日本語好きな人、寄っといで -21ページ目

「日本語の音相」をお頒(わ)けします。

 「日本語の音相」(木通隆行著、小学館スクウェア刊)はすでに絶版となっていますが、
ご希望の方に当研究所からお頒わけいたします。

 (価額1部3800円、送料、代金引換え料、送金為替料は当方で負担)
 音相システム研究所の次のアドレスへ郵便番号、住所、氏名、電話番号、冊数、
配達ご希望時間などをご連絡ください
ceo@onsosystem.co.jp

 *図書の内容は→こちらへ


【読者の感想】

1、日本語研究で欠けていたもの
 日本語の研究で何か大事なものが欠けているような気がしていましたが、「日本語の音相」を読んで、それがわれわれのごく身近かにありながら全く研究されていない「ことばのイメージ研究」であることに気付きました。
 本書は眠っている言語研究の世界に向けた目覚ましパンチだと思います。貴兄の優れたことば感覚と、広汎な言語研究がもたらした果実といえましょう。 
 ますますのご健勝とご研鑽をお祈りいたします。(長野市 K.S)


2、言語生活でもっとも役立つ科学
 ことばのイメージを科学的に解明することなど不可能な事と思っていました
 が、「日本語の音相」を読んでそれが見事に実現されているのに驚きました。これは、誰もが心の中で期待していた、日常生活に最も役立つことばの科学だと思います。こういうものこそ後世に残してゆきたい文化と言えましょう。(東京、Y.S)

意図不明のネーミング…『ソナタ』(韓国車)

 韓国・現代自動車の日本法人 ヒュンダイ・モーター・ジャパン が新車「ソナタ」の販売を発表しました。
 『ソナタ』はすでに韓国では20年前にデビューし今回で5代目だそうですが、「冬のソナタ」にあやかってぺ・ヨンジュンのテレビCMも放映されているようです。


 この語を分析すると、次の表情語が現れます。
 あなたも体験版でおためしください。
 トップの表情語「爽やか、清らか」と「庶民的、合理的」あたりでメインのイメージが作られ、それを「暖か、高級感、個性的、現代感」などがフローして全体のイメージが作られています。
 ソフトムードの甘やかな方向性には矛盾する表現もなく、爽やかで美しい音の響きをもつ語ですが、ネーミングは音が美しいだけで効果が上がるものではありません。


 優れたネーミングは、商品が持つ個性(商品コンセプト)を、それにふさわしい音によって表現されていなければならないのです。「ソナタ」は前記したように、、婦人用化粧品や装身具などには是非必要な音ですが、クルマという個性的商品の名には、このほかに是非表現しなければならないものがあるのです。
 それは「動く感じ、躍動感(スピード感)、新鮮さ」などですが、分析表の表情語を見ると、それらがすべてゼロ・ポイントになっているため、クルマの雰囲気がどこからも伝わってこないのです。これは韓国語と日本語の音用慣習の違いからくるものなのか、あるいは制作側に特殊な意図があったのか、その辺は20年前のこの語の考案者に伺ってみなければわかりません。
(木通)

『Onsonic体験版』で音象を捉えることはできません。

 音相研究所が長年使ってきた「音相」とよく似た「音象」という語が最近一部で使われ瑠洋になり、当研究所では大変迷惑しております。
 ホームページの記事の中にも『音象と音相は同じもののようだ。言葉の音象を知りたいときは、HP[日本語の音相]の中にあるOnsonic体験版を使うと良い』などの記事もありました。

 だが、「音相」と「音象」とは全く別のもので、体験版を使って音象を取り出すことは出来ません。

 音相理論は、「イケメン」、「緑のそよ風」、「鈴木美咲」などすべての音によって作られるイメージを科学的根拠をもとに取り出したものですが、音象は「が行音は男性を興奮させる音」、「んの音は女性に好かれる音」、「パ行音は子供が好む音」など、個人の主観が中心で捕らえたものですから、一部の音の一部のイメージしか捉えることができません。

 それに当たっていることばだけを集めると、なるほどと思う場合もありますが、当たらない例はそれ以上にあるのです。「音象」はことば遊びなどには使えても、明白な理論の裏づけが必要な本格的なネーミングやことばのイメージ解析などに使えるものではありません。

(木通)

「日本語の音相」をお頒(わ)けします。

 「日本語の音相」(木通隆行著、小学館スクウェア刊)はすでに絶版となっていますが、ご希望の方には当研究所からお頒わけいたします。
 (価額1部3800円、送料、代金引換え料、送金為替料は当方で負担)
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【読者の感想】

1.『音相理論の凄さに感動』
 「日本語の音相」と「ネーミングの極意」を息もつかずに読みました。前人未踏という「ことばのイメージ研究」の全貌が私なりに理解でき、音相理論の凄さと奥の深さに感動しました。
50年のご研究とか、確かにそのくらいかけなければ纏められない大研究だったと思います。それをたったお一人で完成されたことにも驚きを禁じ得ません。
 このような書物こそ、日本文化を愛する人の必読の書だと思います。たくさんの方に読んでいただくことを蔭ながら祈っています。今後もご研鑽の上、更なるご活躍をお祈りいたします。 (t.tsuchiya)
 
2.『言語科学の欠陥を衝いた本』
  久々に手にすることのできた名著です。
 読み終えての感想は、改めて、現代の言語科学の欠陥面を見せつけられた思いです。そして日本語の美しさと奥の深さに感動し、友人にも勧めているところです。ご労作に深く敬意を表しつつ、さらなるご活躍をお祈りいたします。 (札幌、清己)
 

人々の口に上らないネーミングは失敗作

 バブルが華やかなころ、我が家近くの私鉄の「野比」という駅名が「YRP野比」に改称されました。
 YRPとは当時開設された 横須賀リサーチパーク という多くの通信事業会社の研究所群の略称ですが、ローマ字をナマで使った駅名は全国で始めてだと駅の人たちは誇らしそうに言っていました。

 地名や駅名は、土地の歴史や文化の重みを担っているもので、それを企業が営業的意図のため勝手に作りかえる無神経もさることながら、「モダンでなければネーミングにならない」といった軽薄なバブル時代が見え隠れして、地元の人たちは今でもこの駅名に「YRP」をつけて言う人はおりません。
 人々がこの語を口にしない原因には次の4つがあるようです。

1. 「わいあーるぴーのび」という音からは音相的に、何のイメージも生まれてこないこと。
  (これは体験版でお確かめください)
2. 初めの部分『waiaa』で、母音が5音連続するため、非常な難音感(言いにくさ)
  があること。
3. 意味を持たない記号(YRP)が5文字中3文字も入っているため、よそよそしさと
  覚えにくさを感じること。
4. 『のび』(2拍)が「わいあーるぴーのび」(9拍)になったため、現代人の好む
  「簡潔さ」が失われ、締まりのないダラダラしたことばになったこと。

大衆は、音のよくないことばは口に出すことを好みません。
  
だから、人気の出なかったネーミングには、大衆が口に出して言うのを嫌ったネーミングが多いのです。
そういう例をあげてみましょう。
・E電、DIY、JA、WOWOW、ビッグエッグ…


「大衆が進んで口にしたくなるようなことばを作る」…ヒット・ネーミングを生み出すコツが、こんなことばに隠れているように思うのです。

(木通)

読者との対話 ‥‥ 子音と母音の役割について

〔 目良卓氏とのメール対話 〕
 
【目良】
  始めてお便りいたします。
 私は国文学出身の教師です。短歌の響きに関心を持ち、ある結社で短歌を学んでいる者です
 私が短歌の響きを研究し始めたのは、平成8年ころですが、短歌は口承文学ですから口に出しての美しさがなければならないと考えます。しかし、この分野には文献が少なく、西原忠毅氏「日本語母音音感の統計的研究」を中心に、母音の音感を中心に石川啄木の研究を行っております。
 歌集「一握の砂」の分析を終えたので、わたしの解釈をまとめて今年、一冊の本にまとめる作業をしておりました。
 ある日図書館で、先生の「音相」(プレジデント社、1990)を見つけて驚きました。私の考えていたことを、このように科学的に分析し、緻密な理論として追及されていた方がおられたとは。
 そして、今回HPで「日本語の音相」を知り、それを読んで、これまでの多くの疑問を解決する方法が明らかになりました。
 自著をまとめる前に、ご本を読むことができたため、響きの世界を一段深く考える自信がつきました。出版をやや遅らせてでも、さらに納得いくものにしようと思っています。まことに有難うございました。
 
 
【木通】
  お便りと、長年にわたる、母音を中心にしたユニークな啄木研究の論文を拝領、深くうなずきながら拝読しました。小著がお役に立てられたとか、たいへん光栄です。
 子音と母音の関係については、音相理論では次のように認識しています。
 日本語に使われている音の単位(音素)は、母音5、子音21ですが、ことばのイメージは母音のほか、子音からも複雑微妙なイメージが伝わります。
 母音が作るイメージは大まかで方向的で漠然としたものですが、子音が作るイメージは方向性の中にある作者の内面や情緒など、微妙なものを伝えます。
 また音相論の甲類表情表にあるように、母音が持つ表情の幅が大変広いため、中のどれを取り上げるかが問題ですが、その選択も子音音素との関係や、他の子音音素との響き合いの関係で決まりますから、子音のイメージ研究はどうしても避けて通れないものになるのです。
 あなたのご経験とセンスなら、それをマスターされる日は遠くないと思います。ご健闘を切にお祈りいたします。

見当はずれの表情語をどう見るか

― 「朝日」と「夕日」の分析から ―
 
 『朝日』と『夕日』を分析したら次の表情語が現れたので、ポイントの高い順にならべてみました。


  『朝日』…『庶民的、シンプル、強さ、合理的、活性的、軽やかさ、
        健康的、清潔感、派手さ、若さ、爽やかさ、開放的』 
  『夕陽』…『安定感、高級感、優雅さ、静的、安らぎ感、軽快感、
        清潔感』


 「朝日」では太陽が昇るときの爽やかで活性的な雰囲気が、
「夕陽」では日没の優美さと安らぎ感、そして寂寥感などが、どちらも適切な音を使って見事に表現したことばであることがわかります。

 しかしながら、この分析表で気になるのは、これらの表情語に混じって、「朝日」にはそれと全く無関係と思える「都会的」という表情語が、「夕陽」にも関係が全く感じられな「合理的」という語が混じっていることです。
 分析表を見ていると、時々こんなことばにぶつかることにお気づきでしょう。

 こういうときは、メインの表情語が捉えている中心的なイメージとかけ離れたものは、異物として無視しよいのです。

 また、評価を行う際、出てきた表情語をどのように考えたらよいか判断に苦しむことがよくあります。


 例えば「風鈴」を分析したら、表情語の上位に当然あってよいはずの「爽やか、清らか」がゼロ・ポイントになっているような場合です。

 だが、この場合は『さわやか、清らか』欄はゼロ・ポイントでも、他の表情語に「シンプル、軽やかさ、鋭さ、優雅さ、明るさ」が高ポイントで出ていて「爽やか、清らか」な雰囲気は十分表現されていますからそこから爽やかさ…を捉えているから良いのです。どんな場合にも必ず表情語が捉えていなければならないということはないのです。


 表情はコンピューターの計算からいろんな欄を使って表現されるのですが、幅広い意味で使われている「ことばの音」から、普遍的な表情を取り出すのだから、一部に無関係なものが混入したり、あるべき表情語がなく、それが他の欄でとらえれれるなど、不完全な形で表現されることもあるのです。
 コンピューターの精度がどんなに高くなっても、そこには限界が生じるように思います。
 究極においてことばはやはり「人間のもの」ということを忘れてはならないように思うのです。
 したがって評価を行うときは、慎重な検討のうえ、無関係と思える異物を切り捨て去ることも、大事な評価技術といえるのです。

(木通)

万葉人に通じる現代語  … 「あじさい」

あじさい(紫陽花) という語が日本の文献に始めて現れたのは万葉集(西暦780年)のようで、この語を使った歌が2種ほどあるそうです。
 この名はその後、七変化、天麻裏(てまり)、よびら、などとも呼ばれたようですが、明治以後再び万葉時代の「あじさい」に戻り、それ以後は「あじさい」で定着しています。
 この花は、明るさや華やかさがなく、梅雨どきの雨に打たれた風情や、色変わりする不思議さなどが、日本人の心を捉えているのではないでしょうか。


 音相を分析すると、「暖かさ、安らぎ感、静的、穏やかさ、高級感、優雅さ」が上位にあり、それに続いて「個性的、清潔感、明るさ」などを若干含んだ語であることがわかります。また、体験版以外の欄では「複雑度が高く、孤高感、寂しさ、神秘的、クラシック、情緒的」などが捉えられており、この花のすべてを表現した語であることがわかります。
 このことは、現代人と万葉の人々が同じ音相感覚で暮らしていたことを示しています。
 この1200年の間、日本や日本人はいろいろに変化しましたが、日本人の中に流れている「音相感覚」という遺伝子の存在を私は感ぜずにはおられません。
(木通)

「日本語の音相」をお頒(わ)けします。

 「日本語の音相」(木通隆行著、小学館スクウェア刊)はすでに絶版となっていますが、ご希望の方に当研究所からお頒(わ)けいたします。
 (価額1部3800円、送料、代金引換え料、送金為替料は当方で負担)

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 【読者の感想】

ことば研究に欠かせない大事な一里塚

 「音相」という存在を知ることもなく「日本語の美」を考え続けてきた己の不覚を、本書を読んで深く恥じ入りました。音相はこれまで、学者や評論家たちが全く気づかなかった日本語美の奥殿に横たわる玉のような真髄だといえましょう。
 しかも木通先生の偉業は、それを文芸作品から商品名や流行語にまで広げてその本義を実証的に解明しておられることです。本書が世に出た以上、今後は音相を知らずに言葉のことは語れない時代がきたと思います。音相理論は、日本語を学ぶ人が必ず通過せねばならない重要な一里塚になることでしょう。本著はその意味で不朽の名著といってよいでしょう。理論の開発者、木通隆行先生の偉大なご業績に、心から敬意を表するしだいです。
 (京都大学・一文芸学徒)


音相という素晴らしい世界を知りました

 「日本語の音相」、深い感動を持って読みました。
 音相を知らずに日本語の鑑賞や評論などはできないことをしみじみ知りました。久々に目の覚めるような感動でした。有難うございました。
 (富山、日本語研究グループ hirai)


※他の感想も是非ご覧ください。
 

「音相(おんそう)」と「音象」(おんしょう)とは大違い

 当研究所の登録商標である「音相」によく似た「音象(おんしょう」」ということばが、最近時々ホームページなどで見られるようになり、50年間ことばの音のイメージ研究を行なっている当所では非常な迷惑を蒙ってています。

 「音象」ということばの起こりは、昨年「怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか」(黒川伊保子著、新潮新書)が発行され、テレビで著者の派手なパフォーマンスがあったことがはじまりでした。 
 この書の著者は、当研究所に3年ほどの間、時たま出入りをしていましたが、深い研究をすることもなく、ことばが作るイメージを、アカサタナなどの単音を単位で取り上げて、それに当所が育てた果実の一部と自分流の主観を入れて、これは「この説は潜在脳の作用によるもので科学的なものだから信じなさい」という内容のもの。
 そのように説くのであれば、当然潜在脳とイメージの具体的な関係に触れなければ理論としての価値はないので質問したのですが、1年経った今でも回答がないのです。
 この上なく複雑な構造でできている「ことばのイメージ」が、ことばの単音だけで捉えられるはずがないのです。


 これらについてはすでに、評論家宮崎哲弥氏の書評(「諸君」04年10月号)や作家山本弘氏のウエブの掲示板に酷しい批評があり、後藤和智事務所のHP[若者報道と社会]で、後藤氏がそれらを見事に論駁しておられます。心ある方にご一読をいただければと、後藤氏のHPに《リンク》をさせていただきました。
 後藤氏が指摘しておられるように、「音象」は何の知識もない素人に「潜在脳」などという意味不明の言葉を使って目晦まししているだけのものなのです。
 そのうえこの著者は、当所を訪ねるまで殆ど知らなかった「語音が作るイメージの存在」やその構造などについて教えをうけた私を前に、同書の中で「このような、ことばの音のイメージ研究を行なった人は、これまで世界中どこにもいなかった。これは私が始めて行なった世界初の研究だ」などと広言する。研究者としても、道義上からも言語道断の行為というほかありません。
 
 アカサタナなど、単音が捉えるイメージはきわめて漠然としたものにすぎません。
ことばが作るイメージは、単音を成り立たせている調音種の重なり合いから生まれる表情や、表情同士の響きあいから生まれる「情緒」などを、総合的の捉えてはじめて得られるものなのです。
(木通)