3/3(日)京博「名品ギャラリー」 | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

2023年12月現在の国宝の総数1,137件。そのうち、美術工芸品906件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。


のあと、向かったのは京都国立博物館 


です。
現在、京博では特別展は開かれてはいませんが、「名品ギャラリー」でいくつかの国宝が展示されているので、訪問しました(^_^)/


とは、ほとんど入れ替わっています。


・国宝 崇福寺塔心礎納置品 崇福寺跡出土【〜3/17】
・国宝 金銅藤原道長経筒  金峯山経塚出土【〜3/17】
・国宝 大和国金峯山経塚出土品より
金銅経箱 台付 2合のうち
・国宝 太刀 銘正恒 【〜3/24】

の、4件が展示中です。

では、レポートします。



まずは、3階に展示されている国宝から……

・国宝 崇福寺塔心礎納置品 崇福寺跡出土【〜3/17】

こちらは、前回詳しくレポート しているので、そちらをご覧ください。




・国宝 金銅藤原道長経筒  金峯山経塚出土【〜3/17】

金峯神社所有の国宝。平安時代 寛弘4年(1007年)の作。

こちらは、何度かレポートしてますね。
京博に寄託され、金工のため展示の制限があまり無いので、頻繁に貸し出しもされており、目にする機会が多い国宝です。

「此の世をば 我が夜とも思う望月の 欠けたることも無しと思えば」

で有名な、平安時代に摂関政治で思いのままに権勢を振るった、藤原道長 


(ふじわらのみちなが)ゆかりの作品です。

大河ドラマ「光る君へ」は、道長 紫式部 


の物語ですね~

道長が42歳の時、吉野の金峰山(きんぷせん)へ参詣した際、土中に埋めた「経筒(きょうづつ)」です。
国宝 御堂関白記にも、その記述があります 


"経筒"とは、お経を収める円筒形の容器で、茶筒型をしています。今は、緑青で当時の輝きは失われていますが、全面に鍍金が施されたゴージャスなもの。日本最古の経筒になります。

被せ蓋の周囲には「南妙法蓮華経」を表した梵字が彫られています。
胴の周囲にも、24行521文字でお経を埋めた経緯を彫っています。
奉納した日付「寛弘四年八月十一日」の横には「大日本国左大臣二位藤原朝臣道長」の文字がハッキリと見えます。

独立展示ケースで、展示されているので、360°グルっと回りながら見てください。刻字のよく見える位置を探してみてねー




・国宝 大和国金峯山経塚出土品より
金銅経箱 台付 2合のうち

金峯山寺所有の国宝。平安時代後期(11〜12世紀)の作。

先の国宝 藤原道長経筒と同じ場所から出土しています。藤原道長のひ孫、藤原師通(もろみち)が奉納したものと、考えられています。(師道の日記、国宝の後二条殿記はこちら )

台付きの経箱(お経を入れる箱)で、全面に鍍金が施された豪華なもの。
"鷺脚台付"の名のとおり、12cmほどの長めの足が付いた台に、乗っています。"鷺(さぎ)"のように細く長い足を持つことから「鷺脚」の名が付いています。
経箱本体は、長さ33✕幅17✕高さ12cmほどの直方体。角を角入りとしていて、合口の蓋には覆輪を付けています。蓋は緩く甲盛りで、全体に模様など装飾は施されず、シンプルなものです。
緑青の発錆はあるものの、製作当時は、ゴールドに輝いていたことでしょう。


1階に降ります。



・国宝 太刀 銘正恒 【〜3/24】

文化庁所有の国宝。平安〜鎌倉時代(12〜13世紀)の作。

国宝指定名称は「太刀 銘 正恒(まさつね)」。実はややこしい事に、全く同名の「太刀 銘 正恒」があり、2振りとも文化庁が保有しています。
だから、どっちの「太刀 銘 正恒」を見たのか?ハッキリさせておく必要があります。
見極める方法はいくつかあるのでしょうが、素人目にもわかりやすいのは、目釘孔の数ですね。東博に寄託されている「太刀 銘 正恒(まさつね) 


」は、目釘孔が4つ。(うち2つは埋められている)
今回展示の京博に寄託されている「太刀 銘 正恒」は目釘孔1つです。

前置きが長くなりましたが、レポートします。

正恒(まさつね)は、古備前の中で、友成と並ぶ代表的な刀工です。
よく磨かれていて、銀色に輝いていますよ(^o^)
刃文は一見すると、まっすぐに出る"直刃(すぐは)"ですが、良く見ると小さく乱れています。"小丁字交じり"というヤツです。
反りは大きくはありません。
五三の桐が刻まれた"鎺(はばき)"が付いています。

太刀なので、刃を下にして展示されるのが通常なのですが、今回、展示されていた刀剣は、すべて刃を上にしていました。地震対策だそうです。


以上です。

次回は"刀剣"を見に行きます(^_^)/~~