訪日外国人旅行者数が、年初から10月までに2千万人を超えました。昨年は年間で1,973万人でしたので、既に10か月で昨年を超えたことになります。
3年前の平成25年は訪日外国人旅行者が1,036万人でしたので、3年で倍増したことになり、物凄い勢いで増えていることになります。
国や自治体では、外国人旅行者を増やして経済の活性化につなげようとしており、訪日外国人旅行者への対応やプロモーションなどを強化しています。
最近は訪日外国人旅行者に関するニュースを目にすることが多くなりましたので、どのくらいの人数が旅行客として来ているのかを知っている人は多いと思います。一方で、日本の国内旅行者数がどのくらいなのかを知っている人はあまりいないのではないでしょうか。
実は私も、国内旅行者数は全く知りませんでした。そこで、国内旅行者数がどのくらいなのかを調べてみました。
下のグラフは、過去3年の国内旅行者数(日帰りを含む)と外国人旅行者数の推移です。
資料出所:観光庁、JTB
グラフを見て分かるように、外国人旅行者と比べて国内旅行者数は横這いですが、昨年(平成27年)は2億9,030万人と国内旅行者数は圧倒的に多くなっています。外国人旅行者数は急増していますが、国内旅行者数は外国人旅行者数の約15倍となっています。
次に、旅行の消費額について見てみましょう。
資料出所:観光庁、JTB
平成27年は、外国人旅行消費額は3兆4,771億円で国内旅行消費額は9兆7,800億円と、国内旅行消費額が外国人旅行消費額の約3倍となっています。
これは、外国人旅行者の方が国内旅行者よりも宿泊数が多いことが影響しています。外国人旅行者の平均宿泊数は約10泊ですが、国内旅行者は平均2.4泊で更に日帰り客もいます。従って、国内旅行者数は外国人旅行者数の約15倍ですが、消費額では3倍ほどになります。もしかすると、1日当たりの消費額では、国内旅行者と外国人旅行者の差はあまりないのではと思います。
訪日外国人旅行者数は、ここ数年急激に増えていることから、外国人旅行客をどれだけ取り込めるかに話題が集中しています。しかし、上記のように市場規模では国内旅行の方が数倍も大きいので、外国人旅行客ばかりではなく国内旅行客をどう取り込むかという視点が必要ではないでしょうか。
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