した結果の1つがナチだ、ということもありうるので意識的にそれを避けているのかもしれない。次回作はドイツ赤軍をテーマにしているらしいので今から楽しみ。
この後は鷲田清一の「京都の平熱」。これは正直ちょっと・・、という出来。所々に興味深いエピソードが挿入されるのだが、書き下しにも関わらずそういうエピソードの使いまわしが章の間で頻繁に行われているし、いまひとつ素材(執筆する対象、というのか)に品がないのがイヤ。臨床哲学って社会学と何が違うの?という素朴な疑問が・・・。あと、エッセイ風なのにまとまりがなく書き散らした感があるのも欠点。オススメはしない。
今はハンナ・アーレントの遺稿集(責任と判断、だったか)とメジャーリーグの本を平行で読んでいる。
監督は辛いよ
日曜は試験監督で動員。毎年、センターか2次かどちらかに動員される。
監督は正直大変。試験中は筆記具をもてないので、試験問題を解くわけにもいかない(ということで暗算することになる。去年の2次の数学の逆行列を求めて漸化式をたてるところを暗算でやるのは大変だった。英語とかのほうがラクだが、簡単なのですぐ終わっちゃうのが難。)。1時間づつの苦行に耐えることに。とはいえヒマなので監督しながら、研究計画を練ったり、暗算で問題を解いたり。
受験生も大変だと思うが(理科3科目受ける人もいるんだね)、こっちも大変な一日だった。
大学オケ演奏会(感想)
一言で言えば「燃焼しきれない」演奏会だった。以下、個別に
「ジプシー男爵」序曲
全く期待していなかった(土台、日本人がウィンナーワルツをちゃんとやるのは無理)のだが、意外とそのワルツの部分がすばらしかった、ということに驚き。音が綺麗で、音質が軽く、指揮の阪哲朗とも親和性がいいのか予想を遥かに上回る演奏。阪は年末にフォルクスオーパーで「こうもり」を振らせてもらっただけに、かなりウィンナーワルツは自家薬籠中のものにしている感想。演奏面での問題は出だしの「濃ゆい」ところが全然土臭くないところ。あれ、うちのオケらしくないなぁ、と思い一抹の不安も・・・。それがブラ2で的中することになる。
「ラ・ヴァルス」
21年前にやったが当時は名演、と評価された。思いいれもたくさんある曲なのでしっかりやってほしかったのだが、どうも音色の引き出しが少なく、一本調子な印象。ところどころにとてもいいところもあるのだが、ダイナミックレンジが狭く、ツボでバチっとまとまる感覚がないので、最後の一押しが物足らない。OBなので辛口にはなるのだが、低弦が奮闘している一方、Vnが淡白すぎ、弓も使い切れていない(これはブラ2でさらに深刻に)のでそこも物足らない。70点くらいの演奏。
「ブラ2」
これは正直ダメだった。1曲目で抱いた不安は的中し、重い音が出せない。終始軽めでサラサラと流れてしまう。おまけにFlの1番は音が全く通らず、Obは1番と2番の音程がかみ合わない上に修正能力にも問題があって3楽章冒頭のパターンを2回とも音程が全く合わない、という失態。低弦はここでも非常に良かった一方、VnとVaはアンサンブルを固めきれずに(3楽章など何百回と練習したはずだし、寝ててもアンサンブルをあわせられるようにアタマに叩き込まれたまずなのに)崩れてしまう。ダイナミックレンジの狭さ・音色の単調さもあって、4楽章のコーダで得られるはずのカタルシスが全くないまま終了。
終演後、友人と呑みながら評論会。OBの意見はだいたい同じで概して辛め。実はアンコールのハンガリアンダンスの6番が音楽的に一番生き生きして表現力があってよかった(演出でダマされているわけではない。演出は面白かったが、あれだけできるなら直球で勝負してもよかったか。)。ということで、5回行くと2回くらい満足できる演奏に出会える、という感じかな。来年のメンバー構成を考えるとVnに非常に不安を覚えるOBであった。アルペンのときのコンマス、まだ弾いていたので復帰してくれないか?
大学オケ演奏会(予告編)
新年早々、もう論文を1本editorにrejectされ(去年からこればっか。目標が高すぎる?とも思えないのだが。教授からも慰められることしきり)、「あ~、年が変わってもこれかよ~。やる気でな~い」と開き直り気味の私。気分は日馬富士ってところだ。ま、日々研究を楽しんで過ごしますよ。いいテーマに関するアイディアも固まってきたし、いい学生を中国から採用できそうだし(打てない日本人選手をリストラして外人選手に頼る球団みたいだが)。
今日はちょっと早帰りして、大学時代に青春を(無駄に?)投入したオケの演奏会に行く。曲目は「ジプシー男爵」序曲、「ラ・ヴァルス」、ブラ2。前半はワルツ、後半はロマン派。割ときれいなプログラムでは?このうち、ラ・ヴァルスは1回生のとき、ブラ2は2回生のときにやった。いやぁ、大変だった。練習キツくて・・・。これ以上は書けないけど(爆笑)。ブラ2はしばらくトラウマになってCDでも演奏会でも聴くとあの当時の辛さがフラッシュバックして苦しくなるくらいだった(PSD?)。クライバーのDVDを見て苦しくなったのが最後で、それで治った感じ。それが数年前で今は大丈夫。むしろ聴き たい!と思うようになった。今日は楽しんでくる。
アルザス(一乗寺)再訪
先週末は正月からの和食続きからの脱却を図るべく、「アルザス」(一乗寺)へ。
ここは本当に名店で料理はうまいし安いし文句の付け所がない。あ、1つだけ。禁煙にしてほしいのだが・・・。食事を終えるころに入店した6人組のうちの1人がいきなり喫煙・・。食事の前にタバコを吸うヤツにグルメを語ってほしくないのだが。
それはともかく
ベックオフ(メニューに無かったがお願いして作ってもらった)
ブルーチーズのサラダ
鴨のコンフィ
エスカルゴ
を家人と完食。ワインはトゥルクハイムのリースリングを頼んだが、リースリングとは思えないふくよかな味わいで満足。パンは最高においしい(これは日本ではなかなか探せない味)。食後にマールも飲んでこれで1人6000円は御得では。
備忘録として
「たまねぎの皮をむきながら」(ギュンター=グラス)
SSに少年兵として所属していたことを告白したことで随分と話題になり、そして批判されたグラスの書。読後感は、自分としてはまったく悪くなかった。むしろ自分が死を前にして(特に病気とかではないだろうが、年齢的にはいつ死を迎えてもおかしくない)、すべてを告白しよう、という勇敢さのほうが好印象。よくいうが、人間は過ちを犯す生き物であって、過ちのあとにどう生きるかが重要。もちろん酷すぎて取り戻せない過ちをしない知性も必要だが。グラスのほかの作品もいろいろ読んでみたい、という気にさせる本。
「ヨーロッパの都市はなぜ美しいのか」(佐野敬彦)
主にイタリアの諸都市の広場・噴水・彫刻や教会美術、パリの町並みを対象とした評論。初学者に優しい本だった。名著かどうかは微妙だが、楽しく読める本。
次に読んでいるのが「帰郷者」。ベルンハルト・シュリンクの最新刊で心待ちにしていた一冊。
帝京散る
早稲田に勝因はなく、あるのは帝京の敗因のみ、という印象。本紙予想に関して述べれば、「20点取ったほうが勝ち」という部分では的中した。願望は実現せず。
相田さんのレフリングは非常に公平で、しばしば見逃されがちだった早稲田のスローフォワードを含めて公平に反則を取っていたので、帝京の自滅感はさらに強まる。前半のツイの反則は明らかに不要。反則でトライを取られることを避けられるかも、というプラス要素と、10分間に失点し、さらに10人で戦う分得点力が落ちる、というマイナス要素を天秤にかけると、あの決勝に関しては故意の反則は避けるべきだった。後半の平原のはまぁ仕方ない。痛いのは痛いが・・。帝京は(そして東海も)、大一番で平常心でプレーできなかった。一方早稲田はできた。この差か。早稲田の勝因をあえて探すなら、対抗戦からメンバーを入れ替え、戦術を変更したことか。うまく相手の目先を交せたか、と思う。
来年は3連覇のかかる早稲田。キーはFWの再建か。滝沢・山下・橋本・豊田、と大駒が抜けるのでうまく再建できるかがカギ。来年の核は有田か。BKは長尾以外は全員残るし、長尾の穴には田邉を入れ、FBに本紙が3年前から注目してきた大器・井口をいれればいいのでこちらはかなり安心か。対抗は帝京・東海の雪辱組。明治・関東の復活も期待したい。慶應もどこまで力を伸ばせるか?来年も混戦になると思われ、楽しみだ。
最後なので言わせてもらうと、これで早稲田主将をテレビで見ないですむのでせぃせぃした(日本選手権は見ないので)。あのトライ後の相手を侮辱した態度は何だ。紳士たれ、とはいわないが、せめて普通のマトモな22歳になってもらいたい。主将指名が英断だ、とA新聞ではかかれていたが(おそらく記者は早稲田出身。普段から早稲田贔屓の記事が目に余る。)、どこが英断か、と。