音快計画-ヴァイオリン弾きのお仕事とはッ?!- -6ページ目

朗読劇『罠』

『騙されているのは、あなただ――
演劇集団CRANQが仕掛ける、極上のサスペンスミステリー』
本日、明日、こちらで弾いてます!

2019年2月6日 (水) ~2019年2月11日 (月・祝)
ザ・ポケット(中野)
http://www.cranq.jp/top/top.htm
出演
岸尾だいすけ / 名塚佳織 / 阿部敦 / 白石涼子 / 伊藤かな恵 / 白石稔 / 豊口めぐみ / 中澤まさとも / 徳井青空 / 利根健太朗 / 松崎亜希子 / 波多野和俊 / 楠木ともり / 吉田ボイス / 田中正彦
※公演により出演者が異なります。
 詳細はHPにてhttp://www.cranq.jp
スタッフ
脚本: ロベール・トマ / 翻訳: 小田島恒志、小田島則子 / 演出: 佐藤秀一

春目前!町田へ!

 小松真知子&​タンゴクリスタル、町田に登場!​
 これぞ!な古典タンゴ、新時代のタンゴ、懐かしのコンチネンタル・タンゴまで、非常に膨大、幅広いレパートリーを持つ、クリスタル。この幅広さの意味を説明するのは、少々難しいのですが、それぞれほとんど別ジャンル?と思ってしまうほど、演奏の仕方が違うのです。リズムのとり方も、歌い回しも、曲の持つ音も、まるで違います。切り替えが難しい時もあるほどです。
 加えて、このバンドのこなれたアンサンブルは、ソロを持つ楽器が、ギリギリまで自由に歌うことを可能にしてくれます。タンゴでは、譜面を少し外れたところまで歌う事が多いので、このアンサンブルあってこそ、その時に生まれてくる音楽を、そのまま演奏することを可能にしてくれる。クリスタルで演奏するとき、いつもそう思います。

 

 また、真知子さんのお話は、毎回非常に分かりやすく、楽しいのです。そのお話が上手にガイドしてくれますので、元々タンゴを好きな方も、そうでない方も、同じように楽しめるのではないかと思います。演奏者5人+ヴォーカルの、豪華6人編成。ぜひいらしてください!

2/2(土)
小松真知子&タンゴクリスタル
in まほろ座
12:30開場 13:30開演    
 @まほろ座 http://www.mahoroza.jp/
 東京都町田市森野1-15-13パリオビルB1F(小田急線町田駅1分、JR町田駅3分)
お問合せ プレイガイド:https://t.livepocket.jp/e/190202
 電話:042-732-3139(16:00〜19:30)​ ¥4,500(別途2オーダー以上)

 

 さてもう1件。

 ピアノが弾けるだけでは、アルゼンチンタンゴにはなりません。タンゴを知り尽くした小松真知子さんが、タンゴ・ピアノの極意を惜しみなく教えてくれるという、素敵な企画が!

 これは僕が出演するものではありませんが、必見です。こちらもぜひ!


1/29(火)

小松真知子 タンゴピアノ塾

 アルゼンチンタンゴ・ピアノの極意
16:00開場 17:00〜17:45 第1部 18:15〜19:00 第2部    
 エル・チョクロ http://el-choclo.com/
東京都豊島区南池袋3-2-8
(副都心線「雑司が谷」駅1番出口徒歩2分半、都電荒川線「鬼子母神前」駅徒歩3分)
料金:¥4,000 学生¥2,000
主催:昔のテレビ局 http://mukashi.tv/

ピアソラを観る!――映画の中の「ピアソラ」――

 少し前のことになるのですが、ちゃんと観てます、『ピアソラ、永遠のリベルタンゴ』。

 僕にとっては、素晴らしい映画でした!

 

 最初に始めたのは、もう10年前ですか……。

 ピアソラの人生を取り上げて物語(ノンフィクション)を書いて、合間に演奏を挟んだ、『その名は、ピアソラ。』、『異邦人ピアソラ』(その名は…をベースにした別企画で、映像をつけていた)、というものを作ったのは。「わかる」ことを台本で伝え、感情は音楽で表現する、という出し物です。

 作っていく中で、どうしても知りたくなったことは、ピアソラはどういう人だったのか、ということです。それがある程度わからないと、共感できるものを作るのが難しい。

 

 調べるとすぐ、人生の概略はわかります。出来事や、誰と会って、どこでどんなコンサートをやって、どういうレコードを出して、とかです。

 しかしそれは、いわば履歴書のようなもので、それではピアソラがどういう人なのか、まったく分からない。どういう感じ方をして、どういうリアクションをして、とか、そういうことが知りたいのです。ちょっとしたエピドードまでは知ることができます。でもそれでは、本当に面白いことは、推測の域を出ない。つまり、書けない。

 知りたいのは、話していたり、動いていたりする時の表情。文字として残っている言葉には、実は会話の流れの中での一言だったり、時には嘘や冗談も混じっているでしょうが、顔を見ながらだったらある程度分かります。

 

 そんなことがわからなくても、もちろん音楽から分かることは多いです。

 台本を書いている時に、なぜそんなことをしたのか、どうしても分からないところがあって(かなり)、その当時に録音されたものを聴いて、気持ちややりたかったことなんかを推測するしかない!ということが結構ありました。これが不思議と、何か気がつくことがあるのです。

 でもこれは、台本には反映できないので(根拠がないので)、悶々とすることになりました。普通にライブのMCでなら、喋れるのに!

 

 この映画は、ピアソラの息子ダニエルの視点を基にしている風に作られていて、彼が観ていた家族の姿、プライヴェートのピアソラの表情がたっぷり映し出されていました。そして、ピアソラの伝記を書いた、娘ディアナのことも。

 ピアソラが、なぜ家族を捨てたのかは、彼以外の他の誰にも結局分からないと思うのですが、最大の転機であったことは間違いない。書物からの情報では、まるでタバコをやめるかのように家族を捨てているようです。でも、そんなはずがないことだけは、その前の色々のエピソードを知っていると想像できます。

 この部分と、もう一箇所、どうしても知りたかったのは、家族を引き連れてニューヨークに移住、どん底にいるピアソラ。それも、最愛のお父さんまで祖国で亡くなってしまうのです。これもダニエルによって、当時のことが語られていて……。

 

 そういう視点の映画なので、少しは履歴書的なことは知っていないと、わからないことが多い映画じゃないかろうかとは思います。でも、例えばピアソラが若い頃、母国でものすごく叩かれていたこと(長いこと……)、成功したのは50歳を超えてからだということ、くらい分かっていると、これはもう、面白いですよッ!

 そうそう、ピアソラ、人生初録音、ニューヨークに住んでいた10歳の頃のもの、あるのは知っていましたが、ついに聴けました!

 

 東京では、渋谷のル・シネマでしかやっていないのですが、案外、色々な県で公開されているようです。ぜひ!

https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=piazzolla

 

 余談ですが、演奏の映像は、エレクトロニコ(ピアソラが一時期組んでいた、シンセサイザーなどの入ったユニット。息子ダニエルがメンバーだった)が多めでした。あまり観たことがなかったので、これも面白い!