時事通信が5月に実施した世論調査で、「憲法9条を改正しない方がよい」という回答が約7割という結果が出たようです。
憲法9条の改正について
資料出所:「憲法に関する世論調査」時事通信
安倍内閣を支持しない人では「改正しない方がよい」が77.1%、安倍内閣を支持する人でも56.8%と半数以上が「改正しない方がよい」と回答したようです。
こういった調査というのは、世論調査に限らず、どのような調査でも設問の作り方で回答を誘導することができます。
例えば、内閣の支持率を調査する時に“現在の内閣は改革を積極的に行おうとしていますが・・・”ということを設問の前段に入れると、多くの人が内閣に肯定的な印象を持ち、支持の方に誘導されてしまいます。逆に、内閣の支持率を低くしたい場合は“現在の内閣は改革に後ろ向きですが・・・”というような文言を入れて、不支持の方に誘導するようにします。
安倍内閣の政策を実際に知っていたり、実施していることの背景などを理解できていたりすれば、このような誘導には引っ掛かりません。但し、日本人の多くの人はテレビや新聞などのオールドメディアと呼ばれている事実を伝えないメディアが主な情報源となっていますので、安倍内閣がやっていることを正確に把握できていません。正しい判断材料を持ち合わせていませんので、回答結果がどれほど意味のあるものになるのか疑問です。大袈裟に言えば、ロンドン市長に誰を選んだらいいですかと日本人に聞いて調査して、頓珍漢な回答が出るのと同類です。
時事通信の世論調査の話に戻りますが、憲法9条を「改正しない方がよい」と答えた人に理由を4項目の中から複数回答で選んでもらったようで、その結果は以下の表のとおりです。
憲法9条を改正しない方がよい理由
資料出所:「憲法に関する世論調査」時事通信
どの項目も、実態とは乖離している内容のものばかりですが、「改正しない方がよい」と回答した人のほとんどは、これらの虚構に疑問も持たずに答えてしまったような気がします。
憲法9条を「改正しない方がよい」と答えた人には、以下の項目を追加して回答してもらったら違った結果が出たのではないでしょうか。
○竹島を侵略され日本が実効支配をできない状態を保ちたいから
○チャイナが尖閣を奪おうとするのを防ぐことができないから
○チャイナが日本を攻撃しやすいから
○北朝鮮に拉致された日本人を取り返さないままにしたいから
○北朝鮮が日本にミサイル攻撃をやりやすいから
○自衛隊を戦闘で危険な目に遭わせたいから
○日本が外国から攻撃されそうな時に被害を大きくしたいから
もし、他にも追加した方が良いと考える項目がありましたら、是非コメント欄に書いて下さい。
世論調査というのは、調査する側の意図が反映されていることがありますので、調査結果を鵜呑みにすると騙されてしまいますので注意しましょう。日本のマスコミが行う世論調査は、世論操作と言った方がいいような気がします。
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