こんにちは。

アレテーを求めて~

今日もトコトコ( ・ω・)

弁護士の岡本卓大です。

 

絶賛連載中の

神武征討記

今回は、外伝です( ・ω・)

 

 

 

※この外伝は、2023年12月28日に公開したものです。

 

神武征討記外伝

専業主夫ハニマル君の年末

 

 

ストーリーテラーのアメノウズメでございます。

「一人ひとりが主人公」の『神武征討記』。

今回の外伝の主人公は、サキタマハニマル君です。

本編神武東征編第4ターンの年(神武様33歳の年)。

今日は、12月28日、神武勢力の将達も仕事納めの日です。

神武様の軍師重臣であるチチブカネビメを妻に持つ専業主夫のハニマル君は、

この日も朝早くから炊事・洗濯を行っています。

ハニマル君が朝食の支度を終えた頃、妻のチチブカネビメが起きてきました。

 

 

サキタマハニマル「カネビメちゃん、おはよう。」

 

チチブカネビメ「おはよう。ハニマル。」

 

サキタマハニマル「今日は、仕事納めだね。一年間、お疲れさまでした。」

 

チチブカネビメ「今年は、ヘイケノキヨモリ軍との因幡(鳥取県)での戦もあり、

なかなか忙しい一年だったわ。

今日は仕事納めか。はぁ…」

 

サキタマハニマル「あれ?今日が仕事納めなのに、ため息ついてるの?

カネビメちゃん。」

 

チチブカネビメ「仕事納めはよいのだけど、その後の忘年会がねえ…

また酒に酔ってタケルが娘のナミさんと、うちのツキノミヤのことで

からんでこなければよいのだけど…」

 

サキタマハニマル「今年のお正月は、いきなり怒鳴り込んできたもんねぇ。」

 

 

チチブカネビメ「戦争中に軍師重臣の私と、軍事重臣のアチタケルが、

子どもの恋愛問題で揉めてるなんて、大和軍に知られたら利用されてしまうわ。

私なら、そういう情報があれば、神武軍を内部崩壊させる策を立てるわ。」

 

サキタマハニマル「まあ、大和軍には、カネビメちゃんみたいな軍師は

いないんじゃないかなぁ。

タケル君とは喧嘩してるわけじゃないんだよね?」

 

チチブカネビメ「タケルも軍事重臣としての責任感はきちんと持ってる男だから、

公私混同はしないと思うけど。

ナミさんの母親のウズメが参戦してきたら、2対1になっちゃうから、

嫌ねぇ。はぁ…」

 

サキタマハニマル「お仕事以外にもいろいろあって、

大変なんだねえ…職場の人間関係って。」

 

 

ハニマル君は、チチブカネビメにお弁当を渡して見送り、洗濯をしていました。

しばらくすると、出雲大社学宮(イズモタイシャマナビノミヤ)から冬休みで帰省中の

息子のウラワツキノミヤが起きてきました。

 

 

サキタマハニマル「おはよう。ツキノミヤ。」

 

ウラワツキノミヤ「おはようございます。父さん。母さんは?」

 

サキタマハニマル「カネビメちゃんは、もう仕事に行ったよ。

今夜は忘年会で遅いと思う。」

 

ウラワツキノミヤ「なかなかゆっくり話ができないな。

進路について相談したかったんだけど。」

 

サキタマハニマル「今年の春に出雲大社学宮卒業だね。

進路はどうしたいの?」

 

ウラワツキノミヤ「前は仕官しないで民間の学者になろうかと思ってたんだけど、

出雲大社学宮で籠城戦を経験して、将軍も悪くないのかなと思えてきたんだ。

父さん、どう思う?」

 

サキタマハニマル「そうだねぇ。ツキノミヤは成績も学年トップだし、

神武軍に入っても、うまくやれそうな気はするね。

そういえば、同級生のヒムカノナミちゃんはどうするの?」

 

ウラワツキノミヤ「ナミは、僕のお嫁さんになりたいんだって。

僕が仕官するなら、同じところに仕官するって言ってる。

そんな進路の決め方はどうかと僕は思うんだけどね。」

 

サキタマハニマル「ナミちゃんも優秀だから、希望すればどこでも採用してくれそうだね。

父さんは成績が悪かったから、そういう進路の決め方はできなかったけど。」

 

ウラワツキノミヤ「でも、料理は母さんよりずっと上手いよね。」

 

サキタマハニマル「父さんは、専業主夫だからね。父さんは、

父さんにできることで、母さんやツキノミヤのことを支えていきたい。」

 

ウラワツキノミヤ「あっ、ナミとの約束の時間だ。

父さん、今日は、ナミと図書館で勉強してくるから。

お昼ご飯はいらないから。」

 

サキタマハニマル「わかった。いってらっしゃい。」

 

 

ウラワツキノミヤを見送った後、ハニマル君は家事をこなし、広島の町に買い物に出かけました。

 

 

サキタマハニマル「さて、お正月の準備に買い出しをしないと。

あっ。アワジミツケメさん。こんにちは。」

 

アワジミツケメ「あら。ハニマル君。こんにちは。」

 

サキタマハニマル「お買い物?いいものあったかな?」

 

アワジミツケメ「見て、見て!淡路島産の鯛やタコにサザエも売ってるわよ。

淡路(淡路島)をヒヨシマルさんが取り返してくれたから、

また淡路島の食材が買えるようになったわ。

いや~、あのサルさん、えらいわぁ!」

 

 

サキタマハニマル「讃岐(香川県)、阿波(徳島県)もリョウマ君が

取り返してくれたし、食材にもそういうことが影響するんだね。」

 

アワジミツケメ「あとはお肉やな。おっちゃん。

松阪牛ちょうだい!」

 

肉屋のオヤジ「アワジミツケメさん、すみません。

今年は、松阪牛は入荷できませんでした。」

 

アワジミツケメ「ええ~!?なんで!?

年に一度の楽しみやのに!」

 

肉屋のオヤジ「伊勢(三重県)が大和勢力のミカワノタケチヨに取られて、

伊勢(三重県)からの輸入品が届かなくなっておりまして…

あっ、播磨・但馬(兵庫県)の物は入るようになったので、但馬牛ならあります!」

 

アワジミツケメ「あ~!ミカワノタケチヨのアホタワケのタヌキ野郎のせいけ!

しゃあない、但馬牛、ちょうだい。」

 

肉屋のオヤジ「へい。まいど!」

 

アワジミツケメ「今夜は神武王宮は仕事納めの大忘年会。

腕によりをかけて美味しいものをみなさんに食べてもらうわよ!」

 

サキタマハニマル「ご苦労様です。

神武軍の食料長官殿。」

 

アワジミツケメ「じゃあね~。良いお年を~!」

 

サキタマハニマル「良いお年を~!」

 

 

ハニマル君が町を歩いていると、タギシミミとイナバノウサメを見かけます。

 

 

サキタマハニマル「はにゃ。タギシミミ君、こんにちは。」

 

タギシミミ「こんにちは。ハニマルおじさん。」

 

サキタマハニマル「一緒にいる女の子は誰?」

 

タギシミミ「ああ。この子は、同級生のイナバノウサメ。

お正月を一人で過ごすのもかわいそうだと思って、

安芸(広島県)に連れてきたんだ( ・ω・)

うち(神武宅)に泊まってる。」

 

 

サキタマハニマル「この子が…

そうか、イナバハクト君とイナバノクニヒメさんの…」

 

イナバノウサメ「タッギー…このおじさん、誰?」

 

タギシミミ「ああ。このおじさんは、サキタマハニマルさん。

俺は子どもの頃、このハニマルおじさんにかわいがってもらったんだ。」

 

イナバノウサメ「この人が、ハニマル君なんだ!

こんにちは。ハニマル君!」

 

サキタマハニマル「こんにちは。イナバノウサメさん。

はにゃ?ハニマル君って呼び方。」

 

イナバノウサメ「うん。母上のイナバノクニヒメがよく話してたの。

出雲大社学宮家政クラスのマスコットキャラだって。」

 

サキタマハニマル「そうか…クニヒメさんが…」

 

イナバノウサメ「母上も、父上も、戦争で死んじゃったんだ…

うっうう…母上…父上…」

 

サキタマハニマル「ウサメちゃん。ハクト君も、クニヒメさんも、

とても素敵な人達だった。

ウサメちゃんは、その素敵なご両親に育てられた娘。

辛いときは泣いていい。

でも、泣くだけ泣いたら…また歩き出そう。

きっと、それをハクト君も、クニヒメさんも望んでいるから。

お父さんも、お母さんも、ウサメちゃんのことを

ずっと見守ってくれてるから。」

 

イナバノウサメ「うん。…ありがとうハニマル君。」

 

 

ハニマル君は、買い出しを終え、自宅に戻りました。

お正月に向けて、あれやこれやと名もなき家事をこなしていくハニマル君。

世間が仕事納めでも、専業主夫に休暇はありません。

日々のことを、日々こなしていく。

専業主夫、専業主婦のみなさま、本当にお疲れ様です。

そして、日々、ありがとうございます。

 

 

サキタマハニマル「今夜はカネビメちゃんは忘年会で遅いから、

先にご飯食べて寝るか。

専業主夫だからって、帰りをずっと起きて待ってなきゃいけないわけじゃないからね。

無理はしない。それが大事。」

 

サキタマハニマル「大和勢力との戦争は来年も続いていく。

今も世界のどこかで戦争で命を失う人、生活を壊される人がいる。

一人ひとりが大切な人間。

それをわかり合えたら、戦争なんてしなくていいはずなのに…

戦争とか、経済的苦しみとか、差別とか、いじめとか、虐待とか…

そういうものが無い世界を作っていきたいな。

一個人にできることは小さなことかも知れないし、

一人でできることは、ちっぽけなのかも知れない。

でも、その一人ひとりの小さな行動の積み重ねで、

きっと世界はできているのだから。

あなたの一年はどんな一年でしたか?

来年は、よりよい一年にしていきたいですね。

今年一年お疲れさまでした。

来年もよろしくお願いします。

良いお年をお迎えください。」

 

 

ハニマル君、独り言かしら?でも、ハニマル君のいう通りよね。

来年は、より良い一年に!

今年は、ここまでにいたしとうございます。

 

【本外伝直前の本編】

 

【本外伝直後の本編】