こんにちは。

アレテーを求めて~

今日もトコトコ( ・ω・)

弁護士の岡本卓大です。

 

神武征討記の登場人物等はこちら( ・ω・)

 

 

 

 

なお、この物語はフィクションです。

極右、ネトウヨからの批判、誹謗中傷は受け付けません。

本作の著作権は、作者に属します( ・ω・)

それでは、はじまりはじまり~

 

 

 

この物語は、日本という国の原型を作った一人の

空前絶後の英雄の生涯を描いた物語である。

 

神武征討記

第52話「ヘイケノキヨモリの西国侵攻作戦開始!」

 

 

ストーリーテラーのアメノウズメでございます。

2月初旬。安芸(広島県)の神武王宮では、大和勢力各地に送られていた間者達からの報告が相次いでいます。

神武王宮・・・

 

 

神武「この大和勢力の各軍団の動き・・・

大きな侵攻作戦を予定しているのか・・・?」

 

チチブカネビメ「ヘイケノキヨモリ軍団の本拠地・摂津(阪神地方)の

神戸には、7万の軍勢が集まり、日夜、軍事訓練を行っているようです。

また、淡路(淡路島)のヘイハチトウゴは大陸製の大型闘艦10隻を含む

1万の水軍を讃岐(香川県)の高松に移動させております。

阿波(徳島県)では、セゴドンノキチノスケ軍団が、1万の軍勢が乗れる軍船を

準備している模様です。

土佐(高知県)のソガベモトチカ軍も四国各国から軍勢を高知に集めているようです。

我らの隣国・吉備(岡山県)のトクソウノトキムネ軍団も岡山に

蒙古騎兵軍団3万5000を含む5万の軍勢を集結させています。

いつ、どこに仕掛けてきてもおかしくない情勢かと・・・」

 

神武「トサノリョウマ軍団、オワリノブヒメ軍団、ヒヨシマル軍団、

そしてエツノケンシン軍団ともこの情報を共有してくれ。

トクソウノトキムネの蒙古騎馬軍団が侵攻してきたときに備えて、

神武王宮を囲む広島の町を土塁で囲む工事を進めておく。

安芸(広島県)東部の住民は、広島に避難させておこう。

あと・・・

念のために出雲大社学宮(イズモタイシャマナビノミヤ)のある

出雲の町も出雲大社を中心に土塁で町を囲んでおこう。」

 

チチブカネビメ「諸事、手配いたします。」

 

神武「因幡(鳥取県)のイナバハクト、

周防・長門(山口県)のアカマホウイチ、

出雲(島根県)のヒヨシサンノウ、

豊後(大分県)のウサソウリン、

肥前(佐賀県)のリュウゾウジハチマン、

肥後(熊本県)のクマモトイナリ、

薩摩(鹿児島県)のハヤトヨシヒロ、

そして、日向(宮崎県)のヒコイツセ兄上にも、

臨戦態勢を取るように伝達しておこう。」

 

サルメノウズメ「ほぼ、我ら神武軍団の総動員体制ですね。」

 

アチタケル「安芸(広島県)の神武王宮には10万の兵をいつでも

動けるように準備いたします。」

 

神武「備えあれば憂い無し・・・

ここまでの体制を取ることも無い杞憂であってくれればよいが・・・」

 

 

神武様の指示により、神武軍団各国は、軍備を整え戦時体制を取ると共に、

広島、出雲のそれぞれの町を土塁で囲み要塞化する工事が進められました。

そして、神武様はアイラツヒメにも、もしものときの神武王宮の総指揮を執るための

戦術指南を行います。

神武様の出陣時に神武王宮が攻撃された場合の総大将は、神武様の妻であるアイラツヒメとなるからです。

そして、3月、出雲大社学宮・・・

 

 

タギシミミ「今日も自習なのか?最近、先生達、

なにかバタバタしてるみたいだな( ・ω・)」

 

キビツダンゴ「よっしゃ~!自習だ~!

ドッチボールやろうぜ!」

 

オワリノチャチャ「タッギー、何かしらね・・・

先生達・・・私達に、なにか隠してる気がするわね。」

 

タギシミミ「まあ、俺たち子どもは、まだわからないことも

色々あるんだろうけどな・・・」

 

 

そして、4月1日。摂津(阪神地方)神戸・・・

 

 

ヘイケノキヨモリ「機は熟した!

これより我らヘイケノキヨモリ軍団は、

総兵力7万にて、因幡(鳥取県)、そして出雲(島根県)を攻める!

最終目的地は安芸(広島)!いや・・・

天孫4世!神武王の首!

後には退けぬ大戦ぞ!」

 

ヘイケノトキタダ「ヘイケにあらずんば!人にあら~ず!」

 

ヘイケ兵達「ヘイケにあらずんば!人にあら~ず!」

 

ヘイケノキヨモリ「セゴドンノキチノスケ軍団、

ヘイハチトウゴ軍団、トクソウノトキムネ軍団も、予定通りに動く!

西国の勢力図から神武勢力を消滅させる!

全軍!出陣!」

 

 

大和軍ヘイケノキヨモリが戦役を発動させました!

 

摂津(阪神地方)神戸より、ヘイケノキヨモリ軍7万が、

因幡(鳥取県)に向けて出陣!

 

 

神武様33歳の年4月1日。

大和軍ヘイケノキヨモリが、中国・四国・九州地方全域に及ぶ大戦役を発動。

ここから、神武様とヘイケノキヨモリの4年に及ぶ長い戦争が開始されました!

 

阿波(徳島県)徳島の港・・・

 

 

セゴドンノキチノスケ「我らが向かうは!

我らが故郷・鹿児島!

薩摩隼人の手に薩摩(鹿児島県)を!

そして、九州全土を取り戻す!」

 

サツマノハナ「セゴドンノキチノスケよ。

本当に、私やまだ幼児のオヒラも、一緒に行くのですか?

オヒラは、まだ4歳ですよ・・・」

 

セゴドンノキチノスケ「心配はいりもさん。

薩摩(鹿児島県)の経済界は、ゴダイサマが完全に掌握しております。

また、ハヤトヨシヒロ様は、オオクボキョウイチゾウドンの計略により、

薩摩(鹿児島県)を離れ、神武軍の弱兵とともに日向(宮崎県)に陽動しておりもす。

鹿児島の将兵達は、オオクボキョウイチゾウドンが調略済み。

経済と軍事を握れば国は支配できもす。

我らが薩摩(鹿児島県)に帰るまで戦にはなりもさん。」

 

サツマノハナ「戦うことなく・・・本当に薩摩(鹿児島県)に戻れるのですね!?」

 

セゴドンノキチノスケ「鹿児島に戻ったら、オヒラ様が女王。

女王様は太后様であるあなた様と共に、ごゆるりとお過ごしくださればよか。

戦は、おいどんがいたしもす。」

 

ナカムラノハンジロウ「セゴドン。そろそろ、出航のご指示を!」

 

セゴドンノキチノスケ「うむ。行きもそう。

セゴドンノキチノスケ軍1万!

これより、鹿児島へ向かう!」

 

 

阿波(徳島県)徳島から、セゴドンノキチノスケ水軍1万が

薩摩(鹿児島県)鹿児島に向けて出陣!

 

 

讃岐(香川県)高松・・・

 

 

ヘイハチトウゴ「それでは、お約束通り、

讃岐(香川県)の統治は、ソガベモトチカ殿にお任せいたします。」

 

ソガベチカサダ「あいわかった。ご武運を!」

 

マツヤマノサネユキ「ヘイハチトウゴ様。

我がヘイハチトウゴ水軍、完全に配置につきました。

ご指示を。」

 

ヘイハチトウゴ「まずは、讃岐(香川県)西部のトサノリョウマ軍団領をつぶし、

その後、伊予(愛媛県)を海から攻める。

そして、伊予(愛媛県)を落としたら、安芸(広島)を海から攻める。

我らは最新鋭の闘艦を10隻も持つ。

海で負けることは無い。

ヘイハチトウゴ水軍!出陣する!」

 

 

讃岐(香川県)高松から、ヘイハチトウゴ水軍1万が、

讃岐(香川県)丸亀に向けて出陣!

 

 

土佐(高知県)高知・・・

 

 

ソガベモトチカ「いよいよだ。いよいよ、四国全土が俺の物になる。」

 

タイセイショウジロウ「ソガベモトチカ様。出陣準備整っております。」

 

イタガキシストモ「トサノリョウマ!吠え面かかせてやるわ!」

 

ソガベモトチカ「トサノリョウマは斬るには惜しい男。

降伏させて、俺の家臣にしたいものだな。

よし、行くぞ!ソガベモトチカ軍出陣!」

 

 

土佐(高知県)高知から、ソガベモトチカ軍1万5000が、

伊予(愛媛県)松山に向けて出陣!

 

 

吉備(岡山県)岡山・・・

 

 

トクソウノトキムネ「我らトクソウノトキムネ軍団は2軍にわかれる。

本軍は、このトクソウノトキムネが総大将、副将にホリウチノリコ、

第1部隊の兵力は、1万5000。

さらにムカリ、ボオルチェ、チラウン、ボロクルの各将の蒙古騎馬軍

各5000。総兵力3万5000。

別働隊は、ジェルメを総大将。ジェベ、スブタイを副将とする

蒙古騎馬軍1万5000。

本軍は、安芸(広島県)の神武王宮を神武軍が出陣するのを待って攻撃。

別働隊は、神武軍の出陣を待って、速攻で出雲(島根県)出雲大社を攻撃する。

別働隊、出雲大社学宮にいる神武や神武十将軍らの子を生け捕りとして、

それをもとに神武に中国地方全土の譲渡を迫る。

良いな!」

 

ジェルメ「トクソウノトキムネ様。一つ確認したい。

出雲(島根県)攻撃。神武や神武十将軍の子らを生け捕りにするほかは、

『我らのやり方』・・・つまり、略奪・強姦を兵達に認めるということで良いな?」

 

トクソウノトキムネ「・・・それを認めなければどうなる?」

 

ジェルメ「兵達の士気が下がり、我らのお前への忠誠心が下がる。」

 

トクソウノトキムネ「・・・『お前達のやり方』で良い。

ただし、神武の子らは殺さずに生け捕りにしろ!

そこが一番重要な作戦だ!」

 

ジェベ「ああ、生け捕りにしよう。抵抗すれば骨の何本かは折るかも知れんがな。」

 

スブタイ「生け捕りにするなら、女は犯しても良いな。

オワリノブヒメの養女のうち長女はたいそうな美女だと聞く。

十四歳でも、十分夜伽の相手はできるだろう。」

 

トクソウノトキムネ「やれやれ・・・まったく使いにくい部下どもだ・・・

それでは、全軍、神武軍が動くまで岡山にて待機!」

 

 

吉備(岡山県)岡山にて、トクソウノトキムネ軍3万5000、

ジェルメ軍1万5000が軍勢を展開して待機!

 

 

大和軍が一斉に作戦行動を開始。

その報は、安芸(広島県)の神武様のもとへ即座に伝わった。

神武王宮・・・

 

 

神武「4カ国同時攻撃・・・しかも、トクソウノトキムネ軍は、岡山で待機しているのか。」

 

チチブカネビメ「我らが動けば、トクソウノトキムネ軍が動くものと思われます。

そして、トクソウノトキムネ軍団の狙いは・・・

この安芸(広島県)、そして、出雲(島根県)。」

 

キビツモモタ「出雲(島根県)には、出雲大社学宮がある!

俺たちの子ども達が集まってる!

出雲(島根県)の防衛!あるいは、

トクソウノトキムネ軍の殲滅を最優先すべきだ!」

 

イツクシマオキツシマヒメ「いえ。トクソウノトキムネ軍を殲滅したとしても、

因幡(鳥取県)へ侵攻してきているヘイケノキヨモリ軍7万が出雲(島根県)に

侵攻することは確実です。

これを放置することはできません。」

 

ダザイテンマン「し、しかし、因幡(鳥取県)救援のために大軍を出せば、

この安芸(広島県)が大軍に攻められるかもしれん。

安芸(広島県)神武王宮の防衛も重要かと。」

 

サルメノウズメ「神武様。安芸(広島県)東部の民達の

広島への避難が完了いたしました。

要塞化した広島の町で民達を守ることも重要です。」

 

アチタケル「出雲(島根県)には5000の兵しかいない。

戦える将は、武術師範のハヤトイエヒサくらいだ。

我が娘がいることもあるが、出雲(島根県)は守ってやらないと・・・」

 

チチブカネビメ「出雲(島根県)には、周防・長門(山口県)の

アカマホウイチ殿が1万の軍勢で防衛に向かっています。

ですが、仮に、ジェベ、スブタイらの猛将が蒙古騎馬軍を率いて襲撃してきた場合、

アカマホウイチ殿と出雲(島根県)の守備兵では、かなり危ういかと・・・」

 

カムイ「スブタイやジェベの相手をするなら、ハヤトイエヒサでも無理だ。

俺やアチタケルクラスの将でなければ、ヤツらは止められん・・・」

 

アイラツヒメ「神武・・・」

 

神武「・・・今、一番、危機に瀕しているのは、

ヘイケノキヨモリ軍7万に攻められようとしている因幡(鳥取県)だ。

ヘイケノキヨモリ軍7万をつぶす必要がある。

出雲(島根県)には・・・あいつらが間に合ってくれるかどうかだな・・・」

 

チチブカネビメ「そうですね。出雲大社学宮には、『彼ら』の子どもたちも

おりますしね・・・」

 

神武「イナバハクト、イナバノクニヒメ夫妻が、わずか1万の軍で、

鳥取を守っている。

まずは、その救援に行く!

四国も大変だが、トサノリョウマ軍団に、

九州のことはハヤトヨシヒロやソウリン達に任せる!

我らは、最強の軍勢で、ヘイケノキヨモリ軍7万と決戦する!」

 

キビツモモタ「最強の軍勢で?いったいどんな・・・?」

 

神武「我が安芸(広島県)の将兵の作戦と編成を発表する。

まずは、ヘイケノキヨモリ軍7万を迎え撃つ因幡(鳥取県)派遣軍。

総大将は、俺自ら出る。俺の第1部隊は神武近衛兵団14名を含めた1万。

第2部隊チチブカネビメ隊1万、

第3部隊アチタケル隊1万、第4部隊サルメノウズメ隊1万、

第5部隊カムイ隊1万、第6部隊ツチミカドヒメ隊1万、

第7部隊、ヒョウスベ兵を含めてショウリュウキ隊1万。

総兵力7万で、ヘイケノキヨモリ軍を倒す!」

 

ダザイテンマン「な、なんと・・・神武軍団所属の神武十将軍全員・・・

そ、それでは、この安芸(広島)の守備は!?」

 

神武「残る3万は、神武王宮にて籠城!

何が起こっても広島の外に出陣することは許さん!

必ず、この広島の地と民を守り抜け!」

 

キビツモモタ「ああ、わかった!お前の策を信じよう!」

 

神武「広島・神武王宮の守将。総大将は、

アイラツヒメとする!

キビツモモタ、アタゴタイセイ、ハリマノヒョウズの3将は、

それぞれ1万の兵を指揮し、アイラの総指揮のもと、

この神武王宮を守り抜け!」

 

アタゴタイセイ「アイラ様が・・・総大将。」

 

ハリマノヒョウズ「守備側の総大将とは、すなわち、

総大将が討たれれば敗戦・・・つまり、もっとも敵から狙われる役割・・・

それを・・・妻であるアイラ様に・・・」

 

キビツモモタ「わかったぜ!神武!

お前の妻も、民達も、俺たちが必ず守り抜いてみせらぁ!」

 

アイラツヒメ「みなさん。よろしくお願いします!」

 

ダザイテンマン・イツクシマオキツシマヒメ「御意!」

 

神武「神武軍7万!これより、因幡(鳥取県)に向かう!

出陣!」

 

 

安芸(広島県)神武王宮より、神武軍7万が、

因幡(鳥取県)に向けて出陣!

 

 

神武様達が因幡(鳥取県)に向けて出陣した頃。

出雲(島根県)にある出雲大社学宮では、通常の始業式より

1週間ほど早い4月1日に全校集会が開かれていました・・・

 

 

ヒムカノナミ「まだ春休みなのに、

突然、全校集会って、どうしたのかしら?

出雲の町が要塞みたいに囲まれてるのと

なにか関係あるのかしら・・・?」

 

ウラワツキノミヤ「あまり、良くない話だろうね・・・

おそらくは・・・」

 

アイノカネツグ「一体、どうしたんだ?」

 

エツノカゲカツ「・・・・・・」

 

オワリノチャチャ「なんなのよ、突然、全校集会なんて!?」

 

キビツダンゴ「タッギー、どう思う?」

 

タギシミミ「・・・・・・とりあえず、先生達の話を聞いてみよう。」

 

 

そして、全校集会が始まりました。

 

 

ヒヨシサンノウ「みなさん。校長であり、

またこの出雲(島根県)の王であるヒヨシサンノウです。

今日はみなさんに、とても大事な話があります。

・・・・・・

大和軍との戦争が始まりました。

この出雲(島根県)も戦場になるかも知れません。」

 

オワリノチャチャ「戦争が!?」

 

キビツダンゴ「戦争が始まっただって!?」

 

タギシミミ「・・・・・・」

 

キスミミ「・・・・・・」

 

オワリノゴウ「戦争?なに・・・それ?」

 

ショウリュウケン「大和軍との戦争・・・」

 

ハヤトイエヒサ「心配するな!この出雲大社学宮が戦場になることになれば、

それは、もう出雲(島根県)が滅ぶ時だ。そんなことにはさせん!

俺たちが、お前達のことは必ず守る!」

 

ヒヨシサンノウ「今、神武様達、神武十将軍の方達が7万の軍勢で、

この出雲(島根県)を狙っていると思われるヘイケノキヨモリ軍を

迎え撃つべく因幡(鳥取県)に出陣しています。

最前線は因幡(鳥取県)。簡単に因幡(鳥取県)を突破されることはありません。

それに、周防・長門(山口県)からアカマホウイチ軍1万が、この出雲(島根県)

の防衛のために向かってきてくれています。

みなさんは、何も心配せずに、勉強に励んでください。

ただし、出雲大社学宮の外は危険なので、情勢が安定するまでは、

出雲大社学宮の外へ出ることは禁止します。

大丈夫です。戦争はすぐに終わります。」

 

ナガトノテル「父上が守りに来てくれるのか。」

 

イナバノウサメ「因幡(鳥取県)が戦場に・・・

父上・・・母上・・・」

 

タギシミミ「ウサメ。心配するな。

お前の父上や、俺の父上が戦ってくれるんだ。

きっと勝つさ( ・ω・)」

 

イナバノウサメ「うん。タッギー、そうだよね・・・

父上や神武様が負けるはずないよね・・・」

 

タギシミミ「(父上・・・どうかご無事で・・・)」

 

 

そして、舞台は、因幡(鳥取県)の鳥取要塞へ。

鳥取要塞は、イナバハクトが改修を重ねた鉄壁の難攻不落の要塞です。

鳥取要塞へ立てこもるイナバハクトとイナバノクニヒメ。

城兵は1万。ヘイケノキヨモリ軍7万の7分の1です。

 

 

イナバハクト「ヘイケノキヨモリ軍7万・・・

まさかヘイケノキヨモリ軍団の総兵力でこの因幡(鳥取県)に

攻めてくるとは・・・」

 

イナバノクニヒメ「あなた。私も戦います。

私には武勇はありませんが、スサノオチャレンジのときに

チチブカネビメさんに教わった弩を作りました。

この弩で敵を射て、あなたを援護します。」

 

スケトヨ「イナバハクト様!ヘイケノキヨモリ軍7万が来ました!」

 

イナバハクト「よし!1万の兵で籠城だ!」

 

 

進軍するヘイケノキヨモリ軍7万。

鳥取要塞を見上げるヘイケノキヨモリ・・・

 

 

ヘイケノキヨモリ「良い要塞だ。これは攻めにくい。

イナバハクト。なかなかの良将だな。

配下に欲しいものだ。」

 

ヘイケノシゲモリ「父上。敵は我らの7分の1。

一気に踏み潰してやりましょう。」

 

ヘイケノキヨモリ「シゲモリよ。こういう固い要塞で、

1万の兵が良将に率いられ籠城している。

こういう要塞を攻めても、こちらもかなりの犠牲を覚悟せねばならん。」

 

ヘイケノシゲモリ「7倍の兵力差で・・・攻めぬのですか?」

 

ヘイケノキヨモリ「城を攻めるのは兵法では下の下。

1万の城兵を野戦に引き釣り出すのだよ。」

 

ヘイケノシゲモリ「出てくるでしょうか?

攻城戦を仕掛けないのであれば、

イナバハクト軍は、鳥取要塞に籠もっていれば、安全だと出てこぬのでは?」

 

ヘイケノキヨモリ「出てくるさ。

なぜなら、我らが鳥取要塞を素通りすれば、その先は・・・

ヤツらの娘のいる出雲(島根県)だからな。

ヤツらを引き釣り出して殲滅する。

神武の本軍が来る前にな・・・」

 

 

鳥取要塞に籠城するイナバハクト軍。

しかし、ヘイケノキヨモリ軍7万は、鳥取要塞を攻撃せず、

素通り、そのまま西に進んでいきます。

 

 

スケトヨ「申し上げます!

ヘイケノキヨモリ軍7万!

鳥取要塞を攻めずに、素通りし、そのまま西に向かっております!」

 

イナバハクト「なんだと!?西には、出雲(島根県)が!

ウサメ達子どもたちのいる出雲大社学宮がある!

奇襲をかける!ヘイケノキヨモリ軍を背後から討つぞ!」

 

イナバノクニヒメ「あなた!神武様の援軍を待つべきでは!」

 

イナバハクト「神武様の援軍は、こちらに向かってくれているのか?

情報がまるで来ないが・・・」

 

 

ヘイケノキヨモリ軍は、神武様からの伝令の使者をことごとく斬っていました。

情報が遮断されたイナバハクト軍。

実は、神武様率いる7万の軍勢が、このときすでに伯耆(鳥取県)の米子を過ぎ、

あと数日待てば、鳥取平野に到着する所まで来ていました。

その情報がイナバハクト軍に届いてれば、神武軍の到着を待ってイナバハクト軍が出陣し、

ヘイケノキヨモリ軍7万を8万の軍勢で挟撃することも可能でした。

しかし・・・

戦を決める一番の武器は情報。

その情報がヘイケノキヨモリにより遮断され、イナバハクトは判断を誤りました。

1万の兵で出撃するイナバハクト。

しかし、ヘイケノキヨモリ軍の背後を突くつもりで出陣したイナバハクト軍を、

ヘイケノキヨモリ軍7万の軍勢は鶴翼の陣を敷いて、待ち構えていました。

 

 

イナバハクト「やられた!俺が出陣してくることを

読んでいたのか!ヘイケノキヨモリ!」

 

ヘイケノキヨモリ「因幡王イナバハクトよ!

お前が算数も出来ぬ程度に計算ができぬ愚将でなければ、

勝敗が決したことは理解できよう!

お前ほどの将。殺すには惜しい!

降伏せよ!降伏し、鳥取要塞を明け渡して、この俺に仕えるのであれば、

お前とお前の家族達は助けてやろう!」

 

イナバハクト「ふざけるな!誰にものを言っている!

俺は、神武様が一の忠臣・イナバハクト!

貴様のような奸賊に下る男ではないわ!」

 

ヘイケノキヨモリ「そうか・・・惜しい男だが、

神武軍が来る前に鳥取要塞は落とさねばならんのでな・・・

全軍!かかれ!」

 

イナバハクト「神武様・・・俺はここまでのようです。

どうか、この奸賊どもを倒し、この日本(ヒノモト)を、

誰もが幸せに生きられる、一人一人が大切にされる

世界で一番、平和な国にしてください。

このイナバハクト。魂となっても、神武様をお守りいたします。

行くぞ!俺が、イナバハクトだ!ヘイケノキヨモリ軍の賊どもよ!

俺が相手をしてやるぞ!」

 

 

ヘイケノキヨモリ軍7万に突撃していくイナバハクト軍1万。

イナバハクトは奮戦しますが、さすがに多勢に無勢。

勝敗は明らかでした。

イナバハクトは、味方の兵が次々に討ち死にしていく中、

最後の一人になっても奮戦。

一人で13人の兵を切り倒します。

そして、そこで、複数の兵達に刺された傷からの出血により息絶えます。

享年33歳・・・神武様の出雲大社学宮王道クラスでの同級生の中で最初の犠牲者となりました・・・

 

 

ヘイケイノキヨモリ「イナバハクト・・・惜しい男だった。

これで、俺は神武の仇敵ということになるかな・・・

もう、後には退けん・・・」

 

ニイノアマトキコ「キヨモリ様。鳥取要塞はいかがなさいますか?」

 

ヘイケノキヨモリ「守備兵のいない難攻不落の要塞。

もらいうけよう。

みな、鳥取要塞を攻城する!進め!」

 

 

鳥取要塞・・・

 

 

スケトヨ「お、奥方様・・・イナバハクト様、

お討ち死にでございます!」

 

イナバノクニヒメ「そう・・・こうなることは覚悟していました。

ヘイケノキヨモリ軍は?」

 

スケトヨ「こ、この鳥取要塞に引き返してきております!

どうか、奥方様!お逃げください!」

 

イナバノクニヒメ「そう・・・この鳥取要塞に引き返してきているということは、

ほんの少しでも、神武様達が体制を整える時間を稼げたということね・・・

悔いは無いわ。私も・・・ハクトも。」

 

スケトヨ「奥方様!」

 

イナバノクニヒメ「私の遺書です。これを、出雲大社学宮にいるウサメに。

かつて、因幡の白ウサギがヤガミヒメ様を連れて出雲(島根県)の

オオクニヌシ様のもとへ逃れたときの隠し通路があります。

スケトヨ。お前は、これをウサメに届けなさい。必ずです!」

 

スケトヨ「はは!この命に代えても!」

 

 

スケトヨに遺書を託し、籠城するイナバノクニヒメ。

無傷の兵はおらず、敗走して負傷した100名ばかりの兵とともに、

鳥取要塞に籠城し、ヘイケノキヨモリ軍7万に抵抗するイナバノクニヒメ。

しかし、これもまた勝敗は明らかでした。

 

 

イナバノクニヒメ「はぁ、はぁ・・・頑張ったんだけど、

私もここまでみたいねぇ・・・

でも、ハクトと一緒に、楽しい人生だったわ・・・

ウサメ・・・あなたは必ず生きのびて、幸せになりなさいよ・・・」

 

 

イナバノクニヒメもまたヘイケノキヨモリ軍の降伏勧告を拒否。

鳥取要塞に火を放ち、イナバノクニヒメは自害します。

イナバノクニヒメ。出雲大社学宮家政クラス卒業の戦人でない女性・・・

彼女も、またその初の犠牲者となりました。

享年33歳・・・

 

 

その頃、伯耆(鳥取県)を進軍中の神武様・・・

 

 

神武「ハクト!クニヒメ!死ぬな!

俺たちが着くまで、なんとか耐え忍んでくれ!」

 

カグヤツキメ「神武様!申し上げます!

吉備(岡山県)のトクソウノトキムネ軍団に動きが!

トクソウノトキムネ軍3万5000が、安芸(広島県)に

向けて、出陣!さらに!」

 

神武「さらに!?」

 

カグヤツキメ「トクソウノトキムネ軍の蒙古騎馬軍1万5000が、

ジェルメ、ジェベ、スブタイの3将に率いられ、

出雲(島根県)に向けて出陣した模様です!」

 

神武「アイラのいる安芸(広島県)とタギシミミ、キスミミのいる

出雲(島根県)へ、蒙古騎馬軍が・・・

アイラ、タギシミミ、キスミミ、死ぬなよ!」

 

オンガエシオツル「神武様!安芸(広島県)あるいは

出雲(島根県)へ進路を変えますか?」

 

神武「いや。ヘイケノキヨモリ軍を放置はできない。

予定通り、因幡(鳥取県)へ進軍する!」

 

 

出雲大社学宮卒業生初の犠牲者を出した鳥取の戦い。

そして、タギシミミ達子どもたちがいる出雲(島根県)に迫る

残虐非道の戦慄の蒙古騎馬軍団!

果たして、子どもたちの運命は!?

今回は、ここまでに。

 

次回は、

 

第53話「未来を守れ!出雲大社学宮籠城戦!」

 

歴史の糸を紡ぐのは誰だ!?

ナビゲーターは、アメノウズメでした。