元財務官僚で経済学者の高橋洋一氏が、円安でも輸出が伸びない理由を述べていましたので紹介します。

 

円安でも輸出が伸びない理由 5年間の円高放置の罪は重い

 

円安になっても輸出が伸びていない要因の一つとして、製造拠点の海外移転を挙げています。そして海外移転は円高になると起こるということです。

 

海外直接投資と円ドルレートの相関関係から、1円の円高になると毎月100億円の海外直接投資につながるようです。1ドル80円と現在より30円も円高である時期は、年間で36千億円も海外直接投資を誘発していたことになります。


投資をして海外に製造拠点を移転すると、円安になったからといってすぐに国内に移転することはできません。少なくとも投資した資金を回収するまでは、その製造拠点で生産しなければ損失が出てしまいます。

 

製造拠点が海外に移転すると、それに応じて国内の雇用が失われることになります。円安になって景気が回復しても国内の雇用回復が遅いのは、このような状況も影響しています。

 

単純に輸出が増えることが日本経済にとって良いことではなく、国内での生産が増えることと国内の雇用が増えることが、日本経済にとって良いことなのです。

 

円安になっていき、海外に向かっていた直接投資が国内設備投資へ変わるようになれば、国内生産が増え輸出も増加傾向になっていきます。しかし、円高であった期間が長ければ、それと同じだけ円安である必要があります。1ドル110円を下回っていた期間は、5年くらい続いていました。5年間円高傾向にあったのであれば、5年間円安傾向があって初めて以前の状態に戻ることになります。

 

円安傾向になってまだ2年弱ですので、あと3年は円安傾向になる必要があるということです。したがって、現時点で円安になっても輸出が増えないから円安は良くないというのは、正しい意見とは言えません。まだまだ、このまま円安傾向が継続していく必要があります。


(他の経済の記事)
○日本は本当に財政危機なのか?
○消費税増税しても税収は増えない
○消費者も国内養豚業者も損する豚肉の差額関税
○雇用の回復には順序があり時間がかかる
○配偶者控除の見直しで更に少子化になる?
○消費税引き上げがアベノミクスの失敗を招く
○今は円高なのか?
○デフレは物価の下落だけの現象ではない
○消費税増税で税収も景気もダウン
○アメリカには消費税(付加価値税)がない
○消費者物価指数は色々ある
○何故アメリカは付加価値税を導入しないか
○「消費税増税は国際公約」は嘘
○日本の法人税率は高いのか?
○月給は急には上がらない


こちらをクリックしてください!