こんにちは。

アレテーを求めて~

今日もトコトコ( ・ω・)

弁護士の岡本卓大です。

 

神武征討記の登場人物等はこちら( ・ω・)

 

 

 

 

なお、この物語はフィクションです。

極右、ネトウヨからの批判、誹謗中傷は受け付けません。

本作の著作権は、作者に属します( ・ω・)

それでは、はじまりはじまり~

 

 

 

この物語は、日本という国の原型を作った一人の

空前絶後の英雄の生涯を描いた物語である。

 

神武征討記

第55話「進撃のヒヨシマル!そして、ミカワノタケチヨの策動!」

 

 

ストーリーテラーのアメノウズメでございます。

鳥取平野での神武軍とヘイケノキヨモリ軍の激突は、

神武十将軍の活躍により、神武軍の完全勝利に終わりました。

トクソウノトキムネ軍は吉備(岡山県)岡山県に撤退を開始。

オワリノブヒメ軍とエツノケンシン軍はこれを見送り、

神武王宮の主将であったアイラツヒメも、オワリノブヒメ・エツノケンシン軍の動きを見て、

追撃を取りやめます。

結果としては、トクソウノトキムネ軍3万5000は、広島の町をいったんは包囲したものの、

戦うことなく、吉備(岡山県)へ撤退しました。

広島の神武王宮に入場するオワリノブヒメとエツノケンシン。

 

 

アイラツヒメ「オワリノブヒメ殿、エツノケンシン殿。

遠い北陸から出雲(島根県)にいる子ども達を助けていただいた上に、

この安芸(広島県)にまで救援に来てくださり、ありがとうございます。」

 

オワリノブヒメ「ふむ。アイラ殿。よく追撃を取りやめたな。

お主も戦の筋が読めるのかな?」

 

アイラツヒメ「はい。トクソウノトキムネ軍の陣は後方を犠牲にして、

本隊を逃がすようにうまく敷かれていました。

出撃したとしても、トクソウノトキムネや将たちは捕らえられません。

そして、我が軍の兵にもいくらかの犠牲が出ていたでしょう。

神武であれば、きっと出撃はしません。」

 

エツノケンシン「さすがは、神武の妻だな。よく理解している。」

 

オワリノブヒメ「さて、あとはサル…ヒヨシマルが神戸を落とすのを待つかの。

東国であの三河(愛知県)のタヌキあたりが動き出さねば良いが。」

 

 

安芸(広島県)神武王宮を包囲していたトクソウノトキムネ軍は岡山に撤退。

そのころ、ヘイケノキヨモリの都である摂津(大阪府・兵庫県阪神地域)の神戸では…

 

 

ヘイケノトキタダ「わずか3000の兵で1万のヒヨシマル軍を防ぐなど、

無理でおじゃる!

金銀財宝!宝物を持って、姫路に逃げるでおじゃる~!」

 

ヘイケ兵A「ヘイケノトキタダ様!大変でございます!

宝物庫にヒヨシマル軍が侵入しております!」

 

ヘイケノトキタダ「なぬ!?宝物庫に!?

いかん!いかんでおじゃる!宝物庫には、

ヘイケノキヨモリ様のご自慢の宝物が!

特に、黄金の大杯だけは、奪われてはならぬでおじゃる!

宝物庫に急ぐでおじゃる!」

 

 

神戸の宝物庫に走りこむヘイケノトキタダ。

しかし、宝物庫はすでにヒヨシマル軍により占拠されていました。

そして、ヘイケノトキタダは、黄金の大杯に高級酒を注ぎ、飲み干すヒヨシマルの姿を目にします。

 

 

ヘイケノトキタダ「無礼者~!

そこのサル顔の雑兵!その黄金の大杯は、ヘイケノキヨモリ様の

お宝!お主のような雑兵が触れてよいものではないでおじゃるぞ!」

 

ヒヨシマル「うん?サル顔の雑兵?あんた誰じゃ?」

 

ヘイケノトキタダ「我こそは、ヘイケノキヨモリ様が一の家臣!

ヘイケノキヨモリ様の妻ニイノアマトキコの弟でもある、

ヘイケノトキタダであるぞ~!

えらいんじゃぞ~!」

 

ヒヨシマル「ほう。あんたが、神戸の守将か。

それで、何しに来たの?」

 

ヘイケノトキタダ「無礼者~!ヘイケにあらずんば人にあら~ず!

その黄金の大杯を返さんかぁ~!」

 

ヒヨシマル「ヘイケノキヨモリって人はすごいのう。

こんなに大量の財宝が。我が軍は民からの略奪は禁止しているが、

ヘイケノキヨモリの財宝は、売りさばいて軍資金として使わせてもらおう。

この黄金の大杯は気に入った!

このわしが使おう!」

 

ヘイケノトキタダ「ええ~い!この盗人のサル野郎が!

下郎!おのれなどが、触ってよいものではないと言っておろうが!」

 

ヒヨシマル「あんた。わしが誰かわかって、

しゃべっておるのか?」

 

ヘイケノトキタダ「サル顔の雑兵が誰かなど、どうでもよいわ~!

ヘイケにあらずんば人にあら~ず!」

 

ヒヨシマル「こいつが神戸の主将。こいつを捕えれば、

神戸は攻略終了じゃ。捕えよ。」

 

ヘイケノトキタダ「ひっ!なんで、雑兵がわしを捕える命令を!?」

 

ヒヨシマル「だって、わしがこの軍の総大将だもん。

わしが、神武十将軍の一人。日輪太閤ことヒヨシマルじゃ。」

 

ヘイケノキヨモリ「ええ~!?このサル顔のちっちゃいのが、

神武十将軍のヒヨシマル~!?」

 

ヒヨシマル「わしって、やっぱ、貧相に見えるのかのう?

せっかくだから、神戸で新しい立派な着物や鎧をこしらえるかのう。」

 

 

ヘイケノトキタダは捕らえられ、神戸は陥落した。

 

 

ヒヨシマル軍神戸攻略!

 

 

ヘイケノキヨモリの都・神戸を攻略したヒヨシマルは、ヘイケノキヨモリの宝物庫にあった

大量の宝物を伽耶国のカヤグムに売りさばき、莫大な軍資金を得ます。

これにより、ヒヨシマルは日本(ヒノモト)一の大金持ちになったも同然となりました。

ヒヨシマルは神戸のデザイナーに新しいオシャレな着物と鎧を注文しつつ、摂津(阪神地方)の調略を進めていきました。

金銭を惜しみなく使うヒヨシマルに、最初は抵抗していた摂津(阪神地方)の豪族や民衆たちも、ヒヨシマルに従うようになっていきました。

そして、人口が多く商業が盛んな摂津(阪神地方)を失ったヘイケノキヨモリはその経済基盤をヒヨシマルに奪われることになります。

播磨(兵庫県)姫路要塞。

 

 

ヘイケノキヨモリ「おのれ!サルめ!

百姓出身の下郎のくせに、この俺が手塩にかけて育て上げた神戸を!

神戸を奪い返す!

軍勢を整え、神戸へ向かうぞ!」

 

ヘイケノシゲモリ「父上!但馬(兵庫県北部)の豊岡がカムイ・ツチミカドヒメ軍に

攻略されました!

摂津(阪神地方)に続き、但馬(兵庫県北部)も神武勢力に奪われ、

もはや、我らの領地は、この播磨(兵庫県西部)のみでございます!」

 

ヘイケノキヨモリ「くっ!とても神戸出兵ができるだけの兵力も

経済力も無いか。

おのれ…神武軍!」

 

ニイノアマトキコ「ああ…神戸の宝物庫にあった財宝もすべて奪われ、

弟のトキタダも捕虜となってしまいました。

大和(奈良県)とも切り離され、我らは大和勢力の飛び地…

隣国の吉備(岡山県)とともに、神武勢力に包囲された形にございますわ…」

 

ヘイケノキヨモリ「吉備(岡山県)にはトクソウノトキムネ軍団と

ヘイハチトウゴ水軍がいる…

ここは、吉備(岡山県)と連携して戦える体制を作ることが先決か…」

 

 

ヒヨシマルはしばらくの間、神戸を本拠に摂津(阪神地方)の経略を行っていました。

ある日、軍師のミノノハンベエとヒメジノカンベエを呼び軍議を行います。

 

 

ヒヨシマル「ヘイケノトキタダからは何か情報は得られたか?」

 

ミノノハンベエ「面白い話が出ました。

山城・丹波・丹後(京都府)は、大和軍総司令官ヤマトノアヤタムラマロの配下である

ドウサン、ソウウン、マツナガノヒラクモという将たちが治めていますが、

どうやら、この3名とも、ヤマトノアヤタムラマロに対する忠誠心が下落しているようです。」

 

ヒヨシマル「ほう?なぜだ?」

 

ミノノハンベエ「ヤマトノアヤタムラマロは先の奥州独立戦争を私闘として行いました。

智謀の士であるドウサン、ソウウンの二人はその出兵に反対し、それ以後、冷遇されているようです。

また、マツナガノヒラクモという男。この男は、義理というものを馬鹿にした人間で、

彼の義理を数値で表すなら、100点満点中の1という義理の低さの男のようです。」

 

ヒヨシマル「ほほう?とすると?」

 

ミノノハンベエ「計略を仕掛けます。

駆虎呑狼の計でございます。」

 

ヒヨシマル「くこどんろうのけい…?なんじゃ、それは?」

 

ミノノハンベエ「簡単に言えば、野心ある将に謀反を起こさせる計でございます。

ドウサン、ソウウン、マツナガノヒラクモ。3将とも野心ある梟雄とも言うべき者たちです。

この者らに謀反を起こさせ独立され、我らと盟を結ばせ、大和勢力の本国である

大和(奈良県)を包囲いたします。」

 

ヒヨシマル「よし!ハンベエの策を採用する!諸事任せる!」

 

ミノノハンベエ「御意。」

 

ヒヨシマル「この神戸はヘイケノキヨモリの影響力が大きく、

また海に開けていて商業には良いが守りにくい。

どこか、我らの政庁を置く都として良い土地は無いものか?」

 

ヒメジノカンベエ「それならば、大坂が良いでしょう。

大坂に大要塞を築けば、大和(奈良県)は目と鼻の先。

水運も良く、また守りやすい地にございます。」

 

ヒヨシマル「大坂…なんかええ響きやなぁ!

その大坂を本拠地にしよか!」

 

ヒメジノカンベエ「(はて?ヒヨシマル様は日向(宮崎県)高千穂の生まれのはず。

なぜに、関西弁を?まあ、よいか…)」

 

ヒヨシマル「カンベエ!大坂要塞の建設の指揮を頼む!

大きな町も作り、町ごと要塞化しよう!」

 

 

こうして、ヒヨシマルはミノノハンベエにドウサン、ソウウン、マツナガノヒラクモの3将が謀反するよう工作を、

ヒメジノカンベエに大坂要塞の建設を命じました。

そして一月後…

 

 

謀反!

山城(京都府)にて、マツナガノヒラクモが大和勢力に反旗を翻し独立しました!

丹波(京都府丹波地方)にて、ドウサンが大和勢力に反旗を翻し独立しました!

丹後(京都府丹後半島)にて、ソウウンが大和勢力に反旗を翻し独立しました!

 

マツナガノヒラクモは神武勢力と同盟を結びました!

ドウサンは神武勢力と同盟を結びました!

ソウウンは神武勢力と同盟を結びました!

 

 

大坂に大要塞が建設されました!

ヒヨシマルは軍団の政庁を大坂に移転しました!

 

 

ヒヨシマルは、新築された大坂要塞に移りました。

そこに、大和(奈良県)、河内(大阪府東部)から

大和軍総司令官ヤマトノアヤタムラマロ、

大和十二神将ナンボクチョウタカウジの連合軍15万が大坂に向けて出陣したとの報が入ります。

 

 

ヒヨシマル「配下3将に謀反されて激オコプンプンマルな、

ヤマトノアヤタムラマロと

河内(大阪府)太守のナンボクチョウタカウジの連合軍か。

15万とはずいぶん集めたのう。」

 

コイチロウ「兄者。15万の兵のほとんどは、播磨・但馬(兵庫県)、

吉備(岡山県)、丹波(京都府丹波地方)などから、大和(奈良県)や

河内(大阪府)に強制移住させられた者たちのようだ。」

 

ミノノハンベエ「率いる将たちは、大和(奈良県)・河内(大阪府)の豪族たち。

寄せ集めの烏合の衆ですな。すでに敵軍に間者を送り込んでおります。」

 

ヒヨシマル「大坂要塞に籠城する。我らが手を下すまでもなく、

敵軍は瓦解する。」

 

ヒメジノカンベエ「御意!」

 

 

15万の大軍勢で大坂要塞を包囲するヤマトノアヤタムラマロ・

ナンボクチョウタカウジ連合軍。

しかし、要害の地に作られた大坂要塞は固く、大和軍は無駄に兵を失っていきます。

そして…

 

 

ヤマトノアヤタムラマロ「なんじゃと!?兵どもが

ヒヨシマル軍に寝返っておるだと!?」

 

ナンボクチョウタカウジ「ヤマトノアヤタムラマロ殿!

旧神武勢力領だった播磨・但馬(兵庫県)、吉備(岡山県)などから

強制移住された兵たちが、雪崩を打ってヒヨシマル軍に寝返り、

大坂要塞に10万の軍勢が立てこもる状態となっておる!

これでは勝ち目はござらん!」

 

 

なんと15万の兵たちのほとんどが逃走。

その多くがヒヨシマル軍に寝返っています。

大兵力を率いてきたはずが兵力は逆転。

大和軍は、自らが率いてきた兵たちをヒヨシマル軍に提供したような形となります。

そして、10万の軍勢で打って出るヒヨシマル軍。

ヤマトノアヤタムラマロ・ナンボクチョウタカウジ連合軍は、壊滅し、

将たちは、みな敗走します。

 

 

ヤマトノアヤタムラマロ「おのれ~い!百姓上がりのサルが!」

 

ナンボクチョウタカウジ「逃げましょう!大和(奈良県)・河内(大阪府)

の守りを固めるしかありません!」

 

ヤマトノアヤタムラマロ「どいつもこいつも!

なぜ、このわしを裏切るんじゃ~!」

 

ナンボクチョウタカウジ「(あんたに人望が無いからだと思う…)」

 

 

大和軍の主力ともいうべきヤマトノアヤタムラマロ・ナンボクチョウタカウジ連合軍を破ったヒヨシマル。

大坂を本拠としたヒヨシマルの名声は瞬く間に全国各地に広まります。

そして、ヒヨシマルのいる大坂に和泉(大阪府南部)の堺から一人の商人がやってきます。

 

 

ヒヨシマル「ようおいで下さった。

わしがヒヨシマルじゃ。」

 

リキュウ「和泉(大阪府南部)の堺にて、商いをしております。

リキュウと申します。

ご尊顔を拝し奉り、恐悦至極にございます。」

 

ヒヨシマル「それで、何の用じゃ?」

 

リキュウ「堺の町は、これまで大和勢力の交易の中心地として栄えてきましたが、

堺の町衆で合議の上、今後は、ヒヨシマル様に堺はお味方させていただきとうございます。」

 

ヒヨシマル「むむっ!?それは、大和勢力の交易の窓口であった

堺の町が、このわしの味方になるということか!?」

 

リキュウ「その通りでございます。その代わり、ナンボクチョウタカウジらから、

堺の町をお守りいただけますでしょうか?

実は、堺の町衆は、大和勢力の税金の高さに嫌気がさしていたのでございます。

ヒヨシマル様の方が、無理な税の徴収はされず民の暮らしを考えて下さる。

それに…」

 

ヒヨシマル「それに?」

 

リキュウ「あなた様は、なにか楽し気です。

ヒヨシマル様とともに歩む方が楽しく生きられる気がいたします。」

 

ヒヨシマル「リキュウ殿!リキュウ殿!

わしが堺の町は守ってやるからのう!

末永く、来世まで、仲良くしてちょうよ!」

 

 

堺の商人リキュウ。戦国の世に千利休として生まれ、ヒヨシマルの生まれ変わりである

豊臣秀吉の茶頭となる人物。

堺の町を味方につけたヒヨシマルは、全国一ともいうべき経済力を誇るようになります。

さらにヒヨシマルの快進撃は続きます。

ヘイケノキヨモリの避難した播磨(兵庫県)姫路…

 

 

ヘイケノキヨモリ「くっ!神武軍、動いたか!」

 

伝令A「急報にございます!

但馬(兵庫県北部)の豊岡より、

カムイ・ツチミカドヒメ軍2万がこの姫路に向けて出陣!」

 

伝令B「讃岐(香川県)高松より、

トサノリョウマ水軍1万がこの姫路に向けて出陣!」

 

伝令C「淡路(淡路島)洲本より、

ハチスカノコロク水軍5000がこの姫路に向けて出陣!」

 

伝令D「摂津(阪神地方)大坂より、

ヒヨシマル軍がこの姫路に向けて出陣!

その数…5万!」

 

ニイノアマトキコ「あ、あなた!この姫路には3万しか兵がおりません!

8万5000もの大軍!

とても戦えません!」

 

ヘイケノキヨモリ「おのれ…サルめ…

ここまでの連携を手配しおるとは…

みな!犬死するな!

我らは全軍、吉備(岡山県)へ撤退し、

トクソウノトキムネ、ヘイハチトウゴと合流する!」

 

ニイノアマトキコ「ああ…西国に大勢力を持っていた

我らが、飛び地の岡山で他の軍団と仮住まいだなんて…」

 

 

ヒヨシマル・トサノリョウマ・カムイ・ツチミカドヒメ連合軍が、

播磨(兵庫県)を攻略!

 

 

ヒヨシマルの快進撃により大和勢力は、本国である大和(奈良県)のほかは、

伊賀(三重県)、河内(大阪府東部)、吉備(岡山県)、阿波(徳島県)、土佐(高知県)以外の西国の領土をことごとく失いました。

しかもヘイケノキヨモリ、トクソウノトキムネ、ヘイハチトウゴの3人の神将がいる吉備(岡山県)は飛び地。

四国もソガベモトチカが実質的には独立状態にあり、かつては多くの国を領有していた大和勢力の第一軍団のテリトリーは、

大和(奈良県)、河内(大阪府)、伊賀(三重県)のみにまで追い詰められています。

ヒヨシマルは、大坂の町を開発し、キノシタノオネや母親などの家族も伊勢(三重県)から大坂に呼び寄せました。

飛ぶ鳥を落とす勢いのヒヨシマル。

しかし、その動向を冷静に分析している男が、一人だけおりました。

三河(愛知県)岡崎…

 

 

エビスクイサエモンノジョウ「殿。また、

ヤマトノアヤタムラマロ総司令官から、オワリノブヒメ領を攻撃せよと

催促が来ております。」

 

ミカワノタケチヨ「そうかい。そいつはシカトしとけ。

今、オワリノブヒメ領なんぞ攻めても、戦女神のお姉さんを怒らせて、

後から仕返しされるだけで、なんの戦略的意義も無い( ・ω・)」

 

エビスクイサエモンノジョウ「まあ、同じように、関東の

ゲンジノヨリトモ殿も、エツノケンシン領への侵攻命令を無視しておりますしねぇ。」

 

ミカワノタケチヨ「ゲンジノヨリトモさんは馬鹿じゃない。

今、ゲンジノヨリトモの南関東はドクガンリュウノマサムネの奥州連合との

交易が上手くいってて、経済はうまく回ってる。

南関東に侵攻する意思の無いエツノケンシンとあえて戦って、

国力を疲弊させ、兵や民を死なせるようなアホなことする男じゃないよ。

ゲンジノヨリトモってヤツは( ・ω・)」

 

イガノハンゾウ「イガノハンゾウ参上!」

 

ミカワノタケチヨ「おっ。来たか。で、

どうだった?伊勢(三重県)は?」

 

イガノハンゾウ「ヒヨシマルは大坂に本拠を移し、

キノシタノオネや母親も大坂に移動させたようです。

伊勢(三重県)はサワヤマノサキチを太守とし、

軍の指揮官としてフクシマノイチマツを残しているようです。」

 

ミカワノタケチヨ「そうかい。手ごわいオネさんが大坂に行ったか。

頭脳のサワヤマノサキチに武勇のフクシマノイチマツ。

良い配置だ…と言いたいが…

俺様のリサーチによると、あの二人は仲が悪い。

それも、ものすごくだ。

将の配置ってのは、能力だけで決めちゃ

ダメなんだよな( ・ω・)」

 

ホンサドノマサノブ「クソ真面目なサキチと

ハメを外しやすいイチマツ。

もう間者は送り込んであります。」

 

ミカワノタケチヨ「それじゃ。待ちますか。

鳴かぬなら、鳴くまで待とう。ホトトギス。

二虎強食の計、発動じゃ( ・ω・)」

 

 

伊勢(三重県)に残ったヒヨシマル軍の将は石田三成の前世であるサワヤマノサキチと

福島正則の前世であるフクシマノイチマツ。

サキチは智に、イチマツは武にそれぞれ優れた名将でしたが、

残念なことに、この二人は、仲が悪く、ことあるごとに衝突していました。

伊勢の高級酒家『愛羅武』。この店に飲みに来たフクシマノイチマツにシュカノママが何やら愚痴っています。

 

 

シュカノママ「ほんっと!サワヤマノサキチ様は頭が固いわぁ!

あんな杓子定規にやられたら、あたしら高級酒家なんて商売は、

やってけないわよ!」

 

フクシマノイチマツ「サキチの奴は、遊びを知らん!

俺様が言い聞かしてやるぜ!」

 

 

高級酒家を杓子定規に厳しく取り締まるサワヤマノサキチに水商売業界からは不満の声が上がっているようです。

それを聞き、フクシマノイチマツはサワヤマノサキチにもの申します。

 

 

フクシマノイチマツ「サキチ!お主の行政は厳しすぎると、不満の声が上がっておるぞ!」

 

サワヤマノサキチ「何が厳しすぎるものか!私は、ヒヨシマル様のご命令と

法に基づいて適正に国政を運営しているのだ!

イチマツ!武人であるそなたは、国政に口を出すな!」

 

 

なにかと衝突する二人。ある日、フクシマノイチマツは、サワヤマノサキチが自分を殺そうとしているという噂を聞きます。

一方、サワヤマノサキチはフクシマノイチマツが謀反を企んでいるという噂を聞きます。

互いに、疑心暗鬼になっていく二人。

これは、もちろん、ミカワノタケチヨの間者が流した流言でしたが、

もとから仲の悪い二人は、その流言を真実だと思い込んでいきます。

さらに伊勢(三重県)の諸集落を次々に懐柔していくミカワノタケチヨ軍団。

文官のトップであるサワヤマノサキチと武官のトップであるフクシマノイチマツの対立が深まる中、

伊勢(三重県)の主だった者たちには、ミカワノタケチヨの手が回ってしまいます。

そして…

 

 

サワヤマノサキチ「三河(愛知県)のミカワノタケチヨ軍が伊勢(三重県)に

攻めてきただと!?

上陸させるな!海上で食い止めよ!」

 

側近「サワヤマノサキチ様!迎撃する軍がありません!」

 

サワヤマノサキチ「イチマツはどうした!?」

 

側近「鈴鹿で軍事演習をしております!伝令を送りましたが、

上陸を食い止めるには間に合わぬかと!」

 

サワヤマノサキチ「なぜ!?こんなときに、鈴鹿になどおるのだ!

あのアホウが!」

 

 

情報が集まるものの兵がいないサワヤマノサキチ。

兵を率いながら情報が与えられず遠方にいたフクシマノイチマツ。

これではミカワノタケチヨ軍の相手ではありませんでした。

ようやく鈴鹿からフクシマノイチマツが5000の軍勢を連れて伊勢要塞に

たどり着いた時には、すでに伊勢要塞はミカワノタケチヨ軍の手に落ちていました。

 

 

フクシマノイチマツ「サキチの役立たずめ!

我らが着く前に伊勢要塞を落とされただと!」

 

副将「フクシマノイチマツ様!トンボキリヘイハチ軍1万が、

待ち構えております!

いかがなさいますか!?」

 

フクシマノイチマツ「トンボキリヘイハチ!

勝てるかよ!こんな兵力で!撤退じゃ!

紀伊(和歌山県)へ逃げるぞ!」

 

 

サワヤマノサキチは捕虜となり、フクシマノイチマツは紀伊(和歌山県)に撤退した。

 

 

伊勢陥落!

 

 

ミカワノタケチヨ「あんたがサワヤマノサキチか。

なるほど、賢そうな顔じゃな( ・ω・)」

 

サワヤマノサキチ「おのれ!このタヌキめ!

このようなことをして、ヒヨシマル様が黙っていると思うな!」

 

ミカワノタケチヨ「黙るさ。これから外交をするからな。

おい。逃がしてやる。この手紙を安芸(広島県)の神武に届けろ。

ヒヨシマルじゃない。神武宛だ。

これは勢力同士の外交。ヒヨシマルの家臣のおまえさんが

口出しできることじゃないぜ( ・ω・)」

 

サワヤマノサキチ「おのれ!このタヌキ野郎!」

 

ミカワノタケチヨ「ああ、いいことを教えといてやろう。

俺と君では器が違う。俺と争おうなどとは思わんことだ。

来世でもな( ・ω・)」

 

サワヤマノサキチ「ち、ちくしょう!」

 

ミカワノタケチヨ「軍は凶器。そうである以上、動かすときは

戦略的に意義のある場合だけだよ。

伊勢(三重県)を手に入れたことによって、俺たち

大和勢力の東西がつながった。

つまり、俺たち、ミカワノタケチヨ軍団の東海や

ゲンジノヨリトモ軍団の関東からも、本国・大和(奈良県)に

援軍を送ることが可能になったってことさ。

この伊勢(三重県)一国取るだけでな( ・ω・)」

 

 

アマテラス様をお祭りする神武勢力の一番の聖地・伊勢神宮…

その伊勢神宮を含む伊勢・志摩(三重県)は大和勢力のミカワノタケチヨの手に落ちました。

サワヤマノサキチは大坂のヒヨシマルにミカワノタケチヨの手紙を届け、

ヒヨシマルは、その手紙を安芸(広島県)神武王宮に送ります。

神武王宮には、因幡(鳥取県)から神武様が戻ってきていました。

ミカワノタケチヨの手紙を読む神武様。

 

 

神武「やれやれ。まさか我らの聖地・伊勢神宮が大和勢力の手に落ちるとはな…」

 

アイラツヒメ「神武。ミカワノタケチヨさんの手紙には何と書いてあったの?」

 

神武「読み上げよう( ・ω・)

親愛なる神武へ。

伊勢(三重県)はこのミカワノタケチヨがいただいた。

民たちの信仰はこれまでとおり認める。

民たちの生活にも大きな変化を起こすつもりはない。

また、神武勢力の者たちが伊勢神宮に参りたいときは、

参拝料さえ払ってくれれば参拝を認める。

参拝料は、一人500円。15歳以下の子どもは100円じゃ。

来れば歓迎するから、気軽にお参りに来るがいい。

また、伊勢(三重県)をめぐって、無駄に兵を死なせるのは

お互いに無しにしようや。

ミカワノタケチヨ( ・ω・)」

 

チチブカネビメ「伊勢(三重県)を奪ったうえで、

停戦の申し出でございますね。

参拝料一人500円…まあ、それくらいでしょうか。」

 

神武「まあ、大和勢力でも、ミカワノタケチヨなら、

伊勢(三重県)を悪いようにはせぬだろう…

ヒヨシマルには、伊勢(三重県)の奪還は不要であると返事をしておけ。」

 

チチブカネビメ「西国では我らが圧倒していますが、

東国の軍勢が大和(奈良県)の防御に来る場合。

やっかいでございますね。」

 

神武「やはり…最後の相手は、あのミカワノタケチヨなのかもね…

あいつとは、戦いたくないもんだ( ・ω・)」

 

 

大坂を新たな本拠地に関西で快進撃を見せた豊臣秀吉の前世ヒヨシマル。

戦略的に意義の大きい伊勢(三重県)一国を計略により奪った徳川家康の前世ミカワノタケチヨ。

神武軍と大和軍との戦いは、まだ始まったばかりである。

さて、今回は、ここまでにしておきましょうか。

次回は、

 

第56話「土佐の英雄決定戦!知将トサノリョウマ 対 勇将ソガベモトチカ!」

 

歴史の糸を紡ぐのは誰だ!?

ナビゲーターは、アメノウズメでした。